2018年12月17日

エラ・フィッツジェラルド Ella Wishes You Swinging Christmas

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Ella Fitzgerald/Ella Wishes You Swinging Christmas
(Verve)


みなさんこんばんは。

いやはや12月でございますよ、えぇ、12月。

12月っていやぁアレですね、えぇ、クリスマス。

もうね、アタシなんかはオッサンもいいとこですから、クリスマス近くなると「サンタさんからオモチャもらえるわーい」ってのもなければ「恋人いなくて焦る」なんてのもないんですよ。

つうかアレですね、サンタさんは嬉しかったけど、アタシって実はクリスマスってイベントが色気と繋がったことがない。えぇ、つまりモテない上にアタシに色気がないって言えばそれまでの話なんですが、いやアレですね、それ以前に「クリスマスだから」といってロマンチックな気持ちになったことがない。つまりアレです、人としてその〜、根本的なアレの問題だと思うんです。

でもね、幼少期からひとつだけ、今も一貫して「クリスマス」でときめく部位があって、それはケーキですよケーキ。

クリスマスはケーキが食える、ケーキを食うためにパーティーをする、パーティーに必要なのはゴキゲンなクリスマス・ソングのBGM!

っつうわけで、多少強引ではありますが、今年もクリスマス近いんで、そんなワクワクを皆さんと少しでも共有できたらとクリスマスの名盤というヤツをご紹介いたします。

今日はジャズですね、はい、もう定番中の定番といえば「クリスマスのジャズ・ヴォーカルもの」なんですが、その前にあのですね、これは全国のクリスマスソングを愛する人や、もしかしたらカフェとか美容院とか服屋さんとかやっている方に特に言いたいことなんですが「ジャズのクリスマス・アルバム」ってまずハズレがないです。

誰のどんなアルバムや演奏とかをその空間に流しても、その場がパーッと明るくなって、空気が何かこう上質な感じになります。

「場の空気」っていうものに特に気を遣っていらっしゃる方は、色々とあるクリスマス・ソングのCDなんかで迷った時は、とりあえず1枚はジャズものを入れてみてくださればいいんじゃないかと思います。

で、本日ご紹介するのはエラ・フィッツジェラルド。

ざっくり言って”昔のジャズ”の世界で、女王と呼ばれるズバ抜けた存在感を放つ人ってのは結構いるんですが、その中でもこの人は最もトータルバランスに優れたシンガーって言えばちょいと語弊があるかも知れませんが、とにかく歌は抜群に上手いし、声域は非常に豊かだし、声の質も綺麗とかわいいと芯があるの絶妙なバランスの丁度中間にあって、どんな歌を歌っても「ちょうどいい心地良さ」で声が聴く人の耳に入ってくる人なんです。

くどさがあんまりないので個性が薄いのかと思えばそうじゃない。むしろ他を圧倒する強烈なオリジナリティを持っていながら、それを「聴く人がどう感じるか」ということを完璧に心得ていて、キチッとコントロール出来ている。そういうシンガーさんです。

たとえばアタシは女性シンガーでいえば、ビリー・ホリディとかニーナ・シモンといった人達が大好きなんです。この人達はチラッと声を聴いただけで、歌に込められた感情みたいなものがグワ〜っと心を掴むような人達です。聴いてて本当にのめり込んじゃうし、それこそ中毒になって何度も何度も聴いてします。

でもエラさんの場合は逆なんですね。

いつどんな気持ちで聴いても、ほんわかと「あぁいいなぁ〜」とさせてくれるけど、その歌に込められた感情みたいなものはいつも後からジーンと染みてくる。それが聴く人を幸せにしてくれるんです。そう、エラさん聴くとノリノリのスインギーな曲でもしっとりしたバラードでも、しっかりと幸せな気分になれる。

どうでしょうね、こういう人こそクリスマス・ソング歌うにはピッタリのシンガーじゃありませんか。




Ella Wishes You Swinging Christmas

【収録曲】
1.Jingle Bells
2.Santa Claus Is Coming To Town
3.Have Yourself A Merry Little Christmas
4.What Are You Doing New Year's Eve?
5.Sleigh Ride 6. The Christmas Song
7.Good Morning Blues
8.Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
9.Winter Wonderland
10.Rudolph, The Red-Nosed Reindeer
11.Frosty The Snowman
12.White Christmas
13.The Secret Of Christmas
14.Medley: We Three Kings Of Orient Are/O Little Town Of Bethlehem
15.Christmas Island
16.The Christmas Song
17.White Christmas (Alternative Take)
18.Frosty The Snowman (Alternative Take).


さて、アルバムはクリスマスカードみたいなオシャレなデザインで人気の『Ella Wishes You Swinging Christmas』であります。

こりゃもう説明はいらんですね。

・・・といきたいところですが、説明します。

録音は1960年、エラさんという人は実は戦前から活躍していた人で、古い録音を聴いてもシンガーとして完璧な人なんですが、特に戦後50年代以降になってくると、歌声により深みが出てきます。


ポップスっていうジャンルがまだなかった時代は、ジャズこそが最もポピュラーなヒット音楽で、ジャズシンガーこそが国民的なポップ歌手でした。

このアルバムが録音されたのはそんな時代。

ゴージャスな、超一流のメンバーを集めたビッグバンドに目一杯華やいだ音を出させて、それ以上に華のある歌声のシンガーが歌って聴く人を感動させるというのが、この時代のプロシンガーの絶対条件でありましたが、まぁここで見事なビッグバンド・サウンドをバックに、まるでオーケストラを完全にコントロールしているかのようなエラさんの見事な歌いっぷりと言ったらどうでしょう。

「ジングルベル」「サンタが街にやってくる」「赤鼻のトナカイ」「ホワイトクリスマス」とか、それこそもう色んな人のヴァージョンで何百回も聴いたような定番ソングなのに、この人が歌うと何で今正に生まれた曲のようにウキウキした新鮮な気持ちで聴けるんでしょう。

これだけ中身の凝縮したような見事なジャズで、見事なヴォーカルアルバムなのに、しかもベタなぐらいド定番のクリスマス曲が並ぶのに、全くベタ感も押し付け感もなく、むしろ「BGMにしてもいいのよ〜」ぐらいの軽やかさで十分幸せにしてくれるんです。

個人的には思いっきりブルースの『Good Morning Blues』に、その真逆の衝撃を受けたので、クリスマス目当てならずともこれだけで”買い”だったんですが、それ話すと長くなりますので良い子はこの行は読まなかったことにしてくださいね♪







『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

posted by サウンズパル at 20:50| Comment(0) | クリスマス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする