2019年08月29日

オペレーション・アイヴィー

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OPERATION IVY/OPERATION IVY
(EPITAPH)

90年代、ちょっとしたパンク・リバイヴァルのようなムーヴメントが巻き起こりました。

はい、メロコアとかスカコアとか、すっげぇ流行りましたよね?アレですよ。

そのちょっと前にニルヴァーナのブレイクからグランジというノイジーなロックが流行しましたが、アレはガレージパンクっぽいのからメタルの影響が強いもの、そしてもっと内省的で実験的なものまで多様性に富んでいて、一言で定義しづらいものではありました。

とにかく90年代半ばぐらいまでのロックの、凄く混沌としていて「次どんなのが出て来るんだろう」とドキドキワクワクするような感じの中
から、いきなりポップでスコーンと明快なパンクロック・サウンドを響かせながら登場したグリーン・デイのブレイクから、メロディックなパンクロック・バンドがいつしか「メロコア」と呼ばれるようになり、日本でもハイ・スタンダードを中心に、一気にシーンが出来上がりました。

その頃ってのは、とにかくバンドやってて、インディーズ・レーベルからメロディックでキャッチーなCDを出せば売れる。みたいのがあって、そりゃもう凄い勢いで「パンク」とか「コア」っていう、アタシがアタマの悪い学生の時分には、アタシも含めほんの少数の同じようにアタマのアレな子しか使わなかった言葉があっという間に市民権を得たような感じで、嬉しいよりも大きな戸惑いを覚えたことも記憶にハッキリと残っております。

「なーんかさー、メロコアもいいんだけどさー、パンクって思想&暴力じゃん?ガツンと激しくて骨のあるヤツ聴きてーよなー」

とか、何だかわかったよーなわからんよーな事を想ってた時に出会ったのがランシドでありました。





モヒカンに革ジャンにゴリゴリな歌詞とサウンドで、そりゃもうアタシはすっかり虜になりまして、18の頃に出会ってハタチ過ぎても「ランシドいいね♪」とずっと言ってたぐらいです。

そんな時先輩が

「ランシド好きならオペレーションアイヴィー聴いてみなよ、いいぜ」

と言ってくれて

「どれっすか?」


と訊いたら

「これよ」

と、ジャケットを見せてくれました。

ふ〜む、何かアタシが思ってるパンクっぽい感じではない・・・。

と、最初敬遠してたんですが、ある日思い出して職場にあったレコードを流してみたら、コレがランシドよりも若干ポップなサウンドではあるものの、直球の硬派なパンクロックで、しかもちょいちょい挟んでくるスカのリズムの曲がまた凄くいいなという事を、先輩に素直に伝えましたら



「ふふふ・・・」


「え?何すか」

「知らなかった?」

「何がすか?」

「いや、だってあんだけランシド好きだって言うから知ってるものだとすっかり思ってたんだけど」

「????」

「このバンドさぁ、ランシドのティムとマットがランシドの前にやってたバンドなんだよ」


「・・・!!!!!」




Operation Ivy

【収録曲】
1.Knowledge (Explicit)
2.Sound System (Explicit)
3.Jaded
4.Take Warning (Explicit)
5.The Crowd
6.Bombshell
7.Unity (Explicit)
8.Vulnerability
9.Bankshot
10.One of These Days
11.Gonna Find You
12.Bad Town
13.Smiling
14.Caution
15.Freeze Up
16.Artificial Life (Explicit)
17.Room Without a Window
18.Big City (Explicit)
19.Missionary
20.Junkie's Runnin' Dry
21.Here We Go Again
22.Hoboken
23.Yellin' In My Ear (Explicit)
24.Sleep Long
25.Healthy Body
26.Officer (Explicit)
27.I Got No



そうだったんです、オペレーション・アイヴィーは、1987年に後にランシドを結成することになるティム・アームストロング(ギター)とマット・フリーマン(ベース)が中心となって、アメリカ西海岸で結成されたバンドであります。

そうそう、ティムはランシドではメイン・ヴォーカルとギターなんですが、このバンドではちょこっとコーラスしたりするものの、メインのヴォーカルはジェシー・マイケルズという人で、これがまたカッコイイ声なんですよ。

オペレーション・アイヴィーの魅力は、何と言ってもその粗削りな疾走感にあります。

ランシドってバンドはやっぱり安定感があって、そのサウンドは「粗い」ってよりズッシリと「荒い」んですよ。全てのサウンドがガッチリとひとつになって迫ってくる感じ。そこへくるとオペテーション・アイヴィーの演奏は、もちろん上手いんですけど、ザラッと突き刺すようなサウンドの粗く削れた部分、特にハイスピードでずちゃずちゃ走るスカ・ナンバーには聴く人を否応なく巻き込んでノせる独特のやぶれかぶれな勢いがあるんです。あと、アメリカ西海岸ロック特有のカラッとしたテイストもやっぱりあって「ランシドより聴きやすく、かつタフで粗削り」という、ポップさと攻撃力の両方高いサウンドがものすごーくズバズバきます。

1987年に彼らは地元のカリフォルニア州バークレーでバンドを結成。カリフォルニアには当時ギルマン・ストリートというパンクスやロック・キッズが集まる場所があり、そこで最も人気のバンドとして、シーンの中心にいたんです。

けれども活動が順調そのものだった1989年に、バンドは突如「世間の注目を集め過ぎたから」という理由で解散。

たった1枚のアルバムとシングルだけを残してメンバーはバラバラに。その後アル中となって支援施設にまで入るほどにヘロヘロになっていたティムを見かねたマットが声をかけてランシド結成となったのは有名な話。

えぇと、アルバム「オペレーション・アイヴィー」は、彼らが現役時代にルックアウトというレーベルからリリースされたアルバムに、未収録曲をプラスして、エピタフ・レコードが再発したものです。

粗くとんがったサウンドのライヴ感、これは本当に凄いです。






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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
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posted by サウンズパル at 23:57| Comment(0) | ロック/ポップス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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