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2017年03月01日

V.A./スライドギター

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V.A./スライドギター
(ソニー・ミュージック)

皆様お久しぶりでございます。

ちょっと体調を崩しているうちに、まぁ世の中というのは凄まじいスピードで動いておりますようで、ボーっとした重たい頭を抱えつつ、ツイッターなぞ見ながら養生しておった訳ですが、その中で看過できないある情報を目撃して「うぉう!!」となりました。

えぇと、ソニーがですね「ギター・レジェンド・シリーズ」と題しまして、ロックからジャズ、ブルースの、特にギターがカッコイイ名盤を、税込みで¥1080という狂った価格で一挙に50枚リリースしますよと。

ほうほうと思ってカタログを見てたら、流石にロックやジャズでは、これはもう誰にでもオススメできるヨダレものの超名盤(サンタナとかスティーヴィー・レイ・ヴォーンとかジョニー・ウィンターとかチャーリー・クリスチャンとかフリードウッド・マックとか)から「うん分かる!」と、ツウを唸らせる渋いところまでを流石に一流レーベルらしく綺麗に網羅していて感動したんですが、問題・・・いや、これはもう事件と言っていいのが「ブルース」のとこです。

何と、タイトル全部の5分の1にあたる10タイトルが戦前ブルースの復刻。しかも!そのほとんどが90年代前半にリリースされたっきりひっそりとカタログから消えてしまっていた幻の名盤なんですよ。

ロバート・ジョンソンはもちろん、ロニー・ジョンソンの「ステッピン・オン・ザ・ブルース」とかサン・ハウスの「ファーザー・オブ・ザ・デルタ・ブルース」とかブッカ・ホワイトの「パーチマン・ファーム」とか・・・あぁ全部書くとキリがありませんが、とにかく厳選10枚のタイトルのことごとくが、当時ブルースのガイドブックにはスペースをデカデカと取って「とにかく必聴」とかそういう言葉と共に掲載されていたものばかりで、90年代戦前ブルースの泥沼に足を突っ込み始めたアタシは、そらもう片っ端から少しづつ買い集めていたアルバムばかり。

もちろんこれらのタイトルは「これからブルースを聴いてみたい」という方や「今ブルースにハマッてやべぇ」となっておられます若い音楽好きギター弾きの皆さんにも、内容&値段の素晴らしさと共に、ホントにオススメしておきたいブツですので、えぇ、アタシさっきからちっとも冷静じゃありませんが、勢いでこれから気力の続く限りこの素晴らしいシリーズから、戦前ブルースの名盤をできるだけ詳しくわかりやすく皆さんにご紹介していきたいと思います。

一発目の本日は「そんなこと言ってもじゃあ最初に何聴けばいいんだよ」と、お思いの方に、とりあえずでもいいから耳を通して欲しいオムニバスです。




(ギター・レジェンド・シリーズ)



【アーティスト/収録曲】
1.Weaver & Beasley/Bottleneck Blues (Album Version)
2.Barbecue Bob/Untitled (Album Version)
3.Blind Willie Johnson/God Don't Never Change (78rpm Version)
4.Blind Willie Johnson/Dark Was The Night, Cold Was The Ground (78rpm Version)
5.Weaver & Beasley/St. Louis Blues (Album Version)
6.Ruth Willis & Blind Willie McTell/Experience Blues (Album Version)
7.Sylvester Weaver/Guitar Rag (Album Version)
8.Tampa Red&Georgia TomYou Can't Get That Stuff No More
9.Charlie Patton/High Sheriff Blues (Album Version)
10.Blind Boy Fuller/Homesick & Lonesome Blues (Album Version)
11.Leadbelly/Packin' Trunk Blues
12.Casey Bill Weldon/I Believe I'll Make a Change
13.Buddy Woods/Don't Sell It (Don't Give It Away) (Album Version)
14.Buddy Woods/Muscat Hill Blues
15.Robert Johnson/Traveling Riverside Blues (Album Version)
16.Bukka White/Bukka's Jitterbug Swing (Album Version)
17.Bukka White/Special Stream Line (Album Version)


じゃじゃじゃん!

スライドギターですよ皆さん、ブルースと言えばのスライドギターですよ。

しかもこれ、ロバート・ジョンソン、チャーリー・パットン、ブッカ・ホワイトら、元祖ボトルネックのミシシッピ・デルタ勢からナイフ・スライドのテキサス・ブルース、ジャズとのオーバーラップ感も楽しい戦前シティ・ブルースの名手達から、アトランタの12弦使い、バーベキュー・ボブやブラインド・ウィリー・マクテル、更にはレッドベリー、盲目の説教師で戦前ゴスペル(ギター弾き語り部門)最強のスライドマスター、ブラインド・ウィリー・ジョンソンまで、本当に広く深く、戦前ブルースを地域やスタイル別に厳選して選曲/収録してあって、何度も言いますがスライドギターや、戦前ブルースの入門には最適。

名前を挙げた有名どころの演奏は、もう言うに及ばず聴きまくってください。重要なのは恐らくほとんどの人が「誰?」となるであろうシティ・ブルースのスライド名手達の隠れた名演。

冒頭の"Weaver & Beasley"は、戦前に南部と北部を結ぶ中継都市で、ブルースの都と言われたセントルイスで人気だったシルベスター・ウィーヴァーとウォルター・ビーズリーのゴキゲンなギター・デュオ。

軽快なリズムで唄うような小粋なウィーヴァーのギターに、絶妙にメロディーで絡むビーズリーによる「こんな風に弾けたらきっと楽しいだろうなぁ」と思うスライドギター×スライドギターの贅沢なインストであります。

Gのタンパ・レッドは戦前シカゴで"スライドの魔術師"と呼ばれたテクニシャン。敢えて太いビブラートを使わず、精密なフレットさばきとやや甘口の繊細な音色が実に都会的で、そのメロディアスな単弦フレーズとモダンな響きのコードを巧みに掛け合わせた技は、なるほど戦後のマディ・ウォーターズからエルモア・ジェイムスからB.B.キングにまで深い影響を与えただけのことはありますわいと納得です。

そして、スタイル云々はまず置いて素直な気持ちで聴いて頂きたいのが、スライドギターの音を世界で初めてレコードに刻んだだけでなく、弾き語り男性ブルース・シンガー&ギタリスト第一号として、後進に計り知れないデカい道を切り開いたシルヴェスター・ウィーヴァーのF。

奇をてらわない、むしろ素朴な味わいの軽妙な演奏の、噛めば噛むほど色々染みる味わいの豊かさはどうでしょう(!)

スライドギターだらけの贅沢な全17曲、コレ一枚あればあなたのブルースライフ、きっと深まりますよ♪



ブルース入門編 〜初心者のための優しいブルース講座〜



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 19:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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