2019年05月01日

テッド・ニュージェント 閃光のハードロック

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テッド・ニュージェント/閃光のハードロック
(SMJ)


音楽を意識して聴くようになった最初の頃は、とにかく知識とか深い思い入れとかは当然のようになかったので、耳に入る”激しいもの”は手当たり次第何でも聴きまくっておりました。

最初にハマッのはパンクロックでしたが、パンクと他のロックの違いなど、何となくしか分かるはずもなく、髪の毛が立ってようが長かろうが、その当時アタマの悪い中学生だったアタシには大体同じです。

ただ、その頃(1980年代末から90年代頭ぐらいの時期)流行ってた邦楽のロックは何で髪の毛短かったりおっ立てたりしてんのに、洋楽は何でロン毛なんだろうという疑問がうっすらとありました。

ほんで「ロン毛のやつら」というのは、あれはハードロックとかヘヴィメタルとか言うんだという事を、雑誌とかで見て知って、何となく覚えて行く訳です。

で、こういう事で何かよくわからんくなったら、親子である以上に音楽の先輩であるウチの親父に訊くのが一番でして(何せ恐ろしく雑だけどそれ故に核心を突く答えを与えてくれるんで)、「ハードロックとヘビメタってどう違うのよ?」と、尋ねてみたら。

「それはアレよ、ハードロックっちゅうのが古くて、メタルは新しいのよ」

と、恐ろしく雑で核心を突く一言で返してくれたので

「ほうほう、じゃあハードロックにはどんなバンドがおって、メタルにはどんなバンドがおるのよ?」

と、訊くと、ハードロックにはレッド・ツェッペリンとかディープ・パープルとかモーターヘッドとかいて、ヘヴィメタルはジューダス・プリーストとかメタリカとかがカッコイイ。モトリー・クルーはどっちかわからんが良い。

という事を言っておりました。

なるほど、じゃあ俺に合うのはハードロックかなとぼんやり思って、レッド・ツェッペリンのベスト・アルバムを中学校卒業と同時に入手して、ディープ・パープルは深夜のテレビ番組から(!)カセットテープに録音して聴いてました。確か「ハイウェイ・スター」と「スモーク・オン・ザ・ウォーカー」か何かだったと思います。

正直その頃のハードロックに対する感想は

「うむ、好きな曲は好きだけど、全体的にはよくわからん」

でしたが、分からないなりにその気骨のある硬派な感じは好きでした。

で、それからしばらくして親父がサンプルのカセットを「これ良かったぞ」と持ってきてくれたんです。

「これ何?」

と訊けば

「これがハードロックよ」

と。

それはダム・ヤンキースという、全く名前を聞いた事もないバンドのアルバムでした。

凄いメンバーが集まった凄いバンドという事でありましたが、当然分かりません。

曲調はどっちかといえば明るく大人な感じのアメリカン・ロック。

ハードロックと言うには余りにもあっさりとして心地良い感じ(バラードのいい曲も結構ありましたからね)でしたが、ところどころ凄く野太くてパワフルに鳴り響くギターが、群を抜いた存在感を放っていて、その豪快なプレイには素直に惹かれました。

親父に

「このギターがカッコイイなぁ〜」

と言えば、待ってたかのように

「だろが!このギターが一番凄い訳よ。コレがテッド・ニュージェントじゃ」

と、急に興奮し出しました。




閃光のハード・ロック

【収録曲】
1.ストラングルホールド
2.炎の突撃隊
3.ヘイ・ベイビー
4.命がけのロックン・ロール
5.蛇皮服のカウボーイ
6.モーター・シティ・マッドハウス
7.狂っちまった人生
8.ユー・メイク・ミー・フィール・ライト・アット・ホーム
9.森の女王


テッド・ニュージェント、実は60年代のサイケ/ガレージバンドの時代から活躍するベテランで、70年代にはソロ・ギタリスト(たまに歌も歌う)としてデビュー。

一貫してエフェクターを使わず、セミアコとかフルアコをアンプに直でぶっこんで、弦を思いっきり掻き鳴らす、ソロは力の限り引っ張りまくるチョーキングをかます。

セミアコやフルアコというギターは、エレキギター初期の構造ですので、生音でもある程度響くように、ボディの一部が空洞になって、バイオリンみたいなFホールっていう穴がオシャレに空いてます。

見た目すごくカッコイイんですけど、歪ませたりアンプのボリュームを上げると、この空洞部分が共振し過ぎて、音は割れるし「キィィン!」というハウリング・ノイズが発生するんですね。

テッドのギターは、そんなセミアコフルアコの「ワイルドな木鳴り」と「ハウリングしてもそれを効果音として使えるタフネス」が、ぶっとい音になってガンガンのギンギンに響いております。

正直大音量での扱いは非常に難しい種類のギターを、こんな風に歪ませた音で「ズン!」と鳴らすだけでも相当なテクニックなんですが、そういう小賢しい事すら考えさせてくれないワイルド極まりないアメリカンハードロックギター、ほんとカッコイイです。

アルバムは、70年代以降のソロ名義、ほんで、実はソロとやってることそんな変わんない初期のガレージバンド『テッド・ニュージェント・アンド・ザ・アンボイ・デュークス』の3枚のアルバムもどれもオススメですが、とりあえずソロ・ファースト・アルバムの『閃光のハードロック』を。

これもうズ太いギターとタフに粘るビートを聴きながら「く〜、たまんないね!」と言うだけのアルバムです。ロックは気合い。







『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 11:16| Comment(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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