2015年07月09日

キャプテン・ビーフハート Safe As Milk


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キャプテン・ビーフハート&ヒズ・マジック・バンド Safe Us Milk
(BUDDHA/BMG)

さて、台風が3つも近づいてきている奄美であります。

とにもかくにも空気ムシムシでクソ暑いのであります。

何やっても汗出て不愉快ですよね。

「夏なんか滅んでしまえー!!」

というのが、もうここ20年ぐらいアタシのトレンドなんですが、アタシが世界の真ん中でそう叫んでも、夏が滅んでくれない、どころか、夏にとってはそんな叫びなど痛くもかゆくもないわけで・・・。

何が言いたいかと言いますと

「この不快指数の体感をどうやって下げようか」

ということなんです、ええ。


「暑い時は爽やかな音楽でも聴いてのんびりして〜」

と、思っていた時期がアタシにもありました。

しかし!

そんな生温いことじゃあいかんのですよ。

クソ暑い時に爽やかな音楽なんか聴いていたら

「なんじゃこりゃー!ワシは暑くてイライラしとるのに、涼しい顔で歌いよってからにー!!」

となる。

イライラムカムカばっかりしとったら、もうそれこそ思うツボですわ。

そこで昔、何かの本に

「暑い夏には冷たい水をガブガブ飲むより、熱いほうじ茶などを飲むとよろしい」

と書いてあったのを思い出し

「これだ!」

と思ったんですね。

そう、これですよ。

クソ暑い夏こそ、暑苦しくてたまらん音楽を聴く。

例えば真夏のデルぶ・ブルース、熱帯夜のジョン・リー・フッカー、暑くてイライラして目覚めた朝のブッカー・アーヴィン、一日汗してヘロッヘロになったその日の夕方のブラック・フラッグなどなど・・・。

まぁ色々とオススメはありますが、ここんとこぶっちぎりでイイ感じになれるのが

「真夏のキャプテン・ビーフハート(初期)」

です。

ビーフハートといえば、狂気の名盤「トラウト・マスク・レプリカ」を筆頭に、ブルースがサイケとかフリー・ジャズにぐっちゃんぐっちゃんになって、ワケのわからん凄みに満ち溢れた70年代以降のアルバムがとにかく定番ではありますが、1967年にリリースした、割と真面目にカッコいいブルース・ロック&ガレージ風のデビュー作「セイフ・アズ・ミルク」これはもう暑苦しい。もちろんいい意味で!







1."Sure 'Nuff 'n' Yes, I Do"
2.Zig Zag Wanderer
3.Call On Me
4.Dropout Boogie
5.I'm Glad
6.Electricity
7.Yellow Brick Road
8.Abba Zaba
9.Plastic Factory
10.Where There's Woman
11.Grown So Ugly
12.Autumn's Child
13.Safe As Milk
14.On Tomorrow
15.Big Black Baby Shoes
16.Flower Pot
17.Dirty Blue Gene
18.Trust Us
19.Korn Ring Finger


ビーフハートは素人時代からブラック・ミュージックの熱烈なファンで、60年代初頭から本格的なR&Bのバンドをやっておりおました。

その頃ブルースはどっちかというとイギリスの若者の間で人気で、アメリカの白人ヤング層にとっては「当たり前過ぎて普通に聴き流す音楽」だったらしいです。

で、ブルースっちゃあ本当はクレイジーなイカレ音楽で、そこんとこをイギリスの純粋な青年達は、多分「カッコイイ不良の音楽」と、ギリギリ美しく解釈しておったんですが、アメリカの白人ティーンで「ブルースが好きなヤツ」というのは、相当なオタクか本当にイカレてるかどっちかだったそう。

ビーフハートなんかは完全に後者ですよね〜。何というか、本当の意味でのブルースの「ヤバい感じ」を、多分60年代アメリカでいち早く掴んで音にしとったのは、やっぱりビーフハートだと思うんですよね。

その辺はマディ・ウォーターズの「Rollin'&Tamblin」とウリ二つのオープニング・ナンバー「"Sure 'Nuff 'n' Yes, I Do" 」からもう全開ですので、「初期ビーフハート?あぁ、ブルース・ロックだね」ぐらいに思ってる人は、ぜひともじっくり聴いて卒倒してください。

個人的には「あぁ、R&Bバンドにいたんだなぁ・・・」としみじみ感じさせるソウル・バラードの「I'm Glad」とか「Abba Zaba」のBメロのギター・フレーズの美しさとか、それこそ細かく語りたいことは色々ありますが、このアルバムのストレートな破壊力は、やっぱり気持ちよく不快指数をブッチ切ってくれるなぁということで・・・。

えぇと、何だかちっともレビューっぽくなってませんが、このアルバム、そうですねぇ、単車でたとえればKAWASAKIの昔あった”マッハV”みたいなアルバムです。

バケモノと呼ばれたマッハシリーズは、加速のみを追及する余り、安全性とか操縦性を完全に無視して「止まれない・曲がれない・まっすぐ走れない」バイクになってしまったものの、その悪魔的な加速に魅了されたライダー達は次々と魅入られてしまって事故死者の数がどんどん増えたという・・・。

うん、間違ってない。そんなアルバムです。



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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 19:22| Comment(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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