2015年01月07日

R.L.Burnside First Recordings

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R.L.Burnside First Recordings
(Fatpossum)

【収録曲】
1.Just Like A Bird Without A Feather
2.Goin' Down South
3.Come On In
4.Little Babe
5.Rollin' And Tumblin'
6.Jumper On The Line
7.Skinny Woman
8.Poor Black Mattie
9.Long Haired Doney
10.Peaches
11.Walkin' Blues
12.Hobo Blues
13.My Time Ain't Long
14.Sat Down On My Bed And Cried

戦後になってシカゴやウエストコーストなどの都市部に渡ったブルースがどんどん都会化/モダン化してゆく一方で、「ブルースの源流」といわれたディープ・サウス、ミシシッピでは

「洗練なぞクソ喰らえ!ワシらはワシらのやりたいよーにやるんじゃい!!」

というツワモノなオッサン達が、戦前から続くロウダウン&プリミティヴなブルースの伝統をずーっと守っておりました(ただし、本人達はただ「好き勝手やってるだけ」で「伝統を守る」などという崇高な考え方は微塵もなかった模様)。

60年代の「フォーク・ブルース・リヴァイヴァル」の時代に発見されたミシシッピ・フレッド・マクダウェルという人が、ミシシッピの中でもとりわけアクの強い、”ヒル・カントリー地域”を代表する逸材として、そのエグ過ぎるスライドと、天然トランス・ビートとしか言いようのない、極めてプリミティヴな芸風で、他の”再発見組”のブルースマン達とは明らかに違う一線を引いておりましたが、その”ヒル・カントリー”にいたのは、彼だけではなく、おんなじよーにエゲツなく、超個性的なブルースマン達というのはたくさん居て、それぞれ地元のジューク・ジョイントで夜な夜な農村地帯のブラザーやシスターたちを、そのサウンドとビートで酔わせておったんですね。

しかし、フォーク・ブルース・リヴァイヴァルの時、主にプロモーターやプロデューサーとして動いた純朴な白人青年たちにとっては

「あ、いや、僕たちが求めてるのはですね、そういう生々しいのじゃなくて、もっと素朴で枯れた味わいのものなんですが・・・」

という傾向があったらしく、んでもって、ヒル・カントリーのオッサン達も「フォークブルース?知らねぇな」という感じだったらしく、その時はあんまり表に出てこなかったんですね。

で、R.L.バーンサイドです。

彼が有名になるのは、1990年代の後半にジョン・スペンサーという、イカレたロッカーであり、ドロドロのディープ・ブルースにしか興味のないイカレ男子がそのスタイルを絶賛し、熱烈なラブコールでもって共演を申し込んでからです。

その頃バーンサイドは60を過ぎておりましたが、どこのメーカーのだか分からないエレキギターを鬼のように歪ませて、ボトルネックをギャインギャイン叫ばせる、血迷ったかトチ狂ったかとしか思えないような、凄まじくパワフルでラウドなブルースをやっておったんです。

その頃の「頭のネジが物凄い勢いでぶっ外れてどこかに飛んでって当たったものをブチ壊してるかのよーな音源」は、おいおい紹介しますが、今回ご紹介するのは(確かR.L.の紹介するのはコレが初めてじゃないかしら)、その記念すべきファースト・レコーディング作であります。

録音は1967年。

何と、例の「フォーク・ブルース・リヴァイバル」の末期に奇跡的に録音されとった音源(原盤はアーフーリーだったかな?)を、ミシシッピの”イカレブルースばかり出しよるレーベル”ファット・ポッサムが買い取って再発させたものです。

この頃R.L.は、まだエレキじゃなくてアコギを弾いておるんですが、彼の必殺スタイルである「呪術的なワンコード、ワンフレーズの延々繰り返し」は既に開花しております。

かく言うアタシも、90年代の「ファット・ポッサム怒涛の”ヒル・カントリー・ブルース・リリース・ラッシュ”」の時に、名盤「Too Bad Jim」を購入してR.L.のヤバさに卒倒したクチなんで、最初は「初期音源?アコギ?う〜ん、どうなんだろう?」て思ってたんですが、こういった人はもはや楽器がどうのとか編成がどうのとかは関係ありません。

「ノイズってのはさ、アンプのツマミ上げてエフェクターかませてガーってやってどうだ!ってのじゃないんだよね。本当に凄いノイズ出せるヤツはアコギでも最初の”ガツッ!”って音で十分音圧の凄いノイズ出せる」

ってなことを仰ってたのは、アタシの敬愛する灰野敬二氏でしたが、はい、R.L.バーンサイドは見事に”その類のヒト”です。アコギなのにその音圧と”ダメージド感”がもうハンパない。


呪術的ビートと何だかヤバいモンでも拝んでそーな祝祭的なトリップ感は1曲目「Just Like A Bird Without A Feather」つづいて2曲目の「Goin Down South」から、もうドヨ〜ンと充満しております。

後はもう「必殺ワン・コード/トランスビート祭」!フレッド・マクダウェル直系の「ザックン、ザックン」と裏打ちで跳ねるビートの魔力に浸ってもらいましょう。

「Come On In」「Poor Black Mattie」辺りのキョーレツさは、もう何をか言わんや、コレぞデヴィルズ・ミュージック!ミシシッピの暗い田舎の闇をのたう漆黒のダンス・ビートが腰にキますわ。。。

このアルバムはカヴァー曲も秀逸で、マディの「Rollin And Tumblin」も、ロバート・ジョンソンの「Walking Blus」も、跳ね回るビートにドロドロした祝祭のイメージが終始つきまとう、R.L.流のエグい仕上がり。そしてジョン・リー・フッカーの代表的スロー・ブルース・ナンバー「Hobo Blues」は、あえてヒネりを加えず、原曲のドロドロなニュアンスをドロドロなまま粗くやっちゃう辺りが実に素敵。

ジョンスペとの共演、パンク・レーベルであるエピタフとの契約など、90年代のパンクな暴れっぷりが伝説なR.L.でありますが、このオッサンは初期であろーがアコギだろーが最初っからパンクだった!

ということで(^^








R.L. Burnside - Poor Black Mattie
(R.L.のワンコード・トランス・ブルースの極めつけといえばコレでしょう。)





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posted by サウンズパル at 17:58| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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