2015年10月27日

ベリー・ベスト・オブ・ルーファス・トーマス

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Very Best of Lufus Thomas
(Stax)

何かで「一番○○なもの」を定義するというのは実に難しいものです。

が、もしも誰かに

「世界一ファンキーな親父を挙げよ」

と言われたら私は躊躇なく

「それはルーファス・トーマスだ」

と答えるでしょう。

ファンクの帝王が俺達のジェイムス・ブラウンであることは揺ぎ無い事実であり、で、ルーファス・トーマスが狭義で言うところの「ファンク」というジャンルに収まるか?つったらそうれどころではないんだけれども、「ルーファス・トーマスが世界一ファンキーな親父」であることは、これはもうそれ以上に動かし難い事実なんです。

何と言っても「50を過ぎてからブレイク」ってのがいいですよね。

1910年代生まれのルーファスは、旅芸人の家庭で生まれ育ち、その後メンフィスのラジオ局でB.B.キングの後任としてブルースやR&Bを紹介する番組の人気DJとして、いわゆる”ローカル・シーンの立役者”となりました。

その時既に彼は40代過ぎのオッサンだったんですけど

「イェ〜イみんな聞いてるかい?オレはいつまで経っても十代の、気持ちまでつゆだくの若者さ。さぁ、オレのガチョウをどうしてくれよう。オレたちゃいつだって明るく愉快、でもカネがない。ハッハッハ、オレがルーファス!さぁ、わいわいはしゃごうぜ♪」

というゴッキゲンなMCと、幼い頃からステージのコントと歌で鍛え上げた、伸びのある声と軽妙なマシンガントークが若者の間で大人気。

やがて誰もが知る「ゴッキゲンなガチョウ親父・ルーファス」として、南部一帯の若者の間で大人気になります。

ルーファスがDJをしていた頃(1950年代後半)の流行は、洗練された都会的なソウル・ミュージックでしたが、ルーファスはいつだって、どんな曲を紹介する時だって南部魂を忘れない「土臭い笑い」で、古いスタイルのR&Bやブルースも

「ちょっと待ってくれ、コイツは古いがいい音楽なんだ。なぁブラザー、女を口説く時にコイツをかけてフラレてもこの曲のせいじゃない、愛が足りなかったのさ。苦情は受け付けないぜぇ”ルーファス、次どういった曲で口説けばいいんだ?”って相談にならいつでも乗るぜぇ」

と、良質かつ泥臭い”都会の流行とはまた違ったソウル・ミュージック”を、どんどんプレイして浸透させています。

その最大の成果が”サザン・ソウル”の代名詞ともなった「スタックス・レコード」のブレイクでしょう。

実はこのレーベル、当初はテネシーやケンタッキーの白人層向けにカントリーやロカビリーのレコードを作っていたのですが、南部でジワジワ盛り上がる「サザン・ソウル・ミュージックを!」という大衆の熱気に押されるような形で、R&B、ソウルをレコーディングしてリリースすることになるんです。

この時「ちょいと親子でデュエットやらないか?」という誘いがルーファスのところにきて

「あぁいいよ」

と、引き受けたらしいんですが、何と”ルーファス親子”の”子”の方の、そう、ルーファスの娘、カーラ・トーマスの「Cause I Love You」が大ヒット、こん時からルーファスは「人気DJ」から「カーラのおやっさん」として脚光を浴びることになります。

人前に出る時のルーファスは「ずんぐりむっくりの体格に見事に禿げ上がった頭頂部とお茶目な顔」という、「おっさんとしては完璧」と言えるルックスをよりワイルドに演出するために「ド派手なジャケットに短パン、ハイソックス」という姿でキメます。

この時既に50を過ぎていたんですが、このルックスと、幼少時代から培ってきた”客の心を盛り上げる巧みな話術とパフォーマンス”に「いや、実はおっさん物凄い歌うまいがな!」という評判が評判を呼び、ルーファスは何と、1970年のファンク〜ディスコ・ブーム到来その幕開けを告げた名曲「Do the Funky Chicken」で、一躍全世界の人気者になります。

その後も一発屋で終わることなく、2001年に亡くなるまで次々とヒットを放ち、ルーファスは国民的な人気者であり続けました。


ブラック・ミュージックのファンの間では「ワッツタックス」での「観客柵超えの大ファンク祭」はもう伝説でありましょう





アタシも最初観た時「うわぁ、バーケイズ従えて出てきたこのオッサン、何者なんだろう?」と思ってましたが、その圧倒的なステージ展開にもう神業を感じました。

「うぉぉ!おっさんめちゃくちゃファンキー!!」

の、一言に尽きますね♪





1.The Dog - Single Version
2.Walking The Dog (Live @ Pj's)
3.Can Your Monkey Do The Dog
4.Somebody Stole My Dog-Single Version
5.Jump Back
6.Little Sally Walker-Single Version
7.Sister's Got A Boyfriend-Single Version
8.Sophisticated Sissy
9.Memphis Train - Single Version
10.Funky Mississippi
11.Do The Funky Chicken
12.Sixty Minute Man (Pt.2)
13.The Preacher And The Bear
14.(Do The) Push And Pull (Part.1)
15.The World Is Round
16.The Breakdown (Part.1)
17.Do The Funky Penguin (Part.1)
18.2006/3/8
19.Boogie Ain't Nuttin' (But Gettin' Down) (Part.1)
20.Do The Double Bump



さて「50を過ぎて大ブレイクした”スーパーおっさん”」でありますルーファスですが、家庭でも実にいいお父さんでありまして、十代でサザン・ソウルの歌姫として大人気だった愛娘カーラに「ちゃんと学校は出るんだぞ、この業界は一寸先は闇だからな」と、アドバイスしつつ、しっかりと大学まで出しているんです。

ステージの上でも愛の深さもファンキーなルーファス・トーマスは、おっさん達の希望の星です、あぁ、アタシもこういうおっさんになりたいなぁ。。。



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 19:11| Comment(0) | ソウル、ファンク、R&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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