2015年11月24日

クリスマス(小室等・吉田拓郎・井上陽水・泉谷しげる)


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クリスマス(小室等・吉田拓郎・井上陽水・泉谷しげる)
(フォーライフ)

はい、11月もはや後半でございますよ。

この季節になりますと、あぁ、アレですよアレ。街にジングルベルが流れ出し、色んな業界のお仕事が忙しくなる。

そう「クリスマス」。

いや、あっという間ですな、早いもんです。

で、CD屋と致しましては「クリスマスのCD」これをブログでも紹介しなければなりますまいと、一応真っ当に思ってはいるんですが、まぁその、このブログの「クリスマス」のカテゴリを見て頂ければ分かるとは思うんですが、アタシは「ちょっと面白いクリスマスもの」見てる人がなるべく「へー、こんなのもあったんだ」と楽しんでくれそうなものを紹介したいと思ってるんです。

で、今日ご紹介するのは「日本のフォークのクリスマス」

小室等・吉田拓郎・井上陽水・泉谷しげるという、まぁどこからどう見ても「クリスマス」なんぞには縁のなさそーな方々なんですが、この人達が実は共同で「クリスマス」のアルバムを出していたんですよ。

団塊の世代の方々は恐らく「あぁ、知ってるよ。フォーライフの設立一周年企画の限定盤だったヤツでしょ?」と、すぐピンと来るとは思うんですが、このアルバムがリリースされた年(1976年)に生まれたアタシにとっては

「うはっ!何これ!!??(笑)」

という、ショーゲキのブツでありました。

だってこの4人が一体何を血迷って「クリスマス」なのか(失礼)まったく想像すら出来なかったですもん。特に泉谷しげると吉田拓郎(初期)が真面目にクリスマス・ソングなんか唄ってる姿なんてカケラも想像できません。

いいぞいいぞ、コレ、ネタとしていいぞー(笑)

と、思って聴いてみたら、意外や意外。これ「クリスマスもの」としても「ひとクセもふたクセもある日本人アーティスト(と、あえて呼ぼう!)達の真剣勝負盤」としても、実にカッコイイものでした。

先に結論から言っておきます。

このアルバムで一番真面目に「クリスマス」してるのは、やっぱり小室等で、その次に真面目なのが泉谷しげるです。で、完全に斜に構えてやりたい放題なのが吉田拓郎「クリスマス?何それあっはぁ〜♪」と、唯我独尊自分の世界を貫き通しているのが井上陽水です(ある意味陽水さんが一番反骨スピリッツに溢れてるかも)。







【収録曲/アーティスト】
1.赤鼻のトナカイ/泉谷しげる
2.お正月/吉田拓郎
3.夏願望/井上陽水
4.O HOLY NIGHT/小室等
5.街を片手に散歩する/吉田拓郎
6.クリスマス・ソング/小室等
7.冬を走る君/泉谷しげる
8.WHITE CHRISTMAS/井上陽水
9.GREENSLEEVES/小室等
10.BLOWIN' IN THE WIND/吉田拓郎
11.PA! PA! PA!〜きよしこの夜/泉谷しげる
12.諸人こぞりて/吉田拓郎
13.メリー・クリスマス/井上陽水
14.今日のわざ/小室等、吉田拓郎、井上陽水、泉谷しげる


選曲を見て頂ければ分かるんですが「お正月」とか「風に吹かれて」とか、「おい、クリスマスどこ行った?」な吉田拓郎(笑)特に「風に吹かれて」なんか、まんまディランのカヴァーで、これフツーにカッコイイんですけど「諸人こぞりて」も「やってやってる感満載」でやっぱり拓郎は拓郎なんですが、負けてないのが井上陽水。

のっけから「おい、冬のアルバムなのに”夏願望”ってどういうことだよ!?」(しかもニューウェーブ風)だったりド定番の「ホワイト・クリスマス」は軽〜くジャジーで、シナトラかビング・クロスビーっぽく唄って、もう勝手に楽しんじゃってます。「メリー・クリスマス」はカバーかな?と思ったら渾身のオリジナルで、コレが完全に「陽水ワールド」の名曲です。「夢の中へ」のあの感じの、もうちょっと切ないクリスマス・ソング。こうやってしれっとキメてくるところにコノ人の底知れぬ恐ろしさを感じますね〜・・・。

でもって美しいギターの音色とアレンジのカッコ良さで全体を整えて「あぁ、やっぱりコレはクリスマス・アルバムなんだ」と、真面目に聴いている人にも安心感と共に自覚させてくれるのが小室等。この中では一番の人格者(笑)であります、「グリーン・スリーヴス」とか、オーソドックスなクリスマス・クラシックスを上質に聴かせてくれますよね。ギターの音がね、本当に綺麗なのよね小室さん。

で、小室さんの次に「おぉ、こうなったらもーオレはエンターティメントに徹して楽しくやるぜー」と開き直って、ジャジーでブルージーなクリスマス・ソングの直球勝負でこのアルバムの中の「盛り上げ役」を買って出ている泉谷もカッコイイ。オリジナルの「冬を走る君」での武骨で朴訥な”泉谷節”もいいけど、「PA! PA! PA!」から「きよしこの夜」へのソウルフルな持って行き方がカッコイイのです。

さっきからアタシは色々と好き勝手なことを書いておりますが(汗)1970年代の日本で「クリスマス」という企画を真っ先に思いついたフォーライフの先見性と、今や日本を代表するアーティストである4人の強烈な個性が、良い感じに一枚の作品になったという意味でも、このアルバム、凄いと思います。





『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 20:11| Comment(1) | クリスマス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
限定盤だって(笑)
絶好調の陽水、拓郎が魔が差して
それ行けと30万枚プレスしたら、10万枚しか売れず、フォーライフが倒産しかかったという、とんでもないレコード。急遽、拓郎がひまなミュージシャンをかき集めてテキトーな曲を夜中に録音。ジャケは拓郎がキャンディーズのランちゃんの絵を描いてでっち上げて発売。倒産を免れた因縁のレコード。
Posted by MRCP at 2018年12月29日 00:23
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