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2014年10月20日

ボブ・ディラン グッド・アズ・アイ・ビーン・トゥー・ユー


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ボブ・ディラン グッド・アズ・アイ・ビーン・トゥー・ユー
(ソニー)

1.フランキーとアルバート
2.ジム・ジョーンズ
3.ブラックジャック・デイヴィー
4.キャナディ・アイ・オー
5.オン・トップ・オブ・ザ・ワールド
6.リトル・マギー
7.辛い時代
8.ステップ・イット・アップ・アンド・ゴー
9.あしたの晩
10.アーサー・マクブライド
11.別れるっていうんだね
12.ダイアモンド・ジョー
13.蛙の求婚

リリースは1992年。

そう、忘れもしない、この私に「ボブ・ディランのカッコ良さ」を教えてくれたアルバムです。

「高校の頃聴いたボブ・ディランの新作に衝撃を受けたんです。」

とか言ったら、団塊世代の諸先輩方から

「それはオメーが言うセリフじゃねー(笑)」

と、笑いながら突っ込まれましたが、まぁそんな与太はさておき、私が衝撃を受けたボブ・ディランは、ギター一本ジャカジャカ鳴らし、唄とも語りとも呟きともいえない、なんとも自由な節回しを、鼻をつまんだような声で唄うおじちゃんでした。

ついでに言うと、このアルバムでディランが取り上げているのは、自分の曲じゃなくて、いずれもカヴァー。

タダのカヴァーじゃなくて、“バラッド”と呼ばれた昔々のアメリカ民謡なんですね。

バラッドというのは、まだレコードも、ラジオも普及していない、ブルースとかカントリーとかいった、大衆音楽の区別などなかった時代に、白人黒人関係なく広まっていった流行歌です。

バラッドは“ソングスター”と呼ばれる放浪のシンガーや、ストリングス・バンド達が汽車や馬車に乗って、街から街へ、飯場から飯場へ、農場から農場へ、酒場から酒場へ…、人々の生活があるところならどこへでも運びました。


ボブ・ディラン達戦後のフォーク・シンガー達は、彼らソングスターへの憧れと、音楽の根源的なものに迫るために、あえて時代の主流を行っていた電気楽器を選ばず、生ギターを選んだわけです。

つまりこのアルバムが、ボブ・ディランの“原点”だったんですね。

もちろんアタマの弱い小僧ッ子だった当時の私は、そんな深いことなどまるで気付かずに「ボブ・ディランやべー!かっけー!」と、はしゃいでおった訳です(笑)。


取り分け7曲目の「辛い時代(Hard Times)」が好きでした。


ある時とても辛いことがあって、その時にこの曲を聴いてボロボロ泣いたんです。


泣いたついでに歌詞カードをじっくりと読みました。


「辛い時代」


楽しいときに、かつての涙を数えよう

ひとつの歌がいついつまでも鳴り響く

辛い時代はもうまっぴら

疲れた人の、ため息うたった歌がある

辛い時代は、辛い時代はもういやだ

何日間も我が家のまわりを歩いていたね

辛い時代はもうまっぴら

陽気なひととき、楽しく愉快な音楽求め

かよわい姿が戸口にぼんやり立っている

声はせずとも息づかいが聞こえてくる

辛い時代はもうまっぴら



訳された文字を読んでまた泣きました。


しかし、何で辛い“時代”なんだろうか?

その疑問が私の中の、何かの扉を一気に開きました。

ライナノーツを詳しく読むと、この歌は1920年代から続いた世界大恐慌のことを唄った歌だったんです。

色んなことが頭の中をぶわーっと駆け巡りましたが、漠然と、でも確かに「その時代に生きる人々の、本当に切実な想いを乗せたものが“唄”なんだなぁ…」と、思いました。

そしたら音楽の、何というか根源的なものが知りたくて、ブルースとは何か?フォークって何だ?ジャズとは?ロックとは?と思考し、音楽の歴史や社会背景に関する知識を、本やライナーを頼りにしながらCDを聴きまくり、どんどん深いところへと突き進んでいきました。(つづく)


willie nelson & bob dylan -1993-04-28 - 60th birthday - hard times.mpg

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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』


posted by サウンズパル at 17:21| Comment(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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