ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2015年05月26日

ロバート・ジョンソン キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ

1.1.jpg
ロバート・ジョンソン キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ
(Columbia/ソニー)


あぁ、何ということでしょう・・・。

おぉ、何ということでしょう・・・。


これはもう「私としたことが」です。

何がってアナタ、これまで散々ブルースのこと書いてきて、ロバート・ジョンソンの名前をあちこちで出しておりながら、肝心のロバート・ジョンソンの作品についてはレビューしてなかったということですよ

つまりはアレです、アタシの中で「ロバート・ジョンソンがあること」が、何だか当たり前のよーになってしまっておって、ついとっくの昔に書いたつもりでいたという、苦しい言い訳をしておきましょう(汗)

それはそうと、ロバート・ジョンソンです。

もちろん彼が「ブルース」という音楽を初めに作ったわけでもなくて、誰かに決定的な影響を与えて、ブルースの新しい時代を作ったわけでもありません。

1930年代のアメリカ南部一帯を、ギター1本持って旅して回り、抜群の唄とギターのテクニック、そして端正な顔とミステリアスな風貌に、多くの女達が魅了され、男達は嫉妬し、そしてブルースマン達は口々にこう言った

「ヤツは悪魔に魂を売ったんだ・・・」

と。

それは彼自身が自らの名を上げるために、酒場で誰かに「ここだけの話な」と、ささやいただけの”噂話”だったのかも知れませんが、彼の声にも、まるで声に合わせて喋り、泣き叫んでいるかのようなスライド・ギターから発せられる「人智を超えた何か」を、感じる人は感じてしまうかもしれないそのスタイルは、事実「ブルースの歴史」という大まかな流れの中ではハッキリと”闇”として際立っておるのです。

彼は戦前の南部ではちょっとは名の知れた存在でした。

しかし、ある晩不幸にも女がらみのトラブルに巻き込まれ、毒を盛られて死んだと云います。

27歳という短い人生の中で残したアルバム2枚分の音源は、1961年になってLPとなって発売されるまで、長らく「伝説」として、マディ・ウォーターズやサニーボーイ・ウィリアムスン、ジョニー・シャインズやロバート・ジュニア・ロックウッドといった大物の口からその名前と演奏や謎に満ちた人生のことが、風にささやかれるようにポツリ、ポツリと語られているのみでありました。

今でこそ写真も何枚か見付かり(1990年に「コンプリート・レコーディングス」が発売になるまで写真は一枚も公表されてなかった)、2枚組で別テイクも合わせた全部の曲が聴けるようになりましたが、レコード時代は、みんなこの「キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ」と「同 Vol.2」を聴いて、そしてギターを構えてうつむいている(Vol.2では壁に向かって唄っている)イラストの男が一体何者なんだろうか?

と思って聴いていたんです。

ロバート・ジョンソンといえば、確かに「コンプリート・レコーディングス」一枚あればそれで全部聴けてしまいますが、ブルースの深遠な「闇」をフィーリングでジックリ感じたい方には、LP時代のオリジナルであった本シリーズをまずはオススメします。もちろん「同じ曲の別テイクをわざわざ連続で聴きたくない」という人にも。





【収録曲】
1.クロスロード・ブルース
2.テラプレイン・ブルース
3.カモン・イン・マイ・キッチン
4.ウォーキン・ブルース
5.ラスト・フェア・ディール・ゴーン・ダウン
6.32-20型ブルース
7.心やさしい女のブルース
8.審判の日を意のままにできたら
9.プリーチン・ブルース
10.いい友だちがいるならば
11.ランブリン・オン・マイ・マインド
12.ストーンズ・イン・マイ・パスウェイ
13.トラベリング・リバーサイド・ブルース
14.子牛のブルース
15.ミー・アンド・ザ・デビル・ブルース
16.地獄の猟犬がつきまとう
17.トラベリング・リバーサイド・ブルース(別テイク)


「クロスロード」で始まり、1998年になって突如「発見」された「トラベリング・リバーサイド・ブルース」で終わる選曲がまたイイんです。

私は最初「コンプリート」を買いましたが、それでもこのブルースマンの”闇”をもっと知りたいと思って「キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ」をレコードで買い揃えました。

いやはや、聴けば聴くほど、そして知ればしるほどロバート・ジョンソン、この人(というよりもう”ロバート・ジョンソンというブルース”でしょう)の闇は深いです。底無しです。


”ロバート・ジョンソン”関連記事



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 19:06| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: