ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2016年07月17日

ジョン・コルトレーン ブルー・トレイン

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ジョン・コルトレーン/ブルー・トレイン

(Bluenote/EMIミュージック)

全国のコルトレーン者の皆様、本日もこの日がやってまいりました。

そう、7月17日、われらが大コルトレーンの命日でございます。

アタシは昨晩、前夜祭と称しましてツイッター(@synreisoundspal)で初期コルトレーンのyoutubeを解説付きで流しましたが、多くの皆さんからお気に入りやリツイートを頂きまして、あぁ、やっぱり日本にはコルトレーン、こんなに好きな人がいっぱいいるんだなぁと、感慨を新たにした次第です。

さて、アタシも”コルトレーン者”のはしくれと致しましては、今年もこのサウンズパルブログにて、コルトレーンを特集する「大コルトレーン祭」頑張らなくてはなりますまい。

アタシは毎年毎年、夏になるとひつこくコルトレーンの素晴らしさを世の中の人達に説くんです。

コルトレーン者になった理由は、雲さんとこの「カフェ・モンマルトル」に書いておりますが

↓ ↓ ↓
http://cafemontmartre.tokyo/music/coltrane_again/

まぁその、パンクよりパンクな後期コルトレーンのぶっとびにヤラレたのがそもそものきっかけなんですが、そこからさかのぼって、初期コルトレーン。

つまり「ジャズとしてカッコイイ時期のコルトレーン」の良さにも徐々にシビレていったんですな。

そこでひとつの使命に目覚めたんです。

「コルトレーンという素晴らしいアーティストの音楽、思想を多くの人に広めるために、俺がんばろう」

と。

単純に「カッコイイ」「凄い」だけのミュージシャンならば、恐らくアタシはそこまで思わなかったでしょう。

コルトレーンの音楽や、その表現姿勢には、表面的な言葉では絶対に語れないサムシング・エルスがある。

それが何か、具体的なことは今だによくわかりません。アタシには「いやぁ、コルトレーン聴くとね、何かよーわからんけど心が洗われるんだよねぇ。すごくいいんだぁ・・・」としか言えない。

でも、この「すごくいいんだぁ・・・」は、ジャズのカッコ良さ、せつなさややるせなさを愛する上で、コルトレーンに特別な感情を抱いてしまった方には、言わずとも伝わる部分であると信じております。

だから、コルトレーンをまだ聴いたことがない方々に、アタシは笑われようと無視されようと、いつか「あぁ、そういやアイツがコルトレーンのこと何か言ってたなぁ、聴いてみるか」と思って頂くために、これからもずっと「大コルトレーン祭」は続けていきたいと思っておるのです。

前置き、大変くどく長ったらしいもので恐縮でございます。ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。



では、2016年「大コルトレーン祭」の1枚目、今日は初心者の方に

「まずはこれを聴いてちょーーー!!!!!」

と、絶対に”推し”な名盤「ブルー・トレイン」をご紹介いたします。

はい、ジャズの名盤ガイドブックの類には必ずといっていいほど掲載されておりますし、ブルーノートのセンスが凝縮されたジャケット名盤としても超有名であります。

で、内容の方なんですが、これも1950年代、モダン・ジャズ全盛時代の「最高にイカした空気」というものをギューッと詰め込んで蒸留させたような、実にヒップでかつ深い味わい。

内容の”上質ぶり”については、いくつか理由がございます。

まずはこれが「コルトレーンがブルーノートに残した唯一のリーダー作である」こと。

コルトレーンはこの時期PRESTIFGEレーベルと専属契約を結んでいたのですが、その時の条件に「ブルーノートから誘われたらアルバム1枚だけ出してもいい」というのがあったそうなんです。

ちょいと事情を話すと、ブルーノートは当時としては珍しくミュージシャンにちゃんとしらギャラを払ってたし、レコーディングの時は最高の環境を整えてくれただけでなく、アルバムコンセプトやオリジナル曲をやりたいという相談にも前向きに乗っていたし(当時は「ウケの良いスタンダード」をレコード会社はやらせたがった)、色んな意味で生活面でだらしないジャズマン達にはレコーディング代の前借りとかいう名目で資金的にも援助の手を差し伸べていたようで、ニューヨークのジャズマン達はみんなブルーノートと契約をしたがっておりました。

そんなコルトレーンがブルーノートのオーナー、アルフレッド・ライオンの親切とジャズを愛するアツい心に恩義を感じて演奏に気合いを入れないはずがございません。当然張り切って”すこぶる”付きの好内容になっておるんです。

次に「セロニアス・モンクのところで修業をして、音楽的には1周りも2周りも成長したコルトレーンの、伸び伸びと飛躍したソロが聴ける」ということです。

コルトレーンにとって、個性の上でも理論の上でも他のジャズマンとは明らかに一線を画すレベルの高みにいたセロニアス・モンクとの出会い、そして共演は衝撃的なものでありました。

その充実と、コルトレーンの音楽的な成長の過程について、詳しくは以下の記事をご覧いただくとして。。。

セロニアス・モンク&ジョン・コルトレーン/Complete Live At The Five Spot1958

セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン

セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン・アット・カーネギー・ホール

この特別なアルバムに参加しているメンバーは、それぞれこの時代のジャズとしては最高の手練であり、もし、コルトレーンがこの場にいなくてもこれは50年代ハードバップを代表する名盤のひとつと数えられるであろうクオリティではあるんですが、そこにコルトレーンの「出てきた瞬間に空気を変えて、あっという間に加速するアドリブのカッコ良さ」物凄い質量で重なり、ちょっと他にない、硬質でエッジの効いた斬新な空気が加味されておるんです。







【パーソネル】
ジョン・コルトレーン(ts)
リー・モーガン(tp)
カーティス・フラー(tb)
ケニー・ドリュー(p)
ポール・チェンバース(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

【収録曲】
1.ブルー・トレイン
2.モーメンツ・ノーティス
3.ロコモーション
4.アイム・オールド・ファッションド
5.レイジー・バード
6.ブルー・トレイン(別テイク)
7.ブルー・トレイン(別テイク)
8.レイジー・バード(別テイク)


もちろんコルトレーンのアドリブが飛躍して聴こえるのも、何を吹いても特級品のモダン・ジャズになってしまうリー・モーガンのトランペットと、二人の激しく火花散るソロの応報の間に入って適度な”まろみ”をもたらしてくれるカーティス・フラー(この人がこのセッションに参加するきっかけとなった話が面白いんで、この話はまた次の機会に)のトロンボーンとの絶妙なバランス、そして、そんな溢れんばかりの個性を持つフロント3人のプレイを「こう来たらこうで、どうよ!」とばかりに余裕で支えて時に激しく煽るケニー・ドリュー、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズのリズム・セクションが繰り出す完璧な、それでいてタップリの遊び心に満ちたリズム。

く〜・・・たまんないねぇ。たまんないたまんない。

何度も何度も聴いて、そのたんびに同じように感動させてくれる、ジャズのジャズならではのハードボイルドな味わいにしっかり酔わせてくれる。

こんなアルバム、実はありそうでなかなかありません。

「コルトレーンまだ持ってないんだけどー」

という人にとっては、まず断言しますが「ジャズとして最高にかっこいいコルトレーン」を、一番理想に近い形(楽曲・編成・音質)で分かりやすく楽しめんでいただける一枚であります。

「大コルトレーン祭」本年もどうぞよろしくお願いいたします!




”ジョン・コルトレーン”関連記事


『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』


サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/

BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
posted by サウンズパル at 13:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 大コルトレーン祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いやぁ、今年も来ましたね!
例のシーズン!
久々にミントキャンディを意味あり気な表情で舐めてる青いジャケットのアルバム、聴きたくなりました!
Posted by 雲 at 2016年07月17日 21:50
はぁい、今年もコルトレーンの季節がやってきましたよー!

「ブルートレイン」は私も実は久々でしたが、改めてカッコ良さが尽きないアルバムですよね。今年もよろしくお願いします。
Posted by soundspal at 2016年07月18日 00:36
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