2017年01月19日

ジョニー・ギター・ワトソン ザ・クラシック・レコーディングス 1959-1966

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ジョニー・ギター・ワトソン/ザ・クラシック・レコーディングス 1959-1966
(ACE/Pヴァイン)


え〜、こんばんは。2月3日生まれの水瓶座です。

まぁアレですね、血液型や星座占いで性格がどうだこうだというのなんか、若い頃は

「そんなもので性格が決まったら、血液型と誕生日一緒の人間は全部おんなじ性格になってしまうだろうが。そんなバカな話がありますか」

とか何とかムキになっておりましたが、最近では

「ほっほ、そうかそうか、まーそんなこともあるかもわからんね」

と、全部が全部信じないまでも、笑ってうんうん言えるぐらいにはなってきました。

というのもアレですよ、あるブルースマン・・・つうか、一応ブルースマンとしてデビューしたけれど、そっからR&B、ソウルファンクと無節操に音楽の幅を拡げ、とことんゴーイングマイウェイ、他人が何と言おうがオレの道を、ヘラヘラ笑いながら勝手に進化しつつ気持ち良さそうに歩いてきて、最後はオレ道を極めたかのようにステージで倒れ、そのまま帰らぬ人となった偉大な、でもかなり変わり者なアーティストと自分の誕生日が一緒だったことから

「あ、水瓶座って何か分かるわぁ・・・」

と、手前と照らし合わせて妙に納得したことがきっかけで、アタシは星座占いを前向きな気持ちで何となく否定できなくなっちゃったんです。

その偉大なアーティストの名はジョニー・ギター・ワトソン!

ギタリスト豊穣の地テキサスに生まれ、当然のことながら地元が生んだブルース・ギター・ヒーローであったTボーン・ウォーカーに憧れ、クラレンス"ゲイトマウス"ブラウンやアルバート・コリンズのギター・スマイルを学びますが、デビューして程なくブルースじゃなくてR&Bの、しかもかなりポップな方にフラフラ〜と行って、それから60年代にはメロウでアーバンなソウル路線、70年代にはでっかいグラサンにピッチリした衣装(ピンクとか紫とか)をまとって、イケイケのファンクにコロッと転向。

で、インタビューで

「あなたは何のプレイヤーなんですか?」

と、問われれば

「あ〜、俺?そうだね"プログレッシブ・ブルース・プレイヤー"だね」

と、金歯を輝かせながらニヤニヤ答える。まるで掴み所のない、アメーバみたいな人であります。


「ブルース弾くにゃアタックを強くするため相当に硬いゲージの弦を使うべし!」が、ほとんど常識の風潮の中で、使っているギターに貼る弦は、ナイロンみたいにペラッペラの柔らかいやつだったり、この界隈では誰もが忌み嫌うテクノロジーもきゃっきゃ言いながら何でも導入して、というより「面白いから」とりあえず使ってみて、挙げ句一人多重録音で全部の楽器を演奏しちゃうアルバムなんかも作ってみたり・・・とにかく人と同じ事は一切やらない人です。

でも、この人の音楽聴いてたり、インタビューなんか読んでいると、頑固だったりひねくれから我が道を行ってる訳では決してなく、自分がやりたいこと、たまたま興味を持ったことを突き詰めたら、誰もやらないような事に、何か至ってしまった。

ということのようです。

そもそもが他人のやることになんかハナッから興味がない本当の変人ですね。

そんな彼のやることなすことに大きく影響を受けたのが、ロック界の孤高のアレであるフランク・ザッパ。


・・・どう見ても変人です本当にありがとうございます。

しかし、この変じ・・・いや違う、素晴らしいワン&オンリーの個性を持つジョニー・ギター・ワトソンの音楽は、どの時期の音源も本当に自由でワクワクするような楽しさに溢れていて、何よりブルースとしてホンモノです。

彼の先輩であるゲイトマウスさんも、ブルースのフィーリングを生涯失うことなく、ジャンルの壁をブチ壊す事に余念がなかったパンクな偉人でありましたが、ジョニー・ギター・ワトソンもそういう意味で、方向性は違えどパンクな気骨を物凄く感じさせてくれるのです。





