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2016年01月27日

ローウェル・フルスン アーリー・レコーディングス1946-1952

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ローウェル・フルスン/アーリー・レコーディングス1946-1952

(Arhoolie/Pヴァイン)

『ブルースの眠れる巨人フルスンの初期音源集、サイドに弟のマーティのギターのみを従えたこの音源は、正に核しかないハードコア・ブルースだ』


と、書かれていたのは雑誌だったかそれともPヴァインのカタログブックだったか。とにかく名盤「トランプ」を聴いて、そのアツくそして限りなく辛口な歌唱に惚れてしまって、どうしてもこの人の”根源”をアタシは知りたくなりました。

唄を最初に聴いてそこまで思わせる引力みたいなものが、フルスン御大の声には宿ってたんです。 

そんな時にお役に立つのは、やはり何と言ってもガイドブックの類であり、たくさんの本や雑誌なんかから、パラパラパラとページをめくっていたら、件のキャッチフレーズが目にズドーンと飛び込んで来た。というわけなんです。

フルスン御大の初期レコーディング、しかも、バックは自分と弟のギターのみ、という実にシンプルな編成。。。

正直ホーン入りフルバンドのサウンド以外のイメージが、全く思い浮かばなかったんですが、これは良い傾向です。「想像できない」「予想できない」というのは、未知の素晴らしいサウンドとの出会いの前触れでありますから。

レーベルはライトニン・ホプキンスやミシシッピ・フレッド・マクドウェル等、戦後南部のリアルな(というよりも生々しい)ロウダウン・カントリー・ブルースを死ぬほどリリースしている信頼のアーフーリー。

これは間違いないっしょ!!

と、輸入盤をワクワクしながら探して見付けて購入した日の感動を昨日のように覚えております。

さて、中身の方は、御大のシャウト&キョーレツに埃っぽいあのヴォーカルが、ただシンプルな編成で聴けるものと思ったら、これが”あの”フルスンとは全くの別人でありました(!)

まず、ここで聴けるのは、シャウトも煽りもグッと抑えて、力まない地声で古いスタイルのテキサス・ブルースを淡々と唄う、完全にカントリー・ブルースマンと化したフルスン御大の、一切の装飾や演出のない、実にストイック極まりないブルースであります。






【収録曲】
1.Western Union Blues
2.Lazy Woman Blues aka I Worked So Hard
3.River Blues Part.1 aka Texas Blues Part.1
4.River Blues Part.2 aka Texas Blues Part.2
5.I Walked All Night
6.Between Midnight And Day
7.Three O'Clock Blues
8.The Blues Is Killing Me
9.Did You Ever Feel Lucky
10.I'm Wild About You
11.Blues With A Feeling
12.Why Can't You Cry For Me
13.There Is A Time For Everything
14.Lowell Jumps One aka Cash Box Boogie
15.Crying Blues aka Street Walking Woman*
16.You're Gonna Miss Me*
17.Miss Katy Lee Blues*
18.Rambling Blues aka Crying Won't Make Me Stay*
19.Fulson Blues aka Bad Luck And Trouble*
20.San Francisco Blues*
21.Trouble Blues*
22.I Want To See My Baby aka I'm Going To See My Baby*
23.Black Widow Spider Blues*
24.Don't Be So Evil*
25.I'm Prison Bound aka Doin' Time Blues*
26.My Baby Left Me aka Some Old Lonesome Day*

*=ボーナストラック


このうち、@〜Iまでが、さっきも言った「フルスン御大の唄と武骨なギターに弟のマーティンのリードギターのみが付いたカントリー・ブルース・セッションです。

とにかくどの曲もテキサス・ブルースの古いスタイルそのままに、ややミディアムな一定のテンポを淡々と唄う御大の声の繊細さ、決して饒舌ではないけれど言いたい事のみを的確なニュアンスで伝えるギターのバッキング、そしてマーティンの、これまた決してバカテクではないけれど、唄にピッタリと寄り添って、一緒に唄ってるかのようなロウファイなリードギターのみの濃厚で、ジワジワとクる渇いた味わいが最高です。どの曲も一緒に聞こえようが何だろうが、これがリアル・ブルース、コレを聴くことは男の義務であると、アタシは声を大にして言いたい。

後半はピアノ、ドラム、そして吹き人知らずのサックスなども曲によっては入る、やや賑やかなバンド編成ですが、これも60年代のゴージャスなウエスト・コースト・マナーじゃなくて、あくまで音数を増やすのとリズムを強調するためのバックであり、骨組みはフルスンが敬愛し、実際一緒に旅して回ったという大師匠テキサス・アレクサンダーからの影響がモロな、どこまでもヘヴィで深みとならではの味わいに溢れております。この辺りのニュアンスは、同じテキサスでも全然正反対と思ってたライトニン・ホプキンスのフィーリングと重なりますね♪

CD化されての再発は、本編14曲に加えて、怒涛のボーナストラック11曲という頭のおかしい仕様でありますが、そのボーナストラックも作風や時系列に矛盾がなくて、自然であります。持ってない人はぜひPヴァインからリイシューされた国内盤のCDを買いましょう!


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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

posted by サウンズパル at 19:13| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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