2017年01月31日

ライトニン・ホプキンス ニュー・ヨーク・ブギ~シッティン・イン・ウィズ/ジャックス・レコーディングス 1951-1952

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ライトニン・ホプキンス ニュー・ヨーク・ブギ~シッティン・イン・ウィズ/ジャックス・レコーディングス 1951-1952
(Pヴァイン)


1月30日はライトニン・ホプキンスの命日!

ということで、このどうしようもなくディープでダーティでデロデロでブギウギでドロドロの”永遠の不良ブルース親父”はたまた”ブルースの権化”なライトニン・ホプキンスのCDを今日は1日中カーステにぶっこんで、そのどうしようもなく(略)なブルースに心地良く浸っておりました。

うぅ〜ん、ライトニン♪

やっぱり何をどこからどう聴いても、およそ「ブルース」って言葉に何か特別なものを感じる人間にとって、この人は格別なんですよ。

普通、ブルースマンといえば、その卓越したギター・テクニックや声の存在感とか個性とか、そういったもので後続に影響を与え、その影響力の強さがそのブルースマンの評価に、そのまんま繋がるのです。

たとえばエレキギターによるソロのスタイルを確立したTボーン・ウォーカー、ブリティッシュ・ロック勢に多大な影響を与えたマディ・ウォーターズやハウリン・ウルフ、ボ・ディドリーらのシカゴ・バンド・ブルース・サウンド、B.B.キング、アルバート・キング、フレディ・キングらの”泣きのチョーキング・ギター”とか、ロバート・ジョンソンやサン・ハウスのスライド・・・といった風に、偉大であればあるほど、それぞれの”必殺技”のようなブルースのプレイスタイルがサウンドと歴史の中でクッキリと浮かび上がってくる。

ところがライトニン・ホプキンスは、そのギター・プレイが誰かに物凄く影響を与えたとか、彼のスタイルに憧れた誰かが一大流派を築いたとか、そんな話は聞きません。

でも、ブルースを好きな人は「ライトニン・ホプキンス」といえば、ほとんどの人が「いいね」と返し、そしてライトニンが苦手だとか、ましてや嫌いだという人に、アタシは会ったことがありません。ついでに言うとたくさんあるライトニンのアルバムの中で「これはちょっと違う・・・」という作品に出会ったこともありません。

とらいえライトニンは、決して完璧なミュージシャンではありません。むしろ調子や機嫌の悪さがモロに歌や演奏に出ていたり、チューニングが微妙にズレていることだって結構あります。

カッコイイところはそこなんです。

どんなレコーディング・セッションやライヴだろうが、手前の気分や調子がどうだろうが、その時の"全部"を隠したり誤魔化したり一切せず、好き勝手、本能の赴くままにブルースする。そしてソイツが、もうアホみたいに様になってしまう唯一の超ブルースな存在、それがライトニン・ホプキンスというブルースマンなんですよ。

だからライトニンの歌やギターのスタイルは、誰にも真似が出来ません。やったとしてもライトニンの真似にしかなりませんし、大体コノ人はやってることは非常にシンプルなんだ。当たり前過ぎるぐらいのことでも、コノ人が目一杯の「オレ節」をまぶさしてやっちゃうだけで、とてつもなくディープなブルースになっちゃう。



【収録曲】
1.Hello Central (aka Give Me Central 209)
2.Coffee Blues
3.Long Way From Texas
4.Gotta Move
5.New Short Haired Woman
6.Tell Me Boogie (aka Mad As I Can Be)
7.Prayin’ Ground Blues
8.New York Boogie
9.My Heart To Weep (aka You Caused My Heart To Weep)
10.Tap Dance Boogie
11.I Wonder Why
12.Buck Dance Boogie (aka Papa Bones Boogie)
13.Home In The Woods (aka No Good Woman)
14.Lightnin’s Gone Again
15.Dirty House Blues
16.Bald Headed Woman
17.Everything Happens To Me
18.Freight Train (aka When I Started Hoboing)
19.I’ve Been A Bad Man (aka Mad Blues/Back Home Boogie)
20.New Worried Life Blues
21.Broken Hearted Blues
22.One Kind Of Favor
23.Down To The River
24.I’m Begging You
25.Contrary Mary (aka Crazy Mary)
26.Everybody’s Down On Me
27.You Do Too (aka I’ll Never Forget The Day)


例えば1951年から52年にかけて録音(前半8曲はニューヨーク録音らしい)のこのアルバム、実はライトニンが、何とジョン・リー・フッカー(この人もまたどうしようもなく個性の塊な人)を意識して、ジョン・リー・スタイルのブギーやったり、「Fright Train」という曲は、まんまジョン・リーのオハコのスロー・ブルースである「Hobo Blues」だったりするんですが、曲調もアレンジ(ライトニンのギターとベースのみのほぼ弾き語り)も"まんま"なのにライトニンが昔からの持ち唄を披露しているようにしか聴こえません。

そしてライトニンのギター。

このアルバムでは、アンプにブッ込んだアコースティックギターで、スローブルースとブギをほとんど交互に弾いとる訳ですが、特にブギでは、そんなにツマミ上げないセッティングで、右手のアタックだけで「グシャッ!」とキョーレツな歪みを繰り出すのを聴いて「あ、ギターの"いい音"って理屈じゃないな」と思うのです。

ちなみにこのアルバムのレコーディングは1951年。

この年代のブルースについて書く時ゃ毎回言いますが、アンプにゲインツマミが付いてない時代の音でコレです。。。






(入魂の「ニューヨーク・ブギ」手癖全開それがどうした!!)



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2017年01月30日

夜の夜中にブルースを聴く

1月30日はブルースの権化、ライトニン・ホプキンスの命日。

わすれないようにメモ
  • 20170130232138840.jpg
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2017年01月29日

ホレス・シルヴァー ソング・フォー・マイ・ファーザー

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ホレス・シルヴァー/ソング・フォー・マイ・ファーザー
(Bluenote/EMIミュージック)

「ミルト・ジャクソン・クァルテット」を聴いていましたら、ホレス・シルヴァーを聴きたくなってきました。

ホレス・シルヴァーといえば、多分ジャズを好きになった人、でもって最初に何を聴くべきか迷って、名門BLUENOTEレーベルのアルバムに手を出した人にとっては、恐らく最初に「おっ」と気を引くアーティストだと思います。

そうでなくても

「オシャレでファンキーなジャズ」

を、追い求めている人は、大体最初付近に出会って、そのカッコ良さにヤラレる人であると思います。

かく言うアタシもそうでした。

フリー・ジャズからモダン・ジャズへと、ジャズの好みの幅が段々と拡がってきた最初の頃に出会ったのが、ホレス・シルヴァーのファンキーな名曲「ソング・フォー・マイ・ファーザー」(確かクラブジャズ系のオムニバスに入ってた)を聴いて

「うぉお!何このオシャレでカッコイイ曲は!?これもジャズか、これもジャズでええのんか!?」

と、びっくらこいたものです。



【パーソネル】
ホレス・シルヴァー(p)
カーメル・ジョーンズ(tp,@ACD)
ブルー・ミッチェル(tp,B)
ジョー・ヘンダーソン(ts,@ACD)
ジュニア・クック(ts,B)
テディ・スミス(b,@ACD)
ジーン・テイラー(b,BE)
ロジャー・ハンフリーズ(ds,@ACD)
ロイ・ブルックス(ds,BE)

【収録曲】
1.ソング・フォー・マイ・ファーザー
2.ザ・ネイティヴス・アー・レストレス・トゥナイト
3.カルカッタ・キューティ
4.ケ・パサ
5.ザ・キッカー
6.ロンリー・ウーマン

ジャズの世界で「ファンキー」といえば、元々はいわゆるファンクやソウル系のあの感じではなく("ファンキー"という言葉がちらほら聞けるようになった50年代半ばはソウルもファンクもまだ生まれてなかったから当然といえば当然ですが)、ゴスペル音楽から導入したコール&レスポンスの繰り返しで沸き上がる、いわゆる"黒っぽさ"のことをそう言っておりました。

その"ファンキー"のジャズにおける元祖は、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ。

色々あって途中仲違いしてしまいましたが、シルヴァーはそのオリジナル・メンバーで、初期のジャズ・メッセンジャーズではブレイキーのドラムにピッタリと息を合わせたグルーヴィーなピアノで"ファンキー"を次々生み出しておりました。

袂を分かつた後、ブレイキーはよりゴスペルに根ざした"ジャズのファンキー"を追究し、シルヴァーは60年代に入ると自らのバンドを率いて、ゴスペルやR&Bの感覚にラテンなどのエッセンスも積極的に演奏に取り入れ、独自の"ファンキー"を極めておりました。

このアルバムは1964年、絶好調のシルヴァーが、自分自身の「ファンキージャズ」を高らかに宣言しただけでなく、この時代のブルーノートというレーベルのカラーを決定付けた、素晴らしいインパクトと存在感に満ちたアルバムです。

まず、シルヴァーは、ピアニストとしてはもちろん凄腕ですが、そのテクニックを演奏面で弾きまくって炸裂させるタイプではなく、練り込まれたバンド・サウンドの中で、曲やアレンジのカッコ良さを引き立てる、センスの良いプレイをすることに専念しているような、非常に効果的で"ツカミ"に溢れた演奏を聴かせます。

特にこのアルバムでは、ジャケットに写っているホレスのおとーちゃんに捧げたアルバムで、ポルトガル系の血を引くおとーちゃんを意識して、ラテン風味のアレンジが、洗練されたモダン・ジャズ・サウンドと自然に融合して、それがそれまでのストレートなハード・バップにはないオシャレ感の肝になってるんですね。

「ジャジーな曲にラテンを絡める」という手法は、90年代以降のクラブジャズやハウスのミックスものなんかではもう当たり前だったりしますが、このアルバムとチック・コリアの「リターン・トゥ・フォーエヴァー」がなかったら、果たしてその手法はすんなり成り立っていたかなと思います。

バンド・サウンドも実に引き締まってて無駄がなくカッコいいですね。個人的にこのアルバムはジョー・ヘンダーソンの、ファンキーだけれどもどこかナイーブで掴み所のない"やや変"なテナーを楽しみつつ、シルヴァーのセンスの良さにグッとくるアルバムだとも思います。

1964年といえば、あのビートルズがデビューした年でもありますね。同じ年にロックとジャズ、それぞれのフィールドから究極にポップでセンスと洗練の塊のようなバンドと作品がリリースされたことに、何か時代の大きなうねりも感じますね。




(定番のFUNKYチューンです。元祖レアグルーヴ名曲♪)

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2017年01月27日

ミルト・ジャクソン・クァルテット

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ミルト・ジャクソン・クァルテット
(Prestige/ユニバーサル)


冬は大体体調がよろしいのですが、昨日まで不覚にも風邪を引いておりました。

先週末から何か咳がでるなぁと思っておりましたら、一昨日ついに頭痛と悪寒が酷くなり、節々も痛くなって「これは風邪だ」と。

風邪というのはアレですね、こういう風にこじらせてしまったら、もう何をしてもお手上げです。ひたすら水分を補給して、体を暖めに暖めて、内側の免疫力様の後方支援に回るしかない。

幸いにして昨日の朝、汗をどっさりかいて峠は何とか越えました。

さぁ、体調も回復したしドカッと景気の良い音楽なんか聴いて〜♪

と、思ってたのですが、いざ車でCDをセットしてみましたが、どうにも体が付いていかない。

いつもなら好んでガンガン聴いているはずのタイトなドラムとか、攻撃的なリズムとか、ギンギンのエレキギターとか、濃いぃヴォーカルのシャウトとか、大好きなんですよ。大好きなんですが今日は違う。

あれこれ考えて、MJQ(モダン・ジャズ・クァルテット)を聴こうと思ったんです。

あれいいですよね、けたたましいホーンが入ってないし、リズムは軽快だし、何より曲がクラシック調ですごく耳に優しい。

よいしょっ、とCD棚から取り出したはずのMJQ・・・



【パーソネル】
ミルト・ジャクソン(vib)
ホレス・シルヴァー(p)
パーシー・ヒース(b)
コニー・ケイ(ds)

【収録曲】
1.ワンダー・ホワイ
2.マイ・ファニー・ヴァレンタイン
3.ムーンレイ
4.ニアネス・オブ・ユー
5.ストーンウォール
6.アイ・シュッド・ケア


違う!

これは『モダン・ジャズ・クァルテット』じゃなくて『ミルト・ジャクソン・クァルテット』の方のMJQ!!

よほど風邪で体力と思考力が衰えてたんですな。。。

でも、今日のアタシには、このアルバムが一番フィットしました。

『ミルト・ジャクソン・クァルテット』は、モダン・ジャズ・クァルテットと同じ編成です。

メンバーもジョン・ルイスの代わりにホレス・シルヴァーがピアノ弾いてるということ以外は全く一緒です。

ですが、"たった一人のメンバーが違う"ということだけで、決定的な"違い"が生まれたりするのが、ジャズの面白いところ。はい、このアルバムは、いわゆるMJQの、クラシック風味溢れる典雅なそれとはサウンドの質感、全く違います。

最初アタシはこう思ってました

「ブルージーなミルト・ジャクソンとファンキー大先生のホレス・シルヴァーだったら、これはもうノリノリのファンキー大会だろうな〜♪」

と。

これも違いました。


一言でいえば「しっとりとした大人のアルバム」です。

1曲目こそちょっとノリのいいミディアム・テンポですが、これ以降はミルトのヴィブラフォンはじわっと奥底に秘めたブルース・フィーシングを滲ませながら、ホレス・シルヴァーのピアノは、ひたすら美しく儚げに絶妙な絡みでゆったり心地良く酔わせてくれます。

「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」での、ヴィブラフォンのコーンと澄み切った響きとか、「ムーン・レイ」での、どうしようもなく影を引きずったブルーな世界とか、もうたまらんですね。

ミルトのアルバムの中でも、このアルバム、実はかなり地味な方だと思います。派手に吹くホーン奏者はいないし、MJQと同じ編成/ほぼ同じメンバーながら、華やかで強いインパクトを持った曲が入ってない。

でも、ちょっと心身に元気がない時とか、特に「これを聴く!」と強く思わない時に聴くと素晴らしく染みるアルバムです。そして長く付き合える良い音楽です。












(3曲目「ムーンレイ」このダークな雰囲気がたまらんですね〜)

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2017年01月25日

仁義なき戦い(風邪との)



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「有田、ポンはやめぇ言うたじゃろうが!」

「知らんの〜、ワシゃ新開の舎弟ですけえ兄貴に言ってつかあさいや」

(セリフうろ覚え)

はい、深作欣二の名作『仁義なき戦い』より、山守組若頭 坂井鉄也(松方弘樹)と、山守組系新開組舎弟 有田俊雄(渡瀬恒彦)とのアツい名場面です。


松方弘樹、亡くなってしまいました。


菅原文太、成田三樹夫、山城新伍、川谷拓三・・・。

ギラギラしたとことん人間臭い不良の演技で、アタシらをワクワクさせてくれた「昭和の男」が次々鬼籍に入ってゆくのは淋しい限りです。

本日アタシは体調不良。頭痛&悪寒と仁義なき戦いを繰り広げながら、今日はレビューお休みします。。。


posted by サウンズパル at 21:50| つぶやき、小ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月24日

パール・ジャム VS

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パール・ジャム/VS
(Epic/ソニー・ミュージック)

80年代のハードロック/ヘヴィ・メタルのブームから、徐々に周辺の色んなジャンルを取り込みながら独自の進化を遂げて、主に80年代後半から90年代前半にかけてシーンに登場したバンドのことを「オルタナティヴ」と呼ぶようになりました。

なかんづく、シアトルから出てきたバンド達のことが、特別に「グランジ・ロック」などと呼ばれるようになりましたが、リアルタムではそこんところは結構微妙なタイムラグがあったように思います。

レッド・ホット・チリ・ペッパーズやビースティ・ボーイズなど、いわゆる「ヘビメタじゃない激しいロック」の斬新で刺激的な新作に夢中になっているうちに、ニルヴァーナが出てきて全てを塗り替え、その後にソニック・ユースやダイナソーJr.、スマッシング・パンプキンス。更にハードなものを求める向きに人気だったのがサウンドガーデン、アリス・イン・チェインズ、そしてパール・ジャムといったところだったでしょうか。

とにかく当時の高校生だったアタシらは

「次々出てくる声が高くないけど激しいロック」

の音を浴びるように聴きながら

「すげーすげー!こういう音楽って何て言うんだ?とにかくすげぇ!」

と、ヨダレも垂らさんばかりにハアハア言いながらCDを追っかけたり、耳にしたギターリフをコピーしようと躍起になったりしてました。

「そういうのってオルタナっていうらしいぜ」

と、知ったのは大分後のこと。

まぁその、アタマも実に悪かったので「オルタナティヴ」の意味とか分からんかったもんで、全てノリと勢いでカッコイイだの悪いだの、勝手な聴き方をして楽しんでおりました。

そんな夢中の中で、ニルヴァーナは別格として、特に人気が高かったのがパール・ジャムでした。

全国的にはどうだったか分かりませんが、大体ニルヴァーナ聴いたヤツは「次、パール・ジャム」というのが多かった気がしますね。

アタシは実はその時、パール・ジャムを聴いてはいましたが「何か全体的にゴワゴワしててあんまりピンと来ないなぁ・・・」というのが正直な感想でしたが、「いや、でも何かクセになるぞコレ」という友人の言葉をまぁ信じることにして、しばらく集中的に聴いてみたら、10回目ぐらいから「ほんとだ!!何じゃこれ!!」と、そのラフで暴力的な横ノリのグルーヴにヤラレるようになりました。

その時最初に聴いて「ゴワゴワしてピンと来ないなぁ」と思ったのは、彼らのファースト・アルバムで、友人に聴かされたのが、セカンド・アルバムの「VS」でした。





【収録曲】
1.GO
2.ANIMAL
3.DAUGHTER
4.GLORIFIED G
5.DISSIDENT
6.W.M.A.
7.BLOOD
8.REARVIEWMIRROR
9.RATS
10.ELDERLY WOMAN BEHIND THE COUNTER IN A SMALL TOWN
11.LEASH
12.INDIFFERENCE

正直言うと、最初に「あぁこれはクるな・・・」と思ったのは、ヴォーカルのエディ・ヴェーダーの声。

くぐもってざらついた、重い吸引力のある声に、最初アタシは惹かれます。

ロックといえば、メタルもパンクも、ヴォーカルは声を張り上げて絶叫するもんだと思っていたアタシに、そのシャウトしても重暗い声は、セカンドでよりソリッドになった音とバリエーションを増した楽曲の中で、一際パワフルで禍々しい存在感を放っております。

そこに横ノリのグイグイくるグルーヴです。

疾走する曲こそありませんが、だからこそ余計に後を引きます。





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2017年01月23日

マーヴィン・ゲイ ミッドナイト・ラヴ

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マーヴィン・ゲイ/ミッドナイト・ラヴ
(CBS/ソニー・ミュージック)

60年代後半から70年代にかけての「ソウル」の代名詞、マーヴィン・ゲイであります。

マーヴィンが「Love」の一言を、その甘く切ない声と旋律に乗せて発する時、恐らくそれを耳にしているアタシ達の心の中にも、多くの体験から「あぁ、あれは確かにそうだったな・・・」と、追想と共に巡る同じような「Love」が、胸を焦がしてもうどうしようもなくなります。

さて、そんなマーヴィンといえば、60年代のデトロイトで誕生し、ブラック・ミュージックを究極的に洗練させて誰が聴いてもクオリティの高い上質なポピュラー・ミュージックにしたと言われるモータウン・レコードの看板シンガーでした。

彼の端正で豊かな拡がりのあるヴォーカルは、モータウン特有の、生バンドにストリングスやホーン・セクションを贅沢に配したゴージャスなサウンドと共鳴し、このレーベルでマーヴィンは「ホワッツ・ゴーイング・オン」をはじめとする数多くの名盤を次々とリリースし、それこそ音楽の歴史そのものを刻んでゆくのであります。

しかし、そんなマーヴィンの全盛も、モータウン・レコードの栄光も、1970年代をピークに斜陽に向かうことになります。

ひとつの時代を象徴するものを築いたら、今度は別のところから出てくる新しい時代の波に、古いものは呑み込まれてゆく。これは仕方のないことですが、マーヴィンにはモータウンとの金銭トラブル、私生活での2度の離婚に関わる泥沼の調停問題や破産、そして薬物への傾倒など、プライベートでの不幸な出来事が重なり、遂に70年代後半には身も心もズタボロになってしまいます。

失意のマーヴィンは、ヨーロッパやハワイで、まるで何かから逃げているかのような隠遁生活を送りますが、かつてデビュー前に同じドゥー・ワップ・グループで唄っていたハーヴィ・フュークワと、CBSコロムビアの副社長であり、ソウルの敏腕ディレクターとして有名だったラーキン・アーノルドという人達が献身的に彼を支援します。

特にラーキンは弁護士でもあり、この頃のマーヴィンを苦しめていたモータウンとの契約を切ってCBSに迎えるために、あれこれ必死で走り回って、契約の問題から元妻達への慰謝料など、ひとつひとつを的確にクリアーしていき、ようやくボロボロになっていたマーヴィンを迎えることに成功するのです。

とはいえ、この時のマーヴィンには、再び人前に出て唄えるかが心配なほど精神的に消耗しておりましたし、何より作品を作ったり音楽活動を行うための資金を持ち合わせておりませんでした(一説によると友人がマーヴィンの住んでいるアパートを訪れた時、彼は現金を10セントも持っていなかったと言われております)。

ラーキンとマネージャーは「麻薬をやめてクリーンになること、再び音楽で復活して、新しく契約するレーベルに利益をもたらすこと」を条件に、早速マーヴィンのアルバムを作ることを約束するのです。



【収録曲】
1.ミッドナイト・レディ
2.セクシャル・ヒーリング
3.ロッキン・アフター・ミッドナイト
4.この瞬間を愛して
5.愛の交歓
6.サード・ワールド・ガール
7.ジョイ
8.燃える情熱

そんなこんなの苦難の中から生まれたのが「セクシャル・ヒーリング」です。

1981年、世間ではもうマーヴィン・ゲイは「落ちぶれた元シンガー」でしかなく、予算もあまり取れない中、スタジオではかつて使っていたゴージャスな生バンドの代わりに、シンセサイザーやリズムマシーンといった機材を懸命に使いこなして楽曲やアレンジを試行錯誤するマーヴィンの姿がありました。

今でこそ打ち込みやサンプリングを使って、生バンドに劣らない程度のクオリティの楽曲を作ることは出来ますが、当時の機材は一番高価なものでも今(2010年代)の機材にはとても及ばないぐらいのサウンドしか出せませんでした。

しかし、マーヴィンはやります。

粗末とは言えないまでも、決して高価ではない機材を使い、心血を注いだ最高の作品を作り上げます。

もう一度言います『最高の作品』です。

様々な苦難を経験して、歌詞や声に、自己の内面を投影し、それをほぼ自分自身の手によるアレンジでギュッと音に詰め込んだこのアルバムは、マーヴィンの数ある作品の中で最も深く内側へ斬り込んだものと言えるでしょう。

でも、このアルバムはそういった作品特有の重さ、暗さがない。むしろチープな打ち込みや軽やかなシンセやギターのカッティングに彩られたサウンドは静謐でどこまでも優しく、マーヴィンの声も悲哀を秘めつつ、ふんわりと至福の時間の彼方へと聴く人の耳も心も誘います。

よく「このチープさが逆にいい」と言われるアルバムですが、アタシはむしろマーヴィンが意図してなかったところでチープな音が上質な輝きに変換されて、声と相乗効果で響き合っているように思います。

考えてみたら80年代後半から90年代のR&Bは、打ち込みやサンプリングによるトラックが主流で、それらは決して妥協の産物ではない独自のシルキーな味わいを宿しておりました。

その、流れを作ったのがこのアルバムだと思います。

シングルカットされた「セクシャル・ヒーリング」は大ヒットし、83年のグラミー賞も獲得。マーヴィンは苦境を乗り越え完全な復活を勝ち取ります。

ところが翌84年、些細なことから口論となった両親の仲裁に入り、激昂した父親が放った銃弾が胸に当たり、そのまま帰らぬ人となってしまいマーヴィンはそのまま帰らぬ人となると共に、永遠の伝説となってしまうのでした。


「もし、マーヴィンが生きていたら・・・」と考えると想像は尽きませんが、その音楽的な遺伝子は、ディアンジェロ、ブライアン・マクナイトをはじめ、特に80年代後半から90年代を経て今に至るブラック・コンテンポラリー・ミュージックの中に、しっかりと生命を宿らせて生き続けております。


(「セクシャル・ヒーリング」名曲ですねぇ、アレンジの爽やかさと共に歌声が染みます。。。)



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2017年01月21日

ジミー・スミス Root Down!

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ジミー・スミス/ルート・ダウン!
(Verve)

いぇ〜い、大寒だぜ〜、寒いぜ〜!!

寒くなると皆さんアレですよね、オルガン・ジャズのファンキーでアッツいやつであったまりたくなりますよね?

や、曲がファンキーでアーシーで、アツいぜ!というのはもちろんあるんですが、ハモンド・オルガン、特に昔のジャズの人達が使ってるハモンドB3オルガンの音って、とってもあったかい。

オ〜ライ?

オ〜イェ〜?

というわけで、本日はオルガンです。

いくら奄美とはいえ、ここ数日北風ゴンゴンでハンパなく寒いので、こらもうコッテコテのやつを紹介しますね〜!

はぁい、ジミー・スミスです。


【パーソネル】
ジミー・スミス(org)
スティーヴ・ウィリアムス(harmonica,B)
アーサー・アダムス(g)
ウィルトン・フェルダー(el-b)
ポール・ハンフリー(ds)
バック・クラーク(conga,perc)

【収録曲】
1.Sagg Shootin' His Arrow
2.For Everyone Under The Sun
3.After Hours
4.Root Down (And Get It)
5.Let's Stay Together
6.Slow Down Sagg
7.Root Down And Get It (Alternate Take)


「ジャズでオルガン」

といえば、これはもうジミー・スミス。

何てったって、それまで地味な楽器に過ぎなかったオルガン、どころかジャズの演奏で使うと

「え?何で教会で使う楽器を、わざわざジャズのステージに持ってきてんの?」

と、不思議がられてすらいたというオルガンを

「んなこたぁねぇぜ、オルガンだって立派にスウィングできるんだぜぇ♪」

と、見事モダン・ジャズの楽器に仕立て上げ、60年代には後継者が続々と登場。

で、そこにソウルとかファンクのムーブメントと濃厚に繋がったジャズが生まれ、その中でオルガンはなくてはならない楽器になって行くんですが、ジミー・スミスのアルバムといえば、プレイ自体はファンキーだったりアーシーだったりするんですが、内容は意外と真面目(?)な4ビートでスウィングするアルバムが多いので、コテコテにファンキーで、いわゆるソウル・ジャズとかジャズ・ファンクなノリを求められる方には

「ん?ジミー・スミスってこんなだったっけ〜?」

と、言う方も多いです。

はい、そんな「ファンキーでアーシーでイェ〜イ」な方々のご要望をイェ〜イと満たすアルバムがこの「ルート・ダウン」。

これは凄いんです、ジミー・スミス史上、いや、ジャズ・オルガン史上すこぶるアツい。何てったってライヴですよ、しかも16ビート、更にブルース(!)でガンガンゴンゴン攻めまくる。

1972年、ジミー・スミスは長年契約していたBLUENOTEからVerveという、ジャズでは大手名門のレーベルを経て、レコード会社からの独立と自身のライヴハウス経営に向けて動いておりました。

で、長年住んでいたニューヨークから、西海岸のロサンゼルスに拠点も移して頑張るぞー!と燃えていた丁度その時のロサンゼルスでのライヴですね。

メンバーは、ドラムのポール・ハンフリー以外はほとんど無名の若手ばかり、なおかつギターのアーサー・アダムスに至っては、B.B.キングに影響を受けたブルースマン。

これが結果的に素晴らしくジャンルレス、というか「ジャズ」の「」を見事に取っ払って、ジャズにソウルにブルースにファンク、この時代に至るまでのヒップなブラックミュージックがアツアツに混ざりあって沸騰する、ズバリな熱演を生んだ訳です。

@の16ビートからクライマックスで4ビートでの疾走とか、Bのブルースハープ入りのどストレートなモダン・ブルースとか、ビースティ・ボーイズがサンプリングしたCとか、もう「ファンキー!」と叫ばずにおれない名演てんこ盛り。ジミー・スミスの傑作、アツいジャズファンク名盤であることは間違いなくて、更に70年代のクラブの濃厚な空気もそのままの温度で体験させてくれますよ。これ聴いてあったまろう!








