2016年09月16日

シャム69 Punk Silngle Collection 77-80

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Sham69/Punk Single Collection 77-80
(Captain Oi!)

信じられない話ですが、アタシが中学の頃、中学生男子は全員強制丸刈りだったんです。

とにかくコイツが嫌いで、少なくともアタシがパンクロックという音楽に深い共感を覚えたのは、この強制丸刈りをはじめとする、理不尽なルールに憤っていたから、というのはデカイです。

何というか、こっちの「何でダメなの?」という問いに「ダメだからダメなのよ」としか答えがないルールって変じゃないですか。

まーとにかく中学時代というのは、こういったおかしなルールとの戦いでした。

でも「戦う」とは言っても悲しいかな非力な少年一人では、何をやっても勝てません。そりゃあそうです。

だからアタシは「革命家になる!」という夢を内に秘めて(や、秘めてもなかったかも・・・)、音楽関係、特にパンクロックに関する情報に関しては「これは世の中との喧嘩の必勝法だ」ぐらいの気持ちで収集しておりました。

「オイパンク」なる言葉を知ったのは、そんな時です。

当時ちょっとブレイクしたバンドで「COBRA」という日本のバンドがいまして、この人達が「オイパンクってこうだよ」と雑誌で語ってたんです。

簡単に言えば

・Oiは硬派

・Oiは男らしい

・髪型も男らしく坊主


ん・・・他にも結構大事なことをたくさん喋ってたと思うのですが、当時のアタシの脳味噌で理解出来た言葉が以上3点・・・(汗)

まーでもしかし、強制丸刈りで悶々としておったアタマの悪い中学生には、特に「オイパンクって坊主なんだぜ」というのは、これはもう天啓のように思えました。

んで「軟派よりも硬派がいい」と常日頃(今も)思っておりますアタシとしては、これはもう意味とかは分からんがオイパンクだろうと。そうなった訳です。

”Oi”というのは、これはパンクより早い時期にイギリスの若者達の地下文化です。

音楽的には、クラッシュやピストルズらが作り上げた「パンクロック」という音楽を、詩性を極力廃した現実的な歌詞、観客も全員で合唱できるような、覚えやすく、扇動的な楽曲、そして要所要所で叫ばれる「オイ!」という掛け声を持つもの。これが「オイ」と呼ばれております。

このジャンルが好きだったのが「スキンヘッド」と呼ばれるイギリスの不良達です。

今はヨーロッパでは「スキンヘッド」といえばネオナチや極右団体のように思われがちですが、当初は純粋に労働者階級の子供達が、社会への不満をスキンヘッドや軍払い下げのジャケット、そしてロックンロールやスカなどを大音量で聴き狂い、またはフーリガンとしてサッカー場で乱闘することで表現していたと言えます。

そうそう、イングランドはサッカー王国なんですが、フーリガンというのは暴徒化したサッカーファンではなく、最初から暴れるための集団です。まぁそれはどうでもよろしい。

このスキンヘッドの若者達が熱狂的に支持したバンド達が、徐々に彼らのファッションや思想などと音楽を融合させて「オイ」という1ジャンルが生まれました。

ほうほう、なるほど。

と、色んな本とかを読んで納得したアタシ。

「じゃあ何がオイパンクを代表するバンドなのか?」

といえば、それはThe BusinessとかBLITZとかなんでしょうが、当時は彼らのCDはなかなかに入手困難だったので

「オイに一番影響を与えたバンドだよ」

ということで聴いていたのがシャム69。











【収録曲】
1.I Don't Wanna
2.Ulster
3.Red London
4.hat Have We Got?
5.Borstal Breakout
6.Hey Little Rich Boy
7.Angels With Dirty Faces
8.Cockney Kids Are Innocent
9.If the Kids Are United
10.Sunday Morning Nightmare
11.Hurry Up Harry
12.No Entry
13.Questions and Answers
14.I Gotta Survive
15.With a Little Help from My Friends
16."Hersham Boys (7"" Version)"
17.I Don't Wanna (Live)
18.Rip Off (Live)
19.I'm a Man I'm a Boy (Live)
20.Tell Us the Truth (Live)
21.You're a Better Man Than I
22.Give a Dog a Bone
23.Tell the Children
24.Jack
25.Unite and Win
26.I'm a Man


1977年デビューした彼らは、オリジナル・パンクスと言っていいと思います。

当初からシンプルでゴツゴツした演奏、言葉をドスンと力強く叩き付けるジミー・パーシーの、カリスマ性あるヴォーカルが、何といってもこのバンドの魅力です。

70年代後半、パンクブームが世界中を沸き立たせている中、ピストルズは解散、クラッシュは音楽性をどんどん拡げて行く中で、いわゆる「変わらないこと」を強みにしていたのは、シャム69とダムドぐらいなもんでしょう。

特にシャム69のライヴは、観客全員を巻き込む楽曲の「合唱力」(でいいのか)の高さもあいまって、そらもう凄まじく沸いておりましたが、彼らのライヴは毎度の如くパンクスとスキンヘッド達が乱闘になり、途中で打ち切られることもしょっ中だったそうです。

シャム69のひたすらに硬派な音楽性、社会に対するこれもまた硬派な反抗姿勢、そして「パンクスとスキンズの現場での対立」があちこちに影響し、「Oi」というジャンルが生まれていくのです。

シャム69自体は、やはり硬派一直線なスタイルで金属疲労を起こしたのか、1980年代に解散してしまいますが、8年後には再結成。メンバーも以後大幅に入れ替わり、音楽的にもかなり自由度の高いスタイルになって復活するんですが、最高なのはやはり1977年から一度目の解散に至るまでの1980年までの演奏/楽曲/ライヴです。

オススメに「シングルス」を挙げましたが、これはシングル曲だけでなく、ライヴもたっぷり入ってますんで、タダのベスト盤以上に、彼らの魅力とカッコ良さを体現できるでしょう。つうかファースト、セカンドと順番に聴いていっても帰ってくるところはやっぱりこのアルバムだったりします。

今聴いても、不器用にあちこちに衝突しながら、まっすぐにぐいぐいと突き進んで行く、愚直な誠実さ、カッコイイなぁ・・・。

『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 19:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする