2017年09月12日

ストレイ・キャッツ プレミアム・カッツ

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ストレイ・キャッツ/プレミアム・カッツ
(M&I)

昨日のアーサー”ビッグボーイ・グルーダップ”を書いて、無性に聴きたくなったとです。

何がって「ギター+ベース+ドラムス」という最小編成のイカしたロックンロールをですよ。

という訳で、この編成でピンとくるバンドといえばストレイ・キャッツですね。ニルヴァーナもいいしピーズも好きだしギターウルフも最高だしグリーンデイもゴキゲンなんですが、80年代以降のロックバンドで3ピースの先駆けとなったのは、やっぱりストレイキャッツですよね〜。

50年代のロカビリーをカヴァーしたり、その時代の雰囲気が濃厚に漂うオリジナル曲を作り、イカすリーゼントとジャケットとグレッチとウッドベースとスタンディング・ドラムっつースタイルで、でもパンクロックのスピリッツを演奏の中核にブチ込んでセンセーションを巻き起こした。

いや、そんなことよりも

「ロックンロール、古くない」

という、今ではもう当たり前のことなんですが、誰もが最新の機材でピコピコした派手な音楽を追いかけがちうだった80年代に、ロックバンドが出来る最小の編成で、しかもテクノロジー的な小技に頼らず、そいでもって単なる懐古趣味でないロックンロールを世に放って、それを時代に流されない強靭なスタンダードにしたっちゅう意味で、ストレイキャッツは本当にグレイトなバンドなんですよ。あぁ、早速興奮してアタシ何言ってんだかわかんなくなっちった・・・。

えぇと、はい。ブライアン・セッツァー先輩(vo,g)リー・ロッカー先輩(b)スリム・ジム・ファントム先輩(ds)の3人で1980年にデビューしたストレイキャッツ。92年に二度目の解散をするまでに出したアルバムは全部で8枚。

どれも最高のロックンロールで素晴らしいことこの上なしなんですが、アタシは個人的にストレイキャッツみたいな小細工ナシのロックバンドの音源は、無性に”きったない音”で聴きたくなってしまう日があるんです。

だからライヴ盤なんですよ。ほい。



【収録曲】
1.ダブル・トーキン・ベイビー(ジーン・ヴィンセント)
2.ランブル・イン・ブライトン
3.ベイビー・ホワット・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ドゥ(エルヴィス・プレスリー)※オリジナルはジミー・リード
4.フォード39年モデル(ジョニー・バネット)
5.ビューティフル・デライア(チャック・ベリー)
6.気取りやキャット
7.ロック・アラウンド・ウィズ・オリー・ヴィー(バディ・ホリー)
8.悩殺ストッキング
9.ジニー・ジニー・ジニー(エディ・コクラン)
10.ロック・タウンは恋の街
11.気取りやキャット
12.ラストゥン・ラヴ i
13.ミステリー・トレイン (エルヴィス・プレスリー)※オリジナルはジュニア・パーカー i
14.サマータイム・ブルース(エディ・コクラン)
15.オー・ボーイ(バディ・ホリー)


ロンドンにあったパンクスの聖地と同じ名前で、アメリカのハリウッドにもあった伝説のクラブ「ロキシー」での、デビュー直後のライヴが11曲、そして最初の再結成後、最高傑作と言われる(言われなくてもアタシが勝手に言う)7作目「レッツ・ゴー・ファスター」をリリースしたのと同じ年の1990年にスタジオで行われた4曲のセッションを収録したアルバムです。

ロキシーでのライヴは、その昔ブートで出てるはずよ?と、ファンの間でちょっと話題になってるのを小耳に挟んだことがあったのですが、その幻の音源を、何を思ったか日本のメジャー・レーベルであるポニー・キャニオンがオフィシャルな形でリリースしたというので、発売当初ちょっと話題になりました(なってなくてもアタシが話題にした)。

で、このアルバムのサイコ−なのは、やっぱり収録のほとんどを占める1981年のライヴですよ。

スタジオ盤の8倍ぐらい荒削りなサウンドで、勢いに任せてガンガンやってる、しかもオリジナルよりも彼らが敬愛する50年代のロカビリーやロックンローラー達のカヴァーがもう血圧上がるんですねー。

もちろんストレイキャッツは、ただオールディーズを懐かしんでやってるんじゃなくて、彼らならではの80年代でも全然ショボくない新しくて刺激に満ちたアレンジと、実は天才的な、洗練されたテクニックでもってビシッと演奏したからあんな風にブレイクしたバンドなんですが、何より往年のロックンロールのカヴァーをする時に全力で溢れ出すオリジナルへのリスペクト、彼らが聴いていて「あぁ、これはカッコイイ音楽だ!」と感動したその想いがそのまんま伝わってくるから最高なんです。そう、ロックってこの”アツさ”です。

無条件でアツいものが好きな方には、音質とかそんなしゃらくせぇこと関係ナシで、きっと心底楽しめると思います。収録曲のところに()でカヴァー元もオリジナルのアーティストの名前も書いときましたので、よかったらそっちも聴いてみてくださいね。


ちなみにこのCD、とっくの昔に廃盤だと思っていましたが、何気にアマゾンで検索したら1枚だけあったので、つい嬉しくてレビューしちゃいました。


『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 19:19| Comment(0) | ブライアン・セッツァー先輩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする