2017年05月14日

ケブ・モ ジャスト・ライク・ユー

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ケブ・モ/ジャスト・ライク・ユー
(ソニー・ミュージック)

ギターにすっかり夢中になっていた高校時代、友達の家で観てすっかりハマッた映画がありました。

皆さん「クロスロード」という映画、ご存知ですかね?



ギター少年が、ふとしたことがきっかけで、かつてロバート・ジョンソンと一緒に演奏したこともあるブルースマン”ウィリー・ブラウン”と出会い「ロバート・ジョンソンの幻の曲を探しに行く」ほいでもってクライマックスではロバート・ジョンソンが魂を売ったという”悪魔(フツーに金持ちそうな黒人の男性)”と、その手下である超絶技巧のギタリストと勝負とかもしたり、もう夢や希望に満ち溢れている面白い映画です。

”ウィリー・ブラウン”の役が、ホンモノのブルースマンであるところのフランク・フロストだったり、悪魔の手下の超絶ギタリストが、当時ギター小僧の憧れのスティーヴ・ヴァイだったりと、そういう見所なんかもいっぱいあって、これは今でも楽しめるし、安くで売ってますんでぜひDVDを買ってください。

で「クロスロード」もう夢中で観てたんですが、アタシが一番心惹かれたシーンはクライマックスのギターバトルじゃなくて、オープニングのコレ↓



「すげーなこの役者さん、ロバート・ジョンソンそっくりだ。つうかアテレコだとは思うんだけどね、この演奏は誰がやってんだろう」

と、そこから数年、アタシにとってはそれこそ幻のロバート・ジョンソンを探すような気持ちで、このオープニング映像の”主”を探していたもんですが、長年に渡るリサーチの末に(してない)この人がケブ・モという、最近(当時1994年)デビューしたブルースマンで、何とあの映像は本人自身の唄とギターによるものなのだという衝撃の事実にブチ当たりました。

90年代初頭までは「ブルースの若手」といえば、シカゴ・ブルースとかB.B.キング系のモダン・ブルースに影響を受けた、要するに「チョーキングぎゅいーん系」の人たちがほとんどだったんですが、90年代半ばぐらいからロバート・ジョンソン・ブーム、そしてMTVアンプラグド・ブームが後押しして、戦前のカントリー・ブルースや、南部のダウンホーム・ブルースをスタイルとして取り込んだ、アコースティックなブルースマン達が”新人”として次々デビューしてきたんですね。

で、ケブ・モは、その先陣を切ってシーンに躍り出た、アコースティックな表現を基本にしているブルースマンでした。

1994年にリリースされたファースト・アルバム「ケブ・モ」は、彼が恐らく最も影響を受けたであろうロバート・ジョンソンや、その他の戦前ブルースのエッセンスを、単なる懐古趣味で終わらせない現代的なシャープさや、アコギを中心にクールなアレンジが施されたハイ・センスな演奏で見事現代に蘇らせた名盤です。

”若手”といっても1951年生まれのケブ・モは、94年の段階で既に分別盛りの40代であり、最初スティール・ギター奏者として細々と活動を続けながら、30歳を過ぎて本格的に音楽で食っていくことを考えて、ブルースの世界へ飛び込んだ人です。

その才能を見出したのは、西海岸を拠点にするアメリカを代表するサイケ・バンド”ジェファーソン・エアプレイン”のヴァイオリン奏者、パパ・ジョン・クリーチであったと言われており、そのジェファーソン・エアプレインというバンドの人達は、バンド名を戦前テキサスブルースの巨人ブラインド・レモン・ジェファソンから取っている事から分かるように、全員が気合いの入ったブルースマニアであります。

「だから何?」と言われるとちと困りますが、つまりケブ・モはそういう気合いの入ったブルースフマニアの耳をして

「おみゃーはホンモノだで、人のバックでやるより自分でギター弾いて唄った方がええがや」

と、言わしめるぐらいの実力とフィーリングの持ち主であったんですね。

果たして43歳で遅咲きのデビューを果たしたケブ・モには、単なる戦前ブルースのコピー野郎で終わらない、幅広くそして深い音楽の蓄積があり、デビュー・アルバム「ケブ・モ」は、アコースティックなサウンドを基調に、カントリー・ブルース、モダン・ブルース、ブルース・ロック、ソウル、R&Bなどのあらゆるルーツ・ミュージックを無理なく無駄なく取り込み、成熟された味わいで多くのファンを魅了しました。ブルースのアルバムとしては異例のスマッシュ・ヒットにもなりまして、

「このケブ・モって人は素晴らしい、ブルースの枠に留めずに、現代の打ち込みやサンプリングに頼らないピュアなR&Bのアーティストとして評価されるべきだ」

という声があちこちで沸き上がり、その2年後にリリースされたセカンド・アルバム「ジャスト・ライク・ユー」は、果たしてそういった内外の声に応えるかのような、ナチュラルなブラック・ミュージックの集大成的な仕上がりとなっております。




(ギター・レジェンド・シリーズ)
【収録曲】
1.ザッツ・ノット・ラヴ
2.パーペチュアル・ブルース・マシーン
3.モア・ザン・ワン・ウェイ・ホーム
4.アイム・オン・ユア・サイド
5.ジャスト・ライク・ユー
6.ユー・キャン・ラヴ・ユアセルフ
7.デンジャラス・ムード
8.ジ・アクション
9.ハンド・イット・オーヴァー
10.スタンディン・アット・ザ・ステーション
11.ママ, ホエアーズ・マイ・ダディ
12.最後の勝負も勝ち目なし
13.ララバイ・ベイビー・ブルース
14.テイク・イット・アウェイ


実は、アタシが個人的に最初に手にしたケブ・モのアルバムがコレでして、本当に思い入れのある一枚なんです。

最初はやっぱり「クロスロード」のイメージで、こらもうロバート・ジョンソンばりの、渋い渋いアコースティック弾き語りだとしか思ってなくて、もちろんアコースティック・ギターは弾きますし2曲目「パーペチュアル・ブルース・マシーン」とか6曲目の「ユー・キャン・ラヴ・ユアセルフ」のように、モロ戦前の空気を纏ったカントリー・ブルースもありましたが、実際にメインになっているのは、彼自身の野太く震動力(っていうのかしらん)に溢れた声を全面にして、ギターは乾いたバンド・サウンドの中で、あくまでそっと声に寄り添うように弾かれているナンバーでした。

そのフィーリングは表面的な戦前ブルース、カントリー・ブルースをなぞってなくて、もっともっと深い、奥底に染み付いている部分から、例えばサザン・ソウルやカントリーなんかを通して、まだ見ぬアメリカ南部の、どこまでも”生”な空気をスピーカーから放っているようで、色々と細かいことをごちゃごちゃ頭で考えていたアタシの期待を、良い意味でスカーンと飛ばしてくれたのです。

で、ロバート・ジョンソン好きな方は「最後の勝負も勝ち目なし」がしれっとアルバム後半に収録されているのお気付きだと思いますが、コレもアレンジは全く違っています。でもこの”違い”が、嬉しくなるアレンジなんです。ロバート・ジョンソンと同じくアコギでスライドやってますが、何というか胸にジーンとくるんですよ、ミシシッピ川の河口が見えてきよるんです。




”ブルース入門編 〜初心者のための優しいブルース講座〜”

『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

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2017年05月12日

シュギー・オーティス フリーダム・フライト

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シュギー・オーティス/フリーダム・フライト
(ソニー・ミュージック)

世の中には「早すぎた人」というのがおります。

才能やセンスに溢れまくっていて、独創性も影響力も十分すぎるほどにあったけれども、何故か主流になれず「その筋の者」への絶大な人気はあれど、広く一般には知れらていない。いや、知られるきっかけは色々あったけれども、本人の意思と時代のいたずらの両方の原因でもって、そこには乗らなかった或いは乗ることができなかった、眠れる偉人のことでございす。

例えば60年代にキャリアをスタートさせ、現在も”伝説のギタリスト”として活動しているシュギー・オーティスという人がいて、コノ人はそれこそ

「ローリング・ストーンズのツアーメンバーとして誘われてたけどそれを蹴った」

とか

「あのアメリカを代表するヒットメイカー、クインシー・ジョーンズがぜひプロデュースをと言ったが”いや、自分でやりますんで”と、これもあっさり蹴った」

とか

そういう伝説にはいとまがありません。

1953年に”R&Bのゴッド・ファーザー”と言われていたジョニー・オーティスの息子として生まれ、早くからギターの天才ぶりを発揮。

その後父の楽団で演奏しながらも、ブルースを出発点に、R&B、ファンク、ロック、ジャズなど、ありとあらゆる音楽を呑み込んだ、自由なプレイスタイルで多くのファンやアーティストを魅了。

また、全ての楽器を自ら演奏し、自宅にあるレコーダーで多重録音でもって作品を作ったりと、今で言う宅録の先駆けみたいなこともやっておりまして、基本的にそういった手法で作られたアルバムは、独特のポップさとブラック・ミュージックの濃さとロウファイなアナログ感がないまぜになった味があるんです。

昭和の時代にB級少年誌に載っていたSFとか近未来モノのような味わい、といえばちょっとは伝わるべか。とにかく、大スターの息子に生まれながら、天才ギタリストとして華やかなキャリアをスタートさせながら、本人はそんなこと知らんよとばかりに、セッションで裏方を喜んでやったり、自宅に篭って黙々と「自分の音楽」を一人で作っていた。そんな人です。

ですが、彼のプレイや、その宅録やセルフプロデュースという新しい手法にインスピレーションを受けたアーティストはいっぱいおります。

プリンス、スライ&ザ・ファミリー・ストーンのスライ・ストーン、トッド・ラングレン、レニー・クラヴィッツ、ジム・オルークなど、これも枚数にいとまがありません。

で、そんな人でありますから、自然と音楽性は幅広いものとなって、彼の付き合いはブルースやR&Bを越えたものになっていきます。

最初にシュギーに「一緒になんかやろうぜ」と声をかけたのが、1960年代末当時、気鋭のロック・ミュージシャンとして名を売っていたアル・クーパーとフランク・ザッパ(!)

1969年にはアル・クーパーの双頭セッション・アルバム「クパー・セッション」(何とあのマイク・ブルームフィールドとの「フィルモアの奇跡」の翌年の作品!)、そしてフランク・ザッパのサイケな名盤「ホット・ラッツ」に参加して話題になり・・・というより既に「ジョニー・オーティスの息子」ということで話題になってたんでしょうが、コレに目を付けた大手エピック・レコードがソロ契約を結んで、同年「ヒア・カムズ・シュギー・オーティス」でソロ・デビュー。

1作目では洗練されたR&B感覚で得意のブルースを、凄まじいテクニック(もちろん指が動くだけでなく”聴かせるテクニック”のことデス)で披露しました。

そして翌1970年の、ソロとしてはセカンドのアルバムが、本日ご紹介する「フリーダム・フライト」



(ギター・レジェンド・シリーズ)

【収録曲】
1.Ice Cold Daydream
2.Strawberry Letter 23
3.Sweet Thang
4.Me and My Woman
5.Someone's Always Singing
6.Purple
7.Freedom Flight


コレがソウル/ファンク、ジャズ、ブルースが、独自のやや内向的なシュギー独特の感覚で、トロンと溶け合った名盤なんです♪

参加メンツの中心に、当時ジョン・メイオール&ザ・ブルース・ブレイカーズ、そしてヤードバーズ脱退直後のジェフ・ベック・グループのドラマーを経験し、世界的な評価を高めつつあったエインズレー・ダンバーと、70年代後半からのディスコブーム時大活躍したスーパー・キーボーディスト、ジョージ・デューク(この時はまだ全然無名のジャズ志望の若きピアノ/オルガン奏者)がおるんです。そしてバラード名曲「ストロベリー・レター23」では、御大ジョニー・オーティスも参加して、大いに盛り上げております。

まずはのっけからアレンジのセンスと、乾いたビートにのっかってのゴキゲンなファンク・ナンバー「アイス・コールド・デイドリーム」から、何ともポップでたまらないノリです♪

「ストロベリー・レター23」も、熱唱系ソウル・バラードではなくて、ビートルズ辺りからの影響を強く感じさせるソフトな雰囲気で、続く「スウィート・サング」は、また空気をガラッと変えて、粘るビートにアコースティックなスライドギターがすこぶる渋く、4曲目「ミー・アンド・マイ・ウーマン」は、スモーキーなムードの中、情感豊かなギターがすすり泣く、洗練を極めたアーバン・ブルース。

後半はまったりしたオルガンと、暖かな歌声、そして爽やかなギター・カッティングからのハートウォームなソロが心地良いソウル・バラードの「サムワンズ・オールウェイズ・シンギング」そして7分以上に及ぶ渾身のスロー・ブルース(インスト)の「パープル」から、流れは一気にラスト・ナンバーのタイトル曲「フリーダム・フライト」へ。

アルバムとしては「ブラック・ミュージックと同年代のロックの要素を取り込んだ色んな音楽やってるよ、聴き易いよ♪」という、人懐っこい空気が漂ってきております。そう、シュギーの音楽性のすばらしいところは、とにかく音楽が好きで、流行とかスタイルとか関係なく、単純に「好き」というだけで色々やってるんだけど、何というかこの人ならではのマイルドな一貫性があるところなんです。

で、ギターを中心に聴いてみると、そんなマイルドなキャラクターの影に隠れた演奏者としてのストイックな姿勢がかいま見られる、相対する実に硬派でトンガッた姿勢すらも感じさせる。

とにかく一筋縄ではいかない、そして一言では語れない深みを持ったアーティスト、それがシュギー・オーティスト。この4年後にエピックからのラスト・アルバム「インスピレーション・インフォメーション」をリリースして、プイッと表舞台からいなくなり、何と再びソロ・アルバムをリリースしたのが2013年というから、いやはや本当に一筋縄ではいかない人であります。



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2017年05月10日

サンタナ 天の守護神

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サンタナ/天の守護神

うっかりしているうちに夏ですよ。

あのね、奄美26℃うへぇ・・・。とか言ってたら、暑いのはこっちばかりでなく、本土の方でも夏日だよねとかいう声が聞こえたんですが、コレもアレですかね、温暖化というヤツでしょうか?

とにかく最近の気候やらを見ておりますと、本土が亜熱帯化しているという感じではございます。

あの、魚や海洋生物の分布が、この数年で明らかに北上しているようなんですね。

それはさておきサンタナです。

ソニー・ミュージックからの、財布のやさしいココロに嬉しい税込み¥1080のギター・レジェンド・シリーズから、本日はサンタナであります。

サンタナに関しては、これまでこのシリーズの特集の中でファーストサードについてはガッツリ書きました。

これは単純に、アタシが好きでよく聴くアルバムからレビューしようと思ってたというだけで、特に深い意味はございません。

シリーズには、これからご紹介しますセカンド・アルバムの「天の守護神」と、カルロス・サンタナが完全に主導権を握り、音楽性をグッとジャズ/フュージョン寄りのものにした名作4枚目「キャラバン・サライ」がありまして、ハッキリ言いまして初期のこの4枚はいずれ劣らぬ名作でございます。

ここだけの話ベスト盤で安く済まそうと思うよりも、¥4000ちょい出してこの4枚を揃えた方がサンタナの音楽を、飽きることなく濃厚に楽しめますので、これをお読みになっておられる皆様は、ぜひそうなさってください。

はい、じゃあ今日は前置き短めで早速アルバムの紹介に入らせて頂きますね。



(ギター・レジェンド・シリーズ)

【収録曲】
1.風は歌い、野獣は叫ぶ
2.ブラック・マジック・ウーマン〜ジプシー・クイーン
3.僕のリズムを聞いとくれ
4.ネシャブールのできごと
5.全ては終りぬ
6.マザーズ・ドーター
7.君に捧げるサンバ
8.ホープ・ユー・アー・フィーリング・ベター
9.エル・ニコヤ
10.全ては終りぬ (ライヴ)
11.祭典 (ライヴ)
12.ブラック・マジック・ウーマン〜ジプシー・クイーン (ライヴ)

セカンド・アルバムの「天の守護神」は、1970年、サンタナがデビューしたその翌年にリリースされました。

69年のウッドストック・フェスティバルで好評を得た余波に乗って、そのウッドストックで演奏して話題になった「ブラック・マジック・ウーマン」(フリートウッド・マックのカヴァー)のシングルが大いに売れましたが、ファーストには入っておらず、ファンが心待ちにしていたところに「ブラック・マジック・ウーマン」収録のフル・アルバム。これを喜ばないファンはおりませんということで、セカンドにして早くもこのアルバムはヒット・チャート1位に輝きます。

そこでサンタナがやった粋なことがあって、実はこのアルバムに収録されているヴァージョンは、シングルとは違うヴァージョンで、2曲のメドレーになっております。

実はその”メドレーのもう一曲”の「ジプシー・クイーン」が、カルロス・サンタナが心から敬愛する天才孤高の無国籍ジャズギタリスト、ガボール・ザボの楽曲で、カルロスはこの素晴らしいギタリストの曲を、ミーハー気分で自分達の事を知った人にも聴いて欲しかったんじゃないかと思えば、何かこう胸にグッとアツいものが込み上げてきます。

実際「ジプシー・クイーン」は、ややまったりした「ブラック・マジック・ウーマン」から一気に加速するラテン・ビートで、繋ぎや展開も、もちろんギターのインプロの出来も最高だし、この後4曲目以降のアルバムの流れをビシッと決めていて、全体の雰囲気も見事に引き締めてそして盛り上げておるんですね。

で、多くの人が「このセカンドこそ初期サンタナの最高傑作」と語っております。

確かにファーストでの、ややジャムセッション風なサイケ風味と、サードで聴かれる完成度を上げた楽曲とカルロスのギターの自由奔放なインプロヴィゼーションが織り成すめくるめくカラフルな展開の丁度中間を縫うような、楽曲の美しさとアドリブのスリルとが、まだまだアナーキーで不穏な空気を残す演奏の中で繰り広げられるその熱気は、本作独特のものであります。

「ブラック・マジック・ウーマン」の話題で語られがちではありますが、ラテンの大物ティト・プエンテのカヴァーであります「僕のリズムを聞いとくれ」での、パカポコ命のラテン魂グルーヴが滾るのや、その後のムーディー路線の嚆矢となった”泣き”のギターが優しく唄う「君に捧げるサンバ」等の、その他のシングル曲もすごくいいです。

何より本作から、サンタナのトレードマークともいえる、あの「ぐいいいーーん」と伸びてゆくギターの長いサスティンが、まだ未完成とはいえ、ハッキリと分かる形で聴けるというのが、彼のギターが好きな人(はぁいアタシです)にとっては嬉しいところ。

そしてアルバムの構成も「どこまでもアツく盛り上がるラテン・パーカッションvsギター、オルガンのハードバトル大会」と「美しく余韻を残す哀愁ナンバー」が、ほぼ交互に絶妙なバランスで収録されていて、大ヒット級シングル曲が目白押しといえども、やっぱりアルバムとして聴きたい、そんな豊かなストーリー性にも溢れております。

2枚目までの「ガッツリバンドサウンド」の質感は、ツボにハマると結構やみつきになりますもんね♪


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