ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2015年05月16日

B.B.キング Live At The Regal

1.1.jpg

B.B.King Live At The Regal
(MCA)

「ブルースが好きじゃないという人たちにブルースを嫌わないでもらおうと必死でやってるよ。何かを好きにはなれないかも知れないけれど、それでも敬意を払うことは出来る。言い訳かも知れないけどね、ステージに立って歌って歌って、歌いまくるだろう、それでも客にわかってもらえなかったりすると本当に泣きたくなるんだよ・・・・・・。ブルースを神聖視する人もいるけど、理解してくれない人もいる。そういう人たちに理解してもらえないと、ひどく悲しくなるよ。わたしにとって、そういう人たちはとても大事なんだ」−ピート・ウェルディング「ブルースに焦がれて」より

「B.B.キングが凄い人だ」ということを思い知らされたインタビューです。

それまでロクにB.B.キングをキチンと聴いていなかった私は、コレ読んで大いに反省しました。

だからB.B.キングのアルバムをちゃんと聴こう!

と思ったんです。

ところが、B.B.のアルバムはもう本当にたくさんあって、CD屋さんに行けばそれこそ眩暈がするぐらいの量で並んでおりましたので、正直「迷っては結局買わない」という日を過ごしておったんです。

ある日、吉祥寺をブラブラしていた時、ふらっと中古レコードのお店に入った時に、「Live At Regal」のレコードを見付けました。

値段を見たら何と¥580!!

その日私の所持金は¥1200ぐらいしかありませんでした。

当時住んでいた国立からの往復の電車賃を差し引けば、その日の夕飯代ぐらいしかない。

けれどもここでB.B.のレコードと、こんな出会いをするということは、あぁこれはブルースの神様が「高良君、キミこれを買いなさい」と言っておるんだなぁ〜・・・

と、ぼんやり思いながら気が着けばもう購入してレコード袋をぶら下げて歩いておる自分がおりました。

このアルバムこそがB.B.キングの絶頂期、60年代半ば、御大38歳の時のライヴ大名盤であるなんてことは、当時のアタシには知る由もありませんでした。ただ「わーい、B.B.キングのアルバム安くで買えたー♪」という淡い喜びがただあった。それだけです。

B.B.の演奏は何度かMTVとかで見てましたので、何となく想像は出来ました。

「あのぶっとい声張り上げて、キュイーンとギター弾くんでしょ」

ぐらいに思って針を落としたアタシの心に、それこそ熱湯をぶっかけられたような衝撃が走ったのはその一瞬の後です。

いっときますがB.B.の歌も演奏も「だからといって何か特別なことをやっている」わけではありません。

緩急を巧みに使い分けながら、全身全霊を込めてのエモーショナルな歌声と、「元祖、顔で弾くギター」と言われた素晴らしく心地良いチョーキングがヒットしまくる安定感抜群のモダン・ブルース・スタイル。

もう「ブルースのアルバム」としてはこれ以上ないぐらい直球です。

ところが、何が凄いかって、それはライヴならではのオーディエンスの反応です。

B.B.が一言歌うだけで、そろの頭を「ギュイーン」と1音弾くだけで

「キャアァァァァァァーーーーーー!!!!!」

と大絶叫する、明らかに若い女性ファンの黄色い歓声。

私はアホでした。

ブルースっていうのは、勝手に「渋い音楽で、むくつけき野郎共か頑固なオヤジが腕組んで聴くもんだ」という間違った認識でブルースを聴いておりました。

B.B.のこの演奏を聴く限り「ブルース」って音楽は「聴く人を熱狂させて、男も女もクレイジーにさせちまう、アブナくてイカガワシイ音楽」としてもMojo(魔力)に満ち満ちた音楽、であるんです。

で、女達の歓声に目一杯応えたB.B.が、そりゃあもうサイッコウにカッコイイ演奏をして、あらん限りの力に色気を込めて会場にブルースを放つ・・・。

「キャー!」ってならない方がおかしいです。いや、「クレイジーにならねぇヤツぁどうかしてるぜ」と、私は今も聴く度にボソッとそうつぶやいております、「キャァァァァァァァーーー!」って叫びたい気持ちをぐっと堪えて(笑)。

今でもこのアルバムからぶっかけられる「熱湯」の温度は全然変わらんですねー。とにかく「あぁ、ブルースって”生”だ」と、感動と興奮と共にひしひしと思います。そう思わせてくれるのはきっと、「ブルース」という音楽に対するB.B.の想いが、やっぱり尋常じゃないぐらいアツいものであるからでしょうね。






【収録曲】
1.Every Day I Have The Blues
2.Sweet Little Angel
3.It's My Own Fault
4.How Blue Can You Get
5.Please Love Me
6.You Upset Me Baby
7."Worry, Worry"
8.Woke Up This Mornin'
9.You Done Lost Your Good Thing Now
10.Help The Poor


後に「ブルースCDガイドブック」等で、このアルバムが「B.B.を聴くならまずは聴かねばならないライヴ名盤、そしてモダン・ブルースを代表するぐらいの1枚」であると知り、あの時の「¥580の運命」とブルースの神様に私は深く感謝しました。

それよりも何よりも、それまで「モダン・ブルースなんて全部一緒じゃん」と、生意気にもほざいてたアタシの価値観をひっくり返してくれたのがB.B.キング、そしてこの「ライヴ・アット・ザ・リーガル」で本当に良かったなぁ・・・と、今しみじみと思っています。

どうかこのアルバムを、一人でも多くの人が聴いて「熱湯をぶっかけられたような衝撃」を受けてくれますように。。。





『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 18:22| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: