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2016年10月12日

ブッカ・ホワイト Fixin To Die

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Bukka White/Fixin To Die(Snapper Music)

ブッカ・ホワイトといえば、チャーリー・パットンやサン・ハウスのスタイルを受け継いで、よりワイルドに進化させた”デルタ・ブルース第二世代”の代表格で、オープン・チューニングにした金属ボディのギターをゴリゴリに叩きまくってエグいスライドをぶちかまし、ガラガラザラザラの声で、悲哀と怒りをタップリ込めた、それはもうエモーショナルという形容以外が見付からないほどの、強烈な感情表現がほどばしるブルースを全身から搾り出す、ある意味で最も理想的な形で「ブルース=濃い音楽」というイメージを体現している人だと思います。

アタシの場合は18の時、この映像見てぶっ飛んだんですよ↓



えっと、曲の途中で効果音的にじゃなくて、結構重要なバッキングで「バカスコバカスコ!」ってギター叩いてるし、ギター床に寝かせてナイフでスライドしてるしー!何じゃこりゃ何じゃこりゃ何じゃこりゃー!!

でした。

しばらく後に、そのギターのボディをバッコンバッコン叩くスタイルが、ミシシッピ・デルタ特有のものだとか、ナイフ・スライドはボトルネックが広まる前に一般的だったスライドの基本中の基本となるスタイルだとか、ブッカ・ホワイトはB.B.キングの年上のイトコで、B.B.は若い頃に目の当たりにしたブッカの”ゾクゾクするようなスライド”のニュアンスを何とか再現したかったけど、スライドがどうにも上手く弾けなくて、チョーキングビブラートでそのフィーリングを自分なりに表現してたとか、ブッカ・ホワイトにはとにかく「ほぇ〜」と思わされることだらけだったんです。



【収録曲】
1.District Attorney Blues
2.Bukka's Jitterbug Swing
3.Special Streamline
4.Shake 'Em on Down
5.Where Can I Change My Clothes
6.Promise True and Grand
7.Po' Boy
8.New Frisco Train
9.Sic 'Em Dogs On
10.High Fever Blues
11.Pinebluff, Arkansas
12.Strange Place Blues
13.Partchman Farm Blues
14.Sleepy Man Blues
15.I Am in the Heavenly Way
16.Black Train Blues
17.Aberdeen, Mississippi Blues
18.Good Gin Blues
19.Panama Limited
20.Fixin' to Die

ブッカ・ホワイトは戦後になって再発見され、多くの録音や映像を残して有名になった人ですが、持ち前の豪放磊落な荒々しいノリの中に、繊細で微妙な感情の震えまで感じられる戦前録音の素晴らしさは、やはり彼の音源の中、いや、ブルース全体の中でも特に聴くべきものでありましょう。

特に若い頃に些細な喧嘩から、相手を銃撃して傷害罪でブチ込まれた刑務所での体験がベースになっている「パーチマン・ファーム・ブルース」は、ブルースとしてもひとつの文学作品としても素晴らしく、かつてはそのタイトルでColumbia(国内盤はソニー)から出ていた「パーチマン・ファーム」というすこぶる付きの名盤がありましたが、現在は廃盤になっております(2016年現在)ので、オランダのレーベルからリリースされた、この戦前録音を集めたベストを聴きましょう。

「人力トランス」と呼んでも差し支えない強烈なデルタ・ブルース・ダンスビート(もちろん弾き語りよ)の曲も、グイグイと感情のヒダに入り込んでくるスロー・ブルースも、本当にディープの一言に尽きます。これぞブルース!

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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

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posted by サウンズパル at 20:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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