ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2016年04月10日

リー・アンドルーズ&ザ・ハーツ for Collectors Only

5.jpg
Lee Andrews&The Hearts/For Collectors Only
(Collectables) *3CD

少し前に第四玉手箱さんのブログの記事「長く孤独な夜の彼方に」を読んで、ドゥー・ワップを代表するトップシンガー、リー・アンドルーズの訃報を知り消沈しておりました。その矢先にガトーの訃報があり、何というか、続く時は続くもんですね・・・。

リー・アンドルーズは、その甘く洗練されたテナー・ヴォイスで、一時代を作った人でありました。

「ドゥー・ワップ」といえば、その起源をゴスペルに持つ黒人コーラス音楽ですが、このドゥー・ワップが全盛を極めたのが1950年代。

「全楽器パートを声で奏でる」

という、それまでのどの音楽にもなかった斬新なスタイルと、グループの全員が粋なフォーマルスーツでキメて、立ち居振る舞いも洗練されたパフォーマンスで「ブラック・ミュージック=下品で泥臭いもの」という世間の間違った偏見を払拭し、ドゥー・ワップは「どんどん豊かになってゆくアメリカ」の、ひとつの象徴ともいえる音楽でもありました。

その中でひときわ”洗練”という意味で他を圧倒していたのが、リー・アンドルーズと彼のグループ”ザ・ハーツ”の存在でありました。

彼らのスタイルはバラード。

もちろん、親しみやすいポップでノリの良い曲もやってはおりますが、リー・アンドルーズの甘く深く、そして一切雑味のないシルキー・ヴォイスが、バックの美しいコーラス・ハーモニーを動かして、まるで上質なオーケストラを聴いたみたいな至福の感覚に浸らせてくれる「Long Lonely Nights」「Teardrops」などの幸せな味わいは、他で得られるものではありません。



リー・アンドルーズは、アタシにとっても「これがドゥー・ワップだ」と教えてくれた人でもあります。

何度かこのブログには書きましたが、奄美ではオールディーズを聴くことが、十代の少年少女達にとってはちょっとしたトレンドだった時代があります。

ドゥー・ワップがどういう音楽なのか?よくもわからんクソガキの時に、親父がチェス・レコードのオムニバス盤を家に持ってきて「コレが最高よ」と聴かせてくれたことがあったんですが、その時は、普段アタシが聴いているロックとかとは間逆の上質な「大人ベクトル」な音楽だなぁ・・・としか思わなかったんですが、BGMの枠を超えて耳に染みた声が、リー・アンドルーズのシルキー・ヴァイスでした。

といってもその頃は、別に名前とか覚えるようなアレではなくて、ただ何となく「あぁ、よくわからんけど、この声は綺麗だ・・・」とは思いました。

それから自分でも50'sミュージックを何となく聴くようになって、ちょこちょこ物色したオムニバスに「リー・アンドルーズ・アンド・ザ・ハーツ」という名前が入っているのを見て、曲を聴いて「あの時のアレだ!」と、ちょっと嬉しく思ってたりもしました。

残念ながらその頃は、まだ音楽に優しさよりも刺激が欲しい頃だったので、ドゥー・ワップはとりあえず脇に置いて、ひたすら激しいものに突き進んでいたのですが、戦前ブルースからブラック・ミュージックにハマッて、色々と寄り道をした挙句、ふとナット・キング・コールとかシナトラみたいな「完全に大人のためのジャズ」を聴いていいなと思えるようになって、その時ふと「こ、これってもしかして、あのドゥー・ワップのリー・アンドルーズにめちゃくちゃ影響与えてる!?」と、ビビーンときて、そっからでした。そこからドゥー・ワップのバラードとか、もう凄くグッとくるようになった。





(Disc-1)
1.Maybe You'll Be There
2.Baby Come Back
3.White Cliffs of Dover
4.Much Too Much
5.Bells of St. Mary's
6.Fairest
7.Long Lonely Nights [Demo-Original Lyrics]
8.It's Me
9.Sipping a Cup of Coffee [Unreleased]
10.Show Me the Merengue [Demo Version]
11.Lonely Room
12.Boom [Demo Version]
13.Bluebird of Happiness
14.Show Me the Merengue
15.Just Suppose [Demo Version]
16.Dearest [Unreleased]
17.Girl Around the Corner [Demop]
18.Long Lonely Nights [Demo #2]
19.Aunt Jenny [Unreleased]
20.Lonely Room

(Disc-2)
1.I Miss My Baby [Unreleased]
2.Leona
3.Window Eyes [Unreleased]
4.Try the Impossible [Demo Version]
5.It's Me
6.Just Suppose [Gotham Version]
7.Why Do I? [Demo Version]
8.Strollin' Women [Unreleased
9.Abide by the Golden Rule [Unreleased]
10.Long Lonely Nights
11.Clock
12.Teardrops
13.Girl Around the Corner
14.Try the Impossible
15.Nobody's Home
16.Why Do I?
17.Glad to Be Here
18.Maybe You'll Be There [UA Version]
19.All I Ask Is Love
20.Just Suppose [UA Version]
21.Boom

(Disc-3)
1.I Wonder
2.Baby Come Back [Casino Version]
3.Together Again
4.My Lonely Room
5.I Miss You So
6.I've Got a Right to Cry
7.Night Like Tonight
8.You Gave to Me
9.P.S. I Love You
10.I Cried
11.Cold Gray Dawn
12.All You Can Do
13.Island of Love
14.Quiet as It's Kept
15.Oh My Love
16.Can't Do Without You
17.Never the Less
18.Your Love Gives Me Such a Thrill
19.I've Had It
20.Little Bird


国内盤ではなかなか単独のアルバムは出てなかったのですが、輸入盤ではリー・アンドルーズ&ザ・ハーツ、今も色々と出ております。

中でもこのコレクタブル盤の3枚組は、50年代のヒット曲からレア・トラックまで、よくもここまで集めたなという、質量ともに極上の逸品。

タイロトルは「フォー・コレクターズ・オンリー」とありますがとんでもない、こんな素晴らしい音楽を、一部のマニアだけのもんにしておくのは、そりゃアナタ、音楽に失礼ってもんでしょう。

しかしこの時代の音楽ならではの”粋”って素晴らしいですよね、ポップスって究極的に言えば”ツカミ”の音楽で、聴く毎にそれがどんどん磨り減って飽きるのが多いのに、この時代のドゥー・ワップはその逆で、聴けば聴くほど深い味わいがどんどん染みてきて、もっと聴きたくなります。



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 12:09| Comment(2) | ソウル、ファンク、R&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントが遅くなって申し訳ありません(汗)
拙ブログなど到底及ばない高良さんの好レヴゥーに感動しきりです(^^)

あのコレクタブルズからコンピレーション盤が出ているんですね♪

玉手箱のオーディオ環境は、かなり以前から壊滅的状況にありまして、CDプレイヤーのドアは開かないわ、チューナーは(ブースターをかましているにもかかわらず)全然受信できないわ、カセットデッキ(時代やなぁ)は頑張るけど、昔の貴重なテープは伸び放題…(1970年代の貴重な音源もあるのに)。
しかも、大枚はたいたメインの3ヘッドデッキはとうに焼きついてオシャカ…という、もうしゃーない!! 状態です(^^;

幸いYouTubeに、良心的なかたがたが動画をアップしてくださるので、こうしてブログを書くことができます。

こんな私ごときの拙いブログにリンクを貼ってくださって、ホンマにありがとうございますm(_ _)m

大音量で音楽を聴くことができなくなって久しいですが、ネットを通じての(小音量の)音楽拝聴や、マニアの情報を手がかりに、今後もほそぼそと超マイナーな音楽関連の記事を配信できれば…と思います。

今後ともよろしくお願いいたします(・∀・)
Posted by 第四玉手箱 at 2016年04月17日 23:37
玉手箱さーーーん!!

こちらこそ返信遅くなりましてすいません。どうにもパソコンに向かえる時間が少なくてもどかしさが・・・。

しかし玉手箱さんが教えてくださらなければ、リー・アンドルーズのこと、ブログで書くことも大分先になっていたかも知れません。私にとっては十代の懐かしい想い出とともにあのシルキーな歌声が心の中で反響して、本当にうるっときてしまいました。

そうそう、コレクタブルズから出てるのですよ。といってもアタシはコレしかCD屋で見付けきれずにずーーーーっと愛聴盤です(汗)

玉手箱さんのブログは拙いなんてとんでもないですよ、いつも参考にさせてもらっております。ありがとうございます。

オーディオ環境が一日でも早く復活しますように!
Posted by soundspal at 2016年04月24日 10:32
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: