2015年09月30日

カワサキか・・・


「カワサキか・・・」

は、2ちゃんねる発祥といわれる、いわゆる「コピペ名文」というやつです。



ホンダのバイクを

ヤマハに持ち込む→まぁ、ホンダも直せなくはないけどね

スズキに持ち込む→ツマラン、どこかに細工してやろうか・・・

カワサキに持ち込む→出てけゴルァァァァァァァァァァァ!!

ヤマハのバイクを

ホンダに持ち込む→おぅ、ヤマハさんのバイクか

スズキに持ち込む→打倒ホンダの僚友だ、バッチリ直してやるぜ

カワサキに持ち込む→けっ、優等生バイクか

スズキのバイクを

ホンダに持ち込む→けっこう癖のある作りしてんだよね

ヤマハに持ち込む→スズキさんか・・・部品取り寄せとか大丈夫かな

カワサキに持ち込む→スズキか、最近小奇麗にまとまっちまいやがって・・・

カワサキのバイクを

ホンダに持ち込む→カワサキか・・・

ヤマハに持ち込む→カワサキか・・・

スズキに持ち込む→カワサキか・・・

カワサキに持ち込む→カワサキか・・・


つまりこれは日本の4大バイクメーカーの特性を現したものとして、実に秀逸なコピペなんです。

一般的に

ホンダ→「業界一位、乗りやすく壊れにくく、整備もしやすい安定のブランド。スーパーフォアを筆頭に”長く乗れて乗り手と一緒に成長できるバイク”を作る。初心者に優しいバイク界の良心」

ヤマハ→「業界二位、乗りやすく高級志向。SRなど初心者がノーマルで乗っても上級者がいじり倒してもOKな人気車でおなじみ。実はサーキットにも強かったりするバイク界の優等生」

スズキ→「業界三位、”打倒ホンダ!”を目指しているのか、クセが強く、KATANAなど斬新なデザインのものを開発する。故障した際のパーツ取り寄せなどで結構苦労する。が、そのクセに魅了された人はスズキ以外には乗れないほどメロメロになちゃう」

カワサキ→「”男は黙ってカワサキ”の格言にもあるように、クセやアクこそが個性。分かるヤツだけ分かればいいを地で行く孤高の”単車屋”。かつて速度追求のために安全性や操作性、整備性など全てを投げ捨てた恐るべき殺人マシーン”マッハV”など、個性の強いバイク”しか”作らない。壊れたら自分で直せ!と言わんばかりのダイナミックな発動機その他を搭載していて、初心者には厳しい。が、一度そのクセに魅了された者は(以下略)



という、各メーカーのそれぞれの個性が、一発でわかりますよね(^^)

そんなアタシもカワサキ好きです。

「乗りたいなー」と今でも憧れているのは「4ストマッハ」「じゃじゃ馬」と呼ばれてた”ザンザス”です。


あ、ちなみに今の単車業界は、技術の進歩と共に、それぞれ上記の個性の幅が縮まってはおるようです。問題の(笑)カワサキもゼファーという超ロングセラーの人気バイクがあるように、90年代以降は割りと堅実な路線を歩んでおりますので、カワサキのこと、嫌いにならないでくださいね(^^;










『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 19:22| Comment(0) | つぶやき、小ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月29日

福山雅治 結婚

1.1.jpg

福山雅治/魂リク
(ユニバーサル)

はい、芸能事には疎いアタシでありますが、流石に「福山雅治、吹石一恵と結婚!」のニュースはチェックしました。

というのも、福山雅治は、実は密かにミュージシャン(主にギタリストとして)、そして「音楽好きの先輩」としてリズペクトしているんですよね。

素のアタシを知っている人なら「えぇ!?」と驚くかも知れません。

もちろんアタシも最初から福山雅治好きだった訳ではありません。

アタシが若かった1990年代前半は、モデルとして役者として「完璧な美男子」として福山人気、そりゃもう凄いもんでありました。

だから当然世の男の常として「なんでぇ、チヤホヤされやがってよぉ」と、張り合える顔面でもないくせに勝手に嫉妬しておったんですね、いや、お恥ずかしい。

それからしばらくして、ドラマ「ひとつ屋根の下」で見せた「ちい兄ちゃん」の演技がなかなかに渋くて「このヒトはもしかしたらただ見た目がいいだけの役者さんじゃないかも知れない」と思いながらも「ふ、福山雅治なんて・・・」と、オモテではのたまっておりました。いやいやお恥ずかしい。

しかし、90年代半ばになってくると「HELLO」とかのシングルがヒット、極めつけは2000年の「桜坂」です。

ね、ルックスもいい、演技も上手い、その上歌なんか唄ってもヒットしやがる!と、アタシの中のみにくい男子の本能は、勢いよくメラメラと燃えておったんです。

いやいやいや、お恥ずかしい・・・。

しかし、あるテレビ番組で、福山雅治自身が「音楽を語る」みたいなコーナーがあって、そこで彼は「自分はARBとかSIONとかサンハウス(鮎川誠のロックバンド)、それから浜田省吾とかブルース・スプリングスティーンなんかが好きで・・・。実は中学の頃からバンドやってて、本当はミュージシャンになりたくて長崎なら上京したんだけど、結局役者になるということになって・・・」と、語っているのを見たんですね。

その時の真剣で純粋な目つき、静かなトーンだけどアツい想いがジワジワと伝わってくる真摯な語り口を聞いて「あぁ、この人音楽が本当に好きなんだな・・・」と、何か感じるものがあって、それ以来本当に「隠れ応援者」でおります。

いや、確かに自身で作詞作曲した曲は「誰が聴いても”福山雅治のイメージ”を壊さないような佳曲」が多くて、それはそれでJ-POPとしてはアリだと思うんですけど(昔は石原裕次郎とか小林旭とかが唄うようなもんで、俳優としては王道なんですよね)、アタシは彼が”好き”で”想いを込めて演奏してるカヴァー曲”が結構好きです。

ファンの方には「何をいまさら」と怒られそうですが、実に15年間続いた福山雅治の人気ラジオ「福山雅治のオールナイトニッポンサタデースペシャル"魂のラジオ"」にて、ファンから「これをカバーして欲しい」とリクエストがあった楽曲を収録した「魂リク」。

これ、全曲ギター弾き語りの素晴らしいカヴァー・アルバムなんですよね。



【収録曲()内はオリジナル】
1.銭形平次
2.元気を出して (竹内まりや)
3.長崎は今日も雨だった (内山田洋とクール・ファイブ)
4.心の旅 (チューリップ)
5.チェリー (スピッツ)
6.糸 (中島みゆき)
7.コーヒールンバ (作詞・作曲:Perroni Jose Manzo/井上陽水、ザ・ピーナッツほか)
8.Raining (こっこ)
9.雨やどり (さだまさし)
10.ZOO (エコーズ)
11.さらばシベリア鉄道 (大瀧詠一)
12.12月 (SION)
13.Midnight Blue Train (浜田省吾)


まずは一発目の「銭形平次」にニンヤリするんですが、ジョン・リー・フッカーもかくやと思われる泥臭いブギーのリズムでガッツガツに弾いて唄う福山、いや男らしい、素直にカッコイイです。

大体人気歌手のカヴァーといえば、何というか「企画」の臭いがしてアレだったりするんですけど、もちろんこのアルバムも「ファンからのリクエストに応えました」という企画といえば企画なんですが、そこは彼自身が「いや、本当はコレが唄いたい」というミュージシャンとしての想いがあって、それを長年聴いてきてもう”あ・うん”の呼吸で解るファンの愛のある選曲だと思います。

どの曲にもオリジナルに対するリスペクトがありますし、ただギターをジャカジャカ弾いてるだけじゃなくて、それぞれの曲に合ったプレイスタイルをちゃんと使い分けております(「コーヒルンバ」でのフラメンコ調とか「雨やどり」のアルペジオとか)。

個人的には自身が大ファンを公言してはばからないSIONの「12月」これ、沁みるなぁ・・・。



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 18:51| Comment(0) | 日本のロック・ポップス・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月28日

フレディ・キング 1937-1976

1.1.jpg
フレディ・キング 1937-1976
(RSO/ユニバーサル)

初期フレディ・キングの音源を聴いていたら、何だか気分がアガッてきたので、今日は70年代”ファンクなフレディ”を会社車でガンガン流しながらノリノリでした。

このアルバムは、1976年、42歳で亡くなったフレディ・キングのラスト・アルバムであります。

元々は普通にスタジオ・アルバムとしてリリースするために、74年からレコーディングが進められていたのですが、フレディの急激な体調の悪化と共に、遂にスタジオで完成を見ることなく、既に収録が完成したスタジオ録音に、ライヴ音源を追加収録して「追悼盤」としてリリースされたのが1977年。

こう書くと、何だかとっても悲しいアルバムのように思えてしまいますが、中身は自分をリスペクトしてくれている、クラプトン他の”白人ロック小僧”達と、ファンクビートに乗っかって楽しくそしていつものように豪快にギターを弾き倒し、ハリのある声を響かせるフレディが楽しめる”70年代ファンキー・ブルースのこの一枚”ぐらいにゴキゲンなアルバムなんです。

最初アタシはフレディ・キング「3代キングの中では一番早く亡くなってるし、活動期間も短いから、どのアルバムも作風は似たようなもんだろう」と思っておりました。それにほら、モダン・ブルースて、正直に言いますけど、カッチリと”パターン”が決まってるでしょう。だから「とりあえずハイダウェイとかその辺聴いてればいいかー」と思ってて、で、たまたま「あ、これ、あんま見らんジャケットだ。まぁどうせ一緒だろうから買っちまえ」ぐらいの軽い、もう本当に軽〜い気持ちで買ったんですけどね・・・。

1曲目「ピック・イット・アップ」つづく2曲目「シェイク・ユア・ブーティ」での、イケイケの16ビートに「何じゃコレ!おっそろしくファンキーなんだが!!!!」と、5回ぐらい卒倒しました。

「フレディ・キングが、ファンクやってる!」これ衝撃でした。

しかも、ファンクやりながらも、ギターにも歌にも全然気負いがないんですね。

例えばB.B.だったら、すごく真面目に「新しいサウンドをモノにしなきゃ」と考えて、結果としてスタジオ盤ではB.B.のプレイ自体は良いけど周りのサウンドがちょっとチープよね・・・という作品もありました。

アルバート・キングはそのへんしたたかで、バックがソウルだろうがAORっぽかろうが好きにやらせて、自分のプレイスタイルは一切変えない(笑)。このアルバートの姿勢、おじちゃんは凄く好きなんだけど、軽〜いサウンドの中から「ずばばーん」と浮かび上がってくるチョーキングだけが聴ければそれでいい。とか、そんな感じで、やっぱりスタイルとサウンドに違和感があったりしました。

まぁ、両キング共にそういった作品の”違和感”を楽しめるから、結果イズ・オーライなんですが、フレディがやってる”ファンク”には、そういった違和感全くないんですよね。

やっぱり戦後にブルースだけじゃなくて、ジュークボックスでヒットを連発していた50年代のR&Bやジャズや、チャック・ベリーらのロックンロール、そしてロカビリーとか、少年期に既にラジオ等で「最新の色んな音が聴けた」モダン世代ならではの感覚というんでしょうか、年代的にはフレディがブルースマンとしてテキサスからシカゴへやって来た時既に、黒人若者の憧れといえば”俺たちのジェイムス・ブラウン”でしたから、つまりフレディやバディ・ガイ、ジュニア・ウェルズ等「60年代の黒人青年」にとってみれば「ブルースとそれ以外のブラック・ミュージックの境界」なんてとっても曖昧で

「いや、ソウルもファンクも一緒じゃね?だってブルース・フィーリングあるもん」

ぐらいな感覚であったんじゃなかろうかと思うのです。

特にアタシら日本人は「ジャンル」というものにこだわって「これはブルースじゃない」「これはソウル、これはファンク」と、意識してなくても何となく分けて(つまり構えて)音楽聴いてしまう悪いクセがあります、ソイツをまずは取っ払って「ゴキゲンなブラック・ミュージック」として70年代フレディは聴きましょう。





1.パック・イット・アップ
2.シェイク・ユア・ブーティ
3.もしも
4.ウーマン・アクロス・ザ・リヴァー
5.スウィート・ホーム・シカゴ
6.シュガー・スウィート
7.TVママ
8.ギャンブリング・ウーマン・ブルース
9.ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード


楽曲の説明をちょいとすれば、@ADがマイク・ヴァーノン、ボビー・ランチ、ピート・ウィンフィールド、クリス・マーサーらとフロリダのスタジオで行ったセッション。

同じ1974年でも8月5日に録音されたEFGは、エリック・クラプトンやカール・レイドルの”デレク・アンド・ザ・ドミノス・コンビ”が参加。

多分この6曲が「フレディ・キングのアルバム」と予定されてレコーディングされたものだと思います。

BCは1975年3月31日に、地元テキサス州ダラスで行われたライヴ。そして本当の意味での「最後の最後の音源」となったHが、1976年11月15日に、地元ダラスのコンベンション・センターで行われたライヴ。この3曲が「追加」の部分じゃなかろうかと思います。


「ファンク色濃い」といっても、やっぱり”凄み”を感じさせる王道スロー・ブルースのBや、ロバート・ジョンソン作のブルース・スタンダードD、”師匠”との競演に純粋なギター小僧になって弾きまくってるクラプトンとの応報もゾクゾクするGなんかを聴くと、やっぱりフレディ、すげぇブルースマンだよ・・・。とひしひしと感じるのであります。

全体的にグルーヴィーで”ゴキゲン”の一言に尽きる作品ですが、クラプトンがヴォーカル&メイン・ギターで頑張ってるラスト・ナンバーのHとかを聴くと「あぁ、やっぱり遺作なんだなぁ・・・」と、切ない気持ちになってきます。

このアルバム、今は盤権をメジャーのユニバーサルが持っていますが、アトランティック子会社だった”RSO”というややマイナーなレーベルの作品ですので、再発は貴重かもです。


”フレディ・キング”関連記事

『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 19:04| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月25日

フレディ・キング The King Years 1961-1962

1.1.jpg

Freddie King/The King Years 1961-1962
(Not Now Music)

B.B.キング、アルバート・キングときてあぁそうだ「3大キング」の最後の雄、フレディ・キングであります。

フレディといえばB.B.やアルバートよりもひと世代(大体10歳ぐらい年下)で、バディ・ガイマジック・サムオーティス・ラッシュなどと同世代。

つまり少年時代にTボーン・ウォーカーやB.B.キングの演奏を熱心に聴き、その「モダン・ブルース技法」を自らの血肉となるまで研究した、最初の世代であるといっていいでしょう。

凄腕のギタリスト達がひしめく「モダン・ブルース第二世代」の連中の中から、フレディがポーンと抜けて先輩格の二人と並び称されるようになった理由は「たまたまキング姓だった」とかいうことではない、それと「ブルースマンとして最も脂の乗り切った42歳という年齢で夭折してしまったから」というのでもない、確かにズバ抜けた実力と、他を圧倒する個性でもってブルースの歴史を華やかに彩ったからに他なりません。

B.B.キングの必殺チョーキングを更に攻撃的にしたかのような、一撃必殺のギター・フレーズに、アルバート・キング譲りのズ太く伸びのあるトーン、独特のちょっとタメを効かせて一気に弾きまくる体感速度もブイイウ上がるノリの良さ、そしてその巨体から発せられる、時にワイルドで、時にメロウな歌声の素晴らしさ(これ、結構ポイントよ。

、更にゴリゴリのスロー・ブルースからジャンピン・ジャイブなブギー、更にラテンやソウル/ファンク系まで、結構何でもこなせるマルチな才能・・・こういった諸々が、フレディ・キングを堂々「キング(王)」たらしめた大切な要因でありましょう。

もちろん後世のエリック・クラプトンがブルースをやるときに、ギターの弾き方から唄い方まで”まんま”フレディを意識していたこととか、幼い頃隣近所に住んでいた(!)スティーヴィー・レイ・ヴォーンが「あの人はホント凄かったぜ」と語ったこととか、まぁその辺の話も色々とあるんですが、話せば長いです(汗)、まずはフレディを聴いてみましょう。




(Dics-1)
1.See See Baby
2.Lonesome Whistle Blues
3.Takin' Care Of Business
4.Have You Ever Loved A Woman
5.You Know That You Love Me (But You Never Tell Me So)
6.I'm Tore Down
7.I Love The Woman
8.Let Me Be (Stay Away From Me)
9.It's Too Bad Things Are Going So Tough
10.You've Got To Love Her With A Feeling
11.If You Believe (In What You Do)
12.You Mean, Mean Woman (How Can Your Love Be True)
13.Do The President Twist (with Lula Reed)
14.You Can't Hide (with Lula Reed)

(Disc-2)
1.Hide Away
2.Butterscotch
3.Sen-Sa
4.Side Tracked
5.The Stumble
6.Wash Out
7.San-Ho
8.Just Pickin'
9.Heads Up
10.In The Open
11.Out Front
12.Swooshy
13.(Let Your Love) Watch Over Me (with Lula Reed)
14.It's Easy Child (with Lula Reed)


フレディ・キング自体、活動した年月が短い人ですから、時期によってものすごくカラーが違うということはありません(70年代はバックがファンクだったり、スワンプ・ロック色強くなるものの、元々ファンキーなプレイ・スタイルなので違和感ナシ!)、が、あえて「この時期のフレディは押さえといた方がいいぜぇ」とアタシ個人的にオススメしたいのは、やっぱりデビュー時の60年代初頭「KING」レーベル時代の音源です。

名詞代わりの代表曲といっていい大ヒットインストナンバー「Hide Away」や、泣く子もむせぶ鬼のスロー・ブルース傑作「Have You Ever Loved A Woman」テキサス流儀のシャッフル・ビートに乗って唄&ギターともにゴキゲンな「You Know That You Love Me」など、既にこの時期から色々と極めて出来上がっているフレディが、このベスト二枚組にはガッツリ余すところなく収録されております。

いやしかし、今ドキのブルース・ファンは幸せですよ、アタシが若い頃は、フレディ・キング聴きたくても国内ではそんなに復刻されてなかったり、輸入盤は似たようなジャケットで、違う音源がバラバラに入ってるCDが色々出てたり、なけなしのお金をはたいて買ったら重複曲が結構あったり、「ちゃんと聴こう!」と思っても、なかなか「これ!」ていうアルバムなかったんですよね。。。

でも、今こうやって初期のしっかりした音源(統一レーベルの音源)が2枚組で、しかもありえんぐらいの格安で出てるとは、繰り返しますが今ドキのブルース・ファンは本当に幸せですよ・・・。






(コレはおまけ、70年代のライヴですがもうゴッキゲン♪)

『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 18:53| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月24日

ビッグ・ビル・ブルーンジィ ファーザー・オブ・ザ・シカゴ・ブルース・ギター

1.1.jpg
ビッグ・ビル・ブルーンジィ/ファーザー・オブ・ザ・シカゴ・ブルース・ギター
(Pヴァイン)

戦前ブルースを聴いていると必ず「1本のギターなのに2本鳴ってるように聞こえる」

という不思議体験をします。

アタシの場合は最初にロバート・ジョンソンを聴いたとき

「コレは絶対ベース音担当のサイドギターがいるに違いない!にしてもすごいではないか、完全にロバートと息がピッタリだ!!」

という、お決まりのパターンにハマり(^^; あとでライナノーツを見て、あ、キース・リチャーズがおんなじこと言ってる。と気付くに至った次第。

そこで、これもお決まりのパターンなんですが

「えぇ!?」

となります。

いや、だってありえんでしょう。まだコードジャカジャカしか出来なかったギター初心者の十代には「親指でルートを弾いて他の指でメロディーを弾く」なんて、指弾きのアルペジオなんかよりも遥かに遠い、まるで異次元のよーな話でしかありませんでした。

必死で耳コピしようとしては何度も挫折し、それでも食らい付いて、何とか「それっぽいこと」が出来るようになるまでに、ようやく1年半ぐらいかかりました。

その頃はみんな早弾きの練習してて、アタシよりどんどん上手くなっていくのを「ちくしょー」と横目で見ておりましたが、アタシは正直早弾きよりも”そっち”を極めたくて、黙々と練習していました。

で、ロバート・ジョンソンは、まぁ何となく(上手く出来ないところははしょりつつ)弾けるようになった。

丁度運よく上京してすぐにステファン・グロスマンの「カントリー・ブルース・ギター奏法」みたいなビデオも購入して、ロバート・ジョンソンやサン・ハウスだけでなく、ミシシッピ・ジョン・ハートやマンス・リプスカムの奏法解説などを見ながら「なるほど、親指でルートをキープしつつ人差し指でオブリガードを合間に挟むのか・・・」と、一応理論的に納得のようなものをしたら、あの「何をどうやってるか全く分からなかったミシシッピ・フレッド・マクダウェルの弾き方もどきもなんとなく出来るような木がしてきました。

あの頃は「ビデオ」ってのが本当に貴重だったんですよ。

特に戦前の、ほとんど伝説の中にしかいないようなブルールマン達の「動く姿」というのは、拝めるだけでもう御の字だった。

というわけで、ある日ライノから出ていた「ストーリー・オブ・ザ・ブルース」というビデオを見つけます。

これはですね、何と!中学からの憧れのレッドベリーの貴重な映像が入ってるというので、即買いしました。

入っていたのは「Pick A pale of Cotton」の1曲だけ。

それでも「動くレッドベリー」がまさか観れるなんて、想像もしていなかったので(しかもカラー)、卒倒しました。

しかも、そのビデオにはサン・ハウスの映像や、ベッシー・スミスの「セント・ルイス・ブルース」なんかも入ってて、戦前ブルース好きにはもうたまらんだったんです。

で、をうをう言いながら観てたんですけどね、そん時に出会ったのがビッグ・ビル・ブルーンジィのこの映像でした↓




分かる人は分かりますよね、そう、エリック・クラプトンが「アンプラグド」でやってた「Hey Hey」の元ネタです(確かビデオのクレジットでは「Guitar Suffle」てなっていた)。

コレ!何じゃコレ!究極の2本同時弾きギターじゃん!!しかもリズムがぜんっぜん狂ってない、正確無比のこのピッキング。何このビッグ・ビル・ブルーンジィってオッサン、全然知らねぇけどカッコイイぞ!!

と「この曲絶対マスターしてやるわー、そしてこの曲入ってるCDも探したるわー」と思って、早速情報収集とCD探しを同時に行いました。

学校(短大)の図書館にブルースの本があって、それ読むと


「ビッグ・ビル・ブルーンジィこそが、戦前シカゴ・ブルースの大スターであり、あのマディ・ウ、ォーターズの才能を見出して育てたよーなもんであり、また、その抜群のギター・テクニックは1930年代シカゴでブルースを弾いている全てのギタリストの憧れの的であった。つーかとにかくすげぇ大物なんだよ」


みたいなことが、おぉ、書いてある書いてある(大分自分なりに語調は変えてますが・・・)!!

あとはおなじみのパターンで、埼玉から池袋へ「ビッグ・ビル探し」の旅の果てにようやく中古屋で国内エピックソニー盤「ビッグ・ビル・ブルース」という、今にして思えばビッグ・ビル全盛期を代表する名盤中の名盤を買ったのですが、残念ながらコレには例の「ヘイ・ヘイ」が入ってなかった(でも、内容は1930年代シカゴブルースのとびきりゴキゲンなシティ・サウンドなのよね♪)。

で、ガイドブックやら何やらを読みまくってようやく辿り着いたのが天下のPヴァインからリリースされていたこのアルバム↓



【収録曲】
1.Pig Meat Strut
2.I Can't Be Satisfied
3.Tadpole Blues
4.Saturday Night Rub
5.How You Want It Done
6.Milk Cow Blues
7.I'll Be Back Home Again
8.Serve It To Me Right
9.Mississippi River Blues
10.Something Good
11.Mountain Blues
12.I Can't Make You Satisfied
13.I.c. Blues
14.Messed Up In Love
15.Why Don't You Do Right?
16.I Want You By My Side
17.I'm Feeling Low Down
18.She Belongs To The Devil
19.What's Gettin' Wrong With You?
20.Come On Baby And Take A Walk
21.Hey, Hey


先のソニー盤「ビッグ・ビル・ブルース」が、ちょいちょいギターの凄いところを小出しにしつつも「トータルなアーティストとしてのビッグ・ビルの凄いところ」を記録した名作なら、このアルバムは強力無比だった鬼のギター・ピッカーとしてのビッグ・ビルが余すところなく収録されております。

とりあえず「そんな弾き方どーやったらできるんだよ!!」感満載の@やCのラグタイムでの凄まじいノリを体現してみてください。んで、もうこの際「クラプトンがカバーしたから」というミーハーな理由でも構いませんから、ラストの「ヘイ・ヘイ」のオリジナルの天才的リズム感にぶっ飛んでください。

あとはうん、実はスロー・ブルースも味わいがあって、ノリノリのラグだけじゃなくて唄の合間にちょろっと弾く単音チョーキングの凄さとか、流石はマディが”親父”と慕っただけはある豪快で気風のいいヴォーカルの中にある、クセになる哀愁とか、まぁ細かくじっくり聴いていけば、絶賛ポイントはいくつもあるんですが、とりあえず「アコースティックなブルースのギターでぶっ飛びたい」人は問答無用で購入をオススメします。

このアルバムにタイトル付けるとしたら「シカゴ・ブルース・ギターの父」以外ないよなぁと、いつ聴いてもアタシはしみじみ思います。。。


『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 19:07| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月21日

アルバート・キング キング・オブ・ザ・ブルース・ギター

1.1.jpg
アルバート・キング/キング・オブ・ザ・ブルース・ギター

(STAX/ワーナー)

B.B.キングのことについて書いてたらテンション上がって、いわゆる”3大キング”のことについてあれこれと考えました。

この3人、もちろんロックに与えた影響がズバ抜けているということもあるんでしょうが、アタシは”たまたまキング姓”というだけでひとくくりにされておるだけなんだーと思います。つまり「3人とも似たり寄ったりではない確固たる個性を確立したすげー人なんだよ」ということを言いたいのであります。

で、アルバート・キングです。

アルバート・キングの魅力については

「このキョーレツな、指先じゃなくて握力全部を使ってギュイーンと言わせてるチョーキングが全て」

の一言で説明できます。

はい、細かいこたぁどうだってよろしいのでございます。

そんなことを言ったらこのブログ、えぇと、すっごい短くて愛想のない文章でおわってしまう、どうしよう。

と困ります。えぇ、アタシ今とっても困っています。

そうだ、せっかくB.B.キングについアツく書いたので、アルバートとB.B.が、同じ「キング」でも何故違うのか?そいつをちょいとばかり説明いたしましょう。

二人が決定的に違うこと、それは「ブルース」というものに対するアティテュードでございます。

ロック側からの絶大な人気から、2人とも「オレがブルースを背負って立たねばな」という気持ち、ものすごく持っておりました。

B.B.はそれを強く意識して「一人でも多くの人にブルースを聴いてもらおう。好きになってくれるかどうかはわからんが、オレが演奏することで、知ってくれる人はいるだろう」と、それこそ時代の先端のサウンドをどんどん取り入れ、ロックやジャズ、フュージョン系のミュージシャン達もじゃんじゃんレコーディングに参加させ、また、自分のライヴにはゲスト出演してもらい、お呼びがかかればどんなに音楽性の違うアーティストとも共演も喜んで行って、自分自身のスタイルはしっかり守りつつも、共演者の個性を殺さないように、細心の気配りをしたし、それが出来た人です。バイクでいえばホンダ。



一方のアルバートはどうか?コレが良い意味でB.B.とは真逆の姿勢の、徹底した「オレ様主義」。

曲調が何だろうと、バックがどう変わろうと、若者の間で何が流行ろうと、ロック側からどうアプローチされようと

「んなもん知らねぇ、オレ流でやらしてもらう」

で、いつもの存分にタメの効いたチョーキング一発で、ことごとくその場を制圧する。

これはこれでカッコイイですよね、単車でいえばカワサキ。

面白かったのが、スティーヴィー・レイ・ヴォーンとも共演番組の映像ですね〜。レイ・ヴォーンはもちろんアルバートの大ファンで、一説によるとあのガッチガチに張った太い弦も「アルバートみたいなズ太い音出したいからなんだ」とか言ったとか言わないとか、そんぐらいの人なんですが、この人がアルバートと共演することが出来て、もう嬉しくてたまんない!といった表情で「先輩、どうすか?どうすか?」とギャンギャンに弾きまくってるんだけど、アルバートは隣で「へぇ、おめぇヤルじゃねぇか」と余裕の、若干意地悪な顔してニヤニヤしてるんです。挙句には爪をヤスリで研いでる(笑)!!

あと、伝説のライヴとして知られるアメリカ南部の一大ソウルの祭典「ワッツタックス」では、そん時スタックスと契約していた唯一のブルースマンとしてステージに上がるんですが、他のアーティストは若者から絶大な支持を集めているソウル/ファンクの連中です。会場、物凄いノリノリイケイケの空気でブワーっと盛り上がってるところにフライングVを持ったアルバートがふてぶてしく登場「おめぇらブルースわかってんのか?教えてやるよガキども」みたいな顔で、思いっきりスローなマイナー・ブルースやって。若干引き気味のスタンドに「どうだ!」と得意げ!!

コレコレ



いや〜、カッコイイです!この「ついてこれるヤツだけついてこい!」な唯我独尊オレ様ブルース、もうたまらんですち。

アタシはこのワッツタックスの映像を見て「カ・ッ・コ・イ・イ!!」と惚れて、丁度そのスタックス時代の名盤だよと言われていた「ボーン・アンダー・ザ・バッド・サイン(悪い星の下に生まれて)」を買って、その強引な力技でねじ伏せるチョーキングにシビレ、実は甘く奥行きのあるヴォーカルの魅力と、あと、ソウル・バンドとして最強(無駄のないグルーヴィー・サウンドでアーティストをガッツリサポートできるという意味で)のブッカーT&ザMG'sのコシのあるファンキーなサウンドにすっかり夢中になりました。

えぇと、そんなアルバート・キングです。だから最初に聴くのはぶっちゃけどれからでもいいんですが、個人的に、最先端のソウル・サウンドの中で一切ブレずに”オレ様ブルース”貫いてるアルバートが、その姿勢もサウンドもいっちばんカッコイイと思うんで、60年代後半からのスタックス時代を強く推薦します。

「ボーン・アンダー・ザ・バッド・サイン」をとにかく・・・と思ったんですが、今はこのベストに「ボーン〜」の曲ほとんどと、スタックス時代の傑作が程よく聴きやすくまとめられてんのでコレオススメです↓





【収録曲】
1.ランドロマット・ブルース
2.オーヴァーオール・ジャンクション (MONO)
3.オー、プリティ・ウーマン
4.ファンクシャン
5.クロスカット・ソー
6.ダウン・ドント・バザー・ミー (オリジナルLP未収録曲)
7.悪い星の下に生まれて
8.パーソナル・メッセンジャー
9.カンザス・シティ (オリジナルLP未収録曲)
10.ヴェリー・ソート・オブ・ユー (オリジナルLP未収録曲)
11.ザ・ハンター (オリジナルLP未収録曲)
12.アイ・オルモスト・ロスト・マイ・マインド (オリジナルLP未収録曲)
13.アズ・ジ・イヤーズ・ゴー・パッシング・バイ (オリジナルLP未収録曲)
14.コールド・フィート
15.ユー・シュア・ドライヴ・ア・ハード・バーゲン
16.アイ・ラヴ・ルーシー
17.ユア・ゴナ・ニード・ミー


値段もリーズナブルだし、収録曲多いし、入門盤としては言うこたぁありません。

余談ですが、あの粘っこいチョーキングと、鬼のようにズ太いトーン、どうやったらあんなフィーリング出せるんだと、若い時分に結構研究したんですが、何かの本に

「アルバートはギター・アンプとかカンケーなくて、スタジオやステージにあるアンプのつまみを、あのデッカイ手で全部上からビャーってなでてフルテンにしてた」

と読んで「あ、真似しようとか思ってたオレがアホでした。すいませーん!」

となりました。


『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 11:58| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月20日

B.B.キング完全読本

今年亡くなったブルース界最大の大物B.B.キングの追悼企画として「ブルース&ソウル・レコーズ」がやってくれました。渾身の「B.B.キング本」を出してくれました(!!)

これはぜひ読んでください!!このブログの読者の皆さん、ブルース好きもそうでない人も「一人一冊」ですよ。



考えてみればB.B.キングという人は、余りにもビッグネーム過ぎて

「何か知らんがとにかく凄い人」

とは言われるものの

「では何がどうビッグでグレイトなのか?」

という問いには

「ブルースを、その・・・モダン化した人だろ?」

「チョーキングがカッコイイんだよねー、顔で弾いてんのさ」

「ロックの人らがみんなリスペクトしてるから・・・」

と、アタシ自身も、何やら抽象的なたとえを出しながら

「いや、そうじゃないんだ。実際B.B.のアルバム聴いたら、もう本当にすげぇんだよ。あぁ、この凄さ、うまく伝えることできない。もどかしいぃ・・・」

とずっと思ってたんですが、本書はそんなアタシの「もどかしさ」を全部気持ちよくすっ飛ばしてくれます。

内容は、まずB.B.キングの、その長く濃密だったブルース人生(ミシシッピの農場で貧しい小作農として働きながら「いつかこんな生活とはおさらばするんだ」と、ブルースの道に走り、奇跡の大成功を収め、そこからいろんな紆余曲折を経て、”ブルース界の大御所”としてだけでなく”全世界にブルースのカッコ良さを広めた本当の巨人”として皆に愛されるまで)を、要所要所を的確に押さえた無駄のない文章で書かれております。

その膨大なディスコグラフィーも、彼の音楽的ないくつかの”転換期”を踏まえた上で重要な作品を的確に押さえ(これは本当にありがたい、これからB.B.聴いてみようという人は絶対参考になりますよー!!)、かつピーター・バラカン、永井”ホトケ”隆、妹尾みえ、吾妻光良、小出斉、日暮泰文、鈴木啓志ら「もう日本でブルースを語るにはこの人たちを置いて他にない!」ぐらいの錚々たる面々が、B.B.が唄い、そして弾く”ブルースの魅力”、楽曲の解説、そして貴重極まりないインタビュー記事もふんだんに交えて「ブルースマン/ミュージシャン/アーティスト、そして”人間B.B.キング”の素晴らしさを、愛情溢れる素晴らしい文章で、目一杯語って書いてくれております。

個人的に日暮泰文さんの「B.B.とブルースを聴いた日」(1971年初来日時のインタビュー)がとってもよかったなぁ・・・。日暮さんが文字通りB.B.の楽屋にB.B.が恐らく大好きであろうブルースの曲をたくさん録音したカセットを持ち込んで、ブラインドテスト形式で聴いてもらうっていう企画なんだけど、少年のように目をキラキラさせながら「T・ボーン・ウォーカーだ。ザ・マスター!!(師匠という意味)」とか「(エルモア・ジェイムスについて)彼はギターで感じたままの音を出せるんだ」と、かかる曲を演奏しているブルースマンを全部正直な言葉で讃えてるんですよね。

で、自分が持ってない曲や知らない曲だと日暮さんに素直に「これは欲しい、後でカセットに入れてくれませんか?」と、もうカワイイ、B.B.素敵・・・(^^)

B.B.キングという人はとってもキュートで誠実な人柄が愛されてもいた。

と、話で聞いたことがありますが、この本を読んで、強い確信を得ることが出来ました。

「B.B.は好きなアーティストのことを素直に絶賛するけれども、人を貶めることは絶対に言わなかった」

これに尽きますよね。


このブログは常々

「音楽はすばらしい」

ということを発信していきたいなと思って書いておりますが、それは突き詰めると

「人間の美しさ」

だと思うんです。

生身の人間が、その喜怒哀楽を表現するから音楽は美しい。


B.B.キングはもちろん自分自身が「ブルースマンである」ということをとても強く意識していて「ブルースを一人でも多くの人に聴いてもらおう」と、その人生を捧げた人でありますが、ジャンルなんてカンケーありません。B.B.のその心意気こそカッコイイんです。

「音楽」という言葉にちょっとでも好意を感じる人ならば、この本で書かれているB.B.の言葉、その美しい人間愛、きっと伝わると思います。


−ブルースをやっている黒人は2倍黒人で、ブルースを歌う白人ならもう黒人なんだ。B.B.キング

R.I.P.


いいですか、これは「一人一冊」ですよ。





『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 16:55| Comment(2) | 音楽本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月18日

サブー パロ・コンゴ

1.1.jpg
サブー/パロ・コンゴ
(Bluenote/EMIミュージック)

その昔「ブルーノート¥1100シリーズ」という好企画がありまして、わがサウンズパルは「これだ!」と思って大量に仕入れたことがあったんです。

ブルーノートといえば、これはもうジャズにちょっとでも、いやもうほんのちょっとでも興味があるぐらいだったらその名を聞いたことがあるぐらいの、超名門レーベルです。

特に1950年代、いわゆる「モダン・ジャズ」を代表する名盤がもうわんさかあって「とりあえずジャズでも聴いてみようかと思うんだけど、何から聴けばいいのかわからない・・・」とお悩みのお客さんには

「ちょうどいいのがありますよー!」

と、この「ブルーノート¥1100シリーズ」を、オススメしていたもんです。

サウンズパルのモットーは「いいものは聴いてもらってオススメする」だったんで、お客さんが「試聴したい」といえば、喜んで家から持ってきた私物のCDやレコードなんかをお店でガンガン流して、お客さんの好みに合ったものを選んで頂いてたんですがコレが大好評。

特に「今までジャズを聴いたこともなかった」というお客さんには

「これこれ!こんな感じのジャズが聴きたかったんだよ!」

と、特に好評を頂きました。

ブルーノートは、当時アメリカのインディー・レーベルでしたが、オーナーのアルフレッド・ライオンという人が、この人はドイツ人で「ジャズが聴きたくてアメリカに移住した」ぐらいの熱狂的なジャズファンで、もう「大好きなジャズのためなら!」と、本当に頑張って、良質な音盤を次々にレコーディングしては世に出したというのもあるんですが、何よりジャズ・ミュージシャンに心からリスペクトを捧げ、特に黒人ジャズマン達には、単純に契約してはいおわりじゃなくて、個人的な相談事にも親身になって乗っていたぐらいに偉い人なんですが、その話は長いのでコチラを読んでいただくとして話をつづけます。

さて、サウンズパルで「ブルーノート聴いてもらい売り」をしていたら、ある時から不思議な事が起こるようになりました。

何と、その「ブルーノート〜」のシリーズの中で唯一

「全然ジャズじゃないアルバム」

が、若い人たちを中心に

「ヤバい!」

「コレは凄い!!」

と、評判が評判を読んで次々と売れて、何と、洋楽もJ-POPも全部一緒にした「週間総合ランキング」のトップ10にまで入るようになったんです。

「全然ジャズじゃない」その内容は、もう凄まじく濃厚な「ラテン・パーカッション大饗宴!」のサブー・マルティネスというパーカッショニストのコチラ↓




【パーソネル】
サブー・マルチネス(conga,bongo,vo,g)
アルセニオ・ロドリゲス(conga,vo,tres)
ラウロ・トラヴィエソ(conga,vo)
イスラエル・モイセス・トラヴィエソ(conga)
レイ・ロメオ(conga)
エヴァリスト・バロ(b)
ウィリー・カポ(vo)
サラ・バロ(vo)

【収録曲】
1.エル・クンバンチェロ
2.ビュリンバ・パロ・コンゴ
3.チェフリート・ブレーナ
4.アサバチェ
5.シンバ
6.素晴らしき幻想(南京豆売り)
7.エレグアに捧ぐ
8.歌うあばずれ女
9.シャレード

”サブー”という、ニックネームのこのアルバムのリーダーの本名はチャノ・ポソというスパニッシュ系の移民で、ニューヨーク生まれハーレム育ちであります。

子供の頃からハーレムのストリートで空き缶などを叩いて遊んでいるうちに、ご近所のジャズマン達とすっかり仲良くなって、特にアート・ブレイキーとは気が合って一緒にレコーディングなんかもやっております

そこに目をつけたのがブルーノート社長のアルフレッド・ライオン。

彼はジャズだけじゃなくて、ブルースもゴスペルも大好きで、ブラック・ミュージックと深い繋がりを持つアフロ・キューバン・ミュージックも大好物だったんですね。

ブレイキーに紹介されたサブーの音が気に入ったライオンは

「おぅ、じゃあいっちょう本格的なアフロ・キューバンのアルバムを作ろうか。何?ジャズじゃない?そんなこたぁカンケーないよ。君が思うがままにそのパーカッションで血肉に染み込んだとびっきりのラテン音楽をやりゃあいいんだよ。・・・そうだな、君のために”助っ人”もスタジオに呼んでこよう。」

と、ライオンが言ったかどうかは分かりませんが「これはカッコイイ!」と直感で判断したら物凄い行動力を発揮するライオンです。

何と、ニューヨーク、ハーレムの無名の若いパーカッション奏者のために、物凄い”助っ人”を引き連れてライオンはスタジオにやってきました。

その”助っ人”が「キューバ音楽のゴッドファーザー」と呼ばれていた大物中の大物、アルセニオ・ロドリゲスと彼のファミリーです。

これは大事件だったんです。

どれぐらい大事件だったかというと、インディーズでバイトしながら何とか地元のライヴハウスの企画に参加できるぐらいのバンドのレコーディングに、忌野清志郎がゲスト参加するぐらいの大事件です。

サブーは多分ビビりました。目の前にいきなりグラサンかけたアルセニオ・ロドリゲス・・・サブーに言わせれば「オレの親父が”コノ人はすげぇんだ”って言いながらラジオで夢中になって聴いてたぐらいの超大物」がファミリー引き連れてオレと同じ空間にいる・・・・。もうビビリまくって声も出なかったと思います。

そんなビビるサブーと「さて、若いの。何やるかね?」とドーンと構えているアルセニオを前に、満面の笑みのライオンが

「とびっきりの、まじりっけのないアフロ・キューバンをやってくれ!制約は何もナシだ、好きにしていい!」

と、恐らくは言ったんでしょう。

編成はほとんど打楽器と合唱(と、アルセニオ自身が弾くトレース)のみ、本国ではゴージャスなオーケストラも引き連れてーの、大衆ウケするポップな曲もガンガンにやっておったアルセニオの「最もシンプルで土臭い、アフロ・キューバンの根源的な音」が、どういう訳かアメリカで、しかもどういう訳かジャズ専門レーベルのブルーノートで炸裂しておるんですよ。

いや、コレはホントに”炸裂”です。

奄美の人はラテン、特にパーカッション音楽には凄く敏感で、しかも余計なアレンジとかのない、純粋に「太鼓!!」ってヤツが好きだったんですけど、もう、コレ聴いた瞬間にほとんどの人が飛んでましたもん。それぐらいコレは”濃い”一枚です。ジャズじゃない、全然ジャズじゃないけど、これはこれでいいんです。

しかしこのアルバム、サブーには申し訳ないけど、キューバの至宝アルセニオ・ロドリゲスの最もコアなパフォーマンスが聴ける、ラテンの超名盤なんですよ。なので「ラテン」にちょっとでも興味ある人はぜひ聴きましょう。

特に3曲目「チェフリート・ブレーナ」この畳み掛けるビートにのっかって狂おしいほどに哀愁をぶちまけるアルセニオのトーレスのソロ、歴史に残る名演だと思います。濃いよ、ホントに。







『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 19:14| Comment(0) | ラテン/ブラジル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月17日

ブラインド・ウィリー・ジョンソン Dark Was The Night

1.1.jpg
Blind Willie Johnson/Dark Was The Night
(Sony)

「音楽を聴いて感動する」

という、言葉そのものは実にシンプルなんですが、アタシはこのシンプルな言葉の持っている深い意味というものを突き詰めて考えることがあります。

というのも「感動」には深度があって、そのもっとも深い部分には

「カッコイイ」

「良かった」

とかいう表面にある感慨を突き破って、いきなり心の中心部を撃ち抜かれる、或いは激しく揺さぶられ、そしてえぐられるようなものがある、と、アタシは音楽をずっと聴いてきて思うからです。

そう、感動のメーターが振り切れて、どうにかなってしまいそうなほどの強烈な”何か”・・・。

それを最初に教えてくれたのはパンクロックでありましたが、同じような衝動を次に教えてくれたのは、戦前のブルースマン達でした。

レッドベリー、サン・ハウス、ロバート・ジョンソン、ブラインド・ウィリー・マクテルなどなど・・・スタイルはそれぞれ全く別ジャンルといっていいほど違ったのですが、何かしら共通するものとしてアタシは彼らのブルースに、ある種独特の”闇”の存在を感じました。

これはブルース、なかんづく戦前ブルースを聴いて「引き込まれた」体験をお持ちの方なら分かる感覚ではあると思うんですが、聴いていてちょっと恐ろしくなるほどの”闇”の存在。これは多分、まだアメリカ南部が人種差別といった深い闇そのものに覆われていた時代独特の鬱屈とした時代の空気そのものかも知れませんし、そういった空気の中で生まれ育ったブルースマン達がリアルに持っていた感情なのかも知れませんが、とにかく戦前ブルースにはそれがあるんです。

で、ある日「名前にブラインド(盲目の)と付くブルースマンは全部ヤバい!」と思い至ったアタシは、ガイドブックでたまたまブラインド・ウィリー・ジョンソンに出会いました。

「地の底から」という形容が正にピッタリな、すり潰したかのような強烈なダミ声と、喜怒哀楽の全てをゴッソリ持っていく強烈なスライドギター。

「衝撃を受けた」という生易しい表現ではとても言い尽くせないほどに激しく揺さぶられました。

ブラインド・ウィリー・ジョンソン、戦前アメリカ南部をギターを持って唄い歩いた盲目の説教師(エヴァンゲリスト)の、魂をえぐる強烈な霊歌・・・。


説教師というのは今ひとつピンとこないかも知れませんが、要するに楽器を持ってあちこち旅をしながらスピリチュアルを唄い(教会で唄うことも多かったが、ジョンソンはよく街辻でも唄っていたようです)、キリストの教えを説いて回る職業の人です。

教会にいて説教をする牧師さんとは違い、説教師は基本教会に所属しておりません。なので、本当の意味での伝道師でありますね。

さてこのブラインド・ウィリー・ジョンソン、最初に聴いて「うぉ!?このスライドやべぇ!!てか待てこの曲どっかで聴いたことがある・・・」と思ったら、ライ・クーダーが、映画「パリ・テキサス」で演奏してた超有名な曲だったんですね。



(参考までにこの曲、声とギターはジョンソン本人ですが、演じているのは役者さんです。にしてもすごくリアル・・・)

今でもゴスペルとその他の音楽は厳格に「別もの」として分けられておりますが、戦前は更にそれが徹底しており「ブルースなんぞは悪魔の音楽だから、スピリチュアルを演奏する者はブルースを歌ってはならないし、ブルースとスピリチュアルは全く違うものとされなければならない」と、敬虔な黒人たちからは思われていました。

ですが、歌詞こそ全く違えど、この衝動、この空恐ろしさは、アタシなんかが聴けばそれこそ「ブルース以外の何物でもない」としか思えません。

それほどまでに彼の声とギターからは、底なしの”闇”が感じられてならないのです。

歌詞も単純に「神さま万歳」じゃない、人間のリアルな苦悩を生々しく唄っておりますし


俺の好きに出来るなら
邪悪な性格のままでも
もし、神様が助けてくれるなら
この建物を崩してやるのに

(「If I Had My Way I'd Tear The Building Down」)



神様、涙が止まらないのさ
たまにそうなるんだ
神よ、涙がいつまでも止まらない
時々
かなしみでいっぱいになる
そして、目から涙があふれてくる
神よ、泣かずにはいられないんだ
しょっちゅうそうなるんだ

(「Lord I Just Can't Keep From Cryin'」)



エジィーキルが車輪を見た
車輪の中にまた輪が見える
そう、車輪が見えたんだ
エジィーキルが見た車輪
輪がまたその車輪の中に
死期が近いんだろう

(「Bye And Bye I'm Goin' To See The King」)



これ、「神よ(Lord)」のところを「お前(Baby)」に変えるだけで、完璧なブルースの、もうどうしようもない歌詞ですよ。

こんな剥き出しの物凄い言葉を、強烈なダミ声と壮絶な破壊力のスライドギターでジョンソンは、聴く人の心に突きつけてくるんです。


【収録曲】
1.If I Had My Way I'd Tear The Building Down
2.Dark Was The Night
3.Lord I Just Can't Keep From Cryin'
4.Church, I'm Fully Saved Today
5.Jesus Make Up My Dying Bed
6.Bye And Bye I'm Goin' To See The King
7.Let Your Light Shine On Me
8.John The Revelator
9.I Know His Blood Can Make Me Whole
10.God Moves On The Water
11.Trouble Will Soon Be Over
12.Praise God, I'm Satisfied
13.Mother's Children Have A Hard Time
14.It's Nobody's Fault But Mine
15.Soul Of A Man, The
16.Keep Your Lamp Trimmed And Burning


歌詞本当に凄まじいんで、対訳付きの国内盤のリンクも貼っておきますね(現在中古でしかないようですが・・・)



アタシはジョンソンの”スピリチュアル”を聴いて、より深く当時の時代背景を知りたいと思い、アメリカ黒人の歴史について、色々と調べました。

そして知った”リアル”は、これはもう本当に想像を遥かに絶する、アメリカ黒人たちが置かれていた

「神にすがるかブルースに浸るしかない状況」

でありました。

そんな”Without Sunctuary”を知ってしまってから私はより深くブルースやゴスペルに、心を揺さぶられ、そしてえぐられるようになりました。

ブラインド・ウィリー・ジョンソン、本当に、聴けば聴くほど”闇”です。

でもその”闇”は「音楽で感動した」とかいう生易しい表現の及ばない、音楽の深淵をリアルに見せ付けてくれます。






『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 19:18| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月15日

ガボール・ザボ ジプシー66

1.1.jpg

ガボール・ザボ/ジプシー66

(Impulse!/ユニバーサル)

世の中に”ジャズ・ギタリスト”と名乗っている人は数おれど、彼ほどワン&オンリー、というより「他に比較の対象がない」ぐらいの人はおらぬと、昨日もアタシ力説致しました。

恐らくほとんどの読者の方はまだ「????」でありましょう。

そんな皆さんのために、今日は徹底して「分かりやすく楽しめるザボ」をご紹介致しますね。

え?「そんなことよりも何でオマエはそんなにザボをススメるのかがわからん」?

いや、だってカッコイイんだもん、ザボ知ってからアタシの「ジャズギターってこんなだ」っていう固定観念は、すぃ〜っと心地良く崩れていったんだもん。あと、ザボって本当に不思議で、何かしらんけど聴く人の心の中にある”ロック魂”みたいなのの何というか隅っこの部分をこちょこちょゆれゆれしてくれるんだもん。こんな快楽自分だけ知っておって他人に教えんというのは、CD屋として以前に人として不道徳なよーな気がしますんで、えぇ、はい、アタシぁガボール・ザボという、何かとてつもなく妙なんだけど知れば知るほどかっこいいギタリストの奏でる異世界感ハンパねぇ音楽を聴いて柔らかくトリップする行為・・・つまり”ザボる”ということを、全国全世界、いや全宇宙の人たちにこれはお教えせねばならんと、人としての責務として思うのであります。

とは言っても「そんなアヤシい音楽に、いきなり財布の紐緩めるわけにゃあいかないよ」「大体知ってる曲とか聴く勇気ねぇから」と、まだ思ってる人、多分いっぱいいると思います。

よろしゅうございます。

皆さんビートルズは知ってますよね?

はい、大分いらっしゃいますな。

「イェスタデイ」という曲を知ってる人はー?

・・・あぁ、はい、はい、けっこうでございます。今この文章読んでるほとんどの人知ってますね。安心しました。

その、誰もが知ってるビートルズの「イエスタデイ」の、最高に美しいカヴァーが一曲目から聴けるザボのアルバムがこれなんですよ




【パーソネル】
ガボール・ザボ(g)
渡辺 貞夫(fl)
ゲイリー・マクファーランド(marimba)
バリー・ガルブレイス(g)
サム・ブラウン (g)
アル・スティンソン(b)
リチャード・デイヴィス(b)
グラディ・テイト(ds)
ウィリー・ロドリゲス(per)
フランシスコ・ポーゾ(per)

【収録曲】
1.イエスタデイ
2.ザ・ラスト・ワン・トゥ・ビー・ラヴド
3.ジ・エコー・オブ・ラヴ
4.ジプシー '66
5.フリー・マーケット
6.ウォーク・オン・バイ
7.イフ・アイ・フェル
8.ジプシー・ジャム
9.アイム・オール・スマイルズ

しかもこの「イエスタデイ」が、インストとしてはこれほど質の高いカヴァーというのがまず聴いたことがない、といっても言い過ぎじゃないぐらいカッコイイし美しいし、ジーンとくるんですよ。

アタシはこれまでザボのことは「サイケ」とか「無国籍」とか言ってきました。

彼の演奏、アコースティック・ギターによる、独特の”間”と”訛り”で繰り広げられる、インド音楽やジプシー・ミュージックといったジャズ以外の音楽からの影響が色濃いアドリブは、確かにサイケで、歪んでないのにものすごーくアシッドです。

でも、ザボ自身の感性は、そういうサイケでアシッドなものにも向きながらも、同時に「美しいメロディ」というものを、如何にギターで唄わせることができるか、という方向にも向いておりました。

あのー、普通だったらコレはありえんことです。

大体サイケ目指してるヤツなんてのは、歯止めが効かんヤツが多いから、一度トリップしちゃうと「もう、それをどこまでも!」でブッチ切れヤツがほとんどなんですが、ザボは「このメロディが美しい!」と思ったら、余計な装飾や手数など加えずに「美しいまま表現する」ということも出来る人だったんです。

アタシが

「ザボは別格」

「ザボはワン・アンド・オンリー」

としつこく言うのも、ドロドロの個性の中に、本来なら両立し得ないはずの知性と理性とが不思議な感触でたゆたいながら同居しているからなんです。

まず「イエスタデイ」聴いてください。

主旋律を渡辺貞夫のフルートに弾かせて、自分は裏でややタイミングをズラしながら”ハモリ”の部分を黙々と弾くザボ、カッコイイです。

ジャズの人がポップスやる時は、とにかくそれを解体してアドリブで遊ぶ人が多いんですが(それはそれでカッコイイしジャズならではの楽しみだと思うんですが)、ザボは心から「この曲はカッコイイから余計なことはしないで崩さずに余韻を表現しよう」と判断したのでしょう。すごく短くてシンプルな演奏の中に、ザボならではの”ちょいズレの美”がギュッと詰まってます。

ボサ・ノヴァやストリングス・アレンジなんかで60年代〜70年代活躍した、いわゆる”モンド”の元祖とも言うべき名アレンジャー、ゲイリー・マクファーランドがマリンバで参加していることもあって、このアルバムはザボの作品の中でも最もポップで聴きやすいアルバムに仕上がってます。

アルバム全体がオシャレな中にサイケなエスプリが不思議と漂う、まるで60年代ヌーベルバーグ映画のサントラの如き仕上がりでありますので、これはとても上質なイージー・リスニングとしても楽しめると思います。ちなみに個人的には「イェスタデイ」もいいけど、ポップス大先生バカラックの名曲中の名曲「ウォーク・オン・バイ」コレも傑作と思うとります。





”ガボール・ザボ”関連記事



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 19:00| Comment(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする