2015年01月13日

James Brown Soul On Top

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James Brown Soul On Top

(Verve)

1.That's My Desire
2.Your Cheatin' Heart
3.What Kind of Fool Am I?
4.It's a Man's Man's Man's World [Unedited Version]
5.Man in the Glass
6.It's Magic
7.September Song [Unedited Version]
8.For Once in My Life [Unedited Version]
9.Every Day I Have the Blues [Unedited Version]
10.I Need Your Key (To Turn Me On)
11.Papa's Got a Brand New Bag [Unedited Version]
12.There Was a Time


JBには、敬称として頭に「俺達の」を付けております。

ということは以前に書きましたね。

アタシの中でこの称号を持つのはジェイムス・ブラウンとバディ・マイルスだけです。

バディ・マイルスはとりあえず置いといて・・・

今日は「何でJBにその称号が付いたか?」っつうお話をしたいと思います。

アタシにとってJBといえば、映画「ロッキー4」で「Living In America」を唄う、なんかよー分からんがアメリカの歌謡界で凄そーなオッサンであり、何よりカップヌードルのCMでの「ミソッパ!の人」でありました。


んで、そん時中学か高校だかの時だったんですが、アタシが家で

「ゲロッパ!ミソッパ!!」

と、JBの物真似をフザケてやっておったら親父がマジ顔で

「お前ジェイムス・ブラウンをナメるな」

と、言ったんです。


親父に怒られた!

ていうより「あの親父がリスペクトする程のジェイムス・ブラウンって何者?」


という気持ちが勝り、かといってしおらしい顔で親父がやっておるサウンズパルに行って

「JBください」(ちゃんとカネ出してCD買ってたんよ)


ってのも何か悔しかったんで、上京後にこっそりと「セックス・マシーン」とか「イン・ザ・ジャングル・グルーヴ」とかを買って、実に彼が「ミスター・ダイナマイト」で「ファンキー・プレジデント」で「ナンバーワン・ソウル・ブラザー」であるかを思い知ることになりました。

そん時に映画「48時間」の中で、エディ・マーフィーが犯罪人護送車の中で、ウォークマンでもってノリノリでジェイムス・ブラウン聴いてる時に爆弾で吹っ飛ばされて

「オレのJBどうしてくれるんだ!!」

と、ブチ切れるシーンがあったり、90年代のアメリカでジェイムス・ブラウンという人が如何にリスペクトされているかということも、爆笑と共に思い知らされることになるわけですが、決定的だったのが、ハタチの頃。

そん時の職場のバックルームに、ボロッボロの「ブルース・レコード・ガイド・ブック」という本があって、何とそれにJBのアルバムがレビューされとったんですね。

妹尾みえさんが「セックス・マシーンのイメージから、JBを敬遠していたが、初期のレコードを聴いてみたら正直面食らった(中略)ブラック・ミュージック・フリークを自称するなら、是非この辺り(レビューされていたのは「プリーズ・プリーズ・プリーズ」だった)の時代はフォローしておきたいものだ。」


と、書かれていました。

おおお、JBは単にファンクなだけでなく、リズム・アンド・ブルースとしても凄い人だったのかあぁぁ!!


と、思って初期JBが聴きたくなりました。

で、ジャケットが「初期っぽい」というのと、ジャズマンとして大好きなオリヴァー・ネルソンがアレンジャーとしてジャケットにクレジットされていたという理由で買ったのがこの「ソウル・オン・トップ」。

本当は初期50年代のではなくて、ファンクの帝王として大ブレイクするちょっと前の1969年のアルバムなんですが、いや、これがもー凄かった(!)

何が凄いってアナタ、JBがジャズのビッグバンドを従えて、じっくりと「歌」を聴かせるのですよ。

しかもその声量、勢いが、ビッグバンドに全然負けてない。どころかJBのヴォーカルが完全にバンドサウンドをコントロールして、構成/展開全部をリードしているという…。


甘いけれどもヤワじゃないバラードの中で炸裂する喜怒哀楽の凄まじさ、重心の低い「生音ファンク」、オーソドックスな4ビートのカクテル・ナンバーも、怒涛のフル・スウィングなジャズも、ブルース・スタンダードのカヴァーも、JBの「ィイイィイイアィ!アァァァァァァァアアアーーーーーー!!」で、全て吹っ飛ばすぐらいの勢いで「唄い上げる」というよりホントに「唄い飛ばし」ておるのです。

それはさながらジェイムス・ブラウンという、何だかよー分からんけど、真っ黒い巨大なオーラを放つバケモノが、ブルースから生まれたジャズやソウル、そしてファンクといったブラック・ミュージック全てを自分の感情表現の強力なブースターにして時に操り、時に炸裂させているかのような、それは言語を絶する歌唱以前に「究極の表現行為」でした。

アタシにとってこのアルバムのJBは、正に「空前」であり「絶後」だった訳であります。

同時に、意識は時空を超えて、当時ブルースやソウル、そしてジャズに携わっていたアメリカの、JBより若いブラザー達の心境に接触しました。

例えばスライ・ストーン、例えばジュニア・ウェルズ、例えばジミ・ヘンドリックス、例えばディヴィッド・マレイ・・・。

彼らの中でこの時代のJBは、やはり「すげえ!カッコイイ!!」というヒーローだったに違いありません。

音楽はどうしても「ジャンル」で聴いてしまいがちなアタシでありますが、ちょっと視野を広げて「横」を見てみると、ジュニア・ウェルズは声をしゃくり上げながら肩を大きく揺らして小刻みにステップを刻んでおりましたし、ジミヘンはファズの音でもってJBのシャウトのような「キュイーーーーン!!」というチョーキングをかましていたし、デイヴィッド・マレイはフリーク・トーンとファンクとの融合というか格闘を、ニューヨークの薄暗いロフトの中で繰り広げておったわけです。


で、ウチの親父。

このヒトはブラザーではありませんが、容姿は限りなくジンジャー・ベイカーで、中身は間違いなくブラザー・ライクなヒトです。


みんなの中に恐らくは「俺達のジェイムス・ブラウン」という意識があったに違いないのです。

この体験以降、アタシの中で「ジェイムス・ブラウン」は「俺達のジェイムス・ブラウン」になりました。

とりあえずアルバム全部がブラック・ミュージックの最高の高みで、緊張感とハイ・テンションが極限まで張り詰めては爆発する何かでありますが、ブラック・ミュージック・ファンを自認する方々には、特に前半最大のクライマックス「Man in the Glass」での、俺達のジェイムス・ブラウンの

「ネバギバッ、ドンギバッ!」のジリジリとした連呼からの

「ィアアアァァァァアアアアアアイ!!!!」

の大ジャウトだけでも聴いて感極まって頂きたいと切に願うのであります。

そして、このアルバムを聴いて感動したら、皆さんもJBのことをぜひ「俺達のジェイムス・ブラウン」と、呼んで頂きたいと、コチラも切に願うのであります。






James Brown - The Man In The Glass
(ブラック・ミュージック好きならば、せめてこの曲だけでも聴いてみてください。血圧軽く20は上がります)



サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
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BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/

『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』
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posted by サウンズパル at 18:45| Comment(0) | ソウル、ファンク、R&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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