2015年01月05日

メンフィス・ジャグ・バンド


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メンフィス・ジャグ・バンド(2CD)

(Yazoo/エアー・メイル・レコーディングス)

(Disc-1)
1.I'll See You In The Spring, When The Birds Begin To Sing
2.Memphis Jug Blues
3.Cave Man Blues
4.Gator Wobble
5.Beale St. Mess Around
6.Memphis Yo Yo Blues
7.Stealin' Stealin'
8.Lindberg Hop
9.Fourth St. Mess Around
10.Memphis Boy Blues
11.Taking Your Place
12.On The Road Again
13.Tired Of You Driving Me
14.Cocaine Habit Blues

(Disc-2)
1.Oh Ambulance Man
2.K. C. Moan
3.You May Leave But This Will Bring You Back
4.The Old Folks Started It
5.Newport News Blues - take 1
6.Everybody's Talking About Sadie Green
7.Little Green Slippers
8.Spider's Nest Blues
9.Sometimes I Think I Love You
10.She Stays Out All Night Long
11.Insane Crazy Blues
12.Aunt Caroline Dyer Blues
13.What's The Matter?

「戦前ブルース」といえば、何だか泥臭くて、暗い音楽というイメージをお持ちの方も多くいらっしゃるかも知れません。

まぁ「ブルース」といえば文字通り「憂鬱な気分」という意味で元々は使われていた言葉ですから、そりゃある意味でしょうがないと言えるかも知れません。

しかーし!戦前のブルース、いや、ブルース以前あるいは同時代の「ブルースを含めた黒人大衆音楽」というのは、実は陽気でハッピーなものが多いんです。

実際に1920年代〜30年代にかけて人気を博したのは、弾き語りでしんみり歌われるブルースではなく、バンド形式でズンチャカ楽しい小唄をする形態のものが人気でした。

戦前に活躍した”ジャグ・バンド”は、その中でも格別です。

工業用の瓶をブホブホ鳴らし、ギターにバンジョー、フィドルから、カズー、洗濯板、タライとホウキで作った手作りベースなどなどなど、ポピュラーな楽器から日用品まで揃えたユニークな編成で、民謡にブルースに流行歌と、客の求めに応じて何でも歌って演奏したジャグ・バンドは、ブルースマンとかミュージシャンというよりも、曲芸や話術で観衆を楽しませる大道芸人といった風情であります。

戦前は南部から北部へと繋がる交通の要衝として栄えた都市メンフィスでは、特にジャグ・バンドが人気でありました。

で、そんなジャグバンドの代表格といえば「メンフィス・ジャグ・バンド」です。

ハーモニカ奏者のウィル・シェイドが中心となって、1927年に結成された、どこまでもポップでおとぼけでハッピーな音楽をやるバンドなんですが、その演奏は良い意味で「とってもいい加減」。

フィドルが先陣を切ってノリノリにドライヴするナンバーなんかのグルーヴ感がカッコイイ曲もあったりするんですが、そのほとんどがまったりお気楽な「おふざけソング」。ジャグが「ぼん・ぶぉほっ♪」とリズムを刻めば、ギターやらバンジョー(小型のやつね)がずんちゃかなって、誰がリードヴォーカルだかよくわかんない、ハモッてんだかユニゾンしてるんだかよぉわかんない合唱が始まる。それにかぶさるようにトランペット代わりのカズーがブーブー言って、ハーモニカがワシャワシャ鳴る、といった具合に、本当にラフに音楽を楽しんでいる様が実に心地良いのであります。

しかし彼らの戦前メンフィスやお隣ケンタッキーでの人気はかなりのもので、何と1924年から1934年の間に80曲もの録音を行っているというから恐れ入ります。

このCDは、そんな彼らの録音から「コレが楽しいでしょう」という楽曲を27曲セレクトして2枚組CDに収録した、とってもお得なアルバムです。

1981年にレコードでリリースされた時も、味わいのあるポップなジャケット(ジャニス・ジョプリンのデビュー作「チープ・スリル」のジャケを描いたロバート・クラムがデザインを手がけております)と共にファンにこよなく愛され続けてきた、アーリー・アメリカン・ミュージック。戦前録音の逸品♪

そうそう「ジャグ・バンド」と言ったらよく「ジャズ・バンド?」と訊かれますが、これ、あながち間違いじゃござんせん。「ジャズバンドやりたかったんだけど、高価な楽器買うカネがなかったから、日用品でジャズっぽいことやったった」てのがジャグ・バンドのそもそもの始まりですからね。大筋で合ってれば結果オーライ、えぶりしんぐ・いず・おーけー。






Memphis Jug Band - Cocaine Habit Blues
(「コカインはヤバいぜ」と唄う。おそらく人類史上初の麻薬撲滅キャンペーンソング♪)


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posted by サウンズパル at 17:06| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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