2019年10月05日

ブラインド・ボーイ・フラー Truckin My Blues Away

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Blind Boy Fuller/ Truckin My Blues Away
(Yazoo)


何だか久々に聴いてみたら、ブラインド・ボーイ・フラーにすっかり再ハマりしてしまいました♪

前回もちょとっと書きましたが、この人のブルースは、もちろんディープなフィーリングを持っておりますが、聴く人に対しては必要以上に深刻にならず、戦前ブルースに馴染みがないというよりも、そもそもブルースそんな知らんよって人に対しても「あら、なかなかゴキゲンな音楽ね」と言わしめるキャッチーな腕の良さみたいなものを持っておる人であります。

ほいでもって、彼の作り上げたキャッチーでウキウキなブルースのスタイルは「ピードモント・スタイル」と呼ばれ、戦後のアコースティックなブルースの、何となく主流なスタイルになって行くんですね。

例えばエリック・クラプトンがアコギを持って「ちょいと古い曲を・・・」とかいう感じで割と爽やかに弾き語るあの感じのを見ると「おぉ〜、ピードモントスタイルだわい」と、アタシなんかは思ってしまいます。はい、クラプトンは一流のミュージシャン/ギタリストである以前に、超の付く程のブルースマニアであり、あらゆるスタイルのブルースの熱心な研究家でもありますんで、もちろんフラーやぴーどもんす・スタイルの事は知っておるでしょう。でも、それを意識せずとも、戦後になってアコースティックでちょいとオシャレな感じのブルースをやると、自然とフラーやその影響を受けたブラウニー・マギーみたいなスタイルに近くなってくる。こりゃあ本当に凄い事だと思います。

さて、話をブラインド・ボーイ・フラーに戻しましょう。

1907年に生まれたフラーは、戦前に活躍したブルースマンとしては、比較的若い世代です(ロバート・ジョンソンより4つ年上ぐらい)。

で、盲目のブルースマンといえば、先天的に目が見えなくて、家業の農作業とかが出来ずに音楽の道へ行った人もおりますが、フラーの場合は元々目の病気とかはなくて、20歳ぐらいの時に同棲相手と喧嘩をしてしまい、その結果洗面器の水にアルカリ溶液を混ぜられて、そいつで顔を洗ってしまったから目が見えなくなってしまったという、強烈なエピソードがあります。


1940年に、不摂生が祟って33歳という若さであっけなくこの世を去っております事も考えますに、フラーという人はどうもその和やかでウキウキな音楽性とは裏腹に、かなり激しい気性のやさぐれた性格だったような気がしますね。

あ、いや、ちょいと待て。そんなフラーのやぶれかぶれなキャラクターに想いを馳せながら彼のブルース聴いてたら、やっぱりタダのポップでゴキゲンなだけじゃない、やさぐれ人間特有の凄味みたいなものがビリビリと使わってくるよーな気がしますぞ。これだからブルースはやめられない♪




Truckin My Blues Away

【収録曲】
1.Truckin' My Blues Away
2.Untrue Blues
3.Homesick And Lonesome Blues
4.You Never Can Tell
5.Mamie
6.Jivin' Woman Blues
7.Funny Feeling Blues
8.I Crave My Pigmeat
9.Meat Shakin' Woman
10.Walking My Troubles Away
11.Painful Hearted Man
12.Corrine What Makes You Treat Me So?
13.Sweet Honey Hole
14.Weeping Willow



さてさて、先日はフラーの「最初に聴くならこれ♪」なベスト盤をご紹介しました。つうか戦前のブルース音源は、どれもA面B面それぞれ1曲づつのSP盤用シングルだったので、戦後に編集されたアルバムは、全部ベストのようなもんだと思ってください。後はレーベルによって選曲の良さとかジャケットの味わいとか、そういうものがそれぞれだったりしますんで、聴く人それぞれのお気に入りを選べばそれでOKという世界です(遠まわしに「戦前ブルース全然怖くないし難しくないんで、どんどん聴いてー!」って事をアタシは言っておりますよ、ハイ)。


で、アタシにとって一番最初にフラーの魅力を教えてくれたアルバムといえば、やっぱり戦前ブルースの貴重な音源を、イカした手作り感満載のジャケットの良さと共に世界に広く紹介した、Yazooレコードの編集盤ということになります。

選曲は、言わずもがなの素晴らしさ。特にミディアム・テンポの心地良いナンバーから、グッと落とした声のトーンでジワジワと聴かせるスロー・ブルース中心のセレクトは、落ち着いてじっくりとフラーを、つうか戦前ブルースを聴いてみたい人にはピッタリの内容とボリュームです。

こんだけ収録されていて、前回紹介した『Blind boy Fuller 1935-40』(↓)と、曲のダブりがほとんどないのが最高です。




そして、Yazooのジャケットといえば欠かせない名匠、ロバート・クラムの手掛けるイラストがまたいいですね。

戦前モノといえば大体ブルースマンの写真デカ貼りに背景+文字というのが王道な中、実に大胆でポップなイラストで、実はフラーのイラストが右上にちょこっと描かれてます。あ、ロバート・クラムのイラストは皆さん、良いですよ。って言ってもピンと来ない人多いと思いますんで、ほら、アレですよ。ジャニス・ジョプリンの『チープ・スリル』を手掛けた人であります。












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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

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posted by サウンズパル at 16:40| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする