2019年01月24日

The 5.6.7.8's Bomb The Twist

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The 5.6.7.8's Bomb The Twist
(Time Bomb)

さて皆さん、今日も皆さん大好きな日本のガールズ・ガレージ・バンドです。

そこで皆さん、前回ご紹介したルルーズ・マーブルは、これはもうアタシがまずもって度肝を抜かれるぐらいに衝撃を受けたバンドでありますが、今日は「ガレージ」としてもっと皆さんにとっても親しみやすいというか、安定したカッコ良さで世界的人気を誇るThe 5.6.7.8'sです。

バンド名がどう読むか分からず、アタシなんかはもう強引にずっと「ごーろくしちはちズ」ってまんまな読み方をしておりましたが(大体SMAM69も”しゃむろくじゅうきゅー”って呼んでたし、MC5も”えむしーご”って読んでた程度にはアタシは数字が苦手です)、正式な読み方は『ザ・ファイブ・シックス・セブン・エイツ』であります。

でも、日本では「ごろっぱち」と呼ばれているということを最近知ったので、アタシも簡単な方に便乗して「ごろっぱちズ」と呼ばせてもらっております。ええ。

The 5.6.7.8'sといえば、バンドブーム全盛の1986年デビューの大ベテランで、あのホワイト・ストライプスやジョン・スペンサーも熱烈なラヴ・コールを送る程の実力派。極め付けは型破りな映画監督として知られるクエンティン・タランティーノが日本に来た時入った店でかかってた彼女達の曲を聴いて「素晴らしい!オレの映画に出て欲しい!!」とすっかり興奮し、後に代表作となる『キル・ビル』に、ほとんどプロモばりの長い演奏シーンでの出演を頼み込み、実際に一番の見せ所となる大決闘シーンの導入部で、思いっきりステージで演奏してるシーンが5分ぐらいという、素晴らしい起用でありましたが、これがきっかけとなって海外で大ブレイク。今や「日本を代表するガールズバンド」としてライヴやフェスに引っ張りだこなぐらいの超人気バンドなのであります。

ガレージロックといえば、前回の記事でもご紹介したように、元々はアメリカの練習場所のない少年達が、自宅ガレージでエレキギターをただもうデカい音を轟かせていたのが始まりになっておりまして、そういう意味で粗削りなロックの代名詞となっている部分もあるんですが、The 5.6.7.8'sは演奏が非常に上手く、いかにも50年代や60年代といったヴィンテージな音作りを極め、かつ人工的な歪みに頼っておりません。

音の質感は実に気持ちの良い”テケテケ”のあの感じなんですが、演奏そのものの迫力や音そのもののバシィン!と迫る芯のある強さは大変なものです。これは機材や録音云々ではなく、長年のライヴの現場で実力として培われてきたものです。

さて、当初からその「女だてらにガレージロックをやる個性的なバンド」として知る人ぞ知る存在で、アメリカやイギリスやオーストラリアなど海外のイベントには積極的に参加して演奏していた彼女達の活動が日本でも脚光を浴びるようになったのが1990年代も半ばになって、日本でもガレージロックというものがようやくちゃんと聴かれるようになってからのことであります。

はい、実はアタシも彼女達の事を知ったのが、1996か7年頃、雑誌のレビューコーナーをチェックしてる時の事でした。


当時の流行といえばメロコアやスカコアなど、どちらかといえばカラッと能天気でメロディックな、それこそTシャツに短パンにスポーツシューズみたいなのが”パンク”として語られておりまして、その頃のアタシといえば「何だよぅ、爽やかなのなんてパンクじゃないもん」と、何故か意地になってまして、あえて、そう、あえてそういうスポーティーな感じのしないバンドの写真とかジャケットとかを見て聴きたいものをチョイスしていた時期にガレージという言葉も知ったんです。

で、The 5.6.7.8'sといえば、とにかく名前のインパクトと「女だてらにガレージか」という、一種の物珍しさから興味を持つに至ったと記憶してます。



Bomb the Twist

【収録曲】
1.Bomb the Twist
2.Jane in the Jungle
3.Three Coolchicks
4.Guitar Date
5.Woo Hoo
6.Dream Boy


その時リリースされていたのが『Bomb The Twist』。

見てくださいこのジャケット、本当にもう昭和の時代からタイムスリップしてきたようなイカした真っ赤なドレスのお姉さん達、カッコイイですよねぇ。

歌詞はほぼ英語、サウンドもギターヴォーカル、ベース、ドラムスですごくシンプルでかつ渋いトーンで実に60年代のあのアナログな感じがするんですが、音の強さや迫力という面では、その頃の似たようなヴィンテージ志向のバンドとは明らかに一線を画すリアルなものでした。

単純に「あの頃の音を再現してる」って感じじゃないんですよ、心の奥底から表現したいことをギターとベースとドラムを使って「ジャーン!」とやったことが聴く人の耳に真っ直ぐ飛んできて心を揺さぶる音。「誰々風」「何々風」とかいう言葉なんぞ、そのゴキゲンなロックンロール、彼女達のキュートで強靭なサウンドの前にはどーでもいいぐらいのカケラにまで砕けてしまう。

実際その頃はロックのギターサウンドもガンガンに進化して、単純に歪みひとつ取っても80年代とは比べ物にならないぐらいの音圧と効果が、アンプやエフェクターのツマミひとつの操作で簡単に出来た時代ですが、エフェクトをガンガンに使ったハードコアの音よりも、エフェクターとか音の厚みが出る最新の機材なんて恐らく使ってなかったであろう彼女達のサウンドの方が、真ん中に音がギュッと詰まったような迫力を感じました。

そう、すごく単純な話なんですが「いい音楽はそれこそ年代もスタイルも関係ない、演奏している人の気持ちと力量が音を鳴らす」ということです。実際このアルバムも6曲入りのミニアルバムなんですが、もう1曲目のノリノリを聴いた瞬間にそんなことどーでもよくなります。ほんと、何回繰り返し聴いたかわかりません。あんまり聴き過ぎて、人に貸したら結局返って来なくなっちゃったというオチが付きますが、まぁそれは借りた本人が「すっごい良かったよ!」と言うのを聞けたから良しとします。

ほいでもってThe 5.6.7.8.sは今も現役のバリバリであります。

去年アタシのバンド練習の時、つい最近のパンク/ガレージのイベントのDVDを観てたら、全っ然変わらないどころか何か底力がパワーアップしている感じのすげー演奏で盛り上げてました。いやほんとカッコイイ。




『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 21:48| Comment(0) | 日本のロック・ポップス・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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