2018年05月22日

サン・ラー ジョイフル・ノイズ(DVD)


DYn21eUU8AAAXmz.jpg

サン・ラー/ジョイフル・ノイズ
(アップリンク)


地球の皆様こんばんは。

本日5月22日は何の日でしょう?

そう、迷える地球人を正しく導くために土星からやってきた古代エジプト人の子孫であります、われらがサン・ラーの誕生日・・・おっと”地球に降臨した日”であります。

このブログを熱心にご覧になっておられます賢明な皆様には、サン・ラーが正しく地球人類を導くために土星からやってきて、そして間違いなく導かれた人というのが存在する(はぁいアタシです)ことは、もうご存知でありましょう。

アタシもサン・ラーの素晴らしい音楽と、それを楽しく裏付けるワン&オンリーのかっこいいパフォーマンス、そしてサン・ラー自身の知的でぶっ飛んだ蘊蓄に富んだ、その宇宙哲学に惚れ込んで以来、音楽とあらゆる芸術を包括したその平和思想に、古代中国の伝説的な王であり、薬学や商売の神として知られる神農との共通点を多く見出したアタシは、サン・ラーを聴くこと、サン・ラーの表現を楽しむこと、そしてサン・ラーの深淵な哲学を理解しようと努めることを『宇宙神農道』と名付け、日々鍛錬しております。

えぇ、えぇ、こういった事はまじめーに考えるよりも、ネタとして楽しんで頂いた方が楽しいから、今までアタシが書いたことも、これからアツく書き記して行くことも、賢明なる音楽好きの皆様は、ぜひ健康的にネタとして楽しみながら読んでください。

さて、サン・ラーとは一体何者で、どういう人なんでしょうね。非常に気になりますね、ワクワクしますね。

音楽的に説明すれば、サン・ラーはジャズをやる人です。

そのジャズを、ピシャッと決まった正統派のスウィング・スタイルからモダン・ジャズ、歌モノ入りのR&B、エレキギターやシンセサイザー炸裂のファンク風、はたまたフリーク・サウンドの阿鼻叫喚なスタイルまで、とにかく「およそ考えられる音楽の手法すべて」を駆使して自在に演奏出来る、優れたビッグ・バンドのリーダーであり、一流の鍵盤楽器奏者です。

1940年代後半にジャズ・ミュージシャンとしての活動を始めたと言われている彼は、1993年に土星に還る(この星の言葉で言うところの死去する)まで、常にジャズという音楽の最前線で演奏しながら、多くの先鋭的かつ革新的なミュージシャン達とは全く違う独自のやり方で、メインストリームに属するものでもあり、アンダーグラウンドに属するものでもある、あらゆる可能性に満ち溢れた演奏を繰り広げ、時に音楽というカテゴライズからも自由に飛び出した、新たな表現手法を生み出してきました。

有名なジャズ・ミュージシャンで彼の影響を受けたのは、ジョン・コルトレーンを筆頭に、枚数にいとまがありませんが、ジャズ以外でもジョージ・クリントンやアース・ウインド&ファイアー、フェラ・クティ、MC5、ジャイルス・ピーターソンなどなど、R&B、ロック、アフリカン・ミュージック、ハウスなどのアーティスト/DJで彼を崇拝して、その音楽的遺産から多くを得ている人は数知れず(デトロイト・テクノはジャンルそのものの源流にサン・ラーがいるとすら言われています)。

1960年代から70年代までは、彼の自由な表現に対する理解はまだ薄く、その派手で風変わりなアーケストラの手作り衣装やダンスや寸劇もあるステージでのパフォーマンス、そして真面目な顔で宇宙の摂理を語るサン・ラーを「変人」と決めつけることで、ずっと彼をアングラとかキワモノとか世の中は言ってきましたが、時代が変わり、彼の音楽がその時代のちょっと先を行く音楽のある部分を先取りしてやっていた事や、彼の語る宇宙の摂理や平和(調和)を説いたメッセージが、よくあるデタラメなスピリチュアリズムとは違い、歴史や科学や世界中の宗教の思想を深く研究した上で丁寧に考え抜かれてきた、地に足の付いた哲学だという事が、残されたインタビューや発言の分析から知られてくると、ジャズというジャンルに囚われない「音楽は音楽」で自由に楽しもうという人々に、本当に真剣に支持され、そして再評価されてきたのです。


アタシも最初にサン・ラーと出会った時は、その派手で奇抜な衣装を見て笑いました。

インタビュー記事を読んで、自分は土星人であるとか、地球人は正しく導かれなければいけないとか、そういったことを真剣に語るサン・ラーに「おぉ、ぶっ飛んでるのぉー」と思ったものです。

で、演奏を聴いて(最初に聴いたのは『Space Is The Place』↓)





「これは・・・凄い!最高にイカレてるけど最高にちゃんとしてる!!」

と、衝撃を受けた訳です。


そんな事を言っても、まだ実際にサン・ラーの動いて演奏をする姿を見たことがなかったうちは

「すごくカッコいい音楽」

のうちでしかなかったんです。

が!


本当の意味での衝撃は、ビデオ映像で”サン・ラーの動く姿”を見た時だったんです。




サン・ラーはよく

「我々の演奏は、ただ耳に入ってくる音楽だけではない。衣装も演奏で、ダンスも演奏、ステージの上での誰かが喋ってメッセージを発してもそれは演奏だ」

というような事を言います。

それは意地悪な言い方をすれば、とっても理想的な理屈です。

ちょっとカッコいいバンドがそういう風に言えば、そりゃあ全部がそう思えるだろうと。

で「どんなもんかのー」とビデオで見たサン・ラーの演奏


・・・!!

・・・・・・!!!!

一言で言えば、彼らの音楽は絶対にあの衣装でなければダメだし、この音楽にこの衣装でなければ、この歌ったり踊ったりのステージはあり得ないし、サン・ラーがこの音楽をやっていて、こういった衣装を着て、こういうパフォーマンスを素晴らしいクオリティで見せてくれるから「宇宙が」とか「地球人は」とか言っても、全然嘘くさくならんのです。









それでもまだ「サン・ラーなんて変わったことやってる変なオッサン」だと思ってる人は、この最高のドキュメント・ムービーを見てください。

のっけからその深淵な宇宙哲学を、まるで大学教授のような知的な口調で語るサン・ラー、そして演奏シーン、共同生活しているアパートでの、びっくりするほど真剣なリハーサル、みんなで経営している駄菓子屋に訪れる子供たちとの、心温まるふれあいのシーン、もう何て言えばいいんでしょうね、これほどまでに音楽の本質と共に、アーティストとして生きる人々全部に共通する本質をありのまま(しかもマイナスな過激さは一切なく)ピュアな形で撮りきった音楽ドキュメンタリーってありません。

今はyoutubeがあるから、サン・ラーのライヴ映像はいくらでも観られますが、このドキュメントは字幕付きは動画で出回ってませんし、何より音楽はもちろん最高ですが、ビジュアルも思想も音楽と同じぐらい深い感動を与えてくれるサン・ラーの素晴らしさは、字幕付きのこのDVDで全ての音楽的にじっくりと堪能してもらいたいと思います。

「サン・ラを知ってからロックが楽しく聴けるようになった。だって今の90年代のロックがやれそうでやれないようなことまで何十年も前にサン・ラがやってるもんね」

とは、あるバンドマンの言ですが、その後に

「突き抜けてカッコイイことやってるヤツを聴くと、コレをやらなきゃいけないって思うよね。でもサン・ラの凄いところは”別にやらなくてもいい”って思わせてくれるところだと思う。あれしろこれしろ、こう感じろとは聴く人に絶対押し付けない。オレらは自由に楽しんでるからお前も好きにやれって感じ?自由過ぎてカッコイイわ」

と、言ってくれたことを思い出して、あ、サン・ラー信者のアタシが長々書いてきた今までの文章が、この2言で全部綺麗にまとめられたと思っています。そんなサン・ラーはやっぱり突き抜けております。





”サン・ラー”関連記事



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 18:35| Comment(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする