ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2017年04月15日

松田聖子 SEIKO JAZZ

5.jpg
松田聖子/SEIKO JAZZ
(Verve/ユニバーサル)

はい、色々とシャバダバしておりまして、身も心もパンク寸前ですので、今日はちょっと肩の力を抜いて聖子ちゃんについて語ってみましょう。

聖子ちゃんといえば、デビューからもう37年経ちますが、その間ずーーーーっと日本のアイドルの頂点に君臨してきた偉人です。

同期でデビューした人達、或いはそれこそキラ星のように彼女の後を追ってデビューしたアイドルの人達は、デビューして何年か経てつと女優さんになったり、もっと歌謡曲っぽい歌手になったり、アーティスティックな方向性を目指したり、とにかくある時期を境に「アイドル」から卒業していきました。

これはまぁ人間というのは黙っててもトシを取ってしまう生き物でありますから、当然の流れです。

しかし!聖子ちゃんは違います。

人間ならば20代、30代・・・と、トシを重ねて行く毎にそれ相応のカッコ良さみたいなものを目指すようになるものですが、聖子ちゃんは一貫してアイドル。

つまりいくつになっても「カワイイ」と言われる存在であるところに自身を置いて表現してゆくことが、アイドルを貫くこと。

アタシは1976年生まれで、物心付いた時は聖子ちゃんはアイドルでした。

もちろんその時は、別に凄いとも何とも思わず「あぁ、テレビ出てるなぁ」ぐらいに思ってましたし、そこから音楽を好きになった10代の頃、音楽にのめり込んだ20代の頃も、やっぱり自分の夢中になるものにまっしぐらで、そんなに松田聖子という人について考えたりしたことはありませんでした。

それがちょっと「おっ?もしかしてこの人は凄いんじゃ・・・?」と思ったのが、1996年の2度目のアメリカデビューとその後でした。

ファンの方には「何をいまさら」な話かも知れませんが、アメリカでアルバムをリリースして、そこから本格的な洋楽路線になるのかと思っていた矢先、帰国後に放った「あなたに逢いたくて〜Missing You〜」が大ヒット。

これが凄い曲だったんです。

歌詞なんかもごく当たり前のこと歌ってるだけなのに、何でこんなに耳に残るんだろう、と。

そこからアタシの中で「松田聖子」は「聖子ちゃん」になりました。

「あぁ、この人は40になっても50になっても、これは”アイドル”でしかない。他の存在ではない」

と・・・。つまり一言では言い表せない魅力なんですよ。





【収録曲】
1.スマイル
2.追憶
3.イパネマの娘
4.遥かなる影
5.マシュ・ケ・ナダ
6.アルフィー
7.静かな夜
8.ドント・ノー・ホワイ
9.恋の面影
10.星に願いを

で、今回はそんな聖子ちゃんが、満を持して「ジャズ」に挑んだアルバムです。

バックを努めるのは、ジャズの世界ではもう一流の、デヴィッド・マシューズ率いるマンハッタン・ジャズ・オーケストラ。

しっとりしたゴージャスな雰囲気の中、全て英語のチャーミングな発音で綺麗に歌われるジャズ・スタンダードやボサ・ノヴァ。

その、豪華と可憐で塗られた演奏の中から、フッと立ち上る、微かに切なくやるせない情感。

基本的に聖子ちゃんは、ジャズを歌おうが英語だろうが、もうこれ、聖子ちゃんでしかないんですが、それこそエンターティメントの真髄でありましょう。

そういや、まだポップスという音楽が出来る前は、ジャズが一番ポピュラーな大衆音楽で、楽団はヴォーカリストをやとったり、ゲストに招いたりして、一般大衆の人気を得ていたという話がありますが、このアルバムはある意味”それ”なんですよ。

「へ〜、松田聖子がジャズやってんだ〜」

で、聴いた人を、ジャズとかどうとかそういうのをすっとばして聖子ちゃんの魅力に「うはぁ、凄い!」と開眼させるような、そんな不思議で強烈な引力も持ってますし、もっとサラッと「耳に心地良い日本人歌手のジャズカバー」なBGMとしても聴ける(つうことはクオリティが高いということ)、今、まだちょっとしか聴いてませんが、聴く度に色んな凄さ、カッコ良さを教えてくれそうなアルバムです。



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 16:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本のロック・ポップス・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする