2016年10月04日

フィービ・スノウ Very Best of

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ベリー・ベスト・オブ・フィービ・スノウ
(ソニー・ミュージック)

ついこの間、Mステにノラ・ジョーンズが出演して、再び話題になっておりました。

アタシより2世代ぐらい上のお姉さん達とも

「ノラ・ジョーンズいいよねぇ」

「あの声癒されるわ〜♪」

と話して盛り上がってたんですが、皆さん

「ノラ・ジョーンズみたいな声の人で、昔すごく流行った人おったよね」

「何だっけ、あの、黒人のおばちゃんで、何とかスノーとかいう・・・」

あぁ、アタシ思い出しましたよ、それはフィービ・スノウです!

「そうだったー」

「いや〜ん、凄い懐かしいわ〜♪」

と、皆さんの心に暖かい火が点りましてね、とてもいいものを思い出したんです。

そうそうこの世代のお姉さん達というのは、丁度青春時代がバブル真っ只中だった世代の人達です。

この人達の世代の音楽といえば、やっぱりディスコで、皆さんガンガン踊るために夜遊びしておったんですが、ふと、小人数で語りたくなった時、いきつけのお洒落なバーでかかっていたのはフィービー・スノウで、客で行った人達が「これいい」とお店の人に言うと、お店もお客さんに人気のものを流そうということで、段々深夜にフィービ・スノウかける店が増えて、ちょっとしたブームになったんですね。

アタシはその時代はリアルに小学校高学年とか中学生の頃だったんで、もちろん当時の夜の街とかは知らないんですが、この時代を知る女性の皆さんは「フィービ・スノウ」といえば、青春時代の楽しかった思い出も、ちょっと切ない思い出も、あのどこまでも美しく優しい歌声、ジャジーで洗練されたサウンドと共に、まるで昨日のことのように思い出すんですって。凄く素敵な話じゃないですか。

で、今、音楽がどんどんデジタルチックなものに進化していく一方で、ノラ・ジョーンズみたいな「生の自然なよさ」を表現できるシンガー・ソングライターの音楽が求められていると聞いて、フィービ・スノウの事を思い出し、「あぁ、やっぱりノラ・ジョーンズ系の女性シンガーのルーツには、この人が間違いなくいるなぁ」と、強く思いました。



【収録曲】
1.ポエトリー・マン
2.オール・オーヴァー
3.ティーチ・ミー・トゥナイト
4.ドント・レット・ミー・ダウン
5.シェイキー・グラウンド
6.ラブ・メイクス・ア・ウーマン
7.ネバー・レッティング・ゴー
8.エヴリ・ナイト
9.ドゥ・ライト・ウーマン、ドゥ・ライト・マン
10.三度目の正直
11.乾いた愛
12.サムシング・リアル
13.何かがうまく
14.ハーポのブルース
15.グッド・タイムス
16.少女の頃
17.サンフランシスコ・ベイ・ブルース

彼女がデビューしたのは、キャロル・キングやリッキー・リー・ジョーンズといった人達が「シンガー・ソングライター」という新しいポップスのスタイルを切り開きまだ珍しかった「作曲もして、楽器も演奏しながら唄う女性シンガー」というのが、ぼちぼち出てきては人気を博していた1970年代半ばです。

黒人とユダヤ系白人のハーフという特徴的なルックスと、天性の爽やかでどこか不思議な憂いを帯びた歌声、カントリーでもソウルでもR&Bでもない、強いて言えばジャズを更に更に洗練させて、独自の絹のような肌触りのポップスに仕立て直したようなまったく新しい音楽性で、彼女は世界中で、静かに人気を獲得しました。

特に彼女の声は、全体的にこぶしが効いていて、豊かに「ふわぁっ」と上がる声のボリュームなんか、凄いんですけど、それも聴く側に変なプレッシャーを一切与えず、どこまでも自然に優しく、自然に哀しく、自然に切ないからいいんですよね。

今も彼女の音楽は、最初に聴いた時の、ジワジワくる感動を新鮮なまま覚えさせてくれる、本当の意味での”上質な音楽”です。きっと時代がどんだけ進んでも、音楽の流行がどんだけ移り変わっても、こういう音が求められない時代ってないんだろうなと思います。







『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 19:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする