2016年10月23日

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン

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レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン/Rage Against The Machine

(ソニー・ミュージック)

1990年代という時代は、色んな形で「パンク」が復権した時代だったと思います。

メロコアが流行ったとか、スカ・リヴァイバルが起きたとか、そういう表面的なことじゃなくて、歌詞にも音楽にも、社会的な強烈なフラストレーションに対する”否!”というメッセージを叩き付けるバンドが物凄い勢いで出てきたんですね。

その最右翼が、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン。

ギンギンにトンガッたヘヴィなサウンドと、ブラック・ミュージックからの影響がデカいミクスチャーなリズムに乗って、まるでアジテーションのように聴く側の意識を過激に煽りまくるザック・デ・ラ・ロチャのラップ。

歌詞を読めばこの社会を動かしている経済とか政治とかのシステムを「マシーン」と呼び、それに容赦なく具体的な言葉で打撃を加え、ライヴではキューバ革命の英雄チェ・ゲバラの旗と共に、さかさまにしたアメリカ国旗をステージに掲げ、徹底的な「反体制」を呼びかける。

最初にライヴ映像見て、歌詞とかよく分からなくても「あ、コイツらは何かよーわからんが”戦ってるヤツらだ”」と、ものすごーくシンパシーを覚えたもんです。

でも、それより何より、当時まだレッチリとかアンスラックスとかビースティ・ボーイズでしか知らなかった「ヘヴィな音の横ノリ」が、このバンドで究極にまで研ぎ澄まされたようなミクスチャー・サウンドに「うほぉ!ぼげぇ!!」(何じゃそりゃ)と、言葉にならない衝撃を受けたんです。

ノリはタテノリの8ビートとは全然違いますが「コレはパンク!!」と、聴いて即認定しましたね。いやいや、パンクってのは音楽の種類じゃなくて姿勢なんです。






【収録曲】
1.ボムトラック
2.キリング・イン・ザ・ネーム
3.テイク・ザ・パワー
4.セトル・フォー・ナッシング
5.ブレット・イン・ザ・ヘッド
6.ノウ・ユア・エナミー
7.ウェイク・アップ
8.フィストフル・オブ・スティール
9.タウンシップ・リベリオン
10.フリーダム


音楽的な完成度の高さと、強靭なグルーヴ、そして歌詞に込められた呪詛のような鬱屈とした凄まじいエネルギーが渾然一体となった、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのファースト・アルバム。

アタシが正直決定的な衝撃を受けたのは、この次の「イーヴル・エンパイア」だったんですが、既にレイジにハマッてた人達から「いや、ファーストもいいよ。つうかテンションは全然変わらんよ、聴いてみ」と言われて遡って聴いてみたんですが、よりサウンドの幅の拡がった「イーヴル〜」に比べて、よりシンプルで荒削りで、音の圧力みたいなのが真ん中にギュッと集まって放たれているようなこのストレートな表現、コレはセカンドと同じぐらいの衝撃を受けました。

南米ニカラグアの革命からインスピレーションを得たクラッシュの「サンディニスタ!」に大きな影響を受け、アメリカと南米系移民の歴史を真摯に研究し、そのことがきっかけで「おかしくねぇか!?」と、いわゆる”マシーン”との戦いに目覚めたメンバー達の、これは社会に対する最初のキョーレツな一撃です。

ゴタゴタ言う前に、これは素直に音を聴いてノックアウトされた方がよろしいですな。90年代初頭にリリースされた、最高にエモーショナルで最高にハードコアで最高にパンクなアルバムだし、この破壊力は今もぜんっぜん衰えるどころかますますリアルに感じます。感じるしかない!





(ライヴ最高だな〜♪)



ワン・デイ・アズ・ア・ライオン




『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 19:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする