ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2014年12月25日

ライトニン・ホプキンス モジョ・ハンド

3.jpg

Lightnin'Hopkins Mojo Hand
(Fire/Collectabls)

【収録曲】
1.Mojo Hand
2.Coffee for Mama
3.Awful Dream
4.Black Mare Trot
5.Have You Ever Loved a Woman
6.Glory Bee
7.Sometimes She Will
8.Shine on, Moon!
9.Santa

あろうことかライトニンのCDを何枚かレビューしておいて、この天下の名盤「モジョ・ハンド」について書いていなかった。おお、コレはうっかりです。

テキサスが生んだダーティ・ブルースの権化、ライトニン・ホプキンスという人を語るには、まずもってコレを聴かねば始まらない。どころか「ブルースが好きで・・・」という人、または興味がある人ならば、ともかくコレを買って常備しておかねばならない。そんでもって「あぁ、最近ブルースが足りないなぁ」と思ったら、爆音で聴かねばならない。そんぐらいのアルバムです。

まぁこの「真っ赤な背景を突き破って出てくるコブシジャケ」のインパクトは凄まじいですよね。

ライトニンといえば、その見てくれから「誰が見てもブルースマン」って一発で分かるし、アルバムも私が知る限り、本人の顔写真じゃないのは5,6枚ぐらいしかないんじゃないでしょうか。それでも彼の膨大な数の作品群の中でも一際強烈な異彩を放っているこのアルバム。

とはいっても、このアルバムがブルースの歴史を変えた訳でも、ライトニンがあっと驚くスーパープレイをしている訳ではありません。ライトニン本人はいつものようにリラックスして、得意のブギーとスロー・ブルースを気ままに弾いて唄ってるだけ。

しかし、目には見えない、言葉では上手く説明は出来ないけど、明らかに”何か”の力が作用して、演奏している本人も知らないうちに、聴く人を底知れぬ魅力の渦に引きずり込む魔力をこの作品が持ってしまったということは紛れもない事実であります。

ライトニンは、ココではアコギを弾いております。

でも、全編アコギなのに、ベースとドラムがサポートしてるので、エレキみたいに自由奔放に弾きまくっているのがミソ。

もう何百回も聴いてるのに、コレを「アコースティック・ライトニン」と呼ぶことには抵抗を感じます。

冒頭の「Mojo Hand」から、もうダーティの極みですよね。ただザクザクとリフを刻んで唄ってるだけなのに、もう何でこんなにラフでワイルドでカッコイイんだろうと思います。

2曲目「Coffee for Mama」も、おんなじようなブギ・ナンバーなんですが、この尋常じゃないエコーが凄いです。もしかしたらアルバムの「ムード」の要となってるのは、曲のエコーなんじゃないかと思います。

ブギ2曲でノリノリにさせておいてからの展開は、もう凄まじくドロドロのブルースを畳み掛けます。

ドスの効きまくった「Awful Dream」で、聴き手を一気に奈落へと引きずり込んだかと思えば自由気ままに弾きまくりのブキ「Black Mare Trot」。

淡々とリズムを刻むバックがあるから、ライトニンも即興でソロを弾いてます。

気ままに弾くもんだから、途中でフレーズが行き詰まって、音と音の隙間に絶妙な間が出てきたりするんですが、普通の演奏でいえば「モタった部分」ををも重たい空白として聴かせる凄味は、センスでもテクニックでもなく、気迫でしょう。鬼であります。

続く「Have You Ever Loved a Woman」は、ギターの代わりにピアノを弾いてるライトニンですが、コレがまたひたすら重い(!)あくまでコードをバンバン叩きながら、テロテロと単音でオブリガードを入れてるだけで、専門のピアノじゃあないんですが、コレもテクニックとかそんなんじゃないですね。気迫です。

続く「Glory Bee」から、またギターに持ち替えて、ヘヴィ極まりないスロー・ブルースで、ここまで聴いてるともう意識は完全に沼底におるような感じがします。で、ギター・ソロの部分ですが、やっぱりエレキみたいに弾いてるから、どう聴いても生ギターの音なんだけど、感触としてエレキみたいな気がどうしてもします。

続いて「Sometimes She Will 」はゴキゲンなブギで「あばよ!」みたいな歌い終わり最後の「that's All Light」がカッコイイ。

と、思ってたら後半は超スローテンポ2連発の「Shine on, Moon! 」「Santa」で、ドスを効かせます。特にクリスマス・ソングなのに全然ハッピーでもメリーでもない「Santa」はほとんど脅迫に近いノリで、窒息しそうな重苦しさで、最後まで漆黒ブルースのドス黒い渦(!)

で、このアルバムが何で群を抜く名盤になったんだろう?と、よくよく考えたら「バックのベースとドラムが、絶対に前に出ずにただ淡々とリズムを刻んでること」にあるんじゃなかろうかと。

一切自己主張しないで正確なリズムを刻むバックがるのをいいことに、ライトニンがもう好き勝手にやっているから、アコギがこんなにもエレキライクな演奏になってるんだ!と、思っているんですが、それはあくまで「物理的な検証」でしかありません。

やっぱり他にも”何か”があります。もう20年以上の付き合いで、それこそ聴いた回数なんか数えきれませんが、この名盤に潜んでる”何か”の正体は未だに分かりません。やっぱり”モジョ”の魔力でしょうか。

ライトニン本人をアノ世から呼んだら

「若ぇの、考えても無駄サ!ソイツがブルースってもんだぜ、デッヘッヘ・・・」

と言うに違いないんでしょうけど・・・(^^;





↓ボーナストラック付の紙ジャケ限定盤はコチラ




Mojo Hand - Sam Lightnin' Hopkins (Live Accoustic)
(「Mojo Hand」は永遠の名曲。CDに収録されてるヴァージョンは更にギラギラしてますよ〜♪)



Lightnin' Hopkins Rainy Day in Houston

ライトニン・ホプキンス テキサス・ブルースマン

Lightnin' Hopkins Cadillac Blues

Ligitonin'Hopkins Blues In My Bottle



サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/

『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』
http://5spot.info/
posted by サウンズパル at 18:12| Comment(4) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
以前、ジャズのラジオ番組で、冗談でコレをかけてみました。
その回のテーマが「ブルース特集」だったので。

そしたら、その番組内でかけた、すべてのジャズマン演奏のブルースがカスんでしまいました。

周囲からも「反則」と言われました(笑)。

それぐらい、ものすごいパワーがライトニンのブルースには宿っているんだと思います。

これ聴いたら、ちょっとしばらくは他の音楽聴けなくなっちゃうんじゃいかなぁ。

他の音楽が(パンクですら)上品な音に聞こえちゃうから。

あ、ギターウルフは除く(笑)。
Posted by at 2014年12月27日 18:46
うひゃひゃ、ジャズの番組でライトニンは反則ですよ、そりゃーいけませんて雲さん(笑)

昔友人にブルースのオムニバスカセット作ったんですよ。ロバート・ジョンソン、マジック・サム、バディ・ガイ、マディ・ウォーターズ、ボ・ディドリー、スティーヴィー・レイ・ヴォーンと、相手はギター野郎だったんでギター・ソロとかカッティングが派手なやつばかりの選曲の中に「おまけ」みたいな感じでラストにライトニンのスロー・ブルース入れて

「どうだった?」

って訊いたら

「あのライトニン・ホプキンスとかいうおっさんがキョーレツ過ぎてその前のが全部印象薄いわ!」

と。。。


ホントもう理屈じゃないですあのおっさんは。

メタリカの「セイント・アンガー」のジャケも「モジョ・ハンド」へのオマージュですもんね(^^)ライトニン恐るべし。

あ、ギターウルフは宇宙ですから、地球規模で考えたらいかんです。サン・ラーやPファンク軍団とと一緒です。
Posted by soundspal at 2014年12月28日 01:30
ああ、そうですね。数あるブルース名盤の中でもこれは特別!て感じがとてもしますね。

しかし国内盤のボーナストラックはやや蛇足な感じがしました。決して悪い内容ではないのですが、やっぱり10曲ぐらいでお腹一杯ぐらいが丁度良いですよライトニンは。
Posted by 魂 at 2015年01月31日 01:57
ライトニンはキャリアも長い上に色んなレーベルに録音していますので、アルバムも膨大な量に上りますが、基本路線(デロデロ&ロウダウン)は、デビューから一貫してましたよね。

その中でも本作は、やはり特別な一枚です。個人的にアーフーリーもヘラルドも、アラジンもゴールドスターも、Vee Jayも好きで好きで堪りませんが「モジョ・ハンド」はその中心にドーンとある。そんな感じです。

ボーナストラック、ファンとしては嬉しいのですが、全体の雰囲気はあるとないとで全然違ってきますよね。なので私は両方持ってます(^^;
Posted by soundspal at 2015年01月31日 23:48
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: