2016年01月26日

グウェン・マックレイ・ファースト

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グウェン・マックレイ・ファースト
(Parlophone/ワーナー)


何にせよこのジャケ、この顔です。

ギラギラした鋭い眼光に情念そのままに爆発したヘアー・スタイル、男による媚なんぞ微塵も感じさせない「男?食べ物?」ぐらいのムンムンに肉食系の香り(汗と化粧とヘアスプレーが濃厚に入り混じったアレ)を放つこの顔、このジャケ写。ラメ入りドレス、金ピカマイク。

そうそう、やっぱり「ソウル・シンガー」と名乗るならば、見た目でこれぐらいのインパクトを放って欲しいものです。どうですか?ソウルとか全然知らない人にこのジャケを見せても、100中99は「濃い!」「ワイルド!」という声が返ってくるでしょう?

はい、はい、アタシもソウルとか全然知らなかった時に「この顔」にヤラレたクチです。

ブルースが好きでジャズにハマッて「そうだ、ここまで来たらソウルやR&Bにも手ェ出してみよう。えぇと、ソウルつったら・・・まぁあんま知らんからとりあえずジャケ買いをしてみよう。ジャケ買いをするんならば、せっかくだから中途半端にカッコイイやつとかオシャレなのではなくて、もう見た感じからキョーレツに”匂う”ブツを買ってみよう」と。

えぇ、完全に衝動だったんですが、そん時「この顔」の主、グウェン・マックレイ嬢のレコードと出会って即買いでした。




グウェン・マックレー [ソウル名盤980円]

【収録曲】
1.ムーヴ・ミー・ベイビー
2.ユア・ラヴ・イズ・ワース・ザン・ア・コールド・ラヴ
3.ヒー・キープス・サムシング・グルーヴィー・ゴーイン・オン
4.レット・ゼム・トーク
5.フォー・ユア・ラヴ (MONO)
6.イッツ・ワース・ザ・ハート
7.90パーセント・オブ・ミー・イズ・ユー
8.イット・キープス・オン・レイニング
9.ヒー・ドント・エヴァー・ルーズ・ヒズ・グルーヴ

さぁ、どんな音が出てくるか?きっとジャケットの通りのゴリゴリでネバネバなズ太いファンク・サウンドに乗って、ティナ・ターナーばりのシャウトが全編に渡って猛烈に展開されて、オレの耳なんざ2分でノックアウトしてしまうのでは・・・。

と、思ったら、このアルバム、ファンクなダシとグウェン嬢のヴォーカルもパンチは確かに効いているものの、時に激しくダンスを煽るかと思ったら、味わい深いしっとりとした色気も感じさせるバラードで聴かせるアルバムでありました。

ワン・コードのミディアム・アッパーなファンクの@、ライナノーツには幼い頃からゴスペルで鍛えたとあるそのハスキーな声がガツーンと来て、続いてよりメロッディアスなAと、ノリノリなファンクは前半ここまで。

この人のハスキー・ヴォイスの真骨頂が聴けるのはB以降、BCDのバラード3連発です。

そこはかとなくブルージーな、オルガンやストリングスも切ないバックを従えての、堂々&切々たる女心の唄いっぷりには、正直エタ・ジェイムスやアレサ・フランクリンのバラードを最初に聴いた時と同じ感動を覚えました。この人、パンチの効いた野太い唄い方と、持ち前のハスキーな声をしっとりと”語らせる”ことも出来る。しかも声に雑味の成分が程よく少ない、見た目のインパクトだけじゃなく、ホンモノの実力で聴かせるシンガーであります。

すっかりこのアルバムが気に入って、ライナノーツを読んだり、ソウルやR%Bの本などで「Gwen McCre」という名前を調べて「マイアミ・ソウル」なる素晴らしいジャンルのことも知るに至りました。

1960年代、早いうちから活躍し、このアルバムでLPデビューした頃にはすっかり「マイアミ・ソウルを代表する歌姫」として知られていたグウェン嬢、この後のアルバムでは「綺麗に写った(失礼!)」写真も使っておりますが、このアルバムはまず「ジャケ買い」「顔買い」で売れるべきでしょう。




ちなみに裏ジャケもなかなか♪

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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
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posted by サウンズパル at 19:20| Comment(0) | ソウル、ファンク、R&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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