2015年07月16日

アルゲリッチ 幻のショパン・レコーディング


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アルゲリッチ 幻のショパン・レコーディング1965

(EMI)

1965年、この年のショパン・コンクールで鮮烈なデビューを果たしたピアニスト、マルタ・アルゲリッチ。

この当時のアルゲリッチは若干24歳。アルゼンチン出身、色白で細身、そして豊かな黒髪の”美少女”という形容が正にピッタリでありましたが、その演奏はもう”情念”。

最近はYoutubeなる便利なものがあって、若き日のアルゲリッチの演奏を拝むことが出来るんですけれど、これがね、もう凄いんですね。ピアノ弾く前は、清楚で大人しそーな感じなのに、一旦鍵盤叩くともう鬼気迫る迫力で、内側に向かってグングン突き進んで行って、聴衆もそのエネルギーに圧倒されて彼女の情念の世界にグイグイ引き寄せられてるのが画面越しにもハッキリと伝わってくる。

その演奏の凄まじさは、一言でいえば「パンク」です。

クラシックなんて「誰の何がいいのかよくわからん」だったアタシが最初に惚れたピアニスト、アルゲリッチだったんですが、そのガツガツ鳴り響く低音の激しさ、でもそのパッションの中から香る切ないエスプリが何とも言えなくて「すげー、すげー、クラシック界のバド・パウエルだー!いや、ヘンリー・ロリンズだー!」と、興奮して聴きまくっていたのを、そのサウンドのリアルな質感と共に今も思い出します(うう、ちゃんとしたクラシックファンの皆さんごめんなさいぃ・・)。


最初に聴いたのはバッハでしたが、ピアニストだったらショパンもやっておるだろう。てか、この「激情の人」の弾くショパンってどんなものかすごく聴きたい、てかだめ、聴かなきゃ狂おしくて窒息死する。

とか何とか、まぁ完全に「恋」しておった訳なんですが、聴きましたよショパン、そして買いましたよコレ







1.ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58 第1楽章:アレグロ・マエストーソ
2.ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58 第2楽章:スケルツォ(モルト・ヴィヴァーチェ)
3.ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58 第3楽章:ラルゴ
4.ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58 第4楽章:フィナーレ(プレスト・マ・ノン・タント)
5.3つのマズルカ 作品59 マズルカ 第36番 イ短調 作品59-1
6.3つのマズルカ 作品59 マズルカ 第37番 変イ長調 作品59-2
7.3つのマズルカ 作品59 マズルカ 第38番 嬰ヘ短調 作品59-3
8.夜想曲 第4番 ヘ長調 作品15-1
9.スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 作品39
10.ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53≪英雄≫


はい、大体みなさん「ショパン」と聞くと、甘くロマンチックな、例えば「別れの曲」とか「夜想曲」のそれを想像してウットリするでしょう。間違ってないですよ、全然間違ってない。むしろそれで幸せであった方がいい。

でもね、ショパンの音楽に「詩的狂おしさ」を感じている人、何かよーわからんけど、ショパンを聴くと胸が締め付けられそうになっていけんのよ。とお思いの方、アルゲリッチのショパンをぜひ聴いてください。

このアルバムは、彼女がショパン・コンクールで優勝して、プロの演奏家としてデビューした直後にレコーディングされた、正に「若き日のアルゲリッチの鮮烈なショパン」であります。甘い夢なんか見せてくれません、感情移入タップリに、その衝動の赴くままに、全身全霊を込めて、鍵盤の上で美しい悪魔と戯れるアルゲリッチが聴けます。


グールドは宇宙だけど、アルゲリッチはパンク。


でも、やっぱりショパン独特の美旋律は全然壊されてなくて、むしろ過激にブーストされておりますんで、決してコレがただ若さと個性だけで突っ走っているだけの演奏ではないということは、実は最近になってようやく分かりました。おっさんにもなってみるもんですね、はいィ・・・。


『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 19:28| Comment(0) | クラシック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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