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2017年02月07日

ライオネル・ハンプトン スターダスト

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ライオネル・ハンプトン/スターダスト
(Decca/ユニバーサル)


ジャズが好きです。

何でジャズがこんなに好きになったのか、それは色々あり過ぎて一言では説明できないのですが、とにかく好きです。

まぁちょっとお聞きくださいな。

音楽っていうのは不思議なもんです。

「こういう気持ちになりたい!」

と思いながら聴く時はもちろん多いのですが、じっくり聴く音楽となると、それとはちょっと違って

「自分の中のこんな感情」

というやつを引き出してくれるものであったりします。

ちょいと大袈裟な言い方かも知れませんが、人生って感情の積み重ねなんですね。

嬉しいこと楽しいこと、辛いこと悲しいこと・・・。

そういうのが生きてると必ず付いて回るんですけど、多くは日常を生きているうちにだんだん薄まっていったり、別の感情に取って変わったりする。

特に悲しかったり、切なかったりする感情は心の引き出しが、表に出ないように、しっかりと鍵をかけて保管してくれますね。

えぇと、何の話だったか。そうジャズ。

「あぁ、ジャズって本当にいいな・・・」

と思ったことのひとつに、そういった心の引き出しにしまってた感情を、心の奥底からスーッと引っ張り出してくれるというところがあります。

切なかったり苦しかったり、自分にとってはどちらかというとネガティヴな感情のはずなのに、耳から心にジャズが入って引き出すそれは、ヒリヒリじんわりと、痛みを伴いながらも心地良いもんなんです。

ジャズが好きです。

特にオールド・ジャズ、アーリー・ジャズと呼ばれる古い時代のジャズには、その作用が高い割合で含まれているようで、その何ともまろやかな音色と、ノスタルジックな音質に心を漂白させながら、よく物思いにふける時があります。





【パーソネル】
ライオネル・ハンプトン(vib)
チャーリー・シェイヴァース(tp)
ウィリー・スミス(as)
コーキー・コーコラン(ts)
トミー・トッド(p)
バーニー・ケッセル(g)
スラム・スチュワート(b)
リー・ヤング(ds)
ジャッキー・ミルズ(ds)

【収録曲】
1.スターダスト
2.ワン・オ・クロック・ジャンプ
3.ザ・マン・アイ・ラヴ
4.オー、レディ・ビー・グッド



その代表的な1枚と言ってもいいのが、ジャズ・ヴィブラフォンの名手、ライオネル・ハンプトンの「スターダスト」


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1947年にレコーディングされたライヴ・アルバムで、あらゆる意味での「ジャズってこうなんだよ、くーっ!」というものが目一杯詰まった名盤として、多くのジャズ好きの心のふるさととして今なお聴かれ続けております。

まずは何も言わずに、タイトル曲の「スターダスト」を聴いてみてください。

出だしからまろやかでまろやかで、伸びのあるメロディアスなアルト・サックス、くすんだ音色で溜息のようなトランペット、フレーズから蒸気と共にやるせない煙草の煙が立っていそうな、ウォームなテナー・サックス。

それらがソロを取っている間、星屑のように、或いは儚いシャボンのように、キラキラと輝きながら余韻を残して消えてゆくヴィブラフォン。ハミングと共に奏でられる、切ない切ないベースソロ。それに続くピアノだってベースだって、雑味のない音色でキュンキュンくるよ〜。

で、満を持して「カツン!」と強めのアタックから入ってくるライオネル・ハンプトンのヴィブラフォンのソロがまたたまんない。徐々にテンポを上げながら「イェ〜」「アァ〜♪」と本人の声も入ってるんですが、これが最高に音楽。

そしてゆったりした時間の中で、それぞれの楽器がソロの最高の盛り上がりの時に、自然と客席から起こる歓声と拍手。

あぁ、いいなぁ、これを聴いている間は、最高の音楽と心の内から剥がれて落ちる、哀愁とか郷愁とか、そういうのでクシャクシャになった心のカケラが浄化されてゆく感覚にずっと浸っていられる・・・。


2曲目以降も極上のスウィング・ジャズで、ライオネル・ハンプトンについても、このアルバムに参加している名手中の名手といわれるメンバー達についても、もっといっぱい語りたいことはありますが、とりあえずそういうお勉強的なことは後でいいから、皆さんは「スターダスト」を聴いて、それぞれの心の内にあるヒリヒリしたものを、この最高の音楽にそっと浸してみてください。

ジャズが好きです。

うん、それ以上に音楽って特別なものなんです。すごくすごく特別で、いいものなんです。



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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