2016年10月19日

ビル・エヴァンス ムーン・ビームス

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ビル・エヴァンス/ムーン・ビームス
(Riverside/ユニバーサル)

秋です。

台風の湿った空気の影響か、今日の昼まであいにくの雨模様で、空気もムシムシしておりましたが、そんな中でポツッと落ちてくる雨粒がちょっとでもヒヤッとしたら、もう秋です。

「秋になったらビル・エヴァンスを聴きましょう」

アタシはそうポワンポワンと言いながら、忙しない日々の中で、なるべく心の隙間が音に向くようにして、その隙間に目一杯ビル・エヴァンスの、優しくて美しくてヒリヒリしてズキズキするピアノを流し込むことにして、何というか色んな情緒や哀感の篭った”秋”というのを内にも外にも見出すように心がけております。

特に奄美では”秋”って短いですからね、どうせ切ないんなら、短い間だけ思いっきり切ない方がいい。

はい、そんな感傷スイッチを今年も入れてくれたのはビル・エヴァンス。

特にアタシがお気に入り・・・というか、エヴァンスのアルバムの中には、個人的にもはや「一番好き」とかそういうレベルすらも超越しているアルバムが3枚あって、その中の1枚です。コレ。



【パーソネル】
ビル・エヴァンス
チャック・イスラエル
ポール・モチアン

【収録曲】
1.リ・パーソン・アイ・ニュー
2.ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス
3.アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥー・イージリー
4.星へのきざはし
5.イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ
6.春の如く
7.イン・ラヴ・イン・ヴェイン
8.ヴェリー・アーリー


1962年、その前の年に相棒ベーシスト、スコット・ラファロを交通事故で失ったエヴァンスが、新ベーシストとしてチャック・イスラエルといううら若き白人青年を迎えて製作されたアルバム「ムーン・ビームス」であります。

ラファロの主旋律にガンガンギュンギュン自由に斬り込んでくるベースの凄技は、今なおロングセラーを続けているジャズ・ピアノトリオの金字塔「ポートレイト・イン・ジャズ」「ワルツ・フォー・デビィ」などでとことん堪能できるように、もう彼にしかできない、インタープレイ(アドリブとアドリブによる対話)の究極ですが、後任者イスラエルのベースは、エヴァンスの凄まじいほどの美と哀愁が溢れるピアノに、豊かな音色でそっと寄り添うような、甘美でいて狂おしい”唄うベース”。

うん、アタシはラファロの”攻めのベース”に触発されて鮮烈な美をふわあぁぁー!と撒き散らすエヴァンスも好きだけど、イスラエルの、ピアノと共にどこまでも内なる深い世界に溶けてゆくようなベース、たまんないなと思います。

このアルバムは、特にバラードばかりを集めた一枚で、ジャケットと「ムーンビームス」というタイトルと中身が本当に合っていてよろしいなぁ。。。

エヴァンスのピアノはとても美しいです。とてもとても美しいです。

それはもう、悲しいぐらいに美しいです。







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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
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posted by サウンズパル at 19:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする