2016年08月23日

マノウォー Kings of Metal

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Manowar/Kings of Metal
(Atlantic)

今は地下ですが、それでもCD屋をやっていると、最近よく訊かれます。

「BABYMETALってどうですか?どう思います?」

て。

最初の頃は何のことかわからず

「何ですかそれ?」

と、逆に訊き返してたんですけど、ある人から

「アイドルの子たちが本格的なメタルをバックに唄ってるんです、面白いっすよ」

と、教えてもらい、映像を見せてもらいました。

なるほど、ギンギンの、かなりハードなメタル・サウンドに乗って、恐らくは80年代のヘヴィ・メタルのリアルタイムを知らないであろう女の子達が、アイドルの”風味”を残しながら激しくパフォーマンスを繰り広げる。

これは色んな意味で”ギャップ”のツボがハマる、非常に面白く、かつ画期的なアイディアだと思います。

はい、BABYMETALに関する個人的な”感想”はここまで。

そんなことよりもアタシはCD屋として

「うん、これをきっかけにして、もっと世の中の色んな世代の人に、ヘヴィメタルという最高にアツくてクールな音楽のカッコ良さを知ってもらえたらいいなぁ・・・」

と、切実に思っているんです。

そう、こういう時にこそ全国のCD屋、バンドマン、ギョーカイジンその他音楽にたずさわる人らは、便乗しまくってグッド・ミュージックを世の中に広める努力をせねばならんのではないですか。たとえ一人であってもアタシはします。

というわけで本日は「メタルの中のメタル」といえばこのバンドでしょう、マノウォーです。

ヘヴィメタルの時代が始まった1980年にアメリカから世に出てきて、2016年まで大きくスタイルを変えることなく

・重い

・激しい

・情感てんこ盛り

の3拍子揃った、気合いの入ったメタルをずーーーーっと演奏してきたバンドなんですよ。

彼らのモットーはズバリ

「混じりっ気ナシの純粋なへヴィ・ミュージックを、常に全力で演奏すること」

です。

「偽メタルには死を!」

を合言葉に、メジャー・レーベルとの契約書へのサインも血で行うなど、何というかもう徹底して”気合い”。

サウンドも、実はちゃんと聴けば叙情的だったり、深い知性に裏付けられた展開やアレンジもふんだんに楽曲の中に盛り込んでいるのですが、それは長年聴いて気付けばいいわけで、とにかくフルゲインにしたギターの轟音とバカテク、ベースとドラムの繰り出す容赦なく攻撃的なリズム、そしてヴォーカル、エリック・アダムスのパンク・スピリッツに溢れた、実に男・・・いや、漢らしい太みあるハイトーン・ヴォイスにグッと握り拳を固めて聴けばいいわけです。

アタシは高1の頃、アタシよりも全然洋楽、特にメタルに詳しい友達に、マノウォー教えられました。

そん時聴いてたメタルといえば、メタリカにパンテラにスレイヤー、メガデス、アンスラックス、スキッド・ロウ、ガンズ、オジー、それからラウドネス、X Japan・・・そんぐらいの、もうホントに有名どころしか知らなかったのですが、ある日

「マノウォー知ってるか?」

と、言われ

「まのおう?何じゃそれ?」

だったのですが

「ほれ、まぁ聴いてみろ。これがメタルだ」

と、CDを貸してもらい

「ほんとかよ・・・」

と思いながら帰宅して、翌日ソイツに会うなり

「ホントだった・・・」

と、拳握り締めて即答しました。

そんぐらい彼らのサウンドは、迷いとか妥協とか一切ない、力強さがストレートに「ガツン!」とくる刺激的なサウンドだったんです。





【収録曲】
1.Wheels of Fire
2.Kings of Metal
3.Heart of Steel
4.Sting of the Bumblebee [Instrumental]
5.Crown and the Ring (Lament of the Kings)
6.Kingdom Come
7.Pleasure Slave
8.Hail and Kill
9.Warrior Prayer
10.Blood of the Kings

そん時友達に貸してもらったのが、このアルバム「Kings of Metal」です。

1988年にリリースされた、彼らの6枚目のアルバム。

どこを切り取っても激しいしヘヴィだし、もう言うことありません。

初期の頃はもっとアメリカンな、ロックンロール寄りの演奏もやっていて、それもまたカッコイイんですが、このアルバムでドでかく打ち立てた世界観は「ヘヴィメタル」という意味において絶対的に揺ぎ無く、また、最近久々に引っ張り出して聴いてみましたが、その揺ぎ無いサウンドの威力は、2016年の現在においても全く損なわれないままに強烈であります。

その余りにも硬派な姿勢と、世評を物ともしない鋭角に特化したサウンドゆえに、セールス的には彼らから影響を受けつつも、よりポップな味付けのメタルバンドらの後塵を拝した形になりましたが、成功した後輩バンド達が口々に彼らへのリスペクトを語り、伝説として語られる。そして、そんな自分達への敬意を表す後輩達やファンを本当に大事にするという、音だけじゃなく、そういう気持ちの部分の”漢らしさ”もまたカッコイイと思うのです。




(これはもう名曲ですわね)
『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

posted by サウンズパル at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする