2017年01月27日

ミルト・ジャクソン・クァルテット

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ミルト・ジャクソン・クァルテット
(Prestige/ユニバーサル)


冬は大体体調がよろしいのですが、昨日まで不覚にも風邪を引いておりました。

先週末から何か咳がでるなぁと思っておりましたら、一昨日ついに頭痛と悪寒が酷くなり、節々も痛くなって「これは風邪だ」と。

風邪というのはアレですね、こういう風にこじらせてしまったら、もう何をしてもお手上げです。ひたすら水分を補給して、体を暖めに暖めて、内側の免疫力様の後方支援に回るしかない。

幸いにして昨日の朝、汗をどっさりかいて峠は何とか越えました。

さぁ、体調も回復したしドカッと景気の良い音楽なんか聴いて〜♪

と、思ってたのですが、いざ車でCDをセットしてみましたが、どうにも体が付いていかない。

いつもなら好んでガンガン聴いているはずのタイトなドラムとか、攻撃的なリズムとか、ギンギンのエレキギターとか、濃いぃヴォーカルのシャウトとか、大好きなんですよ。大好きなんですが今日は違う。

あれこれ考えて、MJQ(モダン・ジャズ・クァルテット)を聴こうと思ったんです。

あれいいですよね、けたたましいホーンが入ってないし、リズムは軽快だし、何より曲がクラシック調ですごく耳に優しい。

よいしょっ、とCD棚から取り出したはずのMJQ・・・



【パーソネル】
ミルト・ジャクソン(vib)
ホレス・シルヴァー(p)
パーシー・ヒース(b)
コニー・ケイ(ds)

【収録曲】
1.ワンダー・ホワイ
2.マイ・ファニー・ヴァレンタイン
3.ムーンレイ
4.ニアネス・オブ・ユー
5.ストーンウォール
6.アイ・シュッド・ケア


違う!

これは『モダン・ジャズ・クァルテット』じゃなくて『ミルト・ジャクソン・クァルテット』の方のMJQ!!

よほど風邪で体力と思考力が衰えてたんですな。。。

でも、今日のアタシには、このアルバムが一番フィットしました。

『ミルト・ジャクソン・クァルテット』は、モダン・ジャズ・クァルテットと同じ編成です。

メンバーもジョン・ルイスの代わりにホレス・シルヴァーがピアノ弾いてるということ以外は全く一緒です。

ですが、"たった一人のメンバーが違う"ということだけで、決定的な"違い"が生まれたりするのが、ジャズの面白いところ。はい、このアルバムは、いわゆるMJQの、クラシック風味溢れる典雅なそれとはサウンドの質感、全く違います。

最初アタシはこう思ってました

「ブルージーなミルト・ジャクソンとファンキー大先生のホレス・シルヴァーだったら、これはもうノリノリのファンキー大会だろうな〜♪」

と。

これも違いました。


一言でいえば「しっとりとした大人のアルバム」です。

1曲目こそちょっとノリのいいミディアム・テンポですが、これ以降はミルトのヴィブラフォンはじわっと奥底に秘めたブルース・フィーシングを滲ませながら、ホレス・シルヴァーのピアノは、ひたすら美しく儚げに絶妙な絡みでゆったり心地良く酔わせてくれます。

「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」での、ヴィブラフォンのコーンと澄み切った響きとか、「ムーン・レイ」での、どうしようもなく影を引きずったブルーな世界とか、もうたまらんですね。

ミルトのアルバムの中でも、このアルバム、実はかなり地味な方だと思います。派手に吹くホーン奏者はいないし、MJQと同じ編成/ほぼ同じメンバーながら、華やかで強いインパクトを持った曲が入ってない。

でも、ちょっと心身に元気がない時とか、特に「これを聴く!」と強く思わない時に聴くと素晴らしく染みるアルバムです。そして長く付き合える良い音楽です。












(3曲目「ムーンレイ」このダークな雰囲気がたまらんですね〜)

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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
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2017年01月25日

仁義なき戦い(風邪との)



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「有田、ポンはやめぇ言うたじゃろうが!」

「知らんの〜、ワシゃ新開の舎弟ですけえ兄貴に言ってつかあさいや」

(セリフうろ覚え)

はい、深作欣二の名作『仁義なき戦い』より、山守組若頭 坂井鉄也(松方弘樹)と、山守組系新開組舎弟 有田俊雄(渡瀬恒彦)とのアツい名場面です。


松方弘樹、亡くなってしまいました。


菅原文太、成田三樹夫、山城新伍、川谷拓三・・・。

ギラギラしたとことん人間臭い不良の演技で、アタシらをワクワクさせてくれた「昭和の男」が次々鬼籍に入ってゆくのは淋しい限りです。

本日アタシは体調不良。頭痛&悪寒と仁義なき戦いを繰り広げながら、今日はレビューお休みします。。。


posted by サウンズパル at 21:50| つぶやき、小ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月24日

パール・ジャム VS

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パール・ジャム/VS
(Epic/ソニー・ミュージック)

80年代のハードロック/ヘヴィ・メタルのブームから、徐々に周辺の色んなジャンルを取り込みながら独自の進化を遂げて、主に80年代後半から90年代前半にかけてシーンに登場したバンドのことを「オルタナティヴ」と呼ぶようになりました。

なかんづく、シアトルから出てきたバンド達のことが、特別に「グランジ・ロック」などと呼ばれるようになりましたが、リアルタムではそこんところは結構微妙なタイムラグがあったように思います。

レッド・ホット・チリ・ペッパーズやビースティ・ボーイズなど、いわゆる「ヘビメタじゃない激しいロック」の斬新で刺激的な新作に夢中になっているうちに、ニルヴァーナが出てきて全てを塗り替え、その後にソニック・ユースやダイナソーJr.、スマッシング・パンプキンス。更にハードなものを求める向きに人気だったのがサウンドガーデン、アリス・イン・チェインズ、そしてパール・ジャムといったところだったでしょうか。

とにかく当時の高校生だったアタシらは

「次々出てくる声が高くないけど激しいロック」

の音を浴びるように聴きながら

「すげーすげー!こういう音楽って何て言うんだ?とにかくすげぇ!」

と、ヨダレも垂らさんばかりにハアハア言いながらCDを追っかけたり、耳にしたギターリフをコピーしようと躍起になったりしてました。

「そういうのってオルタナっていうらしいぜ」

と、知ったのは大分後のこと。

まぁその、アタマも実に悪かったので「オルタナティヴ」の意味とか分からんかったもんで、全てノリと勢いでカッコイイだの悪いだの、勝手な聴き方をして楽しんでおりました。

そんな夢中の中で、ニルヴァーナは別格として、特に人気が高かったのがパール・ジャムでした。

全国的にはどうだったか分かりませんが、大体ニルヴァーナ聴いたヤツは「次、パール・ジャム」というのが多かった気がしますね。

アタシは実はその時、パール・ジャムを聴いてはいましたが「何か全体的にゴワゴワしててあんまりピンと来ないなぁ・・・」というのが正直な感想でしたが、「いや、でも何かクセになるぞコレ」という友人の言葉をまぁ信じることにして、しばらく集中的に聴いてみたら、10回目ぐらいから「ほんとだ!!何じゃこれ!!」と、そのラフで暴力的な横ノリのグルーヴにヤラレるようになりました。

その時最初に聴いて「ゴワゴワしてピンと来ないなぁ」と思ったのは、彼らのファースト・アルバムで、友人に聴かされたのが、セカンド・アルバムの「VS」でした。





【収録曲】
1.GO
2.ANIMAL
3.DAUGHTER
4.GLORIFIED G
5.DISSIDENT
6.W.M.A.
7.BLOOD
8.REARVIEWMIRROR
9.RATS
10.ELDERLY WOMAN BEHIND THE COUNTER IN A SMALL TOWN
11.LEASH
12.INDIFFERENCE

正直言うと、最初に「あぁこれはクるな・・・」と思ったのは、ヴォーカルのエディ・ヴェーダーの声。

くぐもってざらついた、重い吸引力のある声に、最初アタシは惹かれます。

ロックといえば、メタルもパンクも、ヴォーカルは声を張り上げて絶叫するもんだと思っていたアタシに、そのシャウトしても重暗い声は、セカンドでよりソリッドになった音とバリエーションを増した楽曲の中で、一際パワフルで禍々しい存在感を放っております。

そこに横ノリのグイグイくるグルーヴです。

疾走する曲こそありませんが、だからこそ余計に後を引きます。





posted by サウンズパル at 18:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする