2019年05月27日

フィッシュボーン Fishbone

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フィッシュボーン/FISHBONE

(Columbia)

凄いんですよ、凄いんですよフィシュボーン!

・・・あ、すいません。興奮してつい髪の毛が逆立ってしまいましたが、フィッシュボーンです。

はい、落ち着きましょう。では続きを書きます。

アタシがCD屋稼業の修行をしていた東京で、兄貴と呼んで親しんでいた女性の同僚がおりました。

とてもサッパリした気持ちの良い人なので、島に帰ってきてからもやりとりは続き、何だかんだもう20年になります。

互いに一匹狼で、他人とベッタリしない性分なので、メールも何ヶ月かに一度「おーい、生きてるかー?」「あいよー」みたいなもんなんですが、まぁだからこその長い付き合いで、その間それぞれ音楽の稼業を離れ、今はお互い勤め人をやっております。

それが再び音楽の話題で盛り上がったのが去年の事。

あのね、フィッシュボーンなんですよ。

そう、フィッシュボーン。東京での修行時代に「フィッシュボーンいいよね〜」「いや〜あの人達は凄い」と盛り上がったバンドだったんです。

お互い音楽の出発点の所に、日本のレピッシュというバンドがいて、まぁそのレピッシュというバンドは、バンドブームでビートパンクとかヴィジュアル系とかハードロックとかが盛り上がってる中、スカやファンクとかその他もろもろの「非ロックな音楽」をはちゃめちゃに混ぜこぜにして、結果パンクよりパンクなハードなサウンドと一筋縄ではいかないディープな世界観というのを持ってるバンドで、そのレピッシュが一番影響を受けたバンドとしてフィッシュボーン聴いてヤラレたという経緯があります。

でも、この経緯持ってる人は、同年代でも実に少ない。

そもそも、フィッシュボーン自体も、まだ”ミクスチャー”なる言葉が生まれるずっと前からロックにスカやレゲエ、ファンクなどを派手にまぜこぜにした元祖ミクスチャーな音楽をやっていて、しかもそれが他のどのバンドとも似ていない、全く独自のものだったのに、長らく大ブレイクとは無縁の「知る人ぞ知るバンド」でした。

ぶっちゃけますと、アタシは「レピッシュが影響受けたバンドだから」とフィシュボーン買ったはいいけど、最初はそのスカとかファンクとかのノリがどうもよく分かりませんでした。

当時好きで聴いていた、パンクなどのドンダンドダダダンな分かりやすくスピーディーな8ビートじゃないリズムと、ディストーションで歪ませたギターが「ギュワーン!」と鳴っていないものは、先入観からどうもユルいと思ってたんですね。

ところが、しばらく置いといてある日何気に「う〜ん、もいっかい聴いてみようかな」と思って聴いたら、ジャンルがどうのとか、ビートがどうのじゃない、何か本質的にハチャメチャで、凄くパンクで暴力的なものを、いきなり感じて、で、ヤラレてしまいました。

音楽ってそういうのがあるんですよ。

だからアタシが後にジャズを聴いて「これはパンクだ!」と思えるようになったのも、ハタチ過ぎてソウルやファンクにも抵抗なくハマる事が出来たのも、実はフィッシュボーンとの、この原体験のような出会いがあったからかも知れません。

それから東京での「フィッシュボーン好き!」「マジで?アレは最高だよね!」との意気投合を経てつい去年のこと。


「兄貴!フジロックの中継でフィッシュボーンやるってよ!!」

「うぉぉマジか!」

「やべーやべー」

「やべーやべー」

という・・・。はい、落ち着きましょうね。

日本屈指の野外フェス『フジロックフェスティバル2018』に、何とフィッシュボーンが出演して、更にそれをYoutubeで中継するっていう一大事件があり(当日はボブ・ディランの出演も大きな話題となっており、とても刺激的なフジロックでした)、アタシらはもーハタチそこらの頃に戻ってキャッキャしておったんです。

その中継は、前々からの「フィッシュボーンはライヴがヤバイ」という評判を、想像を遥かに超える威力で裏付ける圧倒的なものでした。

79年に結成、83年にレコードデビューですから、メンバーは全員え?還暦過ぎてる!?

それなのに音はやたらズ太くて強靭だわ、リズムはその辺の若者バンドより元気で恐ろしい程の生命力に溢れているわ、何より50過ぎのはずのフロントマン、アンジェロ・ムーアの、飛んだり跳ねたり走ったりの全身全霊で煽るパフォーマンスの凄さには、圧倒されて顎が外れそうになりました。






FISHBONE

【収録曲】
1.Ugly
2.Another Generation
3.?(Modern Industry)
4.Party at Ground Zero
5.V.T.T.L.O.T.F.D.G.F.
6.Lyin' Ass Bitch



アタシはパンクロックが好きで、パンクロックは「パンク」っていう思想に基づいた音楽だと思っております。

じゃあパンクってどんな思想?と言われると、一言では上手く答えられません。

でも、フィッシュボーン聴くといつも「これはパンクだな・・」と思います。

何故なら彼らは黒人である自分達のアイデンティティを、スカやファンクやレゲエといったルーツ・ミュージックで表現しつつ、同時にアホみたいな激しい演奏とパフォーマンスで、自らのアイデンティティを豪快にぶっ壊しているように思える、いや、全身で感じるからです。

アタシは一体何を言ってるんでしょうねぇ。

落ち着きましょう、アルバムはもう正直どれでもいいんですが、ブログで初めて紹介するのでファーストの『フィッシュボーン』です。

1980年代は、イギリスで発生したオシャレな2TONEというスカが人気でした。

そんな時代にスカをやるバンド!・・・え?スカだよね?スカ、なんつーかスカなんだけどやたら激しくないかい?あ、いや、ファンク?という困惑も、恐らくたくさんあったと思います。

一言でいえばハチャメチャ。更に良く言えばたった6曲のミニアルバムでよくまぁこんだけ色んなジャンル詰め込んで、しかも最初から最後までうねりまくるぶっといグルーヴと激しいホーンヒットが一瞬もテンションを下げないインパクトと破壊力十分な作品に仕上げたなぁと。

で、敢えて悪く言えば、とにかく突っ走り過ぎ。たった6曲のミニアルバムで、よくもまぁこんだけ節操なく下品にジャンル詰め込んで、しかも最初から最期までやかましく、ゴリゴリに凶悪な音で聴く人を一瞬も穏やかな気持ちにさせない、悪ふざけに満ちた暴力的な作品に仕上げやがったなぁと。

・・・あれ?良く言っても悪く言っても同じような意味の言葉しか出て来ないぞ。


まぁいいか、フィッシュボーンはパンク。パンクの型にはまらないパンク!





『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 23:54| Comment(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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