【収録曲】
1.THE BEAR aka THE PREACHER AND THE BEAR
2.ONE MORE KISS
3.UNTOUCHABLE
4.THE EAGLE IS BACK
5.LOOKING BACK
6.JOHNNY GUITAR
7.POSIN’
8.EMBRACEABLE YOU
9.BROKE AND LONELY
10.I JUST WANTS ME SOME LOVE
11.COLD,COLD HEART
12.THE NEARNESS OF YOU
13.SWEET LOVIN’ MAMA
14.CUTTIN’ IN
15.WHAT YOU DO TO ME
16.THAT’S THE CHANCE YOU’VE GOT TO TAKE
17.GANGSTER OF LOVE
18.YOU BETTER LOVE ME
19.IN THE EVENIN’
20.I SAY I LOVE YOU
21.THOSE LONELY,LONELY NIGHTS
22.BABY DON’T LEAVE
23.AIN’T GONNA MOVE
24.WAIT A MINUTE,BABY
25.OH SO FINE
26.BIG BAD WOLF
27.YOU CAN STAY (BUT THE NOISE MUST GO)


ジョニー・ギター・ワトソンは、1953年に"ヤング・ジョニー"の名前でブルースの世界に派手に登場しました。

テキサス流儀の派手なギター弾き倒し、実にチンピラ臭い、軽めの声を吐き捨てるような唄い方は多くの若者の心を掴み、そのまんまこのスタイルで行っても大成したかに思えますが、1954年にたまたま映画館で見た「ジョニー・ギター(邦題は「大砂塵」という西部劇の、女にモテてカッコいいヒーローに感銘を受けて、芸名をそのまんま"ジョニー・ギター・ワトソン"にした辺りから、破天荒に拍車がかかってきます。

このCDに収録された1959年から66年というのは正に「我が道を行きだしたジョニー・ギター・ワトソン」が聴ける最高の変則ブルース/リズム・アンド・ブルース集なんでこざいますよ。

のっけから当時流行のニューオーリンズスタイルの「おい、ギターはどこ行ったのよ」な、陽気な唄モノで始まって、かと思えばリトル・ウイリー・ジョンばりの都会的なA、銃声(マシンガン)の効果音がド派手に炸裂する、まるで40年後のギャングスタ・ヒップホップの先駆けのようなBと続き、ようやく渋いギターを披露するC、ソロもザラついたリフも素敵なD、かと思えばストリングス入りのしっとりとした正統ソウルなGなんか出て来て、前半からその余りの全ブラック・ミュージック丸呑みぶりにクラクラメロメロになってしまいます。

タイトルからして自己紹介曲のEなんかも、ケロッとした唄いっぷりとノーテンキなコーラスが逆に凄味を出しているというカオスぶりです。

より洗練と訳の分からない凄味が充満した後半は、ギターもガンガン弾きます。

バラードでもかなりドスの効いたI、ジャリジャリしたイントロから、ファンキーな曲展開におろっとなるけど、唄もギターもどこか明るい狂気を感じさせるLなんか、もうこの人にしか出せない味ですね〜。


書いてるうちに、はて俺は今、ブルースを聴いているのか、それともR&Bのオムニバスを聴いてるのか?と不思議な気持ちになることこの上ありませんが、「軽くてワルい」という筋が一本ピシャッと通っていて、ジョニー・ギター・ワトソンってハマッてしまうんです。


ブルースが好きだけど、何かワンパターンじゃないやつ聴きたいなと思ってる人で、ジョニー・ギター・ワトソンまだ聴いたことない人はぜひこの辺りのアルバムから聴いてみてください。

この人らしい吹っ切れたオカシさがあるのはやっぱり一人多重録音からヴォーコーダー、インチキ日本語まで飛び出す70年代以降のがイカレてて最高ではあるんですが、そっちは底無し沼だから今度ゆっくりね。。。







(いきなりこのウキウキな感じですからね、他の曲も推して知るべし!)



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする