ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2015年02月08日

チャック・ベリー Live At The Filmore Auditrium

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Chuck Berry Live At The Filmore Auditrium
(Umvd Special Markets)

【収録曲】
1.Medley: Rockin' At The Fillmore/Everyday I Have The Blues
2.C.C. Rider
3.Driftin' Blues
4.Feelin' It
5.Flying Home
6.Hoochi' Coochi' Man
7.It Hurts Me Too
8.Good Morning Little School Girl
9.Fillmore Blues
10.Reelin' And Rockin'
11.My Ding-A-Ling
12.Johnny B. Goode

性懲りもなくチャック・ベリーさんのアルバムをレビューしておりますが、やっぱり何と言っても「チャック・ベリーはライヴ!」なんですね。

彼の音楽的な底知れぬ才能はもちろんですが、彼をして「ロックンロールの立役者の一人」たらしめたのは、例のダックウォークを含めた圧倒的かる革新的なライヴ・パフォーマンスの凄さにあった訳です。

今回ご紹介するこの「ライヴ・あット・ザ・フィルモア・オーディトリウム」は、前にご紹介した「チャック・ベリー イン・ロンドン+8」と、ぜひセットで聴いて頂きたい、チャック・ベリーのライヴ名盤であります。

しかーし!「イン・ロンドン〜」とは、色んな意味で「感触」が違います。

まずはバックバンド、これがアメリカ西海岸を拠点に、後に「フラワー・ムーヴメント」の勢いに乗ってブレイクする前、ベイエリアでブルース・ロック・バンドとして「ちょっとは名の知れたバンド」としてメジャー・デビューを控えていたスティーヴ・ミラー・バンドなんですね。

後に天才シンガー、ボズ・スキャッグスが加入して有名になりますので、ご存知の方は多くいらっしゃるかも知れません(ボズの参加は実質1年という短いものでありましたが)。

ベリーさんが自身のバンドを持たず、ツアーでは現地で見付けたアマチュアバンドをバックにしてライヴを行っていた話は有名ですが、コレは要するにカネの問題です。

「レギュラーバンドを持つとカネがかかるだろ?オレのコンサートなのに。だからオレはツアー先で少ないギャラを完全前払い制にしても”それでいいっす!ベリーさんと一緒に演奏できるんならもう恩の字です!”っつう若いヤツらをバックにしてんのよ。」

という、実に商魂逞しいチャックさんの、プロフェッショナルな見解に基づく姿勢のあらわれなんですね(なお、今もその姿勢はこれっぽっちもブレてない模様)。

しかし、このアルバムでのスティーヴ・ミラーバンドの演奏は実にツボを心得て、真摯なバックに徹しながらも、ブルース・フィーリング溢れる的確な合いの手でチャックの演奏に応えております。

それに機嫌を良くしたのか、ここでのベリーさんは、何と、オリジナル曲をほとんどせず、スタンダードあ ブルース・クラシックスばかりを演奏しております(!)

マディの「フーチー・クーチー・マン」や、B.B.キングでおなじみローウェル・フルスン先生作曲の「エヴリデイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルース」はまぁ分かるとして、戦前に流行した「C.C.ライダー」「グッド・モーニング・リトル・スクール・ガール」など、意表を突く選曲で、聴衆を喜ばせてるんですねぇ。

おなじみのヒット曲は、ラストの「ジョニー・B・グッド」ぐらい。

でも、この「ジョニー・B・グッド」も「そう来たか!」と思わせる、実に意外なアレンジなんで、「いまさらジョニーBなんて・・・」と、少々食傷気味の方でも、楽しめるんじゃないかと思います。

「ブルースばっかりでダルい内容なんじゃないの?」

と、ファン以外の方は思うかも知れませんが、そこはライヴの鬼で、しかも古典ブルースにも造詣が深いベリーさんですよ。

伝統を自然に踏まえながら、すこぶる付きのギター・テクニックで、しっかりと「聴かせつツボ」「盛り上がるツボ」も心得た展開で、聴く人を飽きさせません。

特にノリノリのオープニングから「エヴリデイ〜」に流れていき、甘い切り口で「C.C.ライダー」にス〜っと流れて行く辺り、実にドラマチックで、コレはブルースファンにはぜひ味わいながら聴いて欲しいなぁ〜と思います。

それにしてもベリーさん、改めてこのアルバム聴くと、本当に「ギター上手いなぁ〜・・・」と、感動します。

あのブルースに厳しいマディ・ウォーターズが「いや、ヤツの本質はブルースマンだよ。ロックンロールとか何とか言われようがだね」と、褒めただけはあります。

他のアルバムやスタジオ盤などではあんまり披露しない単音のギター・ソロなんて、彼のアイドルだったTボーン・ウォーカーの影響を確実に受けてると思わせるし、何よりもギターが唄心いっぱいでよく”鳴って”おりますし、色気もあるんですよね。特にインストのフィーリン・イット」や「フライング・ホーム」でギタープレイの妙味が目一杯聴けます。コレはライヴならではの楽しさでしょう。

ベリーさんのアルバムの中では「渋い一枚」になるかと思いますが、アタシはコレを聴いて初めて「ああ、チャック・ベリーってタダの3コードのロックンロール野郎じゃなくて、凄く深いブルース・フィーリングの持ち主なんだなぁ」と思い、本格的にアルバムを買い集めることになりました。だからかなり個人的な思い入れは強い一枚です。

ちなみに録音は1967年。「フィルモア・オーディトリウム」という会場は、後に「フィルモア・ウエスト」となり、ジミヘンをはじめ、ロックを代表するライヴ名盤が次々生まれた聖地であります。




チャック・ベリー イン・ロンドン+8

チャック・ベリー St Louis to Liverpool

チャック・ベリー ニュー・ジューク・ボックス・ヒッツ

チャック・ベリー ロッキン・アット・ザ・ホップス

チャック・ベリー ベリー・イス・オン・トップ+11

チャック・ベリー ワン・ダズン・ベリーズ+14

チャック・ベリー アフタースクール・セッションズ+14




CHUCK BERRY - HOOCHIE COOCHIE MAN & DRIFTIN BLUES 1967
(ブルースもしっかり聴かせるんだぜぇ♪しかし何気ないギターのワンフレーズがよく唄いますなぁ)

『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 15:14| Comment(2) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうもです。面白そうな一枚ですね。実はチャックのライブ盤て持ってないんですよね。でも、映画『真夏の夜のジャズ』でのパフォーマンスは強く印象に残ってます。どこかジャズっぽく展開しつつもわざとらしくない。彼のミュージシャンとしての力量に感服しました。チャック・ベリー=ロックンロールで片づけてはいけない人ですね。キースがミックに、「チャック・ベリーを聴くんならハバナ・ムーンみたいな曲も聴かなきゃダメだ」と言ったらしいですが、キースも流石ですね。
Posted by k.m.joe at 2017年04月30日 13:19
キースは流石ですね〜🎵

実はこのアルバム、購入はつい10年程前なんですが、いやびっくりしました。だっていわゆる「ジョニーB系」の曲はほとんどやらず(「ジョニーBグッド」も、えぇ!?そんなアレンジ!?です)、ブルース大会ですもん。

もちろんブルースもチャック流に料理してますんで、そこはやはりチャックです。最初からブルースとカントリーと、ジャズとラテンのミクスチャーだったというのは、チャック聴いてブルースやロカビリーなど一回りしてからです。自然に聴こえるのは、それだけ彼のミクスチャー感覚が、後のスタンダードなスタイルになっていったからではないかとか・・・。やはり底知れぬ才人です。

「真夏の夜のジャズ」アレは粋でしたね、クラリネットがまた渋かったです🎵

> k.m.joeさん
>
> どうもです。面白そうな一枚ですね。実はチャックのライブ盤て持ってないんですよね。でも、映画『真夏の夜のジャズ』でのパフォーマンスは強く印象に残ってます。どこかジャズっぽく展開しつつもわざとらしくない。彼のミュージシャンとしての力量に感服しました。チャック・ベリー=ロックンロールで片づけてはいけない人ですね。キースがミックに、「チャック・ベリーを聴くんならハバナ・ムーンみたいな曲も聴かなきゃダメだ」と言ったらしいですが、キースも流石ですね。
Posted by サウンズパル at 2017年04月30日 21:27
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