2015年07月14日

ジョン・リー・フッカー It Serves You Right To Suffer

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John Lee Hooker It Serves You Right To Suffer
(Impluse!/MCA)

うぉおー夏だぜー、暑いぜー、でも空気なんて読まねぇぜぇ、今日もハードな配達業務、車ン中で暑苦しい音楽ガンッガン鳴らしながら爆走したぜぇ、清涼感?何だそれ、食えるのか。ラブ?ピース?くだらんくたばry。


てなわけで

”冷房まだら効き”の中本日のお仕事は奄美のディープサウス瀬戸内町までかっ飛ばしてきてみました。

営業先で5分もエンジン切ってようものならあっという間に車がサウナになってしまうクソ夏であります。

ならばよと

今日の”営業のお供”は「暑苦しくて夏には聴けない」の代名詞、ジョン・リー・フッカー師匠の1966年、何と、当時コルトレーンやアイラー、アーチー・シェップとかガボール・ザボとか「ジャズ界の前衛過激派」の面々を擁してイケイケであったレーベル「Impulse!」に、師匠が唯一残したアルバムです。

大体ですね、フッカー師匠はギター持たせて「ウゥ〜ン・・・」と唸らせれば、もう何だっていい人なんだ。バックがどうのとか楽器がどうのとか、そーゆー細かい事はコノ人にとっちゃあどうでもいい。

晩年はサンタナとかライ・クーダーとか、ロックの中でも強力な個性派ギタリスト達ともニコニコ共演してたりするけど、共演者とかもどーでもいいんだ。本人は何歳になっても、バックが豪華でも、相手がどんなスタイルでこようとも、ブルースじゃなくても、いつもの調子でギラギラに歪んだギターを掻き鳴らしながら”デヴィルズ・ヴォイス”と言ってもいいあの低ーいドスの効いた声でブルースを唸るだけ。

だから死ぬほどアルバム出してるし、中には「この組み合わせどうなんだろうか?」と思えるのもいっぱいあるけど、もう師匠の声とギターと、あとリズム刻む靴の音が聞こえれば、室内の空気が高温多湿&ものすごーく重たいものになるからいいわけ。


とりあえずアタシ、このアルバムをジャズ好きになった割と早い時期にカタログで見付け

「うぉお、コレは聴かにゃならんなー」

と思い

「あのImplse!だから、きっとあっと驚く”はちゃめちゃなジョン・リー”が楽しめるに違いない」

と、淡い恋心にも似た期待をずっと抱いておりました。

しかしこれ、聴いてみてズッシリ、奇をてらったところは微塵もなく、ストレートにカッコイイ逸品だったんですねー。






【収録曲】
1.Shake It Baby
2.Country Boy
3.Bottle Up and Go
4.You're Wrong
5.Sugar Mama
6.Decoration Day
7.Money (That's What I Want)
8.It Serves You Right to Suffer


編成はジョン・リーの歌とギターに、サポートに徹するシンプルにして手堅いバンド・サウンド(サイドギター×1にベースとドラムのみ)で、実に硬派でトンガッたサウンドです。

のっけから8ビートのブギーにノリノリでギター掻き鳴らすジョン・リー。アルバム全体を通してかなりテンション高く、珍しく「ホウッ!!」「オーイェーーー!アウッ!!」と、甲高いシャウトなんかもかましてくれます。

ギターのサウンドも、実にエグいというか、最高に生々しくギラギラ。エッジ効きまくってガンガンきます。

バックバンドのややロック寄りなサウンドもいいですよね「ロック聴いててブルースに興味がある」という人には、まずはブルースはこの辺りから攻めていってもいいかと思います。楽曲はたったの8曲、収録時間30分ちょいですが、この人の30分は他のミュージシャンの64分に相当する濃密さなので、くれぐれも甘く見ないように。です。

60年代のジョン・リーは、このアルバム出す直前まで、主に「Vee Jay」というR&Bやモダンジャズ主体のレーベルに所属しておりまして、洒落たバック・コーラス入りだったり、ハイカラでゴージャスなホーン・セクション入りのアルバムを連発しておりましたし、ライヴでは「フォーク・ブルース・リヴァイバル」で、アコギ片手に渋い弾き語りなんかもやっておりました。

いずれも音楽的には文句の付けようもない高水準を、変わりようがない”オレ節”でキープしてたジョン・リーなんですが、いや、やっぱり心の奥底ではダーティ極まりないエゲツない作品作りたかったんだろうなぁ、だってこのアルバム、聴けば聴く程さわやかじゃないもん。。。

などと、夕方、名瀬へと帰る峠の道で、やや遠くなる意識の心地良さをかみ締めながらほんのりと思ったのでありました。

しつこいようですが、このアルバムは決して”ほんのり”ではありませんのでお間違えなきように。



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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

posted by サウンズパル at 19:18| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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