2015年09月28日

フレディ・キング 1937-1976

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フレディ・キング 1937-1976
(RSO/ユニバーサル)

初期フレディ・キングの音源を聴いていたら、何だか気分がアガッてきたので、今日は70年代”ファンクなフレディ”を会社車でガンガン流しながらノリノリでした。

このアルバムは、1976年、42歳で亡くなったフレディ・キングのラスト・アルバムであります。

元々は普通にスタジオ・アルバムとしてリリースするために、74年からレコーディングが進められていたのですが、フレディの急激な体調の悪化と共に、遂にスタジオで完成を見ることなく、既に収録が完成したスタジオ録音に、ライヴ音源を追加収録して「追悼盤」としてリリースされたのが1977年。

こう書くと、何だかとっても悲しいアルバムのように思えてしまいますが、中身は自分をリスペクトしてくれている、クラプトン他の”白人ロック小僧”達と、ファンクビートに乗っかって楽しくそしていつものように豪快にギターを弾き倒し、ハリのある声を響かせるフレディが楽しめる”70年代ファンキー・ブルースのこの一枚”ぐらいにゴキゲンなアルバムなんです。

最初アタシはフレディ・キング「3代キングの中では一番早く亡くなってるし、活動期間も短いから、どのアルバムも作風は似たようなもんだろう」と思っておりました。それにほら、モダン・ブルースて、正直に言いますけど、カッチリと”パターン”が決まってるでしょう。だから「とりあえずハイダウェイとかその辺聴いてればいいかー」と思ってて、で、たまたま「あ、これ、あんま見らんジャケットだ。まぁどうせ一緒だろうから買っちまえ」ぐらいの軽い、もう本当に軽〜い気持ちで買ったんですけどね・・・。

1曲目「ピック・イット・アップ」つづく2曲目「シェイク・ユア・ブーティ」での、イケイケの16ビートに「何じゃコレ!おっそろしくファンキーなんだが!!!!」と、5回ぐらい卒倒しました。

「フレディ・キングが、ファンクやってる!」これ衝撃でした。

しかも、ファンクやりながらも、ギターにも歌にも全然気負いがないんですね。

例えばB.B.だったら、すごく真面目に「新しいサウンドをモノにしなきゃ」と考えて、結果としてスタジオ盤ではB.B.のプレイ自体は良いけど周りのサウンドがちょっとチープよね・・・という作品もありました。

アルバート・キングはそのへんしたたかで、バックがソウルだろうがAORっぽかろうが好きにやらせて、自分のプレイスタイルは一切変えない(笑)。このアルバートの姿勢、おじちゃんは凄く好きなんだけど、軽〜いサウンドの中から「ずばばーん」と浮かび上がってくるチョーキングだけが聴ければそれでいい。とか、そんな感じで、やっぱりスタイルとサウンドに違和感があったりしました。

まぁ、両キング共にそういった作品の”違和感”を楽しめるから、結果イズ・オーライなんですが、フレディがやってる”ファンク”には、そういった違和感全くないんですよね。

やっぱり戦後にブルースだけじゃなくて、ジュークボックスでヒットを連発していた50年代のR&Bやジャズや、チャック・ベリーらのロックンロール、そしてロカビリーとか、少年期に既にラジオ等で「最新の色んな音が聴けた」モダン世代ならではの感覚というんでしょうか、年代的にはフレディがブルースマンとしてテキサスからシカゴへやって来た時既に、黒人若者の憧れといえば”俺たちのジェイムス・ブラウン”でしたから、つまりフレディやバディ・ガイ、ジュニア・ウェルズ等「60年代の黒人青年」にとってみれば「ブルースとそれ以外のブラック・ミュージックの境界」なんてとっても曖昧で

「いや、ソウルもファンクも一緒じゃね?だってブルース・フィーリングあるもん」

ぐらいな感覚であったんじゃなかろうかと思うのです。

特にアタシら日本人は「ジャンル」というものにこだわって「これはブルースじゃない」「これはソウル、これはファンク」と、意識してなくても何となく分けて(つまり構えて)音楽聴いてしまう悪いクセがあります、ソイツをまずは取っ払って「ゴキゲンなブラック・ミュージック」として70年代フレディは聴きましょう。





1.パック・イット・アップ
2.シェイク・ユア・ブーティ
3.もしも
4.ウーマン・アクロス・ザ・リヴァー
5.スウィート・ホーム・シカゴ
6.シュガー・スウィート
7.TVママ
8.ギャンブリング・ウーマン・ブルース
9.ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード


楽曲の説明をちょいとすれば、@ADがマイク・ヴァーノン、ボビー・ランチ、ピート・ウィンフィールド、クリス・マーサーらとフロリダのスタジオで行ったセッション。

同じ1974年でも8月5日に録音されたEFGは、エリック・クラプトンやカール・レイドルの”デレク・アンド・ザ・ドミノス・コンビ”が参加。

多分この6曲が「フレディ・キングのアルバム」と予定されてレコーディングされたものだと思います。

BCは1975年3月31日に、地元テキサス州ダラスで行われたライヴ。そして本当の意味での「最後の最後の音源」となったHが、1976年11月15日に、地元ダラスのコンベンション・センターで行われたライヴ。この3曲が「追加」の部分じゃなかろうかと思います。


「ファンク色濃い」といっても、やっぱり”凄み”を感じさせる王道スロー・ブルースのBや、ロバート・ジョンソン作のブルース・スタンダードD、”師匠”との競演に純粋なギター小僧になって弾きまくってるクラプトンとの応報もゾクゾクするGなんかを聴くと、やっぱりフレディ、すげぇブルースマンだよ・・・。とひしひしと感じるのであります。

全体的にグルーヴィーで”ゴキゲン”の一言に尽きる作品ですが、クラプトンがヴォーカル&メイン・ギターで頑張ってるラスト・ナンバーのHとかを聴くと「あぁ、やっぱり遺作なんだなぁ・・・」と、切ない気持ちになってきます。

このアルバム、今は盤権をメジャーのユニバーサルが持っていますが、アトランティック子会社だった”RSO”というややマイナーなレーベルの作品ですので、再発は貴重かもです。


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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 19:04| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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