2017年01月31日

ライトニン・ホプキンス ニュー・ヨーク・ブギ~シッティン・イン・ウィズ/ジャックス・レコーディングス 1951-1952

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ライトニン・ホプキンス ニュー・ヨーク・ブギ~シッティン・イン・ウィズ/ジャックス・レコーディングス 1951-1952
(Pヴァイン)


1月30日はライトニン・ホプキンスの命日!

ということで、このどうしようもなくディープでダーティでデロデロでブギウギでドロドロの”永遠の不良ブルース親父”はたまた”ブルースの権化”なライトニン・ホプキンスのCDを今日は1日中カーステにぶっこんで、そのどうしようもなく(略)なブルースに心地良く浸っておりました。

うぅ〜ん、ライトニン♪

やっぱり何をどこからどう聴いても、およそ「ブルース」って言葉に何か特別なものを感じる人間にとって、この人は格別なんですよ。

普通、ブルースマンといえば、その卓越したギター・テクニックや声の存在感とか個性とか、そういったもので後続に影響を与え、その影響力の強さがそのブルースマンの評価に、そのまんま繋がるのです。

たとえばエレキギターによるソロのスタイルを確立したTボーン・ウォーカー、ブリティッシュ・ロック勢に多大な影響を与えたマディ・ウォーターズやハウリン・ウルフ、ボ・ディドリーらのシカゴ・バンド・ブルース・サウンド、B.B.キング、アルバート・キング、フレディ・キングらの”泣きのチョーキング・ギター”とか、ロバート・ジョンソンやサン・ハウスのスライド・・・といった風に、偉大であればあるほど、それぞれの”必殺技”のようなブルースのプレイスタイルがサウンドと歴史の中でクッキリと浮かび上がってくる。

ところがライトニン・ホプキンスは、そのギター・プレイが誰かに物凄く影響を与えたとか、彼のスタイルに憧れた誰かが一大流派を築いたとか、そんな話は聞きません。

でも、ブルースを好きな人は「ライトニン・ホプキンス」といえば、ほとんどの人が「いいね」と返し、そしてライトニンが苦手だとか、ましてや嫌いだという人に、アタシは会ったことがありません。ついでに言うとたくさんあるライトニンのアルバムの中で「これはちょっと違う・・・」という作品に出会ったこともありません。

とらいえライトニンは、決して完璧なミュージシャンではありません。むしろ調子や機嫌の悪さがモロに歌や演奏に出ていたり、チューニングが微妙にズレていることだって結構あります。

カッコイイところはそこなんです。

どんなレコーディング・セッションやライヴだろうが、手前の気分や調子がどうだろうが、その時の"全部"を隠したり誤魔化したり一切せず、好き勝手、本能の赴くままにブルースする。そしてソイツが、もうアホみたいに様になってしまう唯一の超ブルースな存在、それがライトニン・ホプキンスというブルースマンなんですよ。

だからライトニンの歌やギターのスタイルは、誰にも真似が出来ません。やったとしてもライトニンの真似にしかなりませんし、大体コノ人はやってることは非常にシンプルなんだ。当たり前過ぎるぐらいのことでも、コノ人が目一杯の「オレ節」をまぶさしてやっちゃうだけで、とてつもなくディープなブルースになっちゃう。



【収録曲】
1.Hello Central (aka Give Me Central 209)
2.Coffee Blues
3.Long Way From Texas
4.Gotta Move
5.New Short Haired Woman
6.Tell Me Boogie (aka Mad As I Can Be)
7.Prayin’ Ground Blues
8.New York Boogie
9.My Heart To Weep (aka You Caused My Heart To Weep)
10.Tap Dance Boogie
11.I Wonder Why
12.Buck Dance Boogie (aka Papa Bones Boogie)
13.Home In The Woods (aka No Good Woman)
14.Lightnin’s Gone Again
15.Dirty House Blues
16.Bald Headed Woman
17.Everything Happens To Me
18.Freight Train (aka When I Started Hoboing)
19.I’ve Been A Bad Man (aka Mad Blues/Back Home Boogie)
20.New Worried Life Blues
21.Broken Hearted Blues
22.One Kind Of Favor
23.Down To The River
24.I’m Begging You
25.Contrary Mary (aka Crazy Mary)
26.Everybody’s Down On Me
27.You Do Too (aka I’ll Never Forget The Day)


例えば1951年から52年にかけて録音(前半8曲はニューヨーク録音らしい)のこのアルバム、実はライトニンが、何とジョン・リー・フッカー(この人もまたどうしようもなく個性の塊な人)を意識して、ジョン・リー・スタイルのブギーやったり、「Fright Train」という曲は、まんまジョン・リーのオハコのスロー・ブルースである「Hobo Blues」だったりするんですが、曲調もアレンジ(ライトニンのギターとベースのみのほぼ弾き語り)も"まんま"なのにライトニンが昔からの持ち唄を披露しているようにしか聴こえません。

そしてライトニンのギター。

このアルバムでは、アンプにブッ込んだアコースティックギターで、スローブルースとブギをほとんど交互に弾いとる訳ですが、特にブギでは、そんなにツマミ上げないセッティングで、右手のアタックだけで「グシャッ!」とキョーレツな歪みを繰り出すのを聴いて「あ、ギターの"いい音"って理屈じゃないな」と思うのです。

ちなみにこのアルバムのレコーディングは1951年。

この年代のブルースについて書く時ゃ毎回言いますが、アンプにゲインツマミが付いてない時代の音でコレです。。。






(入魂の「ニューヨーク・ブギ」手癖全開それがどうした!!)



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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
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2017年01月30日

夜の夜中にブルースを聴く

1月30日はブルースの権化、ライトニン・ホプキンスの命日。

わすれないようにメモ
  • 20170130232138840.jpg
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2017年01月29日

ホレス・シルヴァー ソング・フォー・マイ・ファーザー

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ホレス・シルヴァー/ソング・フォー・マイ・ファーザー
(Bluenote/EMIミュージック)

「ミルト・ジャクソン・クァルテット」を聴いていましたら、ホレス・シルヴァーを聴きたくなってきました。

ホレス・シルヴァーといえば、多分ジャズを好きになった人、でもって最初に何を聴くべきか迷って、名門BLUENOTEレーベルのアルバムに手を出した人にとっては、恐らく最初に「おっ」と気を引くアーティストだと思います。

そうでなくても

「オシャレでファンキーなジャズ」

を、追い求めている人は、大体最初付近に出会って、そのカッコ良さにヤラレる人であると思います。

かく言うアタシもそうでした。

フリー・ジャズからモダン・ジャズへと、ジャズの好みの幅が段々と拡がってきた最初の頃に出会ったのが、ホレス・シルヴァーのファンキーな名曲「ソング・フォー・マイ・ファーザー」(確かクラブジャズ系のオムニバスに入ってた)を聴いて

「うぉお!何このオシャレでカッコイイ曲は!?これもジャズか、これもジャズでええのんか!?」

と、びっくらこいたものです。



【パーソネル】
ホレス・シルヴァー(p)
カーメル・ジョーンズ(tp,@ACD)
ブルー・ミッチェル(tp,B)
ジョー・ヘンダーソン(ts,@ACD)
ジュニア・クック(ts,B)
テディ・スミス(b,@ACD)
ジーン・テイラー(b,BE)
ロジャー・ハンフリーズ(ds,@ACD)
ロイ・ブルックス(ds,BE)

【収録曲】
1.ソング・フォー・マイ・ファーザー
2.ザ・ネイティヴス・アー・レストレス・トゥナイト
3.カルカッタ・キューティ
4.ケ・パサ
5.ザ・キッカー
6.ロンリー・ウーマン

ジャズの世界で「ファンキー」といえば、元々はいわゆるファンクやソウル系のあの感じではなく("ファンキー"という言葉がちらほら聞けるようになった50年代半ばはソウルもファンクもまだ生まれてなかったから当然といえば当然ですが)、ゴスペル音楽から導入したコール&レスポンスの繰り返しで沸き上がる、いわゆる"黒っぽさ"のことをそう言っておりました。

その"ファンキー"のジャズにおける元祖は、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ。

色々あって途中仲違いしてしまいましたが、シルヴァーはそのオリジナル・メンバーで、初期のジャズ・メッセンジャーズではブレイキーのドラムにピッタリと息を合わせたグルーヴィーなピアノで"ファンキー"を次々生み出しておりました。

袂を分かつた後、ブレイキーはよりゴスペルに根ざした"ジャズのファンキー"を追究し、シルヴァーは60年代に入ると自らのバンドを率いて、ゴスペルやR&Bの感覚にラテンなどのエッセンスも積極的に演奏に取り入れ、独自の"ファンキー"を極めておりました。

このアルバムは1964年、絶好調のシルヴァーが、自分自身の「ファンキージャズ」を高らかに宣言しただけでなく、この時代のブルーノートというレーベルのカラーを決定付けた、素晴らしいインパクトと存在感に満ちたアルバムです。

まず、シルヴァーは、ピアニストとしてはもちろん凄腕ですが、そのテクニックを演奏面で弾きまくって炸裂させるタイプではなく、練り込まれたバンド・サウンドの中で、曲やアレンジのカッコ良さを引き立てる、センスの良いプレイをすることに専念しているような、非常に効果的で"ツカミ"に溢れた演奏を聴かせます。

特にこのアルバムでは、ジャケットに写っているホレスのおとーちゃんに捧げたアルバムで、ポルトガル系の血を引くおとーちゃんを意識して、ラテン風味のアレンジが、洗練されたモダン・ジャズ・サウンドと自然に融合して、それがそれまでのストレートなハード・バップにはないオシャレ感の肝になってるんですね。

「ジャジーな曲にラテンを絡める」という手法は、90年代以降のクラブジャズやハウスのミックスものなんかではもう当たり前だったりしますが、このアルバムとチック・コリアの「リターン・トゥ・フォーエヴァー」がなかったら、果たしてその手法はすんなり成り立っていたかなと思います。

バンド・サウンドも実に引き締まってて無駄がなくカッコいいですね。個人的にこのアルバムはジョー・ヘンダーソンの、ファンキーだけれどもどこかナイーブで掴み所のない"やや変"なテナーを楽しみつつ、シルヴァーのセンスの良さにグッとくるアルバムだとも思います。

1964年といえば、あのビートルズがデビューした年でもありますね。同じ年にロックとジャズ、それぞれのフィールドから究極にポップでセンスと洗練の塊のようなバンドと作品がリリースされたことに、何か時代の大きなうねりも感じますね。




(定番のFUNKYチューンです。元祖レアグルーヴ名曲♪)

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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする