2019年04月27日

ザ・ポリス アウトランドス・ダムール

DYn21eUU8AAAXmz.jpg
ザ・ポリス/アウトランドス・ダムール
(A&M/UMSジャパン)

さて、今日はポリスです。

このブログでこんな有名過ぎるぐらい有名なバンドを取り上げると、よく数日後に知り合いから「どうしたんだ!?」とツッコミが入ったりするんですが、いやいや、有名とかマイナーとかそんなのは関係ないですよ。

音楽を、特に洋楽を手探りで聴き始めた中学の頃ってのは、当然そのジャンルの成り立ちとか、バンド同士の関連とか、そういう難しい事はよく分からないので、例えば雑誌とかで「パンク」だったらパンクと一括りにされて掲載されているものを、割と片っ端から聴いてました。

とある雑誌のパンク、ニューウェーブ特集みたいなページにポリスも載ってました。

その頃(1990年前後)といえば、スティングですね。えぇ、このバンドのヴォーカルベースだった、あのスティングが、ポップスとして多くのヒットを放つスターとして、テレビとかにもちょこちょこ出てて、アタシみたいな頭の悪い中学生から見たら、何だかオシャレで大人〜な感じの歌を歌う人として「へぇ〜」という感じだったんです。

で、そのスティングがまさか”あの”ポリスのスティングだったとは、思いもよらなかった訳です。

個人的にはポリスってバンドは「警察」って名前を付けるぐらいだから、そらもうさぞかしトンガッてて、反権力で、あっぶないバンドなんだろうと。


当然聴きたくなりますよね。

勝手にピストルズとかクラッシュみたいなのを想像して「パンクバンドはファーストだ!」という、これまた勝手な基準でもって、名曲と呼ばれる『ロクサーヌ』が入ってるファーストを、ウキウキで買いました。

正直な感想としては、パンク特有のあのゴリゴリした感じも破れかぶれでヘタクソな感じもさほどなく「あれ?何か俺間違えてポリスじゃなくて違うの買っちゃった?」というものでありました。

で、がっかりしたか?と言われたら実はそんなことはなかったんです。

1曲目『Next To You』は、モトリー・クルーのような、明るく疾走感があるゴキゲンなロックンロールで、しばらくはコレがお気に入りになって

「ふんふん、ポリスはパンクじゃないけど、かっこいいロックだね〜」

と、割と軽い感じで淡く好きになりました。

ポリスというバンドは、その後のスティングのポップス・シンガーとしての大成功も含め、実にメジャーな存在であります。

大抵のロックバンドは、街の不良が不良仲間とツルんでロックバンドを結成して、アンダーグラウンドな場所からメジャーに這い上がるというイメージがありますが、ポリスの場合は学校の先生をしながらジャズバンドでベースを弾いていたスティングと、ヘンリー・パドゥーパというギタリストに、プログレッシブ・バンドのカーヴド・エアーでドラムを叩いていたスチュワート・コープランドで結成され、後にアニマルズでギターを弾いていたアンディ・サマーズが加入して、ヘンリーが脱退。

メンバーそれぞれの経歴を見ても、非常に異質です。

パンクロックというよりは、やっぱりプログレなどの大人なロックをやった方がしっくりきそうな経歴のメンバーが揃ってますが、メンバー達がそう思ったのか、それともレコード会社の意向か、ポリスは当時流行だったパンクのスタイルで売り出されることになりました。




アウトランドス・ダムール


【収録曲】
1.ネクスト・トゥ・ユー
2.ソー・ロンリー
3.ロクサーヌ
4.ホール・イン・マイ・ライフ
5.ピーナッツ
6.キャント・スタンド・ルージング・ユー
7.トゥルース・ヒッツ・エヴリバディ
8.俺達の世界
9.サリーは恋人
10.マソコ・タンガ


その頃は演奏が上手いとかそういう事は全く分からなくて、とにかく1曲目がカッコイイし、名曲と呼ばれてる『ロクサーヌ』は、張り裂けるように切ないギターのカッティングとスティングの美しいハイトーン・ヴォイスがグッサリ胸にきて、なるほどやっぱりいい曲、と素直に感動しておりましたが、アタシがポリスの本当のカッコ良さに気付くのは、やっぱり自分がギター持って楽器やるようになってからです。

ポリスの曲は、とっつき易いメロディーのポップさと、3ピースというシンプルな編成が生み出す無駄のないノリの良さにあると思うのですが、ともすればスカスカになりがちなこの3ピースという編成の中で、薄くならずにしっかりと芯のあるサウンドが気持ち良く響くのは、8ビートからレゲエまで、どんなビートも凄い小技をサラッと盛り込んでしっかりと刻むスチュワート・コープランドのドラムと、ヴォーカリスト、スティングが弾く、実はズ太く鳴ってるメロディアスなベースラインにその真髄がありました。

特にスティングのベースは「ベースといえばドドドドダダダダとルートを刻むもの」と思っていたアタシの常識を覆すほどにヴォーカルと呼応してて、時にすごくセンスのいい”時間差のオブリガード”なんかもこれまたサラッと入れて、聴けば聴くほど凄いんですよ。

で、アンディ・サマーズの「歪み」よりも「響き」を重視した、限りなくクリーンなセッティングのギターが、カッチリしたリズムの上を心地良く浮遊したり、鋭く突き抜けたりする。

「ポリスはパンクか?」という問いは、アタシの中では最初から今も頭のどこかでぐるぐるしていたりするんですが、演奏だけを素直に聴けば、ロックの”当たり前”をやってないという意味でパンクだと思います。

何よりも彼らの誠実に練り上げられたポップな曲は、曲単体としての魅力が凄いですよね。歌詞もどこか文学的な物語な質感に溢れ、これまた日を追う毎に好きになっております。











『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 22:21| Comment(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。