2017年01月12日

ソニー・ロリンズ ウェイ・アウト・ウエスト

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ソニー・ロリンズ/ウェイ・アウト・ウエスト
(CONTEMPORARY/ユニバーサル)

まず、ジャケットがいいですね〜。カウボーイの格好をした男前なロリンズが、テナー抱えて「どうだ!」みたいな顔でカッコ良く写ってるこのジャケ。

大体ジャズのレコードといえば、ジャズマンがスーツ着て、楽器を吹いたり弾いたりしてる、実に自然に”キマッた”ワンシーンか、オシャレなロゴをビシッとこう配置したものが、50年代とか60年代は割と多くて、てかほとんどがそのパターンで、確かにそのパターンのジャケットはジャズのジャケットとしては一番普通にカッコイイとは思うんですが、たまにこういう意表を突いたパターンのやつがあって、それがとても印象に残るから、ジャズのジャケット鑑賞というのはやめられないんですね。

だから「このジャケいいな!」と思ったやつは、中身わからんでも買っといてまず損はないです。聴きましょうね〜。

はい、え〜と、そういうことで、今日はソニー・ロリンズの「ウェイ・アウト・ウエスト」をご紹介しました。



・・・え?

早い?


はいすいません。

だってこのアルバム、ホントにカッコ良くて、ともかく「全体的にいい!」の代表みたいな名盤なもんで、アタシとしては「まぁお聴きなさい、すごくいいから」で、自分一人で感動しちゃって、それからの言葉がなかなか出てこないんですよ。

・・・あー、いけませんね。このブログは「取り上げる音盤を聴いたことのない人にもキチンと魅力を伝えよう」という主旨のブログなので、はい、ちゃんと解説しましょうね。



【パーソネル】
ソニー・ロリンズ(ts)
レイ・ブラウン(b)
シェリー・マン(ds)

【収録曲】
1.俺は老カウボーイ
2.ソリチュード
3.カム・ゴーン
4.ワゴン・ホイールズ
5.ノー・グレイター・ラヴ
6.ウェイ・アウト・ウエスト


ソニー・ロリンズは、ジャズではもうお馴染みの、モダン・ジャズ・テナーの代表格であります。

まー、そんなことよく知らんという人に説明致しますと、モダン・ジャズという音楽がハッキリと定着した1950年代の初めに若くしてデビューしたロリンズは、何が凄かったかというと、19だかそこいらでシーンに出てきた時は既に「これ!」という自分のスタイルを、ほぼ完成させていたんです。

何を完成させていたかというと、これは音色とスピーディーなアドリブですね。

どっしりとしたテナーらしい音で、しかも最新の素早いコード・チェンジにスラスラ乗れるアドリブをまだ若いロリンズが何か知らんが余裕で吹けるもんだから、世間はびっくりした訳ですね。

そんなロリンズは、ニューヨークを拠点に活躍していましたが、その名声は遠く西海岸まで知れ渡りました。

日本に住んでるアタシらには、ちょっとピンと来ない話かも知れませんが、アメリカにはニューヨークを中心とした東海岸の文化と、ハリウッドを中心とした西海岸の文化というものがあって、ジャズの世界でもそれぞれ独自のシーンを形成してしのぎを削っておりました。

で「それぞれのシーンのトップミュージシャン同士が共演する夢の企画」というのがあって、そういう企画のアルバムが出せることが、何となく一流の証みたいな風潮がありました。

この「ウェイ・アウト・ウエスト」も、そういった東西対抗夢の共演モノの1枚で、西海岸のレーベル「コンテンポラリー」が出しております。

東海岸からはロリンズと、オスカー・ピーターソンのトリオなどで活躍していたレイ・ブラウンのベース。西海岸からは人気の白人ドラマー、シェリー・マンが参加しております。

サウンド・キャラクターも「東=ズ太くコクがある/西=繊細で軽やか」と、いい感じに分かれておりますが、これが一緒に演奏するとなるとあら素敵、レイ・ブラウンの重心低く、程よい粘りと余韻のあるベースを真ん中に、ロリンズのパコーンと抜けの良いテナーが前、そしてシェリー・マンの、乾いたキレのあるドラムスがしっかり後ろに定位置を取ったこのバランスが最高です。


(これこれ♪)

「サックス+ベース+ドラムス」というトリオ編成は、ジャズではとても珍しいのですよ。

やっぱりピアノがいないと音がスカスカになるし、その分アドリブの技量がものすごい試されるのですが、そこはアドリブの天才ロリンズです。少ない伴奏、ピアノが奏でる和音の導きがないスカスカの空間を逆手に取って、おおらかでタメや間合いの絶妙なアドリブで、どんどん唄を紡いで行きます。

ちなみにコルトレーンもアルバム「ラッシュ・ライフ」でこのトリオ編成に挑んでいるのは、ロリンズに影響されたからと言われておりますね。言われてみれば録音年は同じ1957年でラッシュ・ライフの方がちょい後なんですね。


ロリンズの「パカーン!スコーン!」と抜けるテナーの明るい音色もいいなぁ。






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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
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posted by サウンズパル at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする