2017年04月25日

バディ・ガイ アイ・ガット・ザ・ブルース

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バディ・ガイ/アイ・ガット・ザ・ブルース

さて、只今アップアップしながらですがご紹介しております”ギター・レジェンド・シリーズ”皆さんどうですかね? ブルースもロックも、このシリーズのラインナップはアタシがそれこそ10代とか20代の頃、それこそ夢中でギター弾いてて、ギターに関するものなら何でも聴きたい!と鼻息を荒くしていた頃に出会った、「こんな人もいたんだー!」「すげー、このギターどうやって弾いてんだ!」と、何度も何度も感動と衝撃で胸をブチ抜いてくれたアルバムばかりです。

特に今ギターに夢中になっている若い人なんかが聴いてくれたらいいなと思っているんですが、もちろんギターのことなんか全然知らない人が聴いても「うぉ!このギターいいね」と思えるような、音楽的に素晴らしく質の高いものばかりなんで、ちょっとでも心動いた方は、お近くのCDショップ、または本文中に貼ってあるリンクからポチッとしてくださったらと思います。

さて本日は「今を生きるギター・レジェンド」として、最も後輩からのリズペクトを集めているといえばコノ人、バディ・ガイです。

バディ・ガイは1930年代生まれのブルースマンで、戦後になってブルースをエレキ化したマディ・ウォーターズの流れを汲みつつも、B.B.キング、アルバート・キングらが世に広めた「スクィーズ(のけぞり)ギター」の奏法を独自に発展させた、モダン・ブルース第一世代の巨人といえるでしょう。

同年代としてはマジック・サム、オーティス・ラッシュらとシノギを削り、60年代以降のシカゴ・ブルースを大いに盛り上げ、彼の”下の世代”に当たるロバート・クレイやエリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジョニー・ウィンター、スティーヴィー・レイ・ヴォーンといったギタリスト達からは「良き兄貴分」として慕われ、ライヴにも呼ばれ、また、バディがアルバムを出すとなれば、この弟分達は喜んで駆けつけると言いますから、プレイのみならず人間的にも素晴らしい人なんでしょう。


第四玉手箱の備忘録「ジャージとタンクトップとストラトキャスター」
(参考動画🎵)








(ギター・レジェンド・シリーズ)

【収録曲】
1.アイ・ガット・ザ・ブルース
2.オレは何から何までツイてない
3.ファイヴ・ロング・イヤーズ
4.ムスタング・サリー
5.隠し事
6.早朝の憂鬱
7.まるで地獄
8.ブラック・ナイト
9.ラヴ・ユー・ベイビー
10.スティーヴィーへの追憶
11.ドゥーイン・ホワット・アイ・ライク・ベスト
12.トラブル・ドント・ラスト

そんな"兄貴"バディ・ガイ、60年代に気勢を上げて、70年代にはソロも、相棒のジュニア・ウェルズと組んだ"バディ・ガイ&ジュニア・ウェルズ"も絶好調で、ライヴにレコーディングにと快進撃を続けておりましたが、80年代はそれまでの勢いが嘘だったかの如く、一気に不遇の時期を迎えます。

80年代というのは、ディスコやニューウェーブなど、とにかく「派手でポップで最新機器を使った音楽」がもてはやされた時代。

ベテランのブルースマンやロック・ミュージシャン達は軒並み苦戦を強いられていたんですね。で、バディも80年代にリリースしたアルバムはたったの2枚。

ちゃんとした仕事も貰えず、悶々としていたバディでしたが、1989年ついに

「むがー!演奏する場所ないんなら自分で作ればいいんじゃー!!」

と開き直り、地元シカゴにブルースの生演奏が聴けるクラブ「バディ・ガイズ・レジェンド」を開店。

自ら経営を切り盛りしながらステージに立つばかりでなく、同じように不遇を囲ってたブルースの仲間達や若手のアーティスト達にも、人種関係なく「ブルースやるならオーケーだぜ」と声を掛け、いつの間にかその店は、ブルースの街シカゴのホットなスポットとなっておりました。

最初は

「バディ・ガイの店だって?へー、あの人まだブルースやってたんだー」

と、冷やかしで入ってくる客にも、ガッツリ手抜きナシの狂暴なブルースを聴かせ、帰る頃には

「やっべぇよ、現役どころかパワーアップしてやがった・・・」

と、圧倒的なパフォーマンスで訪れた人々のド肝を抜き、その噂は当然レコード会社にも届きます。

そして1991年、バディはシルヴァー・トーン・レーベルと契約。

以来このレーベルからバンバン作品をリリースして
、今第二の全盛期なんですが、この「アイ・ガット・ザ・ブルース」は、何と言っても復活の第一段で気合いが違います。

「お、バディ復活かぁー。どれどれ、うん!いいサウンドだ。若い時は勢いだけで突っ走ってたバディもベテランになって落ち着いて・・・

いなーい!何だこの相変わらずの金切りシャウトにバキバキのギターは、若い頃のテンションとちっとも変わんないじゃない。サイコーだなおい!!」

と、いうのが、当時リアルタイムで本作を聴いたほとんどの人の感想です。

タメの効いたねっとりしたファンク・ブルースのA、王道シカゴらしさがジワジワとクるスロー・ブルースのB、ワルツのリズムに乗ってしっかりとアクの強いギターソロでねじ伏せるE、そしてこのアルバムリリースの前に飛行機事故で亡くなった後輩のスティーヴィー・レイ・ヴォーンに捧げられた魂のスロー・ブルース・インストのIなど、楽曲はオリジナルに、彼の敬愛する先輩ブルースマン、50年代60年代のソウル/R&Bのヒット曲など、グッと幅広くなっておりますが、どの曲でもヒステリックと言えるほどの、情念の炸裂しまくったギターが暴れていて、細かい云々よりも、その暴れっぷりこそがバディだと、多分初めて聴く人にも、戦慄と共に思わせる、激しくてブ厚い説得力に溢れたアルバムです。

ゲストには、彼の華々しい復活に花を添えるべく駆けつけたエリック・クラプトン、ジェフ・ベック、マーク・ノップラーらの"ギター舎弟衆"が集まって
、やはり素晴らしいプレイでバディを引き立て、盛り上げてます。

しかし、聴けば聴くほど素晴らしいのは、終始重く粘るビートを提供しているリッチー・ヘイワード(リトル・フィート)のドラムです。

この素晴らしいドラムの支えあればこそのバディの大暴れですぞ皆さん。





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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 18:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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