ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2017年02月24日

B.B.キング ザ・ジャングル

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B.B.キング/ザ・ジャングル
(KENT/Pヴァイン)

誰もが認める”キング・オブ・ブルース”B.B.キングです。

ブルースが好きとか興味があるとか以前に「洋楽が好き」とか「ギター弾く」とかいうレベルの人なら、実際音は聴いたことなくても名前ぐらいは知っているほどの凄い巨人であります。

ほうほう、じゃあB.B.って何がどう凄いの?

と、お思いの方にはコレです。数あるスタジオ盤の中でも多くのファンが「これこそ最高傑作」と愛して止まない「ザ・ジャングル」です。



【収録曲】
1.THE JUNGLE
2.5 LONG YEARS
3.EYESIGHT TO THE BLIND
4.BLUE SHADOWS
5.THE WORST THING IN MY LIFE
6.BEAUTICIAN BLUES
7.AIN'T NOBODY'S BUSINESS
8.BLUES STAY AWAY
9.I STAY IN THE MOOD
10.I CAN HEAR MY NAME
11.GOT 'EM BAD
12.IT'S A MEAN WORLD


B.B.の人気が、黒人コミュニティのみならず、ロックを通じて全世界に「アレは凄い」と沸騰し始めた1967年のリリースで、当時30代半ばの脂の乗り切ったB.B.の、力強い声とギターにはち切れんばかりのブルース衝動が乗っかった、勢いと熱気の塊のようなアルバムです。

この頃にほぼ完成したB.B.のスタイルといえば、タメの効いたスロー・ブルースでの『泣きのイントロ→堰を切ったように出てくるフルヴォリュームのヴォーカル→そこに思いっきり被せてくる入魂のギターソロ』であります。

このパターン、今ではもうすっかりブルースの”お約束”みたいになっておりますし、実にシンプルなんですが、問題はそのシンプルな構造の中にどれだけの情感をブチ込むことが出来るかということなんですね。理屈抜きでイントロの「キュイーン」が鳴れば、聴いてる側の魂がもう全身総毛立つような感覚が、どの曲のどの演奏を聴いてもリアルに沸いてきてもう大変なことになってしまう。

もちろんB.B.のアルバムは年代毎にそれぞれ素晴らしい味わいがあるし、聴き込めばそれぞれのアルバムならではの「ここ、たまらんよ」が出てくるんですが、これほど理屈や知識的なもんをぶっ飛ばしてダイレクトに「ガガガ!」ってクるアルバムはないでしょう。アタシの場合はアルバムとして最初にちゃんと聴いたのが「ライヴ・アット・ザ・リーガル」で、「あぁ、いきなりこんな凄いライヴ聴いたらスタジオ盤なんか退屈だろうなぁ」とすら思ってましたがとんでもない、ライヴの熱気とはまた違う、中心にギュッと集まった音がスピーカーからダイレクトに飛んでくる凄いスタジオ盤、ここにありました。

はい、確かに多くの人が「最高!」と言う通り、このアルバムには特別な「何か」があります。

実はレーベル移籍のドタバタのさ中に作ったアルバムで、音源は1961年と62年の、主にカヴァー曲を集めたもので、詳しいレコーディングの日にちとかの詳細が不明だとか、オーバーダビングしたホーンのキメのタイミングが1曲目から大胆にズレてたり、スタジオ盤の理屈では色々と”完璧”とは言えないアルバムではあるんです。

しかし、そういった”ちゃんとした部分”でのマイナスを全部帳消しにして余りあるB.B.の凄まじいヴォーカルと、艶のある力強いトーンで響くギター(ルシール)の圧倒的パフォーマンスゆえ、多くの人に愛される名盤中の名盤として、今日まで聴き継がれてきているんだと激しく実感します。




ブルース入門編 〜初心者のための優しいブルース講座〜



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

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2017年02月16日

アメリカ”最強”のロック

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ハタチ前後の若い人達の間で、今90年代のロックがアツいみたいなんですよね。

詳しく訊くと

「何か、個性丸出しのバンドが多くて、サウンドもすげぇバンドの色が出てから」

「ロックが本当にアツかった時代の音楽。全然古く感じない」

んだとか。

いや素晴らしい!

そっかぁ、90年代リアルタイムだったアタシらは、ただもう夢中で好きなバンドの新譜を追っかけたり、次はどのバンドがクるとか、とにかくそんなだったから、ちゃんと冷静に聴けてなかったかもなぁ・・・とかちょっと思っちゃったり(汗)

そういえば、その時リアルタイムで読みまくっていたUSオルタナティブやインディーロックのガイドブック「アメリカ"最強"のロック」を、そんな話を聞いて再び棚から引っ張り出して読んでいたのでした。

あのね、この本はそれこそ「90年代のロックおもしれー!」と思ってる若い世代の人に強くオススメします。

ニルヴァーナ、ソニック・ユース、ダイナソーJr.、バッドホール・サーファーズ、メタリカ、ピクシーズなど、代表的なバンドの分かりやすい紹介に、群雄割拠だったインディーズレーベルも名盤ズラリのディスクガイドもかなりのボリュームで網羅してあります。



とっくの昔に絶版になった本だからプレミアかと思えばまだ↓の良心価格(注・2017年現在)


posted by サウンズパル at 19:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シャッグスと夢と希望


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「音楽は人間に夢と希望を与えるものです」

という言葉について思う時、私はいつもシャッグスのことを考えます。

アメリカの田舎の3人姉妹が、ステージパパのアイディアでバンドを結成し、カーペンターズなどのポピュラーソングを歌う

といえば聞こえはいいけど、この姉妹は楽器が下手というよりも演奏のセンスが、控え目に言って絶望的にないのです。

コードは弾けてなくて音はハズレまくっていてリズムはバラバラ。ハッキリ言って音楽的には

「よくこれでレコード出したな、いや、世に出しちゃいかん演奏だろこれ」

なのですが、彼女達は音楽が本当に好きで、心から楽しんでやっているのを聴くといつのまにか

「あぁ、音楽っていいな・・・」

になってしまうから不思議です。

いや、音楽ってそういうものだよね、と。





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2017年02月14日

阿部薫・吉沢元治 北(NORD)

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阿部薫・吉沢元治/北(NORD)
(コジマ録音/ALMレコード)

阿部薫を聴いていると、その研ぎ澄まされた「そのものな音」の衝撃と音色の美しさに、もう完全に憑り付かれたような状態になってしまいます。

最初に惹かれたのは「日本のフリージャズ演奏家」という紹介を目にしたから、だったとは思いますが、それから20年以上経ってもまだ「阿部薫を聴く」という行為には、アタシにとっては何かこう究極に特別の”何か”と激しく向き合う行為。

耳にしてメロディを覚え「あぁなるほどね」と納得して腑に落ちる音楽も多い中、阿部薫の音楽は、その「あぁなるほどね」の一切をコチラに与えてくれません。

元よりフリージャズは、コードやスケールから逸脱した、いわば「腑に落ちることを拒絶する音楽」じゃないかとお思いの方も多くいらっしゃると思いますし、事実半分ぐらいその通りだったりするんですが、アタシは阿部薫を聴いてきて、それまで後期コルトレーン、アルバート・アイラー、アーチー・シェップと海外のフリージャズ系アーティストの音源をむさぼるように聴いてきた意味のようなものがピタッとピントが合うように理解したんです。

それはつまり

「フリーな表現って、もしかしてコードやスケール、つまり音楽的な調制の中から美旋律を引き出すためにあるんじゃあないか」

と。

「むちゃくちゃにやる」「ぶっこわす」だけがフリーじゃない。むしろ壊した”後”が問題なのだと。アタシの愛する真性の即興演奏家達は、歌詞より語るそのサウンドで、ことごとく語りかけてきます。

阿部薫を聴きましょう。



【パーソネル】
阿部薫(as)
吉沢元治(b,cello)

【収録曲】
1.DUO IMPROVISATION NO.1 (ALTO SAX, BASS)
2.DUO IMPROVISATION NO.2 (ALTO SAX, CELLO)
3.DUO IMPROVISATION NO.3 (ALTO SAX, BASS)

この「北(NORD)」は、先日ご紹介した「なしくずしの死」の続編ともいえるもので、音源は入間市民会館(@A)と、青山タワーホールコンサート「なしくずしの死」(B)と同じものを使っておりますが、どの曲も吉沢元治のベース・チェロが演奏に参加したデュオの演奏であります。

吉沢元治という人は、戦後日本のジャズの第一世代の大ベテランで、スウィングからモダンの、いわばジャズの”正統”の分野からキャリアをスタートさせ、表現の更なる深みを探究するためにフリー・ジャズやソロ・ベースによる即興演奏へと表現を大きくシフトさせた人です。

阿部薫の演奏というのは「1年365日演奏を続けるべきだ」という彼の言葉にもあるように、常に限界を目指し、それを打破すべく、マウスピースに渾身の息を吐くような壮絶なものでした。

その姿勢は「演奏」というより「闘争」と言ってもいいものでしょう。

故に共演者に対しても大体容赦なく捨て身で挑発し、ぶつかり合い、どちらが先にくたばるか、ぐらいの”戦闘”に引きずり込むようなものでしたし、実際この姿勢あればこその阿部薫の音楽だとアタシは思います。

ところがここで聴かれる吉沢元治との演奏は、互いに絶頂に近い緊張感を保ちつつ、音楽的には非常にあやういバランスで寄り添っている、美しい美しいデュオローグです。

もちろん即興演奏に本気で全てを懸けている2人の演奏には一切妥協はありません。

阿部の鋭利な刃物のようなアルトが、フレーズを鋭く尖らせながら空間に放たれると、吉沢のベースが、指弾きも弓弾きも駆使して、その音が最も効果的にライヴ会場に響くようなフレーズをサッと弾き、ピタッと音を止めて余韻を引き伸ばす。それに対して阿部が更に断片的だけれどもメロディアスなフレーズで斬り込めば、ベースは今度はそれに呼応するかのように新しいメロディを紡いでゆく。

吉沢の確かな技量と”勘”そして何より即興演奏だからこそ、ひとつひとつの音を丁寧に紡いでいる深い優しさに、阿部のサックスも自然と”引き”を覚えてメロディと余韻の両方を響かせ、聴かす。そんな演奏が終始このアルバムから流れてきます。

言っときますが阿部のサックスも吉沢のベースとチェロも、いわゆる「音楽理論的なお約束」からは大きく逸脱した表現です。でも、その二人の綿密な対話からは、ポップなものとはまるで別の意味合いを持つ”うた”が、やっぱり生まれているように思えます。

阿部薫の作品はどれも「単なるイカレ野郎のムチャクチャ」ではなくて、刺激的な”キレキレ”を常に上回る”美”の部分に裏付けられた狂おしさがありますが、特にこの吉沢元治とのデュオローグには、言葉や旋律にならない音を拾い集めて鳴り響かせたかのような美しさを感じます。






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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

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2017年02月13日

清水富美加 芸能界引退?


ふ〜む、アタシは普段テレビ見ないし、芸能とスポーツは特に疎いんですが、清水富美加という女優さんは結構好きなんですよね。

役者さんを見るときは、とりあえず「目」を見るようにしています。

目が特徴的だったら、顔も覚えます。

目を覚えたら顔も覚えます。

で、清水富美加という人は、珍しくアタシが一発で顔を覚えた役者さんでした。

正直それ以上のことは知らんですが、何だか悩んだり揉めたり、ややこしそうですなぁ・・・。







体調不良で少し更新休んでおりました、明日から音楽記事復活します。



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

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