(イェェェェェェェェエス!!!!)


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2017年01月20日

ストラングラーズ グレイテスト・ヒッツ1977-1990

セックス・プストルズ、クラッシュ、ダムドときてストラングラーズ・・・。

いわゆる「オリジナル・パンク四天王」というやつですね。

ロックに目覚めてからはとにかくパンクだと、この4つのバンドは聴きまくりました。

でもその中で一番よくわからなかったのがストラングラーズ。

はい、何というかストラングラーズの曲って、一曲一曲がとてもよく作り込まれてて、勢いに任せて疾走する曲というのがあんまりなかったんですよ。

だから最初の頃、というか十代の頃はストラングラーズの良さが今いちピンとこなかった。

ただ、彼らの思想だとか姿勢だとか、ベースのジャン・ジャック・バーネルが武士道大好きで極真カラテやってるとか、そういう精神面での”パンク”だと思って聴いていました。



それがちょっと変わってきて「ストラングラーズってフツーにカッコイイじゃん!」と思え出したのがハタチ過ぎた頃、パンクより前の時代のロックとかブルースとかソウルとかジャズとか、それなりに聴き漁って、一周回ってパンクを改めて聴いた時でした。

何がどうって、ストラングラーズの音が純粋に力強くてズバッ!ときたんです。

ぐいぐい前に出てくるベース、厚みのあるオルガン、粘りのある独特のグルーヴ、メロディのまっすぐな美しさとか、はっきりと分かるようになりました。

長年の付き合いになる「グレイテスト・ヒッツ1977-1990」これすごくいいです。

彼らの音楽性は結構めまぐるしく進化してて、アルバムも作品としての完成度とかコンセプトとか、そういうのが高いんで、ベストアルバムはどうかなと最初思ってたんですが、結局何だかんだ愛聴してます♪



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

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2017年01月19日

ジョニー・ギター・ワトソン ザ・クラシック・レコーディングス 1959-1966

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ジョニー・ギター・ワトソン/ザ・クラシック・レコーディングス 1959-1966
(ACE/Pヴァイン)


え〜、こんばんは。2月3日生まれの水瓶座です。

まぁアレですね、血液型や星座占いで性格がどうだこうだというのなんか、若い頃は

「そんなもので性格が決まったら、血液型と誕生日一緒の人間は全部おんなじ性格になってしまうだろうが。そんなバカな話がありますか」

とか何とかムキになっておりましたが、最近では

「ほっほ、そうかそうか、まーそんなこともあるかもわからんね」

と、全部が全部信じないまでも、笑ってうんうん言えるぐらいにはなってきました。

というのもアレですよ、あるブルースマン・・・つうか、一応ブルースマンとしてデビューしたけれど、そっからR&B、ソウルファンクと無節操に音楽の幅を拡げ、とことんゴーイングマイウェイ、他人が何と言おうがオレの道を、ヘラヘラ笑いながら勝手に進化しつつ気持ち良さそうに歩いてきて、最後はオレ道を極めたかのようにステージで倒れ、そのまま帰らぬ人となった偉大な、でもかなり変わり者なアーティストと自分の誕生日が一緒だったことから

「あ、水瓶座って何か分かるわぁ・・・」

と、手前と照らし合わせて妙に納得したことがきっかけで、アタシは星座占いを前向きな気持ちで何となく否定できなくなっちゃったんです。

その偉大なアーティストの名はジョニー・ギター・ワトソン!

ギタリスト豊穣の地テキサスに生まれ、当然のことながら地元が生んだブルース・ギター・ヒーローであったTボーン・ウォーカーに憧れ、クラレンス"ゲイトマウス"ブラウンやアルバート・コリンズのギター・スマイルを学びますが、デビューして程なくブルースじゃなくてR&Bの、しかもかなりポップな方にフラフラ〜と行って、それから60年代にはメロウでアーバンなソウル路線、70年代にはでっかいグラサンにピッチリした衣装(ピンクとか紫とか)をまとって、イケイケのファンクにコロッと転向。

で、インタビューで

「あなたは何のプレイヤーなんですか?」

と、問われれば

「あ〜、俺?そうだね"プログレッシブ・ブルース・プレイヤー"だね」

と、金歯を輝かせながらニヤニヤ答える。まるで掴み所のない、アメーバみたいな人であります。


「ブルース弾くにゃアタックを強くするため相当に硬いゲージの弦を使うべし!」が、ほとんど常識の風潮の中で、使っているギターに貼る弦は、ナイロンみたいにペラッペラの柔らかいやつだったり、この界隈では誰もが忌み嫌うテクノロジーもきゃっきゃ言いながら何でも導入して、というより「面白いから」とりあえず使ってみて、挙げ句一人多重録音で全部の楽器を演奏しちゃうアルバムなんかも作ってみたり・・・とにかく人と同じ事は一切やらない人です。

でも、この人の音楽聴いてたり、インタビューなんか読んでいると、頑固だったりひねくれから我が道を行ってる訳では決してなく、自分がやりたいこと、たまたま興味を持ったことを突き詰めたら、誰もやらないような事に、何か至ってしまった。

ということのようです。

そもそもが他人のやることになんかハナッから興味がない本当の変人ですね。

そんな彼のやることなすことに大きく影響を受けたのが、ロック界の孤高のアレであるフランク・ザッパ。


・・・どう見ても変人です本当にありがとうございます。

しかし、この変じ・・・いや違う、素晴らしいワン&オンリーの個性を持つジョニー・ギター・ワトソンの音楽は、どの時期の音源も本当に自由でワクワクするような楽しさに溢れていて、何よりブルースとしてホンモノです。

彼の先輩であるゲイトマウスさんも、ブルースのフィーリングを生涯失うことなく、ジャンルの壁をブチ壊す事に余念がなかったパンクな偉人でありましたが、ジョニー・ギター・ワトソンもそういう意味で、方向性は違えどパンクな気骨を物凄く感じさせてくれるのです。





【収録曲】
1.THE BEAR aka THE PREACHER AND THE BEAR
2.ONE MORE KISS
3.UNTOUCHABLE
4.THE EAGLE IS BACK
5.LOOKING BACK
6.JOHNNY GUITAR
7.POSIN’
8.EMBRACEABLE YOU
9.BROKE AND LONELY
10.I JUST WANTS ME SOME LOVE
11.COLD,COLD HEART
12.THE NEARNESS OF YOU
13.SWEET LOVIN’ MAMA
14.CUTTIN’ IN
15.WHAT YOU DO TO ME
16.THAT’S THE CHANCE YOU’VE GOT TO TAKE
17.GANGSTER OF LOVE
18.YOU BETTER LOVE ME
19.IN THE EVENIN’
20.I SAY I LOVE YOU
21.THOSE LONELY,LONELY NIGHTS
22.BABY DON’T LEAVE
23.AIN’T GONNA MOVE
24.WAIT A MINUTE,BABY
25.OH SO FINE
26.BIG BAD WOLF
27.YOU CAN STAY (BUT THE NOISE MUST GO)


ジョニー・ギター・ワトソンは、1953年に"ヤング・ジョニー"の名前でブルースの世界に派手に登場しました。

テキサス流儀の派手なギター弾き倒し、実にチンピラ臭い、軽めの声を吐き捨てるような唄い方は多くの若者の心を掴み、そのまんまこのスタイルで行っても大成したかに思えますが、1954年にたまたま映画館で見た「ジョニー・ギター(邦題は「大砂塵」という西部劇の、女にモテてカッコいいヒーローに感銘を受けて、芸名をそのまんま"ジョニー・ギター・ワトソン"にした辺りから、破天荒に拍車がかかってきます。

このCDに収録された1959年から66年というのは正に「我が道を行きだしたジョニー・ギター・ワトソン」が聴ける最高の変則ブルース/リズム・アンド・ブルース集なんでこざいますよ。

のっけから当時流行のニューオーリンズスタイルの「おい、ギターはどこ行ったのよ」な、陽気な唄モノで始まって、かと思えばリトル・ウイリー・ジョンばりの都会的なA、銃声(マシンガン)の効果音がド派手に炸裂する、まるで40年後のギャングスタ・ヒップホップの先駆けのようなBと続き、ようやく渋いギターを披露するC、ソロもザラついたリフも素敵なD、かと思えばストリングス入りのしっとりとした正統ソウルなGなんか出て来て、前半からその余りの全ブラック・ミュージック丸呑みぶりにクラクラメロメロになってしまいます。

タイトルからして自己紹介曲のEなんかも、ケロッとした唄いっぷりとノーテンキなコーラスが逆に凄味を出しているというカオスぶりです。

より洗練と訳の分からない凄味が充満した後半は、ギターもガンガン弾きます。

バラードでもかなりドスの効いたI、ジャリジャリしたイントロから、ファンキーな曲展開におろっとなるけど、唄もギターもどこか明るい狂気を感じさせるLなんか、もうこの人にしか出せない味ですね〜。


書いてるうちに、はて俺は今、ブルースを聴いているのか、それともR&Bのオムニバスを聴いてるのか?と不思議な気持ちになることこの上ありませんが、「軽くてワルい」という筋が一本ピシャッと通っていて、ジョニー・ギター・ワトソンってハマッてしまうんです。


ブルースが好きだけど、何かワンパターンじゃないやつ聴きたいなと思ってる人で、ジョニー・ギター・ワトソンまだ聴いたことない人はぜひこの辺りのアルバムから聴いてみてください。

この人らしい吹っ切れたオカシさがあるのはやっぱり一人多重録音からヴォーコーダー、インチキ日本語まで飛び出す70年代以降のがイカレてて最高ではあるんですが、そっちは底無し沼だから今度ゆっくりね。。。







(いきなりこのウキウキな感じですからね、他の曲も推して知るべし!)



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