ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2015年07月31日

ジョン・コルトレーン ソウルトレーン

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ジョン・コルトレーン ソウルトレーン

(PRESTIGE/ユニバーサル)

「初期コルトレーンの代表作」

「ジャズ好きならば何はなくとも、まずはともかく」

とか、色々と言われておりますジョン・コルトレーンの初期PRESTIGE時代の名刺代わりの一枚、と言ってもいいし、わがサウンズパルでも、お店に来る「コルトレーン聴きたいんですけど、一番わかりやすくてカッコイイアルバムって何ですか?」というお客さんの問いにもことごとく応えてきた歴戦の勇士であります(アタシの中で)。

正直アタシもコルトレーン好きになって、でも、とっかかりは後期のディープ極まりないものだったので、正直最初は初期PRESTIGE盤はナメてたんですよね。

でも、最初に聴いた「ラッシュ・ライフ」が凄かった。

何が凄いって、曲とか演奏テクとか、そんな小賢しいアレじゃなくて、冒頭の「ふわぁぁあ〜」っていう音一発。あぁ、サックスの音だけでこんなにも感情にグッと来る音出せるコルトレーン、やっぱかっけぇ、ナメたらやべー、と思ったんですな。

で「ソウルトレーン」。

アタシが初めて購入したのが確か1999年ですから「コルトレーン者見習い」になってはや2年が経ってました。

結構天邪鬼な性質ですので、みんながみんな「いいよ」「アレは持ってないと」てヤツはシカトして

「いや、やっぱり初期コルトレーンは”ラッシュ・ライフ”だぜ」

「”ダカール”の2バリトン相手にバリバリ応戦してるコルトレーンこそ漢!」

とか、まぁ偏った方向にばっか行って「ソウルトレーン」ナメてたんですな。

で、我が家のコルトレーンのCDとレコードが、総数で十何枚かになった時に、じゃあソウルトレーンでも買ってやろうか

と。

この後の展開、予想できますよね(笑)まぁ、ナメておったんです。

家でCDを開封して、プレーヤーにポン。おもむろに再生ボタンを押して流れてくるのは、結構小粋なミディアムテンポの「グッド・ベイト」

へー、意外だね、コルトレーンもこんなポップな曲やるんだー

とか、寝っ転がってタバコ吹かしながら聴いてました

まぁ、ナメてたんです(笑)。


コロコロと、軽快にピアノを転がすレッド・ガーランド、伸びのあるふくよかな低音で唄うようにベースを奏でるポール・チェンバース、安定の4ビートといえばこの人のアート・テイラーという「カッコ良くスウィングするらなばこのメンツ」なバックもゴキゲン、うん、ゴキゲン♪

と、思っていたら、コルトレーン、ソロに突入した途端にいきなりトップギアで疾走します、うはぁ、コレ”シーツ・オブ・サウンド!!”しかもー、こんなくつろいだ曲で飛ばし過ぎてるけど、何これ、演奏全体のバランス、ぜんっぜん崩れてない。

すいません「ソウルトレーン」ナメてました。。。

このアルバムがレコーディングされたのは、1958年。

58年という言葉を聞けば、このブログの読者さんなら、もう”ピン”とくるでしょう。そう、コルトレーンがマイルス、セロニアス・モンクという両雄のもとで修業をし、その個性を開花させて、一際異彩を放ち出したちょうどその時期。

この頃のコルトレーンには、迷いもためらいもありません。

もしかしたら、曲がどうとかそういうことすらも、コルトレーンにはもはやこの時点でどうでも良かったのかも知れません。

続くバラードの「アイ・ウォント・トゥ・トーク・アバウト・ユー」この曲も後にコルトレーンがお気に入りのバラードとして何度も再演されてますが、研ぎ澄まされた音&ノン・ヴィブラートで一気に吹ききる「コルトレーン流バラード」とでも言いますか、その最初の完成形が既に完璧に近い形で仕上がっております。

えっと、バラードという意味では「アイ・ウォント〜」の陰に隠れてはいるけど、4曲目の「テーマ・フォー・アーニー」も、これは彼がリスペクトしてやまないレスター・ヤングとジョニー・ホッジスの(2人ともスウィング時代のサックスのすげぇ人です)影響を、見事に消化してモダンに開花させた名演ですぜぇ。

そしてそしてこのアルバムの看板曲、いや、この演奏をしてこの作品を「名刺代わりの代表作」にしましたるのがラスト「ロシアの子守唄」。

もうね、これですよ。

あちこちで「ロシアの子守唄が名演」「ロシアの子守唄凄い!」と言われていますけど、「えぇ〜、そんなに凄いんかい、言うてもアレやろ、どうせ・・・・・・・・ほんまや」の急速調、トップギアぶっちぎりで暴れまくるコルトレーンがもう速い速い!あと、バド・パウエルの生霊が憑依(笑)して珍しく激しくブロック・コードゴンゴン、早弾きソロびゅんびゅんのレッド・ガーランドの凄み溢れる狂演にもふっとばされます。

「ジャズ 速い曲」

で、グーグル検索するよりまずは聴いてみるとよろしい。この体感速度、コルトレーン作中最速、いや、50年代ジャズの中でもぶっちぎりの「速さ」を体現させてくれますんでやっぱりナメたらいかんです。





【パーソネル】
ジョン・コルトレーン(ts)
レッド・ガーランド(p)
ポール・チェンバース(b)
アート・テイラー(ds)

【収録曲】
1.グッド・ベイト
2.アイ・ウォント・トゥ・トーク・アバウト・ユー
3.ユー・セイ・ユー・ケア
4.テーマ・フォー・アーニー
5.ロシアの子守唄

初期PRESTIGE時代のコルトレーンは、他の色んなホーン奏者と熱気ほとばしるセッション聴かせる作品も多くて、それはそれで楽しめるんですが、ワン・ホーンでコルトレーンの凄さに集中して聴き入りたい人には、コレは文句ナシでオススメです。

あと、もうひとつ重要なのが

・速い曲

・ミディアム・テンポの心地良い曲

・渋いバラード

の配分が絶妙で、トータルな作品としての完成度が、他のPRESTIGE盤と比べてもやっぱり抜きん出ておりますね、というところ。

そ「名盤!」と構える必要はありません。いつでもどこでも誰が聴いても「うん、かっこいいジャズだよね」となれる一枚です。でも、ナメたらいけんですよ〜♪







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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 19:12| Comment(0) | 大コルトレーン祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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