2016年10月21日

ビル・エヴァンス ハウ・マイ・ハート・シングス

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ビル・エヴァンス/ハウ・マイ・ハート・シングス
(Riverside/ユニバーサル)

「秋はビル・エヴァンスを聴きましょう」

と、題しまして、本日もビル・エヴァンスの”二代目ベーシスト、チャック・イスラエルと共に作り上げた美しい音世界”をご紹介します。

チャック・イスラエルの”寄り添うベース”の魅力っていうのは、コレはアタシがエヴァンスに惚れて以来、ずっと鑑賞のど真ん中に置いておることです。

決して初代ベーシスト、スコット・ラファロと比べてどうこうという訳でもないし、世間一般で評価がズバ抜けて高いラファロのプレイに対して、イスラエルを判官びいきすることでageてる訳でも決してないです。

や、最初は何かとラファロと比較されて地味な評価に甘んじているイスラエルのベースを、ラファロとは全く別物として聴くことで、少しでも世間一般の評価に抗おうとかいう気持ちはそれなりにありましたよ。

でも、エヴァンスとラファロが織り成す、とてつもなく甘美で、どこか内にのめり込んで特別なハーモニーをしっとりと紡いでいる演奏を聴けば聴くほど、そしてその演奏にハマればハマるほど「ラファロとイスラエルの比較」なんかどーでも良くなってきて「いや、エヴァンスは誰と組んでもそれぞれ違った良さがあるし同時に一切変わらない良さもあるし最高よ」という結論に達して今に至ります。

それでも敢えて言えば、初期の色んなことに燃えていたエヴァンスのコンセプト、つまり「極限的に斬新で、聴きようによっては凄まじい程に激しい演奏、でも、美旋律は一切崩れないピアノ・トリオの究極的な進化系」というのは、ラファロの縦横無尽に動き回り、鋭く容赦なくアドリブに斬り込んでくるあのベース・プレイがなければ成し得なかったでしょう。そして、より詩的で内省的な、知性とヒリヒリするほどの哀感を持つフレーズで構築された音世界で聴き手を幽玄の彼方へと誘う”それからのエヴァンス”は、たおやかな余韻を残しながら、エヴァンスのピアノと共に唄う、イスラエルのベースなしには絶対にあり得なかっただろうと思います。




【パーソネル】
ビル・エヴァンス(p)
チャック・イスラエル(b)
ポール・モチアン(ds)

【収録曲】
1.ハウ・マイ・ハート・シングス
2.アイ・シュッド・ケア
3.イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ
4.ウォーキング・アップ
5.サマータイム
6.34スキドゥー
7.エヴリシング・アイ・ラヴ
8.ショウ・タイプ・チューン
9.イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ(別テイク)


で「ハウ・マイ・ハート・シングス」です。

このアルバムは、先日ご紹介した「ムーンビームス」と、同じ日にスタジオで録音された音源を「バラード」と「ミディアム・スロウ以上のテンポのナンバー」とに割り振りしたもので、コチラのアルバムでは、軽快にスイングしながら、鮮烈な美を撒き散らすかのようなエヴァンス・トリオのプレイがたっぷりと堪能できます。

一発目はややアップテンポ(ミディアムスロウ)とはいえ、どこからどう聴いても美しいメロディの「ハウ・マイ・ハート・シングス」これはイントロの4音で、もうクラッとくるぐらいに香気を放ってて、後年もライヴなどで頻繁に演奏していた、エヴァンスの代表曲のひとつ。そこからアルバムが終わるまで、イスラエルとポール・モチアンが軽快に刻むテンポに乗って、エヴァンスのピアノが狂おしく駆け抜けるんです。

エヴァンスは、ラファロが事故死してからこのアルバムを吹き込むまでの一年間、ショックで何も出来なかったと云いますが、このふっきれた小粋な演奏を聴く限り・・・と思うのは最初だけで、エヴァンスのピアノが奏でる美しい旋律と澄み切ったトーンには、どこか拭えない”悲しさ”があるんですね。余計なことを言いますと「エヴァンスって人は、自分の中で”悲しさ”というのを消化する感覚を持ってなかった人なんじゃないか」と思いますね。だからずっと、明るくキャッチーな曲を弾いても、どこか心にヒリッとしたものが突き刺さるようなピアノだし、それが晩年に「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング」という、究極に悲しくて美しい作品にまでずーっと連なってるんだろうな・・・と思います。

最後、ちょっと暗くなりましたが、えぇ、やっぱりエヴァンスの魅力は”どこか暗いところ”にあって、だからこそ人の心を打つんだよ、なんてアタシも柄にもなく”秋の感傷スイッチ”が入っております。









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2016年10月20日

カワサキ KM90

はい、今日は久しぶりにちょいと小ネタです。

「バイク見るのが好き」なアタシは、よくYoutubeでバイクの動画を見ております。

いわゆる”旧車”と呼ばれる、60年代70年代のレトロな国産オートバイが好きなアタシです。

特に排気量400cc以下の味のあるバイクがたまりません。

で、最近動画で見付けて一人で「これいいな〜」と思ってるのが、カワサキのKM90

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見てこれ!

90ccの、いわゆる「ミニバイク」です。

「小さいけど走るんだぜ!」

と、言わんばかりの外観が何とも頼もしい♪

動画↓






スピードを楽しむというより、近場をのんびり走るバイクですね。

しかし、このKM90、色んな人のブログを読んでみたら、販売当時は林道とか河川敷とか未舗装道路をガンガン走り倒す、オフロード車みたいな乗り方してて、それがとても楽しかったんだと。



これは輸出用として製作されたKM100(排気量以外は90とほとんど同じ)。

今も現役で、海外の悪路チャレンジャー達を楽しませておるようです。







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2016年10月19日

ビル・エヴァンス ムーン・ビームス

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ビル・エヴァンス/ムーン・ビームス
(Riverside/ユニバーサル)

秋です。

台風の湿った空気の影響か、今日の昼まであいにくの雨模様で、空気もムシムシしておりましたが、そんな中でポツッと落ちてくる雨粒がちょっとでもヒヤッとしたら、もう秋です。

「秋になったらビル・エヴァンスを聴きましょう」

アタシはそうポワンポワンと言いながら、忙しない日々の中で、なるべく心の隙間が音に向くようにして、その隙間に目一杯ビル・エヴァンスの、優しくて美しくてヒリヒリしてズキズキするピアノを流し込むことにして、何というか色んな情緒や哀感の篭った”秋”というのを内にも外にも見出すように心がけております。

特に奄美では”秋”って短いですからね、どうせ切ないんなら、短い間だけ思いっきり切ない方がいい。

はい、そんな感傷スイッチを今年も入れてくれたのはビル・エヴァンス。

特にアタシがお気に入り・・・というか、エヴァンスのアルバムの中には、個人的にもはや「一番好き」とかそういうレベルすらも超越しているアルバムが3枚あって、その中の1枚です。コレ。



【パーソネル】
ビル・エヴァンス
チャック・イスラエル
ポール・モチアン

【収録曲】
1.リ・パーソン・アイ・ニュー
2.ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス
3.アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥー・イージリー
4.星へのきざはし
5.イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ
6.春の如く
7.イン・ラヴ・イン・ヴェイン
8.ヴェリー・アーリー


1962年、その前の年に相棒ベーシスト、スコット・ラファロを交通事故で失ったエヴァンスが、新ベーシストとしてチャック・イスラエルといううら若き白人青年を迎えて製作されたアルバム「ムーン・ビームス」であります。

ラファロの主旋律にガンガンギュンギュン自由に斬り込んでくるベースの凄技は、今なおロングセラーを続けているジャズ・ピアノトリオの金字塔「ポートレイト・イン・ジャズ」「ワルツ・フォー・デビィ」などでとことん堪能できるように、もう彼にしかできない、インタープレイ(アドリブとアドリブによる対話)の究極ですが、後任者イスラエルのベースは、エヴァンスの凄まじいほどの美と哀愁が溢れるピアノに、豊かな音色でそっと寄り添うような、甘美でいて狂おしい”唄うベース”。

うん、アタシはラファロの”攻めのベース”に触発されて鮮烈な美をふわあぁぁー!と撒き散らすエヴァンスも好きだけど、イスラエルの、ピアノと共にどこまでも内なる深い世界に溶けてゆくようなベース、たまんないなと思います。

このアルバムは、特にバラードばかりを集めた一枚で、ジャケットと「ムーンビームス」というタイトルと中身が本当に合っていてよろしいなぁ。。。

エヴァンスのピアノはとても美しいです。とてもとても美しいです。

それはもう、悲しいぐらいに美しいです。







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