2016年10月31日

浮世絵のタコ

今日は某所で土方をやってきました。

あの〜、皆さんは百葉箱ってのをご存知ですか?

学校に、何だかよくわからない、白い木で出来たこういうのあったでしょう。

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はい、これです。

これ、組み立てるのはそうでもないけど、穴掘って足場を水平に保つのがすごく時間がかかります。

ツルハシとシャベルでガッツンガッツン堀まくったので今日は背中と二の腕バッキバキ。

ふぅ。。。

違う、百葉箱のことを書きたかったんじゃないんだ・・・(悩)。

今日はハロウィンです。

ハロウィンについてはドルイド起源の何ちゃらということ以外は、実はアタシはよくわかっとらんですが、「仮装」というものについてちょいと気になることがあってネットを調べておりましたら、実に意外なところから素敵なものと出会いました。

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江戸時代のハロウィン!!

違う!!

これはですのう「二十六夜待」という行事の様子です。

それは一体何かというと「十五夜祭り」と同じような”月見のお祭り”なんです。

文献によりますと旧暦の1月と7月の26日に出る月は、夜中遅くに非常に神々しい光を放ち、これが阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩という三尊の有り難い仏様だということで、みんなこの日の月を出るのを待って、外に出て月を拝むわけなんですが、冬場は流石に寒いということで、7月の「二十六夜待ち」が盛んに行われるようになりました。

廿六夜待 高きに登り、又は海川の辺酒楼等に於て月の出を待つ。左に記せる地 は、分て群集する事夥しく、宵より賑へり。
 芝高輪・品川 此両所を今夜盛観の第一とす。江府の良賎兼日より約し置て、品川高輪の海亭に宴を儲け、歌舞吹弾の業を催するが故、都下の歌妓幇簡女伶の属(たぐい) 群をなしてこの地に集ふ。
 或は船をうかべて飲宴するもの尠からずして、弦歌水 陸に喧し。
 築地海手深川洲崎、湯島天満宮境内、飯田町九段坂、日暮里諏訪ノ社辺、目白不動尊境内、西南に向て月を看るに便りあしけれど、此辺の輩は集へり。


ちょいと難しい文章ですが、要するに二十六夜の日は、みんな高い所に上ったり、飲み屋で月が出るのを待ってた。夜中には街の通りは群集で埋め尽くされるぐらいの賑わいだったんだと。

特に芝・高輪・品川界隈は、大変な盛り上がりで、みんな飲めや歌えや踊れやの大宴会でワイワイ盛り上がっていたそうです。

で、仮装。

これについては文献を探してみるも、記述がありませんでしたが「楽しいし、どうせだから仮装しちゃえ!」というノリでやってた様子ですね。

しかし何故にタコ・・・。

末広がりの”八”という数字に験を担いでなのか、それとも魔除けの意味合いか(そういえば奄美のケンムンもタコが嫌いでしたね)、多分どっちもだと思いますが、タコのコスプレってなかなかにハードル高いぞ(!)


最後にオマケ↓
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鈴付けて全力疾走する大根です。

大根・・・。




posted by サウンズパル at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | つぶやき、小ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月29日

キャロル・キング つづれおり

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キャロル・キング/つづれおり
(ソニー・ミュージック)

ここ数日ジョニ・ミッチェルを聴きまくっておりましたら、ついつい70年代のアメリカ、女性シンガーソングライターものに手が伸びてしまい、色々と聴いておりました。

いや、それもあるんですけどね。ちょっとアタシはスマホなるものを買って、アレは凄いですね。パソコン画面とほとんど変わらん表示が出来て、カテゴリ別にページをぬゎ〜んと眺めることが出来る(ドヤッ!)。

そしたらですよ皆さん、あの〜、サウンズパルの「ロック/ポップス」のカテゴリがありますでしょ?そこを見てみたらまぁ何ですか、いくら何でもアナタ、ずらーっと並んでいるのがパンクだのラウドだのメタルだの、そういう殺伐とした男臭いものばかり。えぇ、アタシゃもちろん大好きですよ、男らしくやかましいロック。というよりむしろ、小学生の頃からそういうのを栄養にして今のおっさんになるまでスクスク育ってきたと言っていい。

しかしですよ皆さん、このブログは、まぁアタシ一人の狭い狭い見識で言うのもちょいとアレなんですが

「音楽の素晴らしさ、特に時代を経ても色褪せないエヴァーグリーンなものを一生懸命紹介しよう!」

というブログです。

なので「ロック/ポップス」の「ポップス」の部分ももうちょっと頑張らないとなー、と、殊勝にも思った次第です。えぇ。

そういう訳で「ポップスとは何ぞや?」と、結構真剣に考えました。

そこで出たひとつの答えが「それはキャロル・キングを先駆けとするスンガー・ソングライターものなのではないか?」ということです。

ここで「キャロル・キングを最初に聴いたのは・・・」という話にはなりません。

何故なら、アタシが物心付いた時からキャロル・キングの曲は、それこそ色んな人にカヴァーされる大スタンダードとして、既にポップスにはなくてはならないものでした(その”カヴァーされ度”は、カーペンターズをも恐らく凌いでいると思います。)。

なので、18の時に学校の授業で「今のポップスの歴史を作ったアルバム」と教わって「んなことあるかぁ」と聴いてみた時は、「あ、この曲知ってる!」「あれ?これもキャロル・キングだったの?嘘だろ・・・」と、ことごとく驚いたものです。

ちょいと有名or多分このブログを見てる人達に分かり易いカヴァーの動画を貼っときましょうか。










はい、ザッと。本当にザッと挙げただけでもこんだけあります。

マルティカの「I Feel The Earth Move」は、確かアタシが中学の頃だったかな?車のコマーシャルでもう毎日のように流れてたかもです。マイコーと元ちとせのは、こらもう説明のしようがありませんわな。「ナチュラル・ウーマン」が何故メアリー・J・ブライジなのかといえば、これは最初にヒットしたアレサ・フランクリンのヴァージョン(作曲キャロル・キングで後にセルフカヴァー)に対する最高のリスペクトを感じたからです。

他にもCMやテレビのBGMとか、それこそ色んなところで耳にする曲の耳にするヴァージョンあるんですが、とりあえずこれはさわりです。後は皆さん「つづれおり」買って聴いて「えぇぇぇえ!?あの曲のオリジナル・ヴァージョンって嘘でしょ凄い!!」と、かつてのアタシのように驚愕してください。





【収録曲】
1.アイ・フィール・ジ・アース・ムーヴ
2.ソー・ファー・アウェイ
3.イッツ・トゥー・レイト
4.ホーム・アゲイン
5.ビューティフル
6.ウェイ・オーヴァー・ヨンダー
7.君の友だち
8.地の果てまでも
9.ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー
10.スマックウォーター・ジャック
11.つづれおり
12.ナチュラル・ウーマン
13.アウト・イン・ザ・コールド (未発表曲)
14.スマックウォーター・ジャック (Live)


今でこそユーミンとか椎名林檎とか、女性シンガーはほとんど作詞作曲もするシンガーソングライターですが、実は70年代までは「歌手」というのは作詞家と作曲家が作った歌を唄う、或いはスタンダード曲を唄う存在で「歌手が自分で曲を作って唄う」なんてのはありえないどころか、レコード会社に持ってっても「ハッ、作詞作曲のシロウトが何血迷ってんだ!」と、相手にされないような事でした。

そういった考え方が打破されるのは1960年代のロック・ムーヴメントと、多くの才能ある(そして自ら楽器も弾く)女性シンガー達が大勢出てきたフォーク・リヴァイバルの成功からでした。

キャロル・キング自身は1958年にデビューして、主に当時の夫であるジェリー・ゴフィンとコンビを組んで作詞作曲家として地道に活動してましたが、60年代には遂に「自分で作詞作曲して唄う珍しいシンガー」としてデビュー。順調にヒットを飛ばしますが、その活躍もビートルズの社会現象的な大ブレイクの影に隠れ、68年に”ザ・シティ”というバンドをわざわざ組んで、シンガーとしての再デビューを果たします。

で、本日ご紹介した「つづれおり」は、ザ・シティから再度独立した、シンガーソングライターとしてのキャロル・キングの評価を決定付けることになった作品であり、同時に後続のポップス界、ソウル界、ジャズ界の歌手や作曲家にまで幅広く決定的な影響を与え、音楽シーンの潮流を見事に変えた一枚でもあるのです。

とはいえ、彼女の作る楽曲、そして優しく包み込むような声で唄われるその歌は、実に清楚でキッチリした聴き易さと、それまでカントリー調の曲が多数を占めていたポップスの世界にジャズやR&Bの要素を、ちゃんとポップスとして聴けるような分かり易い形にして取り入れ、その「分かり易く、でも飽きない形のポップス」という、いつの時代にも通用するしっかりした骨組みのゆるぎないものを作り上げた。という意味で、これは本当に衝撃的な作品だと思います。

もちろんキャロル・キングは「つづれおり」のみにあらず!他のアルバムも全く変わらないクオリティの、心から”上質”といえるものばかりですが「つづれおり」だけはそれこそ一家に一枚でもいいぐらいのエヴァーグリーン中のエヴァーグリーンなんじゃないかと思います。



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
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2016年10月28日

ジョニ・ミッチェル ミンガス

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ジョニ・ミッチェル/ミンガス
(ワーナー・ミュージック)

チャールス・ミンガスをご紹介しましたので「ミンガス」といえばコチラの名盤を紹介しない訳にはいかんでしょう。ジョニ・ミッチェルが1979年にリリースした、憧れのジャズとチャールス・ミンガスへの目一杯のオマージュを幻想的なサウンドに込めた、ポップスとジャズの間を美しく浮遊するそのタイトルも「ミンガス」でございます。

ジョニ・ミッチェルという人は、1960年代にデビューした女性シンガー・ソングライターです。

透き通るハイトーンのヴォーカル、非常に高い文学性を持った歌詞にピッタリの知的でかつ自由闊達な雰囲気の楽曲と、独自のチューニングを施したギターを自在に操るスタイルで、当時のフォーク・シーンに革命をもたらした凄い人なんですけど、その音楽性は70年代半ば以降、アコースティックなアレンジやフォーク調の曲に捉われない、より自由なものへと進化させてゆくんですね。

シンガーとして、作曲家として、ギターの名手として、詩人として、そして画家として・・・彼女の個性の塊のような声にうっとりして、その才能の底のなさを思うといつもドキドキしてしまいます。68年のデビュー作「ジョニ・ミッチェル」から近年の作品に至るまで、どの作品も自由で心地良い風が吹いているのを感じると共に、創造に対する彼女の徹底してストイックな姿勢が感じられて心地良く身が引き締められる気持ちに、アタシはいつもなるのです。

さて、そんなストイックなアーティスト、ジョニ・ミッチェルにとって、自身をインスパイアさせてくれる素晴らしい音楽は、どれも傾倒に値する神聖なものでした。

彼女はデビュー当初、優れたフォーク系ポップスの歌い手でしたが、既にその頃には世界中のあらゆる音楽を聴いて感動し、特にジャズやブルースなどのブラック・ルーツ・ミュージックには、一言では言い表せないほどの大きな感銘を受けていたそうです。

そんなジョニが、ジャズ界における天才的なアーティストであり、コチラも作品というものに対しては恐ろしくストイックな身上を持っていたチャールス・ミンガスと出会ったのは、ミンガス自らが執筆した自伝「敗け犬の下で」がきっかけでした。



この本は、若き日のミンガスとチャーリー・パーカーやセロニアス・モンクといったモダン・ジャズ・レジェンド達とのリアルな回想を交えた黎明期のモダン・ジャズ・シーンの様子が生々しく描写されていて、ミンガスがというよりは、同じ時代のジャズマン達が何と戦い、葛藤していたかが実に迫ってくる良書ですので、ジャズにちょっとでも興味がある人は読んでいただきたいのですが、ひとまずジョニの話に戻ります。

ジョニがミンガスの本やレコードに、決定的な衝撃を受けて「ぜひ共演したい!!」と申し出た・・・と思われがちなんですが、1970年代半ばからジャズに傾倒して、ジャコ・パストリアスやパット・メセニーらとの共演作を既にリリースしていたジョニのアルバム(恐らくは「逃避行」「ドンファンのじゃじゃ馬娘」辺りか)を聴いたミンガスの方から感心して「このコはいいね、機会があれば是非ともこのコのために曲を書きたい。いや、書かせろ!」と、申し出た。というエピソードがあります。

実はミンガスは1970年代後半には持病が悪化して演奏活動が出来なくなっていたんですね。だから自宅で療養しながら曲を書くことをその時のライフワークにしていたのです。

で、ジョニがミンガスの所に通うような形で打ち合わせを重ね、ミンガスの新曲や、代表曲の「グッド・バイ・ポークパイ・ハット」などをジョニが歌うということで、話はトントンで進み、更に演奏するミュージシャン達は、ジャコ・パストリアス、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ピーター・アースキンら、ジョニのお気に入りで、ミンガスも認めるジャズ/フュージョン系の実力派達で行こうという風になりました。

レコーディングは順調で、ジョニもミンガスも納得の作品が出来上がろうかというその時、ミンガスが病のため、1979年1月に死去しましたので、このアルバムは図らずもミンガスの追悼盤になってしまいました。






【収録曲】
1.ハッピー・バースデイ 1975
2.ゴッド・マスト・ビー・ア・ブーギ・マン
3.葬儀
4.ア・チェアー・イン・ザ・スカイ
5.ザ・ウルフ・ザット・リヴズ・イン・リンジー
6.アイズ・ア・マギン
7.スウィート・サッカー・ダンス
8.コイン・イン・ザ・ポケット
9.デ・モインのおしゃれ賭博師
10.ラッキー
11. グッドバイ・ポーク・パイ・ハット

アルバムは、ミンガスと奥さんのスー・ミンガスが、誕生パーティーで無邪気に掛け合う会話から始まります。その後の展開がどのようになるのか、このオープニングからは全く想像すら出来ませんが、これは見事なジャズ・アルバムです。

といっても、単純に「ポップスの人がジャズ唄ってる」とかそんな生ぬるいものじゃなくて、ジャズのエッセンスと、素晴らしいジャズ・ミュージシャン達の本気の演奏力を借りながら(特にジャコのベースが凄いんですよ、彼の参加してる作品の中ではこのアルバムは屈指の出来です)、彼女が持つ淡く幻想的な世界観が全くオリジナルな雰囲気と、どこまでも深く静かに拡がってゆくみずみずしさをたたえながら、儚く美しく展開していきます。

裏ジャケに描かれたジョニ作の絵「車椅子のミンガス」が、すごくいいんですよね。これを眺めながらぼうっと切ない気持ちに優しく包まれつつ、CDを聴くのがたまりません。



(ジャコのなめらかに唄うベースと、ジョニの叩き付けるギターの絡みに鳥肌。美しい・・・)


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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
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