2016年08月06日

パンテラ 俗悪

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パンテラ/俗悪

(Wea/ワーナー・ミュージック)

すごくザックリと極端に言って

「ヘヴィな音、ラウドな音、トンガッた音の究極が聴きたい!」

という衝動をお持ちの方は、まずパンテラを聴いておれば問題はなかろうと思います。

アタシがパンテラを知ったのが、セカンド・アルバム「俗悪」がリリースされた1992年。

アタマの悪い高校生真っ盛りの頃ですねぇ。

音楽仲間のIの家で、親戚から送られてくる、最新のMTVのビデオなんぞを観ながら、あーでもないこーでもないと、生意気にも音楽談義に花を咲かせていた時です。

アタシらのその頃の先生は、ビーバス&バッドヘッドでした。

ご存知の方は多いと思うんですが、このコたちです↓

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コレが番組の中のアニメで、音楽のテレビを観ながら

「おもしろくねー」

「チャンネル替えるぜグヘヘヘ・・・」

とか言いながら、勝手にヘヴィメタルとかパンクとかハードロックとかに、どんどんチャンネルを替えて、曲に合わせてクールだの何だの言いながらヘッドバッキング&エアギターをするとかいう、まぁグダグダで最高な番組だったんですが、コイツらを観て、アタシら田舎のアタマの悪い高校生は

「こ、コイツら俺だ・・・!」

と思って、勝手なシンパシーをビシバシ感じておった。

で、まんまとそのノリにハマッたアタシは、どんどんヘヴィでラウドな音楽を漁っては聴きまくっておったのでした。

その日も、例の如く秘密基地のようなIの家で、あーでもねーこーでもねーと、ダラダラしながら音楽談義に花を咲かせておりました。

「やっぱメタリカ最高だぜぇ?フツーに半音下げチューニングやってあの感じ出るか?」

「ヘヴィさで言えばブラックサバスだろうがよ、オジーが最初にやっとったバンドで・・・」

「あぁ?昔のロックは何かチンタラしててあんまりノレないんだよ」

そん時スレイヤーのビデオクリップが流れ、一通りヒャーヒャー言って

「な?やっぱコレだろぉがよ、極悪な音に限るぜぃ♪」

と、その時

聴いたこともないヘヴィなリフをズンズン刻む凶悪なギターの音に、耳が釘付けになって、何も言えずにしばらく呆然としていたら、メタルらしからぬ坊主頭のイカツいのが

「復讐だーーー!!(字幕アリ)」

と、これまた聴いたことのない潰れた声で叫ぶのを聴いて


「ふぉほぉ!誰!?」

「し・・しらん!ヤベぇ!!」

と、一応真っ当な反応をしつつも、しっかりと「エアギター&ヘッドバッキング」でノリノリになっておりました。

「俗悪」のCDを買いに走ったのは、そっから1週間も経ってなかったと思います。





【収録曲】
1.マウス・フォー・ウォー
2.ア・ニュー・レヴェル
3.ウォーク
4.ファッキング・ホスタイル
5.ディス・ラヴ
6.ライズ
7.ノー・グッド(アタック・ザ・ラディカル)
8.リヴ・イン・ア・ホール
9.レギュラー・ピープル
10.バイ・ディーモンズ・ビー・ドリヴン
11.ホロウ
12.ビス


脳天をハンマーでブン殴られたような衝撃を覚えた「復讐だー!」はしっかりと一曲目に入っておった安心しましたが、このアルバムは、それまで

・ロックのアルバム買う→速い曲、激しい曲だけ聴いてあとは飛ばす

という、実にケシカラんアタシの音楽の聴き方そのものを激変させました。

どの曲も「うそっ!?」てぐらいにヘヴィで、しっかりとした聴き応えがあって、それよりも何よりも”音”に乗っかってる1音辺りの情念とか激しさの質量がハンパないんです。

本当に「どんなにすればこんなアホみたいに凶悪なギターの音出るんだろう・・・」と、考えに考えて、通常の、ギター+アンプ+ディストーションの組み合わせではダメだと早々に諦め、BOSSのメタルゾーンというエフェクターをかませたレスポールで、ヤマハのベースアンプにぶっこんで「一応それらしい音」ぐらいまで、えぇ、頑張りました。

このアルバムがリリースされてから一気にそれまでのヘヴィメタル/ハードロックの音質は、ガラッと変わりましたね。「どこまでヘヴィで、しかも厚みのある”ドコォ!”っていう音が出せるか?」みたいにギター界がなって、その後のモダン・ヘヴィネスの流れが生まれたんだと思うと、間違いなく歴史を変えた一枚でしょう。

今でもパンテラのこの時期の音を越えるヘヴィ・サウンドはないような気がします。いや、物理的に加工して、色々と乗っけて重くなった音はいくらでも出来るんですが、ギターとアンプの歪み基本のナチュラルなセッティングで、この音を出せと言われたら、もう物理的なものを超えた、人間の限界に挑むしかないです。



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

posted by サウンズパル at 18:40| Comment(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする