2016年10月25日

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン イーヴィル・エンパイア

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レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン/イーヴィル・エンパイア
(ソニー・ミュージック)

ロックの様々なスタイルが一気に芽吹き、その中で個性的なバンドが次々と出てきた90年代。

今にして思うとレッチリとガンズの大ブレイク、メタリカの「ブラック・アルバム」の衝撃から目が覚めやらぬうちにパンテラという究極にヘヴィなバンドが出てきて、かと思えば全く違う方向からニルヴァーナ。そこからの怒涛のオルタナティヴ・ロックの快進撃、パンクロック・リヴァイバル・・・。

リアルタイムで「今度はどのバンドがどんな新譜出すんだろう・・・」と、すごくワクワクしてた時代です。

特にヘヴィロックやミクスチャーの分野では、やっぱりパンテラやレッチリ、そしてビースティー・ボーイズという凄いバンドが既にシーンを完全な影響下に治めていたので

「もうこのジャンルではこれ以上のバンドは出てこないだろうな・・・」

と、何となく思っていた時に出てきたのがレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンです。

92年にリリースされたファーストは、それこそ衝撃でした。

ビースティ・ボーイズ・スタイルのミクスチャー・ロックのサウンドに、パンテラ系のヘヴィネス・サウンドが、これは奇跡的に融合した一枚だと、正直思いました。

しかし、この時点で「ヘヴィロックの新しい突破口を切り開いたデビュー作」は、まだまだ序の口でした。

94年にファーストを聴いて「カッコイイな〜」となっていたアタシが本当の意味でレイジにぶっ飛んだのはその二年後、96年にこの曲を聴いた時です。



単純に「カッコイイ」を突き抜けたテンションと緊張感、そして隅々まで綿密な構成によって作り込まれたサウンド(特にギター)、ノリはひたすらにムダがなくシンプルなのに、そのシンプルなサウンドの中に、全てをブチ込んだ感がある。うわ、何だこれ・・・!ヤバイ!!

その頃は丁度戦前ブルースばかり聴いていた時期だったんですけど、レイジの突き抜けた反骨のスピリッツは、戦前ブルースが根源的に持っているそれと全く同じベクトルと感じて、一人で興奮しきってました。




【収録曲】
1.ピープル・オブ・ザ・サン
2.ブルズ・オン・パレード
3.ベトナウ
4.リボルバー
5.スネイクチャーマー
6.タイヤー・ミー
7.ダウン・ロデオ
8.ウィズアウト・ア・フェイス
9.ウインド・ビロウ
10.ロール・ライト
11.イヤー・オブ・ザ・ブーメラン

とにかくサウンドはヤバいです。今聴いてもそれ以上の的確な言葉が見付からないほどにヤバいです。

歌詞も社会の矛盾に溢れた”システム”に対して徹底的に容赦のないものであることはファーストから全く変わらないし、音の幅がガッと拡がったものの、ラウドで攻撃的、ザックのヴォーカルも含めた全サウンドが真ん中に集まって一気に炸裂するようなストレートな曲の構成も全然変わってないです。よくロックバンドは「ファーストの勢いが最高で、セカンド以降はより音楽的に完成されたものになってゆく」といわれますが、確かにそうなんだけど、そんな理屈でしたり顔をするのは、何かどうも違うような気がするんです。つまりファーストの勢いに、更なる勢いを被せてきたとか、もともとヤバいものがちょっとした調味料を加えることで劇的にヤバくなったとか・・・。

あぁ、20年の付き合い(その途中買い直すこと2回)のアルバムなんですが、今も聴いた瞬間に全生理が沸騰して冷静でいられなくなります。



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 19:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする