2016年02月29日

マディ・ウォーターズ トラブル・ノー・モア〜シングルズ1955-1959

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マディ・ウォーターズ/トラブル・ノー・モア〜シングルズ1955-1959
(Chess/ユニバーサル)

われらが親分マディ・ウォーターズといえば、思い浮かぶのは濃い濃いとしたエレクトリックなスローブルースを、王者の風格を湛えながら貫禄一杯に唄うあの姿です。

ところがところが、マディの本当の凄さは、アップテンポでノリノリの曲をやった時に発揮されます。

いつもは余裕の親分が、何かでカーッと火が点いて、普段は見せない「イケイケの素顔」を出したのがこのアルバム。1955年から1959年にリリースされたシングルを集めたアルバムでございます。

言うまでもなく50年代半ばから後半という時期は、電気化した”モダン・シカゴ・ブルース”がいよいよスタイルとして成熟してきた時期で、マディ、ウルフ、サニーボーイ、そしてリトル・ウォルター等の大物らが、最高にエキサイティングなライヴを日夜繰り広げておりました。

その背景には若い世代、つまりマディやウルフらを聴いて憧れつつ、更にそこに色んな音楽の要素をミックスして独自の地平を切り開いたロックンロール・・・具体的に言えば当時のチェス・レーベル内において、先輩達をはるかにしのぐ稼ぎ頭だったチャック・ベリー、そしてボ・ディドリーのブレイクが、親分衆の”本気”に火を点けました。

電気化したサウンドにミシシッピ・デルタ直送のタフでドロドロしたフィーリング、重く粘りつくようなビートがマディ親分の最大の持ち味でありましたが

「ロックンロール?あんなのただのブルースの早回しじゃないか。オレにできるかって?そんなの軽いぜ」

と、マディ親分は恐らくスタジオで、チェス・レコードの首領レナード・チェスに、例の余裕の笑みでこう言い放ったのでしょう。

結果は冒頭の「シュガー・スイート」から、後にライヴで一番盛り上がる曲となった「ガット・マイ・モージョー・ワーキン」豪快な笑い声もタフに響く「クロース・トゥ・ユー」など、ほとんどがアップテンポで、バンド・サウンドもよりソリッドに(リトル・ウォルターの後任のビッグ・ウォルター、それにこのレコーディングが初参加のジェイムス・コットン両名のハープがこれまた最高!)なっております。

セールス的にはロックンロールに押されてブルースマン達はこの時期相当苦戦してたといいますが、それでもマディ親分はR&Bに10曲もチャート・インするヒットをブチ込んでおります。





【収録曲】
1.シュガー・スウィート
2.トラブル・ノー・モア
3.オール・アボード
4.ドント・ゴー・ノー・ファーザー
5.アイ・ラヴ・ザ・ライフ・アイ・リヴ,アイ・リヴ・ザ・ライフ・アイ・ラヴ
6.ロック・ミー
7.ガット・マイ・モジョ・ワーキング
8.シーズ・ガット・イット
9.クロース・トゥ・ユー
10.ミ−ン・ミストリーター
11.テイク・ザ・ビター・ウィズ・ザ・スウィート
12.シーズ・イントゥ・サムシング
13.ダイヤモンズ・アット・ユア・フィート*
14.ルック・ホワット・ユー・ダン*

*ボーナストラック


改めて通して聴いても、このアルバム独特のドライヴ感「泥んこ水」の面目躍如たる豪放な唄いっぷりは実に爽快。いや、全然爽やかじゃないけど濃くてカッコイイのです。

マディといえば「ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ」或いは「リアル・フォーク・ブルース」と「モア・リアル・フォーク・ブルース」がとりあえずの決定盤でありましょうが、もちろんこれほどの巨人の魅力はそれだけでは語れません。このノリノリのリズムに乗って目一杯声を張り上げて唄うマディ、ぜひ聴いてみてください。


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2016年02月28日

ジミ・ヘンドリックス ピープル、ヘル&エンジェルス

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ジミ・ヘンドリックス/ピープル、ヘル&エンジェルス
(EXPERIENCE HENDRIX/ソニー・ミュージック)


「未発表音源」とか言うと、まぁそんなもんかー。みたいな音源が多いのは世の常なんですが、ジミヘンに関してはちょっと事情が違います。

あの〜、言ってもブートとかはもう”膨大な”を通り越して死ぬほど出ておったんですよ。

それをジミヘンのお父ちゃんが「こんなんじゃいかん!ジミの音楽をきちんとした状態で正しく世に出さねば」と頑張って、”ヘンドリックス・エクスペリエンス”という正規のレーベルと”ダガー・レコード”というオフィシャル・ブートレグ専門のレーベルを立ち上げて、テープが残っているスタジオの音源やら、ライヴ音源やらを丁寧に編集したりリマスタリングしたりして「ちゃんとしたリリースに適う形」にしてリリースした。

これが確か1996年か97年ぐらいの頃ですよ。

ジミが亡くなったのが1970年のことですから、その間の27年というのは関係者にとっては想像を絶する苦闘の日々だったんじゃなかろうかと思うんです。

それはそうと、その”ヘンドリックス・エクスペリエンス”が本格的に始動してからというもの、1997年の「ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン」そして翌年の「ライヴ・アット・ザBBC」を聴いてアタシはぶっ飛びました。

その内容が、きちんとリマスターされてる云々のレベルではなくて、もっとこう「ジミヘンってすげぇ!わけわかんないけど何かすげぇ!!」と、キャッキャ言ってた10代の頃に受けた感動と興奮をそのまんま思い出させてくれるぐらいに”生”なものだった。この感じをどう言えば読んでる人に伝わるかよくわかりませんが、とにかくその当時リアルタイムで聴いていたどのロックよりも、「BBC」や「ファースト・レイズ〜」には、比べようのないリアリティを感じた。いや、感じさせられました。

で、アタシはいつしか夢を追うようになりました。

それは

「バンド・オブ・ジプシーズのスタジオ録音がまとまった形できっとリリースされるだろう」

バンド・オブ・ジプシーズ、つまり1969年に結成されたビリー・コックス(ベース)、バディ・マイルス(ドラムス)によるトリオバンドです。

メンバー全員が黒人ということもあり、ジミのキャリアの中では特にうねるような粘っこいグルーヴ、よりブルースやファンクに傾倒したサウンドで、オフィシャルなアルバムとして唯一ライヴ盤「バンド・オブ・ジプシーズ」があるんですが、アタシは最初にコレを聴いてエクスペリエンスでは漠然と「凄い!」としか感じられなかったジミヘンを「本当に凄い!」と実感することが出来ました。

うう・・・抽象的ですいません。

とにかく初期、エクスペリエンスでのジミヘンは、何かもう全てを圧倒していて凌駕していて、そのギターが明らかに「別次元の音楽」に感じたのですよ。

そこへいくとバンド・オブ・ジプシーズでは、俺達のバディ・マイルスが繰り出すひじょーに重心の低いへヴィなドラミングと、独特な”横揺れ”が絶妙な”間”を生み出して、ジミのギターも何というか生き物みたいにうねってて、そのノリが肉感で分かるようになった。つまりバンド・オブ・ジプシーズのサウンドは緊張感も含めてとても心地良いんです(”刺激的”という意味ではエクスペリエンスでありますが、や、これはどっちがいいとかいう話じゃござんせん)。

しかし、バンド・オブ・ジプシーズは残念ながらバンドとしては半年も経たないであっけなく解散。なのでアタシの「いつかバンド・オブ・ジプシーズのスタジオ録音が・・・」というのは、その時点で叶うことのない完全な「夢」であったんです。


しかし神様というのはいるもんです。

「今度出るジミヘンのアルバムはバンド・オブ・ジプシーズ絡みのものらしいぞ!」

という情報をキャッチしたのが2012年の秋。

「いやいやいや、たった数ヶ月で解散したジプシーズにスタジオ入ってレコーディングする時間なんかなかっただろぉ」

と、半信半疑・・・というよりも「疑」の方が正直強かった。

だってジプシーズに関しては「バンド・オブ・ジプシーズ2」という、実際はジプシーズの演奏がたった3曲しか入ってなくて音質も最悪という悪魔のようなシロモノがあったという話も聞いておった。

しかし神様というのはおるもんですな(2回目)





【収録曲】
1.アース・ブルース
2.サムホエア
3.ヒア・マイ・トレインAカミン
4.ブリーディング・ハート
5.レット・ミー・ムーヴ・ユー
6.イザベラ
7.イージー・ブルース
8.クラッシュ・ランディング
9.インサイド・アウト
10.ヘイ・ジプシー・ボーイ
11.モジョ・マン
12.ヴィラノヴァ・ジャンクション・ブルース
13.イージー・ライダー/MLKジャム(キャプテン・ココナッツ) *日本盤ボーナス・トラック*


はい、そのありえない情報をキャッチした翌年に「エクスペリエンス・ヘンドリックスからの4枚目の公式スタジオ・アルバム」として、本作「ピープル、ヘル&エンジェルス」がリリースされました。

内容は1969年のスタジオ・レコーディングで、バックは”ほぼ”ビリー・コックスとバディ・マイルス、もしくはどちらかが参加しているテイクです(2人が完全に参加していないのはジプシーズ解散後に録音された数曲のみ)。

言うまでもなく重く粘るグルーヴに乗ってのジミのギタープレイは凄まじく、ファンキーであり、その凄さ、ノリの独特な中毒性は1曲目「アース・ブルース」からガッツリ耳を直撃します。

「ジミのプレイスタイルの根底にはブルースがある」

というのは、関係者がインタビューなどでよく言っておりますが、ここでの演奏は正にブルースです。

典型的な”ブルース”こそ、C(エルモア・ジェイムスのカヴァーなんだぜぇ♪)ぐらいではありますが、他の曲からも、あのエクスペリエンスで「全く新しいロックの革命的ギター」と思われた奏法の数々が、しっかりとルーツが根底にあってのプレイだったんだ・・・と、炸裂しながら左右に大きく揺れるここでのジミのプレイを聴けば分かります。実感として。

ジプシーズ絡みじゃないセッションもなかなかに優れた曲がいっぱいあって、個人的にはジミの無名時代からの付き合いのサックス奏者、ロニー・ヤングブラッドがヴォーカル&サックスで参加しているDが、とりわけ最高です。硬派なファンクです。

アタシとしては「バンド・オブ・ジプシーズの音源がまとまって聴けるんなら何だっていい!」ぐらいの気持ちでおりましたが、これはもうジプシーズの「まず最初に聴くべき1枚」でしょうなぁ。いや、ジミヘンで最初に聴いても全然その期待を裏切らない、つまり名盤でございます。



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2016年02月25日

おそ松さん DVD





「あのおそ松くんが大人になって帰ってくる!」

というわけで”おそ松さん”動画で話題になっていると友達から教えてもらって観ましたよ。

えぇと、おそ松・カラ松・チョロ松・一松・十四松・トド松の六つ子が・・・まーこのー赤塚不二男センセイが生んだキャラクターでありますから、これは当然ロクな大人になっとらんだろうと思ってキャラを想定していたら、何と六人とも見事なニート(!!)

内容も「ヒドイ(笑)」とは聞いていたものの、まーそれ以上にヒドイ(笑)

大体が赤塚センセイです、徹底してシュールでクダラナいのがその真骨頂なんですが、まークダラない。色んなアニメとか漫画とかのパクリオマージュまであちこちにぶっこんできて、しかもその使い捨てぶりが実にヒドイ(笑)

久々にアニメ見て腹抱えて笑いました。

この徹底してシュール、そして徹底してクダラナい笑いの世界、今社会現象にまでなっておりますよね。実に素晴らしいことであります。


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2016年02月24日

映画「Space Is The Place」


ちょいとブログをゆっくり書いている時間がございません。


しばらくサン・ラーでお待ちください。。。





posted by サウンズパル at 20:00| ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月22日

サム・アンド・デイブあなをほる(?)

151126_084946.jpg偶然絵本のコーナーで見つけました。

これ…


作者絶対ソウル好きだろっ!!
posted by サウンズパル at 23:09| Comment(0) | つぶやき、小ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月20日

リトル・ウォルター コンフェッシン・ザ・ブルース

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リトル・ウォルター/コンフェッシン・ザ・ブルース
(Chess/ユニバーサル)


”ブルース・ハープの革命児”と言われ、今なお多くのファンからのリスペクトが絶えないリトル・ウォルターですが、正式にリリースされたオリジナル・アルバムは「ベスト・オブ・リトル・ウォルター」「ヘイト・トゥー・シー・ユー・ゴー」それから本日ご紹介する「コンフェッシン・ザ・ブルース」と、たったの3枚。

彼のブルースにおける極めて重要な位置付けや、その後に与えた影響を考えると「え?そんだけ?」と思う少なさでありますが、10代でデビューして、37歳で亡くなってしまうまで、ハープ片手に流行という荒波に呑まれながらも、太く短くその人生を疾走したリトル・ウォルターを想いながら、残されたどこまでもトッポくてやんちゃで、やぶれかぶれなエネルギーに満ち溢れた演奏の数々を聴くと、つい胸にアツいものがこみ上げてきます。

彼が活躍した1950年代から1960年代という時代は、ブルースには強烈な逆風が吹いていた時代でした。

端的に説明すれば1950年代のロックンロールの登場、黒人音楽もR&Bが中心となり流行の先端が”洗練”へと向かい、タフで荒々しい電気ブルースを奏でていたシカゴ・ブルースは、そんな流れの中でいつしか流行から取り残されていったのです。

ウォルターは、それでも新しい感覚を最初から持っていました。

初期のヒット曲”Juke””My Babe”や”Roller Coaster”なんかを聴いていると、曲調は明らかに「ブルースの一歩先を行くR&B」であり、ブルースハープの音色やフレーズも、伝統的なスタイルを極めつつ、当時流行していたR&Bバンドのサックス・ソロみたいな、拡がりと華やかさがありました。

ウォルターは1952年から63年の間に、R&Bのチャートに15曲ものヒット曲を送り込んでおります。

何度でも言いますがウォルターのプレイは斬新であり、その感覚は最高にオシャレで洗練されておりました。

が、R&Bのレコードを買う多くの若いリスナーにとっては「ブルースハープ=もう古い」という先入観があって、そのイメージはどうにも払拭できんかったのでしょう。次第にウォルターのレコーディングは減り、元々自暴自棄なところがあったその性格は収入の減少と共に拍車がかかり、1968年、ついに些細な暴力沙汰から負った傷が致命傷になって、ウォルターはあの世へと旅立ってしまいます。

実は60年代後半になると、ローリング・ストーンズら”ブルースを聴いてバンドをはじめた”英国ロック勢らのたくさんの働きかけや、更に60年代アメリカを席捲した”フォーク・ブルース・リヴァイバル”の追い風もあって、ライヴやレコーディングの仕事も着実に増えておりました。

ウォルターがチンピラに殴られたのも、クラブに出演してなかなかに盛況だったライヴが終わったその直後だったと言いますから、あぁ、この人はとことん不運(ハードラック)と共にあったんだなぁ・・・と思えてなりません。

もし、あと5年か10年長生きしていたら・・・。もし、クラブの帰りに因縁を付けてきたチンピラを適当にあしらうことが出来たなら・・・。歴史に”もし”は禁物ですが、ウォルターに関してだけは、その才能と実力に対する”色々なボタンの掛け違い”が本当に惜しいと感じるのです。


何だか暗い話になってしまいましたが、ウォルターの音楽、特にそのキャリア中盤から後半の「イケイケのR&Bに完全に舵を切った音源」を聴くと、そんなプライベートな不幸とはまるで裏腹な、活き活きとしたノリの良さに満ち溢れております。

ウォルター最後のアルバムとなった「コンフェッシン・ザ・ブルース」これね、本当にノリノリでカッコイイアルバムなんですよ〜♪




【収録曲】
1.イット・エイント・ライト
2.ロッカー
3.アイ・ガット・トゥ・ファインド・マイ・ベイビー
4.ライツ・アウト
5.ワン・モア・チャンス・ウィズ・ユー
6.クレイジー・レッグス
7.テンパラチュア
8.アイ・ガット・トゥ・ゴー
9.クレイジー・ミクスト・アップ・ワールド
10.クォーター・トゥ・トウェルヴ
11.コンフェッシン・ザ・ブルース
12.ザ・トドル
13.アップ・ザ・ライン
14.ロック・ボトム
15.ミーン・オールド・フリスコ
16.トゥー・レイト*
17.ファスト・ラージ・ワン*
18.ブーム・ブーム・アウト・ゴーズ・ザ・ライツ*
19.ジャスト・ア・フィーリング*
20.アイ・ドント・プレイ*
21.ジャスト・ユア・フール* 

*ボーナストラック


内容は、1952年から63年まで幅広い時期のセッションを収録してありますが、どの曲も「より都会的、よりロッキンな曲」を志向したウォルターのR&Bテイスト満載の力演です。

この頃の「アルバム」の常識として「ヒット曲が出たらそれをまとめたものを一枚のレコードにして売り出そう」というレコード会社の考えがありました(「ベスト・オブ・リトル・ウォルター」なんかは正にそうで、文字通り”ヒット曲を集めたベスト”です)が、このアルバムは

「いやいや、実はヒットしてないだけでリトル・ウォルターの曲はすんげぇのいっぱいあったから」

という事に気付いた多くのファンのために、70年代に企画/編集されたアルバムなんです。

というわけで冒頭の2ビートで疾走する@から「Roller Coaster」のパワーアップ版ともいえるインスト(アンプにつっこんだハープがキレッキレ!)のAとか、独自のポップ感覚が炸裂したDF、かと思わせてしっかりと濃厚なブルース・フィーリングで聴かせる鬼のスロー・ブルースCとか、ハッキリ言って「ベスト・オブ〜」以上の楽曲バラエティの豊かさと、”掴み”の多いとっつきやすい(ノリがほとんどロックに近いんですよ、こういう感覚はマディやウルフといった大御所とはまた違う、独自のもんだと思います)曲満載の全15曲なんですが、ボーナストラックが6曲も入っていて、しかもそれがどれもクオリティ高い曲ばかり(インストのP、チンピラな唄い方ここに極まれりなOなどなど・・・)で悶絶して卒倒してしまいます。








カッコイイ!


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2016年02月19日

サン・レコーズ〜ジ・オリジナル・ジョニー・キャッシュ

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サン・レコーズ〜ジ・オリジナル・ジョニー・キャッシュ

(SUN RECORDS/ビクター)

ジョニー・キャッシュ兄貴は、”兄貴”であります。

最初に知ったのは、確か高校の頃です。

ボブ・ディラン経由でフォーク/カントリーの素晴らしい世界を知り、同時にブルーハーツ経由でパンクになだれ込んでいた時期、不思議なことにフォーク/カントリーの記事からもパンクロックの記事からも”ジョニー・キャッシュ”という名前が同時に出たのを、ある日偶然目にして驚いた記憶があります。

細かいことは忘れましたが、前者は”ボブ・ディランらに影響を与えたアメリカン・ルーツ・ミュージックの巨匠”的なことを、後者は「その反骨のスピリッツは、クラッシュのジョー・ストラマーをはじめ、多くのパンクスんいジャンルを超えて影響を与えている」的なことを、確か書いていたと思います。

まーその、カントリーとかって、よくわからんかったうちは「落ち着いたおじさん達が健康的にやってる音楽」だとばかり思ってたんです。

しかし、色々と聴いていくうちに「カントリーの人らもブルースマンと一緒で、色々とアウトロー」ということを学びました。

で、ジョニー・キャッシュ兄貴なんですが、コノ人は生まれて初めて買ったアルバムが「アット・ザ・フォルサム・プリズン」という刑務所ライヴで、コレで「オイ、それ囚人の前で歌って大丈夫か・・・?」というきわどい歌ばかり唄ってたのと、小耳に挟んだ「山3つ燃やした」とかいう逸話(故意ではなく事故ではあるのですが・・・)ですっかり「ヤバイ!この人は兄貴だ!!」と、アタマの悪い高校生だったアタシはすっかりハマッてしまったんですねぇ・・・。

んで「どーせジョニー・キャッシュとか知ってるの、俺ぐらいしかいないだろう」と思ってたら、ちょい上の世代の人達とたまたま音楽話になった時

「あ、先輩ちーす」

「おぉ、最近お前何聴いてんのよ」

「色々ですよー、最近はカントリーだけどジョニー・キャッシュちゅう人が渋いなぁち思って・・・」

「あ?誰それ?」

「おぉ、ジョニー・キャッシュかぁー!俺知っとるよ。ロカビリーじゃがな、エルヴィスと一緒レコード会社おった人だろぉ?渋いがな」


とかいう会話が出来たのが嬉しかったですね。

あぁ、はい、ちょっと流れが「?」だと思いますが、奄美では大体アタシらの上の世代の先輩達は何故か高校時代にロカビリーを聴いてたんですね。で、ロカビリーの名前とかも知らんでサウンズパルに「おじちゃーん、ロカビリーのCDあるぅ〜?」とか、ウチの親父に訊くわけです。

親父はそういう子には「あれもいい」「これも聴け」と、エディ・コクランやらバディ・ホリーやらジーン・ヴィンセントやら、固有名詞をボンボン出してオススメするわけです。

で、その「ジョニー・キャシュだとぉ!?」と反応した先輩には、多分親父は「ジョニー・キャッシュいいど」とか言っておったんでしょうね。

はいはい、そういう時代がありました。

で、「フォルサム・プリズン」で夢中になって、ジョー・ストラマー先輩との共演とか、ジョニー・キャッシュ兄貴がアコギで90年代世代のロックのカヴァーとかをガンガンやってるのとか(いずれ紹介しますね)聴いて「流石兄貴だわい」とか思ってたのですが、ジョニー・キャッシュ兄貴が世に出るきっかけとなった1950年代の”サン・レコード”での原点である音源は、どこをどう探してもついぞ見付かることなく出会うことなく、アタシは「ううーん、聴きたいぞ」と、ストレスを抱えておりました


が・・・・!!!!





【収録曲】
1.ゲット・リズム
2.ヘイ・ポーター
3.フォルサム・プリズン・ブルーズ
4.ドゥーイン・マイ・タイム
5.ギヴ・マイ・ラヴ・トゥ・ローズ
6.アイ・ウォーク・ザ・ライン
7.クライ・クライ・クライ
8.ビッグ・リヴァ
9.ロック・アイランド・ライン
10.トレイン・オヴ・ラヴ
11.アイ・ハード・ザット・ロンサム・ホイッスル・ブロー
12.ヘイ・グッド・ルッキン
13.アイ・フォゴット・トゥ・リメンバ・トゥ・フォゲット
14.フールズ・ホール・オヴ・フェイム
15.トゥー・タイミン・ウマン
16.サンクス・ア・ロット
17.ゼア・ユー・ゴー
18.ホーム・オヴ・ザ・ブルーズ
19.カントリー・ボーイ
20.アイ・クドント・キープ・フロム・クライン
21.ソー・ドッゴン・ローンサム
22.ニュー・メクシコー
23.レック・オヴ・ジ・オールド・ナインティ・セヴン
24.グッドナイト・アイリーン
25.ストレイト・エイズ・イン・ラヴ
26.バラッド・オヴ・ア・ティーネイジュ・クウィーン
27.ザ・ウェイズ・オヴ・ア・ウマン・イン・ラヴ
28.ゲス・シングズ・ハプン・ザット・ウェイ
29.ケイティ・トゥー
30.ワイド・オープン・ロード
31.ルーサ・プレイド・ザ・ブギ



「ジョニー・キャッシュのサン・レコード時代の音源がビクターから出るぞ!」と聞いたのが2013年。

そして翌年に何と31曲入りでしかもアタシがリスペクトしてやまないピーター・バラカン師の愛情溢れる解説付きで、そのCDはリリースされました。

演奏は期待通り、アコースティック・ギターの弾き語り+曲によって軽くギター、ベース、ドラムなどのバンドがサポートで付いた程度のアレンジで、あの深く渋いバリトン・ヴォイスと、アウトロー、無産者などの魂の声をそのまま歌詞にしたような、本当に”うた”の原点がコレで存分に堪能できます。


個人的には「フォルサム・プリズン」のオリジナル・ヴァージョンや、レッドベリーの「ロック・アイランド・ライン」「グッドナイト・アイリーン」の、気合いの入ったカントリー・アレンジが楽しめるのとか、以前紹介した90年代のブルーグラス名盤「マーティ・スチュアート/ビジィ・ビー・カフェ」で、本人参加で演奏していた「ヘイ・ポーター」のこれまたオリジナルが聴けるのが嬉しいんです。

カントリーやブルースとか言われてピンとこない人にも、これはぜひ”うた”の根源的な何か凄い深くて優しい何かに浸れるグッド・ミュージックとして、お手元に置いて末永く愛聴していただきたいと思います。




若き日のジョニー・キャッシュ兄貴「I Walk The Line」もグッとくる名曲ですよね〜♪




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2016年02月17日

サム&デイヴ ホールド・オン

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サム&デイヴ/ホールド・オン
(STAX/ワーナー)


おーいぇー、サム&デイヴだぜーーー!!


”ファンキー・ダイナマイト”はソウル界にたくさーんおるけど、”ダブル・ダイナマイト”はこの人らしかおらんもんね〜♪

てなわけで、本日のオススメはソウルを・・・いや、アメリカを代表する”男性ヴォーカル・デュオ”の超大物、もとい”男性ヴォーカル・デュオっていえばコレでしょ♪”のサム&デイヴでございます。サム&デイヴでございますよみなさん。まず、名前がファンキー、そして高音のキレのあるシャウトを得意とするサムと低音の豊かなハモリを得意とするデイヴが、ノリノリの曲でもバラードでも見事なコール&レスポンスが醸す厚切りのグルーヴで実に聴かせる、60年代アメリカが生んだ、これのデュオは奇跡のひとつだと思います。

サム&デイヴを聴いてひしひしと感じるのは、ブラック・ミュージックが持つ独特の唄心というものの豊かさ。”コール&レンスポンス”という、ブラック・ミュージックの中核を成す”魂の形”を崇高に進化させた
、いわばヴォーカル・スタイルのひとつの到達型でありながら、いつも普段着の飾らないパフォーマンスとサウンド・キャラクターでもって「おぅ、コイツぁゴキゲンだねぇ、唄ってんのは誰だい?」「へへ、コイツぁサム&デイヴさぁ〜。いつだってゴキゲンよ〜♪」と、聴いている若い人らに何か言わせちゃうところ。

とりあえずそのズバ抜けたコール&レスポンスの技量と親しみ易さという、一見すると相対するものを、実に当たり前に併せ持っているサム&デイヴは、アメリカを代表するファンキーな2人組なんです。日本でも鬼のよーにベスト・アルバムが出まくっておるのですが

しかーーーーし!皆さん、サム&デイヴをベスト盤だけで済ませちゃうのはもったいないですぜ、オリジナル・アルバムを聴けば聴くほど、この人たちの底知れぬソウルのダシが、もうたまんなくグッツグッツゲッタゲッタと耳にも心にも、そして腰にも染み込みます。


おーいぇ!あーはー!







【収録曲】
1.ホールド・オン
2.愛が欲しいなら
3.アイ・テイク・ホワット・アイ・ウォント (MONO)
4.イーズ・ミー
5.アイ・ガット・エヴリシング・アイ・ニード
6.つらい想いをさせるな
7.イッツ・ア・ワンダー
8.ドント・ヘルプ・ミー・アウト
9.ジャスト・ミー
10.ユー・ガット・イット・メイド
11.ユー・ドント・ノウ・ライク・アイ・ノウ
12.ブレイム・ミー


ハイぃ・・・というわけでアタシのオススメは、もうね、サム&デイヴとか名前も知らん時にカワイイ亀さんに惚れて買いましたこの、ホールド・オン・アイム・カメ、違った「ホールド・オン・アイム・カミン」。サム&デイヴの2枚目のアルバムでありながら、サザン・ソウルの総本山STAXと契約してリリースした初のアルバムですので、実質デビュー作と思っても良いでしょう。

のっけから重心の低いうねりながら跳ねるサザン・フィーリングなサウンドの上で炸裂する息ピッタリのヴォーカルがたまんないタイトル曲から、やや辛口の歯切れのいいバラードA、そして60年代ソウルといえばこういうサクサクとした8ビートのタテノリがたまらんBと、立て続けに「ミディアム、バラード、アップ」で終盤まで一気にダレることなく聴かせます。

特にバラードではサムのシャウトがカコーンと伸びて行くのに、デイヴがすごくやるせない合いの手を入れるんですけど、やり取りしているうちに2人とも段々アツくなっていって、いつの間にかハーモニーそのものが強烈なリードみたいになっているのがもうたまらんのですよ。



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2016年02月16日

ビル・エヴァンス ワルツ・フォー・デビイ

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ビル・エヴァンス/ワルツ・フォー・デビィ
(Riverside/ユニバーサル)

「ポートレイト・イン・ジャズ」のレビューを書こうと思って初期エヴァンスを一気に聴いていたら、もうすっかり虜であります。

エヴァンスの音楽には、その激しく儚く美しいピアノの音色には、やっぱり表面的な美しさ以上に、根底の部分で聴く人の心を激しく乱して中毒にさせてしまう甘い毒のようなものがある。これはエヴァンスの演奏を「あぁいいね、気持ちいいね・・・」と聴いているうちは全く気付かずに、すっかりハマッてしまった後から完全に回っていることに気付いてドキッとする類のもんです。

さて、本日ご紹介するのは、もしかしたら「ポートレイト・イン・ジャズ」よりも知っている人が多いかも知れない「ワルツ・フォー・デビイ」です。

1961年6月25日にニューヨークの名門クラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」で行われたエヴァンス、ラファロ、モチアンのトリオによる生演奏が収録されたライヴ・アルバム。恐らくは世界で最も売れている(今も)であろうジャズ・ピアノのCDでありましょう。

内容はこれはもう、これこそアタシごときチンピラがどうこう言うのはおこがましいぐらいに素晴らしいものです。

エヴァンス・トリオ独特の素晴らしさといえば、繊細でかつ情感を一気に炸裂させるエヴァンスのピアノに、単なるリズム楽器の枠を超えて自在に鋭く切り込むスコット・ラファロのベース、そして一見クールだけど、刻むリズムのひとつひとつの、本当に些細な部分に至るまでしっかりと”メロディ”を意識して一緒に唄っているモチアンのドラム、この3つの音が非常に高い次元で溶け合って、何とも言えぬ至福のハーモニーへと昇華していること。これに尽きますが、本盤は更にライヴならではの心地良い臨場感が、聴く人の心を撃ちます。

とはいえ、単純に「ライヴ盤だからノリがいい」というだけでは終わりません。

例えば一曲目、最初から最後までたっぷりと憂いを放ちながら場の空気を変えてゆく「マイ・フーリッシュ・ハート」の荘厳な立ち上がりはどうでしょう。そこから演奏は2曲目3曲目と、まるで夢のように切なく切なく流れてゆくんですが、演奏とは全然関係ない、食器が「カチャ・・」と鳴る音や、客の話声(ひとりやかましーおっさんがおるのよ)までも、全部エヴァンス・トリオの音楽に包まれて、とっても華のある調べと聞こえます。






【パーソネル】
ビル・エヴァンス(p)
スコット・ラファロ(b)
ポール・モチアン(ds)

【収録曲】
1.マイ・フーリッシュ・ハート
2.ワルツ・フォー・デビイ(テイク2)
3.デトゥアー・アヘッド(テイク2)*
4.マイ・ロマンス(テイク1)
5.サム・アザー・タイム
6.マイルストーンズ
7.ワルツ・フォー・デビイ(テイク1)*
8.デトゥアー・アヘッド(テイク1)*
9.マイ・ロマンス(テイク2)*
10.ポーギー(アイ・ラヴ・ユー・ポーギー)*


はい、このアルバムには、エヴァンスならではの美的メロディ・センス、そしてトリオの美しくも緊張感にみなぎる演奏の”良いとこ”が、全編に渡って紡がれております。「ジャズ・ディスク・ガイド」の類には必ず載っていて、今まで多くの人にこよなく、そして深く愛されていた名盤には、やはりそれだけの「長く聴かれるだけの理由」がありますね。

最後にこの演奏が録音された10日後に、ベーシストのスコット・ラファロは交通事故で23歳の若い命を散らせてしまいます。やっぱりこういう誰も追いつけないような演奏をする天才肌の人というのは生き急いでしまうものなんでしょうか。それもまた切ない・・・。




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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
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2016年02月13日

ガンダムサンダーボルト アニメ




「サンダーボルトにはやっぱりフリー・ジャズだ。モビルスーツは大好きだぜ、宇宙も戦場も、ここは自由だ。」



「イオ・フレミング少尉だ。ジャズが聞こえたら俺が来た合図だ」


ガンダム・サンダーボルト、アニメ版のPV、きましたね。

音楽は誰が担当するんだろうと思ったら、何と菊池成孔ではないですか(!!)

これはたまらん、ジャズ好きにもたまらん・・・。





posted by サウンズパル at 19:42| Comment(0) | つぶやき、小ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする